デジモンアドベンチャー第1話

第1話「漂流?冒険の島!」

脚本:西園悟 演出:角銅博之 作監:八島善孝

世界中で異常気象が起きていたその夏。前説で流れる「アバン」は甘く切ないひと夏の象徴、と何かの資料で評されている。太一(藤田淑子さん。角銅さんが、姓名診断ソフトで命名したそうだが、まさに8人のリーダーである太い一本の柱。偶然でなく運命的!)が双眼鏡でなく単眼鏡なのは、シンプルで身軽な彼らしい。(小説では、ヤマト(風間勇刀さん。本作が声優デビュー作。)が丈(菊池正美さん)を呼び捨てにしたのは同級生と思ったからと書かれている。しかし、あの規模の小学校で同学年の顔を知らないなんてあるんだろうか?)7人の子供たちのサマーキャンプの御神渓谷でも、雪が、祠で休んでいた7人、雪がやむとタケル(小西寛子さん)とミミ(前田愛さん)は雪を喜ぶが、精神年齢が低いためだろう。丈はこの時からすでに大人のいるところへ、とぼやいている。光子郎(天神有海さん)は携帯とパソコンを繋ぐが、ネットにはつながらない。キャンプにまでパソコンを持ってくる、しかし専用のリュックを持っているのだからまるでインドア派のパソコンおたくではないのだろう。今度はオーロラが。そしてオーロラの一点が光り、火の玉のようなものが飛んでくる。その見慣れぬ小さな機械が子供たちの手に収まる。が、すごい水の勢いでどこかに落ちてしまう。

ちなみに御台場(お台場)小学校は港南小・中学校と改名して現存している。御神渓谷というのは検索してもデジモンの記事しかないので、フィクションと思われる。タケルが「河田小」なのは、三軒茶屋と関係なくフジテレビがお台場に移る前新宿区河田町にあったことにちなむものだろう。

目を覚ますと、不思議な生き物が子どもの名を呼び「君を待っていた」と言う。光子郎にくっついてきたモチモン(櫻井孝宏さん)は、ここは「ファイル島」だという。太一が単眼鏡で眺めると、見慣れないヤマトあるはずのない海が。すると、成熟期・クワガーモンが襲ってきてコロモン(坂本千夏さん)は戦うが傷つき、中身のデータのない木に隠れる太一たち。空とピョコモン(重松花鳥・あとりさん)登場の時流れた曲は「僕たち、デジモン!!」だ。トコモンとタケルは幼いせいかすでに意気投合。ヤマトもツノモン(山口眞弓さん)を連れて現れる。丈はプカモン(竹内順子さん)になつかれ大パニック。大騒ぎしてておもしろいv「ぼくたちデジタルモンスター」。

自己紹介していると、ミミがいないのに気付き悲鳴が聞こえる。クワガーモンに襲われる子供たちは、断崖絶壁に追い込まれる。「君を守るんだ」という幼年期のデジモンたち。子供たちは、傷ついた彼らを抱き上げる。その献身は、「私は息子をこんな風に守ってやれているのだろうか」と、育児に悩んでいた当時の私は胸を打たれた。

その時機械が発動し、天からの虹色の光でデジモンは成長期に「進化」する。そして、クワガーモンは炎とともに消えた。モンスターをねぎらう子供たち。しかし、復活したクワガーモンが現われ、子供たちは崖ごと落ちてしまう・・・それが子供たちの長くて短い夏休みの始まりだった。

第1話として、急展開で思わず新しい世界へ引き込まれてしまう回だった。

櫻井孝弘さんは、イケメン主人公ばかりやっているから、関西弁のこんな役は珍しいのではないか。ちなみに愛知県出身。他のシリーズも含め、藤田淑子さんのような大御所の起用と新人の大胆な起用でバランスを取り、アフレコ現場をまとめたのではないかと思う。また、デジモンから、たくさんの新人声優さんが巣立っていったことを、ファンとして誇りに思う。

<スタッフ>企画:藤山太一郎(フジテレビ)、川上大輔(フジテレビ)木村京太郎(読売広告社)、関弘美
原案:本郷あきよし シリーズ構成:西園悟 シリーズディレクター:角銅博之
キャラクターデザイン:中鶴勝祥 総作画監督:宮原直樹 音楽:有澤孝紀

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