第2話「ウォー・ゲーム」
脚本:冨岡淳宏 演出:宍戸望 作画監督:館直樹、大西陽一 総作画監督:浅沼昭弘
●全体を見て
超の付く名作「ぼくらのウォー・ゲーム」へのオマージュをここまで大胆に取り入れてびっくり。さすがに1話分では消化できず第3話にもつれ込む。が、第2話にしてオメガモン登場とはちと安売りな感が。最後の切り札として出てほしいのにもうご登場?
無印では後になるにつれこの作品が選ばれた子どもによる世界人類救済譚だとわかるが、今作ではもう第2話でそれが明らかに?!東京を壊滅させてたまるかと、最後まであきらめない少年2人の熱い意気込みが、オメガモンを登場させた。展開にやはりスピード感があるものの少し早すぎる気がする。
「ぼくらの」では時計が実測通りだったが、今作ではその演出は無し。
原子力潜水艦の艦長をボルケーノ太田さんが演じているのはまたもご愛敬。
EDが第1話と同じでほっとした。あの密度で毎回更新では気持ちが付いていかない。藤川さん、あの髪の色と爪の色、ちょっとはすっぱな感じがしてしまう、ゴメンナサイ;オバサンの感覚なので気にしないで下さい;
●太一
つれないヤマトに反発もせず寛容で、光子郎の情報をもとに責任もって戦略を指示するところからもリーダーの風格が出ている。「俺、グレイモンを信じる。お前もそうだろ!」突き合せる2人の拳とデジヴァイス、名シーン。そうこなくっちゃ、太一もヤマトもカッコイイv
●グレイモン
足はガルルモンより遅いが、アルゴモンの蔓をかわすなど身軽さも見せる。何より、あれだけ戦っても成熟期のまま退化しない、それだけ強いということか。
ガルルモンに「無事だったんだな」て、これ以前にも一緒に戦って危険な目に逢ってきたかのような言い回し。貸しだ借りだとずいぶん親しげ。旧知の仲らしい。ということは、キャラ紹介の含んだ言い方の通りやはり以前に大きな戦いをくぐってきた個体なのか。
●ヤマト
風間勇刀さんから浪川大輔さんへのバトンタッチ。て、ひどい死に方をした西島先生が新キャストかよと、別に浪川さんの演技力や声質がどうというつもりはないが、tri.も見たファンとしては何つ~か道義的に非常に引っかかる。
どこからデジタルワールドへ来たのか、なぜ来たのか、太一より先に来ていてデジモンのことをよく知っており、謎がまだ多い。クールさの下に熱さを秘めている様子は無印ファンの知るところ。太一と共闘する気があるのかないのか、1人で突っ走りがち。でも、不愛想だが太一の説得を聞いたり、光子郎のサポートは難なく素直に受け入れるところがややオトナ。作戦がパートナーデジモンに負担をかけることへの気遣いが実はあって、ヤマトらしい。
●ガルルモン
乗っているヤマトが小さく見える、頼もしい大きさと、素早さ。クールなヤマトの指示に従順な感じがああガブモンだなと。
●光子郎
太一が光子郎の居場所を「‘むさこ’の駅前」と言ってるということは、やはり武蔵小杉のマンションという設定に間違いない。武蔵小杉駅は川崎市に位置し、JR南武線・横須賀線、東急東横線・目黒線が通り、渋谷へ直通で行ける。
「光子郎でいいんだけどな」が、潘さんがツイートしているようにかわいくていいセリフ。
米軍やとても偉い人との情報網や「探せるかもしれません、いえ探してみせます少し時間をください!」はまさに光子郎。セキュリティをかいくぐり潜水艦から原子爆弾が発射されたことや標的が東京であることをつきとめる。今作でも参謀役として大活躍。ストーリーをぐいぐい引っ張ってくれる。
●アルゴモン
不気味で禍々しい完全体をようやく倒したかと思ったら、目があり知性を感じる究極体へとさらに進化。その巨大さと禍々しさには言葉を失う。展開が速すぎるというか第2話でこんなの出しちゃっていいのかな。今後出てくる他の敵も、いきなりこんな強いのかな。ディアボロモンに似ているのもオマージュの一つか。
●オメガモン
まぶしい光、空に浮くデジタマ、白いマントの中に現れた聖なる騎士、少年たちのあきらめない心に応えた最後の希望。やはり何といってもかっこいいデジモン。出し惜しみしてほしい;
●ヒカリ
停車した電車から降りるとき、まぶし気にけげんな表情をする。ことが終わっていないことを感じているかのよう。
●タケル
OPに出た白い羽根を拾うことや、OPで他のデジモンが進化しているのにヒカリとタケルのデジモンは進化した姿ではないことから、天使型デジモンが何か大きな役割で出るのではないかと。オメガモンの出現にも関係している様子が気になる。これは無印第38話でヒカリとタケルの最も愛する人・太一とヤマトが天使の矢を受けアグモンとガブモンが究極体になるエピソードが思い起こされる。