第３０話「暗黒究極体ブラックウォーグレイモン」
脚本；浦沢義雄 演出：今村隆寛 作監：直井正博
謎の女の正体は、凶悪なアルケニモンというデジモンだった。さらにマミーモンまで現われる。この急展開、彼らとどう戦ったらいいのか。
タイトルコールはブラックウォーグレイモン。声がこわくて渋すぎるっ！
崖の端で服を着たまま風呂に入るアルケニモン。ギガハウスでの選ばれし子供たちによる屈辱的な敗北で頭が一杯だ。
子供たちはダークタワーを次々壊し、いったん休憩する。タケルとヒカリはジュースを買いに行き、２人の仲の良さに大輔は、いじけてしまう。久々のヒカリちゃんラブ＆へこみ（笑）。ブイモン「悩みがあるなら相談に乗るぜ」ってあーた、ウルトラエンジェモンの一件を忘れてんのか…
京が、大輔に相談があるという。一緒に行動し始めたものの、賢と伊織のぎこちない関係を何とかしたい。そこで２人に「倒れなかった」ダークタワーを倒してと頼む。倒してワームモンとアルマジモンは和気あいあい。なのに賢と伊織はそうはいかず、嘘もばれ、君たちのチームワークを乱すからと賢は再び別行動へ。賢とワームモンの後姿に、伊織を見ては戸惑うアルマジモン。頭がいい二人だけに、ムードに流されるのは無理なようだ。
マミーモンにマッサージさせながらアルケニモンは、選ばれし子供たちを倒すには、強力なデジモンを送らなければ・・と復讐に燃える。１０本で負けた、ダークタワーが１００本くらい必要かも。アルケニモンの髪を１００本抜いたらとマミーモンは妄想し、アルケニモンに突き落とされるが、「アルケニモンに投げられるたびに、痛みよりもヨロコビを感じてしまう俺って・・・もしかして、アルケニモンに、恋してるのかもしれない」何を今さら、自覚はなかったんですかい；ここまでドMで変態だと、何やら応援したくなってしまう。
アルケニモンとマミーモンは、強いデジモンを作るのにある岩山を選ぶ。「選ばれし子供たちを倒し、このデジタルワールドを滅亡させるべき驚異のデジタルモンスター・・・」復讐のみならぬ目的。よく聞き取れないが技の名を叫んでいるのだろうか、「ハンジャーペア―」と。
「まったりお茶」（似合ってる）を飲みながら、ぽつりとする伊織。小さくてかわいいし、アルマジモンが呑気な感じなのもいい。賢の事は認めているが過去の罪へのこだわりを消化できず、素直になり切れないのだろうか。でも、そのこだわりが、将来の「悪に手を染めてしまった人の立場に立った弁護」へと繋がっていくのだろう。ヒカリは「伊織君の気持ちもわからなくはないけど」と理解を示す。一番ガキっぽい大輔が「伊織も一乗寺も、もう少し大人になってもらわねえとな」と言うので、みんな思わず飲み物を吹きそうになる。いや、大輔、気にすんな君が正論だ。
そこに車の音。アルケニモンが、あたしの作ったデジモンで遊んでやる、とふっかけてきて、子供たちを岩山へ連れ出す。髪の毛が入り、次々と動き出すダークタワー。
ぺガスモンとネフェルティモンが先行し、岩山の上のデジモンに向かうが攻撃もできずあっという間に吹き飛ばされてしまう。それは、究極体・漆黒の竜戦士「ブラックウォーグレイモン」（檜山修之さん）だった。
エクスブイモン、アンキロモン、アクィラモン３体でかかっても歯が立たないので、京が別の場所にいる賢にメールする
賢くん、すぐにきて！
しかし、
君たちのチームワークをみだしたくない
という返事が来る。伊織は、僕たちだけでと言うが、そこで京は賢を直接迎えに行く、さすが純真の紋章、心の赴くままに。スティングモンも「賢！」と呼び捨てにしてまで同行を促すが、断られて京は賢をひっぱたいてしまう。
アンキロモン「がんばりゃーせ、スティングモンは必ず来るがや」。伊織にあれこれ言いはしないけど、アンキロモンの気持ちは定まっているんだね。重量級型で、黒ウォ相手に健闘している（ラヴ～）。引っぱたかれた賢、自分が必要とされているのを実感してか、到着して大輔に笑顔を見せる。さあ、パイルドラモンに進化だ。しかし、必殺技のデスペラードブラスターが全く効かない！ヒカリの「みんな逃げて―！！」の絶叫（萌）もむなしくブラックウォーグレイモンは雄叫びとともに大爆発を起こす。傷つき倒れる子供たち、退化するチコモンとリーフモン。この作画、ボロボロな姿にえらく萌えるんですけど、私も変態か;
ブラックウォーグレイモンは、デジタルワールドを壊しまくれというアルケニモンの指示を聞かず、悔しがるアルケニモンを尻目に誰の命令も聞かないといい、もっと強い相手を探し旅立ってしまう。
浦沢脚本では珍しくシリアス路線ですが、よくまとまっており、作画も好みです。
もし前回、アルケニモンを倒していれば、ブラックウォーグレイモンとの長い確執はそもそも生まれなかっただろう。反面、ブラックウォーグレイモンという相手がいたから、賢と５人の和合が進んだかもしれない。
