デジモンアドベンチャー第11話感想

デジモンアドベンチャー第11話「踊る亡霊!バケモン」感想

脚本:浦沢義雄 演出:芝田浩樹 作画監督:八島善孝 美術:松本健治

丈、キャラデおかしい!両手首に黄色のリストバンドと、左手首に緑色の腕時計なのに(ちなみにコスプレのため両方持ってます私)、最初から最後まで左手首が緑色だけだ。原画も八島さん一人なので、その際の誤解のせいか。また他にも、作品によっては同様の設定違いが見受けられるのが個人的にすごく気になる。そうなると、丈先輩自身が左手首のリストバンドをはずす時があるということになる。どうでもいいことでスミマセン;
浦沢脚本に丈先輩とくればドタバタで笑うこと間違いなし、ゴマ丈ファンにはおいしい回。タイトルコールは丈。

●デビモン:ムゲンマウンテンの頂上にて。あれ、宮殿はないけれどどうした?太一とヤマト、光子郎とミミはすでに合流したが、冒頭にて焦りどころか余裕の笑みで子どもたちを呪う恐ろしい奴。

●丈:医者の家系なのに血が苦手だけでない模様。船酔いの体質でカナヅチでもあり、何とも頼りない。流れている曲は、丈のテーマ「Blue Faith(青い誠実)」、のんびりしてコミカルな曲だ。ちなみにfaithの和訳は「信頼・信仰」、faithful形容詞になると「信頼できる、誠実な」という意味になってくる。なので、どうしてこういうタイトルを付けたのかはわからん。実を言うと、カッコイイ曲であってほしかったというのが丈ファンとして正直なところ。こういう曲もないと物語上困るのはわかるのだが。放り出されてキャンプ云々偏差値云々と現実逃避でテンパっている丈と、呑気なゴマモンとのベッド上でのやりとりはデコボココンビで実に可笑しい。菊池さんと竹内さんの演技も素晴らしい。このお二人あってこそのゴマ丈v
溺れる声や濡れた髪とメガネなしの寝顔が丈先輩ファンにはサービスショット、やばいわ~垂涎(←変態)。
第7話では呼び捨てだったが空を君付けで呼んだ。この方が丈らしく私はしっくりくる。
リーダーに指名され初めは当惑していたが決意した途端、鐘が鳴るのが面白い演出。頼りなくも必死なリーダーの誕生。ローアングルがカッコイイ。最初は、教会に人間がいると今もって主張するように現実否認し暴走。リーダーと連呼され、自覚も生まれ何とか使命を果たそうと必死なのを私は応援したくなる。

生贄にされて、目玉焼きには塩コショウ派の丈が塩コショウを振られるのはいかにも皮肉で笑える。リーダー役をかなぐり捨てて「僕の魂は不味い」と自己保身発言もありリーダーどころか人としてあんまり。しかし「幽霊にはありがたいお経のご利益しかない」と開き直ったか自信のなさから一転、田舎(名門城戸家、どこだろう)のおばあちゃんに教わったテストに効くお経を唱え始める。真面目な責任感とは程遠いこの一種開き直りが丈の思わぬ強いところ!!自覚は無いようだが。お経の文句は以下を逆読みしたもの「♪テストができるよくできる。あら不思議よくできる。100点満点大喜び」。この奇策が大当たり、大逆転劇、「今だ!」とイッカクモンとバードラモンに指示を出す丈の姿の立派なこと!ムゲンマウンテンに行く決意の表情はとても勇ましくしっかりしており、成長が見て取れてカッコイイ。そうこなくっちゃ先輩!

●ゴマモン:水系なのにパートナーがカナヅチはお約束、島でなく海に放り出されたのもお約束。お気楽にも頼みの綱の非常食を一人で平らげてしまう。丈を盛り上げようと珍妙だが真剣な丈リーダー作戦を提案するのは、呑気ながらさすがパートナーなりに誰よりも丈を考えてのこと。牢屋に捕らえられ、「鼻水で鼻ちょうちん作って眠るデジモンくらい騙されやすいデジモンはいない」って迷言、浦沢さんならではか、いかにも漫画チック。ここでもゴマモンの奇策で、精を付け牢屋を脱出、進化。

●空:たどり着いた霧の島で手堅く釣りで食料確保しようとしてゴマ丈を釣り上げた、助かってラッキー。釣りの鍵針はどうやって入手?丈の立場を擁護するかのような「先輩」付けで呼ぶ空らしく、丈リーダー作戦に積極的に協力。「前から気の強い方じゃないから」と、キャンプ前から丈とは親密だったことが伺われる。「リーダーは丈よ」と珍しくここだけ呼び捨てにしている。空の帽子って、布かフェルトか編み物だと思ってたけど、木魚になるほど硬いんだ;と思ったら、角銅氏による注釈「本当は柔らかいけど丈が思い込んだからで、お経がバケモンに効く、というのも含めてデジタルワールドでは意志が具現化するという伏線」だそうだ。ちなみに空はドラマCD①で帽子を買った店はどこかわからないと答えている。お台場じゃあないのかな。

●バケモン牧師:ずいぶんと贅沢なキャスティング。正体はバケモン。ファイル島のアグモンたちは人間という存在を知らなかったので、オーバーデル(オバケが出る、笑)墓地の牧師や信者が人間の姿を借りていたのは、当初から歯車のせいで選ばれし子どもたちを騙す気だったということか。「バケモン様」を祀る教会に丈たちを招き入れ、空腹でゴマモンとピヨモンが進化できないのをいいことに、丈と空をお供え物にしてしまう。

●バケモンA、B、C:単体ではおバカで弱っちい。たくさんのバケモンが合体した成熟期のバケモン様は「様」というだけあって大型化したせいか意外と強く、同じく成熟期のイッカクモン・バードラモン二体が苦戦。しかし丈の気合いの詰まったお経が効いて弱ってしまう。黒い歯車は、体内にでなく島の地下を埋め尽くしていた。

●オーガモン:山育ちということでマーチングフィッシーズの小魚(ゴマモンによると生臭さが苦手のはずと)にはじめは苦戦していたが、すぐに応戦してしまう。カナヅチなのに海に刺客として送り込まれたのは全くもって失策だが、結果的に丈とイッカクモンは力尽きてしまい一応目的は果たした。泳げないのにどうやってムゲンマウンテンに帰ったのかな。箱に乗ったまま手でこいだ?

<バケモン牧師:キートン山田さん>声優、俳優、ナレーターで、リマックス所属だった。特に有名なのはちびまる子ちゃんのナレーション等で、本人のご希望で75歳(2021年3月末日)で引退。芸名の由来は二つあり。一つは喜劇役者バスター・キートンにあやかった事、二つ目は学生の頃先生に「聞いとんのか山田」と注意されることからそれを縮めた、二枚目の演技を想像させない狙いがあったとも。

<バケモンA:宮田始典(はるのり、現 幸季こうき)さん>(ピコデビモンで再演)81プロデュース所属。サブキャラクター賞の受賞経験もある名バイプレーヤー。

<バケモンB:石塚堅(かたし)さん>現在はフリー。青年らしい情熱のある役が多い。02ではゴキモンを演じた。

<バケモンC:園部啓一さん>(コカトリモンで再演)81プロデュース所属。東映アニメ作品を中心に善人・悪役問わず多様な役を演じるバイプレーヤー。

次回予告:タケルとパタモンがたどり着いたのは、デジモンの赤ちゃんしかいない特殊な場所であるのはどこか象徴的。明るく柔らかくて楽しそうな、ここは。そこでは保護者たるエレキモンとのひと悶着が。

(2024/2/11  記)

          戻る