デジモンアドベンチャー02第34話

第34話「ホーリーポイントを守れ」

脚本:吉田玲子 演出:吉沢孝男 作監:清山滋崇

ブラックウォーグレイモンが第2のホーリーストーンを破壊したあと、位相のずれが増大し、修学旅行で京都へ来ていた京の前に現れる。大事には至らなかったものの、子供たちは危機感を募らせる。

タイトルコールのシルエットは、タケル・伊織・ブラックウォーグレイモンだが、読み上げの声は大輔。

石を破壊する理由は「あの石が俺を呼ぶのだ」と、ブラックウォーグレイモン。何がしかの力に引き寄せられるのか。命令をしなくてことが済んでいるアルケニモンたちは、石の破壊を確認しについていくだけだ。

パソコン教室で京都の土産の生八つ橋を食べるチビモンたち(私も、生のが柔らかくて好きv)。伊織がなぜBWGが京都に出たか尋ねると、京は、京都で聞かされた竹之内教授の話をとうとうとする(四聖獣に守られてるとか、異界に近く魔物が出やすいとか)。現実世界にデジモンが現われたということは、位相のずれがひどくなっていると思われる。現実世界・デジタルワールド・あの暗い海・さらに別の世界たちが併存しており、バランスが崩れると混じり合いついには全て闇の世界になってしまう。(そうそう、水彩絵の具でいろいろ混ぜると最後には真っ黒になっちゃうんだ。)ヒカリ「テイルモンが教えてくれたの」テイルモン「うふ」←この返事が妙に色っぽい;それを防ぐために、ホーリーポイントを守らねば。

光子郎が訪ねて来て、D-ターミナルに直接位相のずれを表示するプログラムを組んでくれた(いったいどういうテクなんだろう、さすがです)。後輩たちにはところどころ敬語じゃなくなるのが萌vちょいちょい出て下さい(希望)

ヒカリが賢にメールすると(第31話以来、だいぶ打ち解けたようだ)、大輔がなぜか突っかかるが、賢に連絡するのは自分の役目なのにと思ったのだろうか?子供たちはデジタルワールドへ。砂漠の中の遺跡に、第3のホーリーストーンはあった。「本宮」「一乗寺」もう呼び捨てが当然に、よしよし。しかし、アルケニモンたちが見守る前で3つ目は粉々になった。

そこに、拘束された謎の巨大な竜の映像が浮かんで、消えた。ホーリーストーンが壊れた時の位相のずれのせいで見えるようになるのだろうか?それにとてつもない力を感じたブラックウォーグレイモンは、真の相手はそれと感じ雄叫びをあげる。「なあ・・あの石を壊すと、俺たちが思ってるよりとんでもないことが起きるんじゃないのか?」ってマミーモン、あんたが噂をネタにやり始めたじゃんよ;;でもアルケニモンは無視、考えるのをやめてる人だから。

第3のホーリーストンも粉々になった。このままでは残りも壊されてしまう。タケルは、ブラックウォーグレイモンに怒りをあらわにする「ダークタワーから生まれたデジモンが、その闇の力でデジタルワールドそのものを歪めてしまう、そんなこと絶対にさせちゃいけないんだ」。そのような姿、伊織は見覚えがある(第19話)《いつもの穏やかなタケルさん、激しいタケルさん、どっちが本当のタケルさんなんだろう》。理知的とはいえ、最年少の伊織がタケルのような複雑な精神構造を持ったん年長の少年を、理解するのは難しいのだろう。

帰り道。京はヒカリに声をかけ、仲の進展をうかがわせる。京、タケルと同じマンションの伊織は、稽古だと嘘をついて別方向へ行く。おそらくタケルとジョグレスすることになるだろうに、タケルのことがよくわからず、伊織は戸惑う。伊織を励ますアルマジモン。「残りもんには福があるだぎゃー」「大丈夫だぎゃー、剣道の時みたいに精神統一すれば大丈夫だぎゃ―。伊織、俺にも剣道教えてちょー。俺も集中力高めるだぎゃー。めーん、どーう、で集中力だぎゃ」励まし方がほんわかして名古屋弁も含めてとってもかわいい。ウパモンラヴ~vvvそこが、思いつめるお堅い伊織と楽天的で呑気なアルマジモンの結びつきのいいところ。

その夜、タケルはエンジェモンを失った時の夢にうなされる。闇に最も敏感なのかもしれない。でも今は隣にパタモンがいる、指で触れたのはそのぬくもりを、生命を確かめるため。

子供たちは、BWGに先手を打つためデジモンたちにホーリーポイントの場所を調べてもらった。吊り橋を渡り終え(よろけたヒカリは大輔でなく京が助けました^^;)三手にわかれる。タケルと伊織に、テントモン(相変わらず働き者です)の指令を受けてガブモンがホーリーポイントの場所を教えに来てくれる。山の向こうの谷底だと。ガブモンは、アグモンが言うにはブラックウォーグレイモンは心があるらしい。命のない物体である自分になぜ心があるのかと悩んでいる。ではどうしてホーリーポイントを破壊するのか、心があるなら倒す事なんかできないと伊織は言うが、タケルは倒すと断言する「いや、ブラックウォーグレイモンは倒さなくてはいけない。それが闇の力を必要以上に増大させて、生まれた以上・・!」。心があっても、それを殺す事で自分の手を汚しても、みなの平和のために殺さなければならない存在だという確信が、タケルにはある。どうする?伊織・・

飛べるデジモンは先行し、伊織とアルマジモン(重すぎて誰も乗せてくれなかったの?)に合わせて徒歩で向かうタケルとパタモン。山道で伊織の足を気遣うタケルと、ブラックウォーグレイモンを倒すと言いきったタケル、2人のタケルがいるのかと伊織は戸惑う。先に着いた大輔たちは、ブラックウォーグレイモンが近づくのを検知し、パイルドラモンとシルフィ―モンになって迎え撃つ。アルケニモンとマミーモンが今回は加勢し(アルケニモンの体にマミーモンが乗ってご登場・・なれ合いと言うか結局仲は良いのよね)、その隙にブラックウォーグレイモンはホーリーポイントを目前にする。

そこにタケルと伊織が着き、エンジェモン(あらら)・アンキロモンに進化する。ブラックウォーグレイモンはエンジェモンを滅多打ちにし、伊織はその粗暴さに「こいつに心が?」といぶかる。アンキロモンも一撃でやられてしまう。タケルはデビモンやキメラモンとの戦いを思い心震わす、「許さない・・・許せない!恐怖や憎悪・・・戦慄や暗黒・・・そんな力で世界を変えようなんて・・!世界を・・手に入れようなんて、許せない!!」その言葉に、伊織と賢はハッとする。エンジェモン「私も感じる、こいつはどんなことをしても倒さねばならない奴だと」。

個人的に言うと、タケルの持論はもっともなんだろうけど、ブラックウォーグレイモンに「心がある」とか「悩んでる」とか「小さな花を守った」とか人間臭い所を見せられてしまうと、ほんとにタケルの言うとおり悪役として潰してしまっていいのかなと迷ってしまう感じがある。彼自身は、望んで(自ら選択して)ダークタワーから生まれたわけではないし、望んで心を持ったわけでもないのだから、行為が迷走するのも当然だし行為以前に存在自体を否定するのは倫理にかなうのか。死刑論とかにつながるややこしい話になるかも;

エンジェモンがブラックウォーグレイモンに投げ飛ばされホーリーストーンに当たると、そこは輝いて、エンジェモンはジョグレス、いやタケルの決断は違った、超進化し、ホーリーエンジェモン(久々だけど、やっぱ超カッコイイ!)に。ホーリーストーンには進化を促す機能があるということか。アルケニモンとマミーモンは攻撃され逃げていく。

ホーリーエンジェモン「闇の意識を感じる。お前はこのデジタルワールドにあってはならない」。ブラックウォーグレイモン「何だと、存在をお前に否定される覚えはない」。「お前が闇の力を利用されてできている以上、私はお前を倒す」とホーリーエンジェモンは宣告する。「闇は闇へ帰れ」しかしヘブンズゲートに激しく抵抗しブラックウォーグレイモンは、ガイアフォースでホーリーストーンを壊しヘブンズゲートは閉じてしまう。暗黒系に、ホーリー系は効くはずなんだが。ピエモン様の時は、ウォーグレイモンとメタルガルルモンの援護があったけど、今回はそういうのないし進化もホーリーストーンの力を借りた新化だったから、力のあるブラックウォーグレイモンを異界へ葬るのは難しかったということか。

その時、再びあの巨大な竜が映り、消える。ブラックウォーグレイモンは「もうすぐ奴は現われる」と雄叫びを上げ、去っていく。帰り、伊織はまっすぐに聞く「タケルさんはどうしてそんなに闇の力を憎むんですか」と。「闇の力そのものが憎いんじゃない」としかタケルは答えなかった。伊織の胸は揺れる。うわ、難しいこと、言わないで~;闇は、確かに光と表裏一体だから、存在そのものは動かせないし絶対悪ではない。その力に手を伸ばし自己中心的に調和を乱すことがいけないんだろうか。

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