第46話「ブラックウォーグレイモンVSウォーグレイモン」
脚本:まさきひろ 演出:吉沢孝男 作監:直井正博
タイトルコールは「ブラックウォーグレイモン対」が檜山修之さん、「ウォーグレイモン」坂本千夏さん。デーモンは暗い海へ封じられたが、賢にはまだ暗黒の種がある。そして、誘拐されていたあの子供たちに暗黒の種を移植した及川の目的とは・・・
12月27日・東京 田町、賢の父(係長)は会社(田町駅のすぐそばの港区芝5-29-11にNECの本社があるので、そこではないかとネネットの噂に。どのみちゲノム解析など扱う一流企業なのは間違いないだろう。)で、引出しから「1999 10月」と書いてある雑誌を見つける。その雑誌に及川の写真が載っているが、彼は昨日今日と無断欠勤をしていると父は賢たちに知らせる。今や父は良き理解者で協力者だ、よかった。賢は雑誌を借りる。「どう見てもただの人間」(ええっそうか??;陰気臭くて薄気味悪く見えるが)で、アルケニモンたちを操るようには見えない、今どこにいるのか?
及川たちは、富士山の近くの森の中の別荘に入り込んでいる。テレビでは怪獣事件を集団催眠とか何とか、特番で流している。新聞も同じだ(別荘は空きだから、配達ではなく最寄りのコンビニで複数入手したのだろう。)アルケニモンが「そのうち集団無意識とか言い出しそう」と言ってるけど、ほほう、ユング心理学かじった才女なのか。及川は、暗黒の種が芽生えるのが楽しみだ。どうでもいいことだが、照明を使っているから電力は供給されているわけで、なぜ2階の寝室を使わず3人暖炉を囲んで毛布で寝ていたのか疑問だ。雪で寒いから?
東京・世田谷区、吉沢たかし(徳光由香さん)は冬休みの宿題を早々に終え、親に褒められ、親は「天才少年の親だぞ」と喜ぶ。実際に我が子が天才になってしまうと、愛情が単純に打算的に変わってしまうのかな~私だったらどうだろう。東京・お台場、奈津子はあの男の写真をタケルに見せられ、メモを渡しルポの仕事へ出ていく。彼女も子どもたちの力強い味方だ。そのメモには
吉沢たかし 世田谷区
川田のり子 文京区本郷
芝田ひろし 足立区
佐々木幸男 練馬区
角銅博子
と書いてあるのが見える、誘拐された子供たちの名簿だ。賢「絶対に彼らを救わなくちゃ。僕が味わった苦しみを彼らに与えちゃいけない」。そうだよ、賢ちゃんは今確かにみんなと同じ選ばれし子だもん、がんばれ。彼らを守るため頑張ろうと一同決意する。まずは子供たちに会ってみよう。
タケルと伊織は、文京区本郷で、下校するのり子(浦和めぐみさん)を見つけるが、のり子は足元にすり寄る猫を蹴り飛ばす(暗黒の種は足癖が悪くなるようだ;)。もう暗黒の種が芽生えており、伊織はデジモンと戦うのさえイヤなのにあの子たちと戦う事になるのかと気が重い。タケルはあきらめずにのり子に話しかけるが。
足立区・綾瀬(我が家から電車で数駅、結構近いです)、大輔、賢、ヒカリは子供に会いに行くが、親を怒らせてしまう。帰っていく大輔たちを見て、ひろし(松本美和さん)は「虫けらが」とつぶやく。この、不慣れなつぶやき加減がまたいい。
雪の夜、マミーモンは別荘で料理(深鍋に赤ワインは、ビーフシチューかビーフカレーか何かだろうか、調理は予想どうり様になっている)、アルケニモンは女ながらに命令され、ぼやきながらも断りもせずタイヤにチェーンを巻いていると(断ってもかなわないと直感してのことか)、赤い玉が空を飛んでいくのを見る(移動手段何でもありだな;)。富士山のふもとに落ちたそれは、ブラックウォーグレイモンだった。
12月28日、京の部屋に皆集まっている。京は、「暗黒の種を取り除けるのは及川、彼は動くはず、子供たちを見張ろう」と提案し、太一たちの応援も頼むことにする。京さん結構仕切ってます。京「ごめんね、他に方法が思いつかなくて」賢「僕のことなら、心配しないで下さい」お~この辺賢京ですな。するとちょうどヒカリに太一からメールが入る。
別荘に招かれざる客・ブラックウォーグレイモンが現われ、暴れる。なぜここに?
子供たちは、手分けし手暗黒の種を植え付けられた子供たちを見張る(個人的にはヤマ丈がツボですvv寒い中どんな熱いトークを展開するかと、妄想中))。太一とヒカリは、アグモンたちに呼び出される、ブラックウォーグレイモンが帰ってきたというのだ。アグモンによると、チンロンモンのデジコアは本来デジタルワールドの安定に使われるものだったので、バランスが崩れてしまったのだ。ブラックウォーグレイモンが開けた穴には現実世界の富士山が見えている。それでアグモンはまたチンロンモンに力を授かり、ブラックウォーグレイモンと対決するつもりで太一を呼んだのだ。ヒカリまで呼ばれたのは、ゲートを開くため?「説得してダメだったら」アグモンは再びブラックウォーグレイモンと戦う決意で、富士山へ向かう。
ブラックウォーグレイモンはアルケニモンたちと向き合い、及川も現れる、及川の専門はヒトゲノム解析で、アルケニモンたちに自分の染色体やDNAをデータ化し作ったのだった。ブラックウォーグレイモン「俺の存在を価値あるものと認める世界はないかと」「アルケニモンもマミーモンも、現実世界のあんたから作られたものだからだ、本来デジタルワールドに存在してはならない存在」(どうやってそれを知ったのだろう?)。「お前も異物だ、現実世界に存在してはならない異物!」、及川を消去してやるという。ブラックウォーグレイモンがたどり着いたのは、自分の出自をふまえた絶望的な深い自己否定。こんな存在を生んだ(そして今後も生み出し得る)及川ごと無くすことが彼の意志。
そこへアグモンたちが到着するが、ブラックウォーグレイモンは話し合いを拒否する。アグモンはウォーグレイモンにワープ進化し、ブラックウォーグレイモンと対決する。鍵を握る及川を、ブラックウォーグレイモンに殺させるわけにはいかない。逃げる及川たちはネフェルティモンが追い、ヒカリは京たちを応援に呼ぶ。
ウォーグレイモン「憐みなんかじゃない!心から言ってるんだ!」ブラックウォーグレイモン「俺には理解ができない、なぜそこまで他人のことを思いやれる」「ウォーグレイモンはこの世に2体いらない、俺かお前かどちらか1体でいい!」
アクィラモンとぺガスモンが応援に来て、エクスブイモンとスティングモンは先回りして交通誘導(これも大事なお仕事よね)いる。自衛隊の富士演習場では、伊織とディグモンが戦車をくい止めている。活躍いいとこついてるね~。(何気に富士サファリパークも登場。)及川が運転を代わり、アルケニモンはマミーモンに加勢するが、何とその先にはパイルドラモンが待ちかまえていた。大輔は、ブラックウォーグレイモンと及川どちらを追うかを御殿場と決め、インペリアルドラモンがファイターモードとなり、街を破壊しないようブラックウォーグレイモンを海の雲の上へ誘導する。大輔、こっちで正解¥。二つのガイアフォースとポジトロンレーザーが炸裂し、静岡の空は明るくなる。
及川たちは、踏切で止まり車を捨て逃げる。及川は御殿場アウトレットに逃げ込み、ぺガスモンたちは人混みのため攻撃技が出せず、マミーモンに攻撃され退化してしまう。
ブラックウォーグレイモンは、2体を相手に引き分け、敗北を喫する。だがその実、不安定な力で説得を胸に臨んだアグモンと自死を覚悟したブラックウォーグレイモンでは勝負にならず、02キャラのインペリアルドラモンでけりをつけたというところだろう。ブラックウォーグレイモン「せっかくならとどめを刺してもらいたかったものだ。俺と言う存在を打ち消してくれたらどんなに」。
が、ワームモン「かっこつけるんじゃねえよ!それって死にたいって意味?君が強い敵を探してたのは負かしたいからじゃなく、倒されたいから?死ねば悩むこともなく楽になれるから?だけど、楽にはさせてあげない!もっと悩んでよ。もっと苦しんでよ。だって生きるってそいうい事だもん!なんでもうまくいくとは限らない・・みっともない・・もうみんなの前に顔を出せないと思ったって、それでも我慢して生きていかなきゃならないんだ!」と伝える。ワームモンのキャラだからありえね~とちょっと笑ってしまうけど、言ってる内容は彼と賢ちゃんの償いのあり方そのもので、強く胸を打つ。
アグモンも 「僕がしてきたことのすべてが僕の生きた証拠だって」と言う。どこまでも素朴でたくましいメッセージ。ブイモン「自慢じゃないけど俺、食って、眠って、仲間と楽しくやれれば最高だよ。だからって、だらだらと生きてるわけじゃないぜ、食うにしたって寝るにしたって遊ぶにしたって手を抜かない。全力でやる。だから楽しい。だから毎日が充実してる」う~んこれはちょっとお子ちゃまなコメントだなあ・・。ブラックウォーグレイモン「俺も、無様な生き方をしてみるか…感謝する。お前たちと話せてよかった。さすがは、俺を打ち負かしただけのことはある」強い者の言葉しか聞かなかったブラックウォーグレイモン、生きるって何なのか一縷の望みを得たようだ。生き方より生きることそのものに意味がある。そして去っていく、次なるどこかへ・・・(少なくとも及川を殺すのはやめたようだ)
呪われた出自を持って生まれた子が健常に育つのにはいくつもの壁がある。生まれた意味は何だ、産んでほしくなかった、存在自体が汚らわしい…。それでもひたすら生きろと言うのは、ある意味残酷で重くとても誠意のいる事だと思う。
ここまで舞台が広がると、楽しいけど聖地巡礼は難しいな。
クリスマスに大活躍したのに、明けても出づっぱりで大変な子どもたち。いよいよラストまであと少し。