第48話「恐怖!ベリアルヴァンデモン」
脚本:まさきひろ 演出:芝田浩樹 作監:出口としお
タイトルコールは、ベリアルヴァンデモン(森川智之さん)。おお~ラスボス登場か!
暗黒の花を刈り取った及川には不気味な黒い影が。それで致命傷を負った無敵のはずのブラックウォーグレイモンは、ゲートを封印するため身を呈した。
12月31日、選ばれし子供たちは種を植えられた子供たちが集まってくるのを見張っている。ここは光が丘、ゲートは完全に閉じたはずなのだが。のり子の見張りは、太一・アグモンと空がしているが、刈り取った後の子よりまだの子のが心配じゃないのかな?光子郎、ヤマトと丈も応援に来ている(何気にヤマ丈・丈ヤマでうれしいわ)。そこへ光子郎の母から、光が丘の駅前に来ていると電話が入る。重箱を持っている母。他の家族たちが手を尽くすのにうちだけが、と気にしておにぎりの差し入れを持ってきたのだ。光子郎は急いで取りに行き、デジモンたちは大喜び。なごみ~(^^)もう少しいちゃダメ?とごねるところなんか、なんともかわいらしい。ヤマトがナイスフォロー。しかし、誘拐された子供の家族に話をしようと思い立ち、張り切って行く。好奇心も旺盛で、献身したくて仕方ないのだろう。声は荒木香恵さんだが、おにぎりを受け取るのもヒカリ(笑)。ところで食べる時間あったのかな??
闇に敏感なヒカリは、昨日の及川の黒い影が気になる。本当に子供たちを救えるのか。「わからない、でも救えると信じて頑張るしかないよ」と答えるのがタケルらしい。タケルもナイスフォロー。隠れている子供たちを、及川はビルの上から眺める。賢は気配を感じるが、気のせいか?いやいや、毒気はちゃんと伝わってます;
賢の分析では、暗黒の花が人間には見えなかったのは、花が物質的な物でなく精神的なものだ、僕の種の成長が止まったのは親の愛に気付いたからだと言う。実感のこもったそれを、見守る大輔たちのほほえみは温かい。
ついに及川が現われて、暗黒の花は刈り取らねば子供自身が人間のまま暗黒の樹木になってしまうという。賢の種はオリジナルだから宿主と共生できたらしい。適合できなくても、望んだのはこの子らだ、と。俺たちの行動を止められないとも及川は言う。自分のパソコンを示し、アルケニモンをここからデジタルワールドへ転送したとほざく。
及川が賢を選んだ理由は、選ばれし子供だとすぐに分かったからだ。ロン毛にしたのはその後ってことか。
ダークタワーとは、もともとダゴモンの海にあり、いろいろな使い道があるが最大のはデジタルワールドの環境を変える機能がある。加えて、大人の俺でももデジタルワールドへ行けるようにするためだったが。「ゲートは開けたが、行く事は出来なかった。穢れちまった大人を、デジタルワールドは受け付けないってことかな」と及川は言う。それでアルケニモンたちを作って行かせた。だがどうしても自分で行きたくて賢を利用しダークタワーを立てさせた。暗黒の種でバリアを作り入れるようにするため子供たちに植えた。ゲートをくぐる日を、どんなに待ちわびた事か。及川の精神は崩れかけ、喜びのあまり及川は泣きだす。「だって、夢がかなうんだよ、裕樹くん、君が生きていたら誘ったのにごめんよ。さあみんな一緒に歌おう、♪行こう、行こう、デジタルワールドに」と、子供たちを誘って歌いだす(失笑というよりもはやギャグ;~退行してかなりイッちゃってるよお)。
バリアが張られた。大輔たちはゲートが開かぬ隙を狙うつもりだったが、及川がパソコンで9枚のデジモンカード(ヴァンデモン城の石板のものとほぼ同じだが、最後に及川はゴマモンでなくアグモンを置いた。ゲートを逆に行くから、ゴマモンでなくアグモンなのか?)を操作すると、封印されたはずのゲートが開き、及川と子どもたちが入っていく。大輔たちが後を追い、ヤマト・丈・光子郎を残しゲートは閉じてしまう。うーん丈先輩セリフなし(><)
しかし・・・大人は穢れてるからデジタルワールドに行けないなんて言わないでェ;;大人だって行きたいよ;
デジタルワールドへ喜んで駆け込む子供たち。「誰も信じてくれなかったんだよ、おじさんが小さい頃は。早く生まれすぎた」及川も感無量だ。善人にすら見える。だが、たかしがここはデジタルワールドじゃないと言う。風景が変わり、そこは謎の物体が浮かぶ奇妙な空間(シュールなデザイン・・だが、人参の短冊切り・チャーシュー・サラミ・チーズ・海藻なんかの食材に見えなくもないとこがちょっと;)になった。
選ばれし子供たちが追いかけてきてアルケニモンたちを攻撃する。ここはデジタルワールドでない異世界、ゲートが封じられたので別の異世界へ着いてしまったのか。種を植えられた子供たちは泣き出してしまう。デジタルワールドじゃなかったと嘆く及川に、巨大な紫色の口が現われしゃべりだす「もっといい世界がある。」「こここそ俺の願っていた世界。この世界に迷い込んだものは仲間が生きながら闇に食われる事に恐怖し自分も逃げられない事を知り絶望する」。
デーモンやダゴモンの仲間ではなく、データとなって残った末に宿主を探し、3年前消されそうになり及川を宿主に選んで生き延びた存在。3年前裕樹を亡くし、天に映る大地をデジタルワールドだと裕樹の遺影に呼びかけた、無印第39話(子どもたちがヴェノムヴァンデモンを倒した)のときの及川。それに「デジタルワールドに行きたいか?」と声をかけたのがしゃべる主だ。良心を捨てるなら連れていってやると。テイルモンがそれをヴァンデモンと見抜く。さすが姐さん!ウィザーモンが02第17話で現われたのは、ヴァンデモンの存在を示す証左だったのだろうか。コピーしておいたホーリーリングのデータを反転させ作ったのがイービルリングだ。(これはちょっとおかしいですね、テイルモンがホーリーリングを無くした時、すでにイービルリングは蔓延していたのだから。コピーが複数あったということか?)
「俺は昔の俺じゃない」紫の唇が消え、及川の口からもう一人の及川が吐き出され、本物の及川は倒れてしまう。暗黒の花は、つまりはヴァンデモン復活のためのエサだった!エクスブイモンらの攻撃もむなしく、及川の形をしたヴァンデモンは子供たちの花を摘むことで力を蓄えて、究極体・べリアル(belial:悪魔)ヴァンデモンに変化する。及川じゃなくなったのに、アルケニモンたちはボスではないヴァンデモンの手下に自動的になっちゃうのね;悪の子分というアイデンティティしか持たない哀しい性。
まがまがしいベリアルヴァンデモンは悪いことにヴェノムヴァンデモンのような知性の欠落はなく、アルケニモンの心身を散々いたぶった末食い殺し(悪役マミーモンにすら「どうしてそんなにひどい事を」と言わしめた)、差し違える覚悟のマミーモン(大好きだっただけにさすがに男前~)をあっけなく溶かしてしまう。このコンビ、敵だったけど憎めなくて痴話ゲンカがおもしろかったのにね~合掌。(;¥;)
手下を残虐になぶり殺すところを目の当たりにして、選ばれし子供たちはかつてない強い恐怖におののき戦意を失う。人一倍闇を憎むタケルさえ「こんなの生まれて初めてだ、こんなに戦うのが怖いなんて・・!」と。これではデジモンがその気でもジョグレスもできない。が、大輔だけは平常心だ「負けるかもしれないと思うからだめなんだ。絶対勝つ、そう思って戦おうぜ!」ここが大輔の02リーダーたるゆえん。恐怖が皆無ではなかったろうが、「俺を信じろ!」とエクスブイモンに促され「これまでもいろいろ不利な戦いはあったけど、がんばって勝ってきたもんな。」気合いで乗り切ったというところか。賢が止めるが(賢ちゃん乙女すぎ^^;)、大輔はエクスブイモンだけでいいと言う(大輔カッコいい!!)。
「負けないぞ、絶対に負けない!」格上の相手に一人きりで、いったいどうする大輔!
森川智之さん、及川・マミーモン・ベリアルヴァンデモンの演じ分けが素晴らしいです。
作画が何とも残念。