デジモンアドベンチャー第17話感想

デジモンアドベンチャー第17話「幻船長 コカトリモン」感想

脚本:浦沢義雄 演出:芝田浩樹 作画監督:八島善孝(原画も全て八島さん) 美術:清水哲弘

タイトルコールはコカトリモン。すでに紋章を入手していた太一はアグモンを進化させようとするが、強引なやり方でスカルグレイモンに進化してしまった。歩くは砂漠、木陰を期待した巨大サボテンも蜃気楼。暑い;そこに豪華客船を登場させる大胆さ。何でもありのDW。

●太一:暗黙進化と退化を素直に反省。こんなはずじゃなかった。コロモンの体力への気遣いがやさしくも痛々しい。一番世話の焼けるミミにすら励まされてしまうのは象徴的。

●コロモン:すっかり弱っていたが、ヌメモン包囲網のピンチにアグモンへ戻れた。けどすぐに石化され、今回は目立った活躍はなし。

●空:客船と言ったらまずシャワー浴びたいというのが女児らしい。ミミも同じ。脱ぎっぷりも大胆に、シャワー室へと向かう。そして、バスタオルを巻いたサービスショット、笑。個人的には、サッカーする空の日焼けとミミの色白さの対比が美しい。男子チームが日干しにされ、デジモンは石化され、残る戦力は空ピヨ・ミミパルだけ。で、ピヨパルが見事に進化!!バードラモンの空中からの攻撃に加え、トゲモンも必殺パンチでパワフルに決めてくれた。やったぜ女子パワー!

●ミミ:汚物系は嫌いなのに、ヌメモンを前にして意外にも自分から一肌脱ぐ活躍。色仕掛けはギャグ調、笑。ゲンナイの言葉に、紋章なんて欲しくない、との布石。砂漠にこれまたこつ然と現れた巨大サボテンにピンクの美しい花が咲き(ここは純真の紋章らしい)、紋章が現われてミミのもとへ。(ここの劇伴は良いのだが、残念ながらCD化されていない。)ゲンナイの言うとおり、望むと望まざるとにかかわらず魅かれ合う紋章とタグ。けれど、正しい育て方などと言われても浮かない顔「欲しくなかったのに。あたしパルモンを正しく育てられるかしら」。そして皆の心境の如く、砂漠は切なく薄暗く夕暮れて。

●ゲンナイ:タグと紋章は魅かれ合うと。しかし両者が揃っても「正しい育て方」をしないと正しい進化はせぬと言い残してまたも消えてしまう。わずかな指針と大きな不安をもたらし消えるなんて、全く人騒がせな御仁。そういわれても、まがまがしいスカルグレイモンという、リーダー太一の失敗を目の当たりにして、子どもたちは誰もいまいち自信がない。そりゃあ育児されてる小学生なのに、育て方云々言われてもピンと来なかろう。育てられる側のデジモンたちの戸惑いももっともだ。

●丈:「ぼくも全く全然少しも自信がない、自信ゼロパーセント」。慎重派でも、そこまで言うか。言われたゴマの心中たるや。プールでは(丈ファンへのサービスショットv水着だったらどんなの選ぶかな、などと更に妄想v)「正しく育ててるつもりなんだけどな」とも言う、それも偽らざる本音。子どもたち、皆そうなのだろう。どうでもいいことだが、ヤマト・タケル・光子郎がごちそうにかぶりついていた間、丈と太一は何も食べないでクソ暑いのになぜ日光浴していたのかなあ?

●光子郎:客船の豪華な料理を前に皆ためらうが、料理が冷めては作った人に悪いからと理屈をつけた人。皆、かぶりつく。どれもおいしそうだし、空腹にも共感する。コカトリモンが食べ物に執着するせいか、ごちそうは幻や蜃気楼ではなく本物だった。

●コカトリモン:獰猛な鳥型の成熟期。人間の姿の船長の正体にして、エテモンの手下。だがネットワークの不具合で通信は不可で、子どもたちにとっては幸いした。個人的に、名古屋弁なのはツボ。アルバイトを「あるびゃーと」って呼んでる、笑。これは名古屋弁じゃなかろう。ペトラファイアーというデジモンを石化してしまう致命的な技を発揮する難敵。太一と丈のタグを奪い高笑いしたり、捕えた子どもを日干しにしたり、石化したデジモンを「漬物石ぐらいには使える」などと、性格はめちゃ悪い。トゲモンたちにやられたのにただ一人で復讐心で意地の復活!船を操り子供たちを追うが、不運にも巨大サボテンに激突し転覆。「海老フリャー、味噌カツ、ういろう」と名古屋グルメをなぜか叫んでいた。これは02のアルマジモンへの布石に結果としてなったのだろうか?ケーブルがショートして船ごと爆発という最期となった。ニワトリの如く飛べないのに劣等感を持っているらしいが、最後図らずも飛べたというオチ、笑

●ヌメモン:ここでのヌメモンもミミにはご執心で、判り易い色仕掛けに応えてしまう。豪華客船の船員のアルバイトをしているが、一目散に逃げ出すところを見ると無理やりコカトリモンに働かされていた模様。アルバイト料は大したことなかったのだろう。セーラー服が意外と可愛かった。

●エテモン:派手に歌っておきながら、ネットワークの修理の手を放して応援に徹したパグモンを叱責、自分勝手な俺様野郎。

<コカトリモン:園部啓一さん>81プロデュース所属。善人役・悪役問わず多様なキャラを演じるバイプレーヤーで、東映アニメの作品に多数出演している。

次回予告:暗黒進化がトラウマとなっている太一とアグモンに、ピッコロモンが与えた試練とは。幼い太一の涙の真相は。

(2024/7/30  記)

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