デジモンゴーストゲーム第2話感想

デジモンゴーストゲーム第2話「博物館ノ怪」感想

脚本:十川誠志 絵コンテ:中村亮太、三塚雅人 演出:中村亮太 総作画監督:二階堂渥志 作画監督:宇代祐規、大山康彦 (2021/10/10 放映)

<あらすじ:公式サイトより引用>
「腹減った」というガンマモンを連れ、宙はスーパーで食べ物を買い込むといろいろと食べさせてみる。どうやら、チョコが気に入ったらしい。だが、父親・北斗の事を聞いても10歳児程度のガンマモンから到底詳しいことは聞き出せなかった。
その頃、上野の博物館に特別展示されているミイラがホログラムゴースト状態で夜な夜な動き出し、人を包帯でグルグル巻きにしてはさらっていくという怪現象が頻発。オカルト系雑誌でその噂を知った宙は、ガンマモンを連れ博物館へ……。そして、実は展示物ではなかったデジモン・マミーモンと、彼にさらわれた人々を救出するために対峙するハメに陥るのだが……。

●全体を見て:録画のタイトルには「夜中に人をさらう!?博物館のミイラ男」と追加されている。
舞台は上野公園。作中の「新国立上野総合博物館」は、場所と展示内容から国立科学博物館を指すと思われる。言い換えているのは大人の事情か。常設展示にもミイラはあるが、10月今まさに、実際に特設の「大英博物館 ミイラ展」が開催されている。多数のミイラ、壮観というか気持ち悪い。上野公園内には他にも、東京文化会館(相応の実績のある団体でないと使用できないクラシックコンサートのホールを擁する)、国立西洋美術館(彫刻「考える人」が常設展示)、東京都美術館、東京芸術大学美術学部、上野動物園、不忍池などを擁する文化的地区である。私は上野公園の一角にある高校の出身なので、今回は特に親しみを覚える。OLが悩んだり、宙がマミーモンとしみじみ過ごす水面は不忍池と思われる。ただ、この周辺には医療機関は特に集中していないので、少し先のお茶の水辺りならそう言えるだろうがとやや疑問。そこはあくまでフィクションという体裁か。
巷には、怪奇モノならデジモンでやらなくても鬼太郎とか妖怪ウォッチがあるだろという厳しい意見もあるらしい。私は気にならないけど。
絵コンテ・演出の中村亮太氏は、「ドラゴンボール超」のシリーズディレクターなどをされていた方。
竹中さん、やっぱ冒頭のナレもやるんですね。

●宙:突然できた「弟」の世話を焼き、文句も言わず、少しずつ近づいて、楽しそうな日常。やはりこうした描写の積み重ねがあると見てて納得する(:を見てたから逆にどうしちゃったの?て感じがなくもない)。私服だから、週末(休校日)なのだろう。
起き抜けの顔が疲れでひどい、ミイラにされる伏線。クロックモンの破った窓をブルーシートとテープで塞いだ、さすが生活力旺盛。ところで自分が割ったということにしてるけど、修理費用は学校から出してもらえるの?大体両親不在で学費とか寮費とか大丈夫なのかな。
ハンバーガーを入手する時宙も他の子もスリッパだから、寮の中で出されているのか、うらやましい。
スーパーへ、ガンマモンインリュックがかわいい。テリアモンを背負っていたジェンリャを思い出す。「AIホログラム」と誤魔化せばその場をやり過ごせると判明。鮮魚の産地が千葉、銚子港、神奈川だからして、ここはほぼ東京と思っていいだろう。魚はガンマモンには食べ物というより恐怖の対象。寮生活なのに大根丸一本、長ネギ2本は買いすぎでは。きっと母の影響で食品ロスなど厳禁、これも器用に処理しちゃうんだろうな。ついでに「月刊ゴースト」も買う。こんなコアな雑誌置いてるスーパーあるんだ。普通なら2階の書籍コーナーだぞ。
人目を避け原っぱで試食。水筒に水も用意、準備が良すぎてさすが。ガンマモンに色々食べさせ、味覚を調査。スマホでメモるのはやはりこのご時世。自室にはデスクトップパソコン、よく見るとパイナップル社らしきマークが!
デジタルワールドとは何で、どうやって行き来するのか。デジモンとは何か。父はどうしているのか。「(噂のミイラが)もしデジモンなら、話が聞けっかも!」って、好奇心旺盛なのは良いけど、クロックモンもチューモンもとても話が聞ける状態じゃなかったぞ?
トイレットペーパー巻きガンマモンほんとカワイイ。「お前がミイラかよ!」ツッコミ、ウケる。コタロウの影響でリるるん(写真から、顔出しは避けている模様)をフォロー。閉館をトイレに隠れてやり過ごすとは迷案。知りたい事情があるとはいえ、案外危ない橋も渡っちゃうタイプなのね。この作戦、上野から11時に帰れる確信の持てる距離に寮があるということ。ちなみに国立科学博物館の閉館時間は午後5時、金曜土曜は午後8時、ただしコロナ禍で金曜土曜の夜間開館は当面中止であるから、宙は午後5時以降にトイレから出たはず。
クロックモンの枝といい、マミーモンの勘違いを見抜く機転というか頭の良さは中1にしてすごいものが。
事が終わり着いた駅前はどこだろう。モデルの駅はあるんだろうか。

●ガンマモン:チョコもツナ缶もハンバーガーもうまそうに食うなあ。やけに腹を減らしているが、某作の某モンのように無駄な腹ペコキャラにはしてほしくない;頼みます。
宙の足を噛んでおいて、挨拶が謝罪でなく「おう、宙」だから、本人にとっては噛むことはまさに挨拶代わり、スキンシップ・コミュニケーションの一環なのだろう。
身体が白なのに、出した翼は悪魔キャラのような黒いもの、意外。普段は収納してたのね。
目に映しただけで、博物館の扉のロックを解除という能力あり。宙にそれが必要と察したのか。
マミーモンを見るなり「俺、ガンマモン!」マミーモンも名乗る。互いに名乗りを上げるのは戦士の礼儀、戦闘開始の合図なのか?

●べテルガンマモン:食事した思い出を胸に、宙を助けようとガンマモンが成熟期に進化!しかし、完全体相手に技は時間稼ぎぐらいにしか。「ソルショット!」技の名は、子どもが叫ぶことになってるよう。進化が解けてもまた「おう、宙」だから、あんまり進化した実感ないのかなあ。それとも単なる口癖?

●清司郎:宙の部屋のガラスの強度をやけに気にしており挙動不審、やはり物騒な何か見たに違いない。ビビり方がかわいいので好きキャラとしてひとまず一票。

●瑠璃:ミイラの噂を元に、早速敵情視察、フォロワー多いだけに侮れない行動力。女子だけどミイラとか気持ち悪くないばかりか、動け動けと念じる度胸の良さ。全然怖がらないし口縫い男にもかぶりついていたから、ホラー系好きなのかも。しかし動いたのはアオイが見た一瞬だけ。
最終シーンで背後にアンゴラモンがいたけど、自覚があるのかないのかは不明。

●マミーモン:全身包帯巻きのアンデッド型の完全体。噂のミイラ男の正体。オベリスクという松葉杖型の銃を持つ。02では、アルケニモンの尻に敷かれ、でも愛を貫いたなかなか人間臭い敵だったので、親しみがあるデジモン。今作では医者として、ため息をつく(疲弊した)人間を再生し救おうとミイラにしていた事が宙の推理で明らかに。勘違いしているうえにやり方は身勝手で粗暴そのもの、「患者」の叫びにまるで耳を貸さない。聞く耳持たぬと言っていたが、宙の堂々たる説得(顔のどアップ)で誤解が解けて、停戦という新しい展開。あくまで善意と使命感でやっていたようで諭されて愕然。現代の医術を学ぶという展望が開けて、いい終わり方。
声は菅生(すごう)隆之さん、俳優だけでなく洋画吹き替えやアニメ声優もされている方。長年文学座に所属していたというから(今は別の事務所)、メインは俳優業なんだろうか。アニメでは「バキ」の愚地独歩役など、多数出られている。だいぶ渋いお声。
02、X-evolutionでは森川智之さんが演じられていた。

●コタロウ:強制退院の理由がナースをナンパだなんて、ほんとダメダメな奴。宙に迷惑かけんなよ?

●チューモン:街で宙の前に現われるがすぐに隠れてしまう。宙以外の人間には見えていないよう、デジヴァイスを付けてるから見えるのか。声は、デジコロで脇役をしておられた青二プロの角倉英里子さん。

●サラリーマン:声は小野元春さん、青二プロの若手さん。

●男性:ハイ、上野公園て酒飲む小汚いおっさんいます。声は既出の中村光樹さん。

●販売員:声はれいみさん、鬼太郎やイナズマイレブンに出られていた青二プロの若手さん。

●業者(窓の修理):声は既出の竹内大生さん。

●事務員:門限11時って、中学生にしては遅くない?「外出・外泊・許可願」の用紙に「10月10日午前11時15分~午後11時00分」と記入があるから、第2話は10月10日(今年に準ずれば日曜日)の出来事である。声はデジコロで脇役をされていた青二プロの川口桜さん。

●挿入歌:増倉義将さんの「First Riders」。熱いですね。作詞が大森祥子さん、作・編曲が渡辺チェルさんで「With The Will」と同じ方。典型的なデジモンソング聴くとなんか安心する。

●次回予告:予告の映像は、:と違ってネットで配信されているものと本編のと全く同じなんですね。わざわざネットで見直す必要なくなったわ。で、瑠璃とアンゴラモンをフィーチャー。進化はするのかな、初登場でいきなりあのシュッとしたモンになったら驚くぞ。「写真」がカギ。私心霊写真とかダメだからもっと恐ろしいコトなんて耐えきれるかなあ…。

(2021/10/13 記)

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