デジモンゴーストゲーム第3話「ラクガキ」感想
脚本:十川誠志 絵コンテ: 演出:池田洋子 総作画監督:石橋大輔 作画監督:舘直樹、澤木巳登理、冨田恵里沙、金久保典江 (2021/10/24 放映)
<あらすじ:公式サイトより引用>
『赤くしゃ』と呼ばれる怪奇現象が頻発。スマホで自撮りした写真の一部に妙な落書きが現われると、その部位に異変が起きる。髪が急に伸びたり、足を骨折したり。そして、宙とは同学年だが別の学校に通う女の子、月夜野 瑠璃にもこの現象が起き始めた。ピアノを弾く彼女の両手が、指先から少しずつ消え始めたのだ。さらに、彼女に、付きまとっている謎のデジモンの存在が。
それは、彼女のピアノの音色に魅せられ守ろうとしているデジモン・アンゴラモンだった。だが、『赤くしゃ』の正体、人間を嗜虐して実体化を早めようとするドラクモンが直接瑠璃を襲い、彼女の人気インスタ『りるるん』で瑠璃を知っていた宙は、ガンマモン、アンゴラモンとともにドラクモンに立ち向かうのだったが……。
●全体を見て:録画のタイトルには「…スマホの写真にひそむ恐怖」と追加されている。
あらすじの「嗜虐」って、キッズに難しすぎない?パソでも一発変換できなかったぞ。
前半で、人々、瑠璃にひたひたと迫る異変と恐怖が描かれ、後半はアンゴラモンの発言で状況がよくわかって良かった。バトルは,48時間という縛りの上に、宙の説得力、ドラクモンの精神攻撃があったり、意外とスピーディーなアンゴラモンの技があったり緊迫して気が抜けなかった。瑠璃がアンゴラモンに心を許すプロセスをしっかりと追った描写が良かった。
もふもふ系は、個人的にペットに関するトラウマがあるので超苦手です。
原画さんの人数がすごいことになってるよ。個人名と団体名合わせて、日本名が14、外国名が41ある。池田洋子氏は東映アニメ所属の演出家、監督。プリキュアの演出やシリーズディレクターをなさっている。テイマーズ暴走デジモン特急では助監督を。怪談レストランのシリーズディレクターもされていたのは今作には心強い。石橋大輔氏はキャプ翼の総作画監督等々されてるベテランな方のよう。
●宙:頼まれるだけでなく、自分から困っているであろうりるるんにコンタクト。今日の明日と気が早く、ネットを通じての軽やかなつながり方は今風。
デジヴァイスを示して、実体化希望のドラクモンを誘い出すなど、やはり機転が利く。
●ガンマモン:瑠璃にも噛みつくから、ケモノ的噛み癖があるよう。もしや宙の左耳のあざって、噛まれた跡?ドラクモンに操られたりアンゴラモンにぶっ飛ばされたり、災難。進化もせず、アンゴラモンに華を譲った形。
●瑠璃:ホラー系もイケる強気な子との印象だったが、自らに襲い来る異変にはさすがに涙を見せ、中一の一人のか弱い女の子。第六感があるのか、ピアノを弾く窓の外に気配を感じたり、監視されているのを感じたりしている。ただ、アンゴラモンとドラクモンの気配の区別まではできないよう。
袖にリボンを配した黄緑色のトップス、青い細身のパンツ(レギンス?)、髪にローズピンクのリボン、ベイビーピンクのスマホにもリボン、指を隠す手袋は薄紫でリボン付き。リボン好きだからかわいい系が好きなのかな。ただ、髪型やファッション的にはリアリティがなく(アニメアニメしている)、オシャレな中鶴デザに遠く及ばない感じ。配色もこれがメインキャラかという程奇妙で統一感がない。宙のブレザーの中にパーカーも私あんまり好きくない。清司郎の私服はどうかな。
トロピカル―ジュ・プリキュアでも中学生のメイクがコンセプトだけど、りるるんもネイルをインスタにアップ。化粧っけない素顔や指先がすてきな年頃なのに、もったいないと思うのは私の世代の感覚か。
住まいはピアノの防音設備がなくても良さげなほどの緑に囲まれた大豪邸(しかもビル立ち並ぶ市街地のど真ん中、地価高いだろうな)自室は二階。二階にもう少し部屋があってもよさそうな建造物だが、はて。室内はこざっぱりとして、白い壁にベージュのカーペットに薄水色のカーテンにグレーのソファーに白い棚と色合いもシック。ぬいぐるみがあるのはさすがに中学生。ピアノのメーカーは、ヤマハのもじりか、YAMAKAWAとなっている。子供部屋にしては結構な大画面のテレビ、ピアノもあるし金持ちなのね。洋室なのにベッドがないということは、ここは彼女専用のリビングかピアノ部屋で、寝室が別にあるということ。どんだけ金持ちなん。ということは、中学も富裕層向けのお嬢様私立ということで確定。
インスタって機械音痴の私にはほぼわからないのだが、美容師に会いに行ってるけど、そんなにすぐにオフで会える(住所がわかる)もんなんでしょうか。しかも瑠璃以外にもたくさん来たと。おお恐;美容室の営業用インスタだったからたどれたとか?「自分の髪に殺される」これは怖かったなあ。(ホラー苦手)
電話をくれたアオイに真実を告げられなかったのはなぜ。心配かけたくなかったから?アオイごときでどうなるもんでもない大ごとだから?
小林ゆうさん、強気で意地っ張りなとこもか弱いとこもいいですね。
●アンゴラモン:長毛種・アンゴラウサギ(原産国はトルコで、南西部アフリカのアンゴラ共和国とはアンゴラの綴りが違い何の関係もない)が命名の由来と思われる。長い耳と体毛が特徴の獣型の成長期。温厚で戦いを好まず、特化した聴覚で敵の接近を察知し戦闘回避するという。必殺技は、大きな両腕の回転で周囲の敵を薙ぎ払う「ダブルラリアット」、両耳の回転で巻き起こす竜巻「プチトルネード」、高みへジャンプして巨体で敵を押し潰す「ピョンダンプ」と、巨体ながら運動神経は抜群。
必殺技を子どもが叫ぶの、私はちょっと違和感。何で技の名を知っているのか不明だから。あと、技名の文字の色がガンマモンの時は白、アンゴラモンの時はクリーム色と、テーマカラーに沿って色付けされてると、ツイッターで見かけました。すみませんどなたかは失念。
見た目呑気な性格かと思いきや礼儀正しい紳士然。言葉少なだが必要な情報の提供を惜しまない。ホログラムゴースト化している他のデジモンと交流があるようで、宙にとっても大切な情報源となりそう。最初は「実体化したいとは思わない」その方が瑠璃を守りやすいからと言っていたが、後に守らんがために一挙方針転換。それだけ瑠璃への思いが強いのだろう。
彼の良い耳の鑑賞に耐えうるだけのピアノの腕前を瑠璃は持っているということになる。瑠璃のピアノが好き、だから守りたいと、動機は至ってシンプル。宙に頼ったのは自分では瑠璃を守り切れないとの焦りがあってか。「君を守る、信じてほしい」とイケボでキター!「どうしてそんなに」「君のピアノが好きだ」いいですねえ、もうラブラブでvあの気配はアンゴラモンと判明。瑠璃とのシンクロで瞬く間にパワーアップ。デジヴァイスを通して子どものバイタル値が反映されるから。
「罪と罰は、ぬかるみ晴れて固まるんだね」って、意味不明。雨降って地固まるみたいなこと?
実体化前、人間にはさわれないと言っていたが。マミーモンは「患者」にさわれたし巻いた包帯も実体化していた。さわれるデジモンとそうでないのとがいるということか?
声は中井和哉さん、青二プロ所属、剣士の役ばかりやってる印象があるイケボがあのモフモフでなおかつ「守る」などと言ってみい!ハマるわい。この裏切りが心地よい。
●ドラクモン:dracuはドラキュラからの引用だろう吸血デジモン。ダークエリアいちのいたずら好きで、四聖獣の顔に落書きを試みて死にかけた事もあるというアンデッド型の成長期。両手の邪眼から発せられる「アイオブナイトメア」を直視するとドラクモンに心を支配されてしまう。それがあるから成長期だが全く侮れない。イタズラどころか赤くしゃで苦しむ人間を監視するのが楽しみという愉快犯な悪意極まりないデジモン。イタズラを自分の手でもっとしたいために実体化を切望、何たる悪党。さらに、表面的な謝罪だけで改心する気は全くないと後に判明、続投ありか。
声は宮田幸季さん、81プロデュース所属、無印でおなじみピコデビモンと小物の悪党キャラが微妙にかぶってるな。
●清司郎:宙が早退したのを聞きつけ声をかけるお世話焼きないい人(笑。相変わらず何かへのおびえっぷりはひどい。その元凶はジェリーモンなのか。
●若い男(耳ピアスの):声は權内隆介(ごんないりゅうすけ)さん、:にも出られていた青二プロの若手さん(ジュニア枠)。見た目からしてお若い!
●美容師:松蔦杏実(まつしまあみ)さん、鬼太郎やワンピなど脇役で出られている、青二プロの若手さん(ジュニア枠)。
●おじさん(足の異変で交通事故):既出の中村光樹さん。
●次回予告:時節柄思いっきりハロウィンをフィーチャー。何で近年日本でこんなに盛り上がってるのだろう??無印でも思い出深いパンプモンて今作では悪役な模様、あらら。声は七緒はるひ(ご家庭の事情で寺田姓から改姓)さんだといいな。ゴツモンはもしや出るかな?
(2021/10/26 記)