デジモンゴーストゲーム第8話感想

デジモンゴーストゲーム第8話「百鬼夜行」感想

脚本:山口宏 絵コンテ:鈴木正男 演出:野呂彩芳 総作画監督:西野文那 作画監督:仲條久美、北野幸広、浅沼昭弘、仁井宏隆 (2021/11/28 放映)

<あらすじ:公式サイトより引用>
首都高速道路で多発する謎めいた事故。目撃者の証言によると、怪しい怪物たちが道路上を走り回っていたという。それは、いつしか「百鬼夜行」と呼ばれるようになっていた。
 一方、宙と清司郎は、瑠璃に誘われてレーシングカート場へ遊びに来ていた。だが、突然コース上にデジモンの乗ったカートが出現。派手に暴れ回ったあと、高速道路へ走り去った。宙たちは首都高速に現れる百鬼夜行がデジモンの仕業だと気付くが、果たして、いったい何が目的なのか?

●全体を見て:サブタイトルには「…高速道路のデスレース」と追加されている。百鬼夜行とは、日本の説話などに登場する深夜に徘徊する鬼や妖怪の群れ、および彼らの行進であるからして、今話は百鬼夜行というよりデスレースそのものだろう。
宙の母はどうしているのだろう。しばらく経つのに、帰国はおろか連絡をよこす様子もない。①帰国したいのはやまやまだが仕事の都合がつかない②宙なら何とかなると楽観視して、帰国する気はない、どちらかだと思うが前者であることを願う。
さすがにスピードを出した上での絵となるし、原画にごく多数の氏名と団体名があり、更に作監に仲條氏、浅沼氏が入るなど極めて手厚い。
シスタモンシエルに瑠璃にジェリーモン、女子勢の元気がやたらいい今話。無印のレディーデビモン戦を思い出す。
カート使用の施設はおそらく、足立区千住関屋町の「シティカート」に違いない。初心者でも簡単に体験できる、都内随一の施設だし首都高も近いから。カートにしたのは、中学生は運転免許を取れず公道を走れないからだろう。
百鬼夜行の正体は、デジモンたちのレースだった。元々は楽しくてレースをしていたデジモンたち。ところが、最速最強にこだわるシスタモンシエルに乗せられて、メタルファントモンのルールのもとに無理矢理朝まで走り切ることを強制されていたのだった。レース中のあれこれはカオス状態。宙はシスタモンシエルとメタルファントモンの相打ちに成功するも、あと一歩のところでカートのトラブルでピンチに。そこへ忽然と現れたブラックテイルモンが『ゲート』を開き、シスタモンシエル、メタルファントモン、その他を送り込み、ことは解決した。いや、ゲートの向こうで何が続いているかは不明だが。

●宙:先輩と同じ寮にいてもパソコン越しに会話、そういう時代ということ。
カートに乗ってのゴーグル姿は旧作ファンにとってはお宝。
忍び込んでまたもピッキング、犯罪ですからキッズアニメに引用はやめてほしいな。
今回も機転を利かせてシスタモンシエルをメタルファントモンと相討ちにさせようとする。ところが周囲への悪影響が大きすぎた。

●ガンマモン:宙がピッキングしてるとき同じポーズと表情、かわいい。

●瑠璃:自分の「ピッタリ」を探す旅路に、厚かましくも宙と清司郎付き合わさせている。ミカとアオイでないのは「男子ってこういうの好きでしょ」というまるで独断と偏見だから始末が悪い。これ宙たちが不快に感じるならば、立派なセクハラだよ?!こんなに身勝手で強引な子だっけ?カート騒動の後も、また「ピッタリ」に付き合わせようというのだから、強引すぎやしませんか。
カートでスピード出しまくり、正義とか安全とかでなく「ムカつく」からシスタモンシエルを退治しようといういい根性してるよ、怖いくらい。

●アンゴラモン:デジモンの解説を一つジェリーモンに奪われている。アンゴラモンが全ての解説をするわけではないのか、ちょっと落胆。「速きこと風の如く。静かなること林の如く。そして…逃げること、最速で最強が如し…」風林火山のパロディ。

●清司郎:相変わらずビビってばかりなのが可笑しくてとても好き。頭脳派の出番は今回はなし。

●ジェリーモン:またも、シスタモンシエルにカートを斡旋するという重大なイタズラ、落とし前も無し;カートを運転できる能力あり。

●シスタモン シエル:図鑑によると…頭にネズミの形のベールをかぶったパペット型の成熟期。シスタモン ブランの姉にしてシスタモン ノワールとは双子の間柄。三体とも姿はほぼ人間。DWを渡り歩き異変などを調査し、ガンクゥモンに情報を伝えている。性格はおっとりだが芯は強い。日中は平和に暮らし、夜になると情報を得た不穏分子を狩る暗殺者に一変するという。白詰一文字という愛刀を持ち、得意技は白詰一文字切り。…という訳で、図鑑ではキャラがどうなのかよくはわからない。少なくともあんなに攻撃的で乱暴な理由がわからない。夜だから暗殺者のキャラなのか、でも暗殺ならもっと隠密な悪のように思うが。ジェリーモンの言う「最速で最強の為なら何だってする、スピードに取り憑かれたデジモン」というのが図鑑に全く無いので戸惑う。デジモンウェブ公式で言う、ハンドルを握ると性格が変わるのは、よくある俗説だがそれなのか。ただ私は彼女が初登場したというゲーム「サイバースルゥースハッカーズメモリー」を知らないので、プレイした人はどう感じるか。
人型デジモンは主に顔の一部を隠すという慣例があるが、シスタモンシエルは隠さず、人間然としていることにまあ驚いた。デジモンに見えないのでできれば隠してほしい。
カート場で爆走の後、首都高へ侵入。百鬼夜行はその実メタルファントモンに追われるデスレース。それをトップで走るのがシスタモンシエルの快感だった。ゲートに呑み込まれるときの笑顔での雄叫び「最速で最強」は、何だったのか。ゲートに呑まれるのって速くて快感なのかな。
散々なことしといて、お咎めなしはどうなのかな。
声はゆかなさん、シグマセブン所属、セイバーズのララモン、:のマリンエンジェモンの他、キュアホワイト、コードギアスのC.C.など人気の役を歴任。慶応大法学部中退という学歴の持ち主。ぶっちぎりに乱暴なこの役を、どういう想いで演じたのだろう。

●メタルファントモン:死神のようなファントモンの全身を機械化したサイボーグ型の完全体。放出したエネルギー状の鎌は、異様な怪奇音「グレイブスクリーム」を発し、魂を刈り取ってしまう。必殺技は膨大なエネルギーを放出して鎌を巨大化させ襲う「ソウルプレデター」。遅いモンや逃亡を図るモンを鎌で吸収。朝まで逃げ延びないと殺される。殺さないが前提の今作なのに、いくつものモブデジモンが鎌に吸収されていてかわいそう。
:の31話にも出ているのだが、ボケのせいか記憶がない。
声は江川央生さん、ほぼ喋ってない;

●フライビーモン:入賞したファンアートの、突然変異的に進化する幻の昆虫型のアーマー体。声は小野将夢(まさむ)さん、青二プロ所属、母親がアナウンサーであったため、幼い頃から声優に触れてきたという。ワンピ、鬼太郎、ワールドトリガーなどの脇役をされている。Readyyy!の碓井千紘が当たり役。

●エレファモン:性格は温厚だが正義感の強いサイボーグ型のアーマー体。大きな体と超パワーで他のデジモンを圧倒するという。声は山口太郎さん、青二プロ所属、テレビドラマ・映画・舞台・声優と大活躍。立教大法学部卒。

●キウイモン:古代鳥型の成熟期。声は元吉(もとよし)有希子さん、青二プロ所属、声優にしてアイドル、何と難関・東京芸大音楽学部楽理科卒。

●ユニモン:ユニコーンの角とペガサスの羽根を持ち合わせた、幻獣型の成熟期。野性だと暴れ馬の如く気性が荒いという。声は高塚正也さん、:でマンボモンを演じた青二プロの中堅さん。

 

●コクワモン:大人しい性格の、非常に珍しい昆虫型のメカデジモンであるマシーン型の成長期。デスレース開始のいきさつを語る。声は伊織とアルマジモンの、私の大好きな浦和めぐみさん、青二プロ所属、ワンピのゾロの少年時代も演じておられる。

●サンダーボールモン:デジモン発電機とも呼ばれる突然変異型の成熟期。声は沼田祐介さん、青二プロ所属。脇役を重ね、「超電動ロボ 鉄人28号FX」にて初主役。

●ブラックテイルモン:図鑑によると…魔獣型の成熟期。テイルモンの変種であるが極めてまれで、完全なる悪の申し子として闇を渡り生きている。意地悪でプライドが高く、弱い者いじめが大好きな困った奴。堕天使型へ進化する暗黒系デジモン…。今作では味方のように見えるが、そんなに性格悪いのかな。オカマをパカっと開けてパカっと閉じて、おいしいとこ持ち去りモン。ゲートを開閉する能力が公開された。ガンマモンを届けたり、宙の危機を救ったからには、北斗が裏にいる可能性あり。

●(走りながら女性と話している)男:既出の橘内良平さん。

●運転手:声は既出の中村光樹さん。

●次回予告:時間に縛られるのは人間の生活上仕方ないこと。それをどうにかしようと思ったらそりゃ無理がくる。レギュラー敵でないクロックモンの再登場、何を仕掛けてくるのか。

(2021/11/30 記)

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