デジモンテイマーズ第3話感想

デジモンテイマーズ第3話「レナモン対ギルモン!戦いこそがデジモンの命」感想

脚本:小中千昭 演出:吉沢孝男 作画監督:海老沢幸男 美術:飯島由樹子 (2001/4/15 放映) 

ナレが述べる、現実世界に現れたデジモンはギルモンだけではなかったと。
新宿中央公園で隠れどころを探すタカトたち。突然、レナモンと謎の少女に襲われる。デジモンは戦うために生まれ生きていると言う少女に、生まれたばかりなのに何するんだと抗議するタカト。そりゃ成長期の設定で、幼年期じゃないが。テイマーならどけと言う少女、すでに戦い始めるレナモン。弧葉楔を受け、ギルモンも逃げるどころか本能的に戦闘態勢、技のコールはないがファイヤーボールを放つ。レナモンの視覚とアークのデジモンアナライズ表示は同期していることがわかるが、ギルモンのデータは表示されない。いぶかしむ歴戦の女王。
あとは肉弾戦、タカトも視聴者もギルモンの変わり様に困惑するが、少女はここぞとばかり「ヘビーメタル」をスラッシュし片腕がガンに変形。もうだめか、必死で呼びかけるタカトの声にギルモンは素に戻り難を逃れる。が、「一度でも負けたら許さない」という少女の厳しい言葉にレナモンは躊躇を捨てざるを得ない。仲裁に入ったのは李君だった。ほっ。
そりゃテリアモンみたいなかわいいのがいるからだろう、ジェンリャはパートナーデジモンが戦う道具だとは思えない、と少女を牽制。白けた気分の少女(新宿駅東口方面の子だと判明、設定だと新宿区矢来町(やらいちょう)が住所。昔神楽坂の花街があって栄えた町)は去っていく。時は夕暮れ、見つけた通称ギルモン・ホームにて。タカトとジェンリャは同じテイマー同士初めての友だち、意気投合する。ジェンリャはタカトより背が高く声変わりもしていて大人びており、後でわかるがネットにも詳しく、タカトにとって頼れる存在。
テリアモンとギルモンがじゃれあってるのがかわいい。特に、耳の使い方やギルモンの頭の上から回転して降りて見せるなど愛玩動物光線がすごい。これをかわいいと言わずして何。無問題はおよその英訳でtake it easy、タイ語ならマイペンライ、どうやら各民族に見られる普遍的な言葉のよう。タカトの肩や頭には乗れないギルモンだが、寄り添い懐く姿がかわいい。
家に帰るとちょうど加藤さんが買い物に来ていた、常連らしい。内緒ごとをささやく加藤さん、デレデレのタカトは、もろジュリタカですね!ジュリちゃん攻めです。こんな分かりやすい反応をされて、でもそこそこ距離を置いてるとこがあざといかも。いいよ、「いい子」じゃなくて。
デジモンは戦う道具…少女の言葉を思い返すタカト。その頃、少女は一人(レナモンはいるが)夜の新宿をイヤホンを付けたまま歩く。孤独を身上とするクールビュティ―系。
一方李家はタワマン住まい。テリアモンがぬいぐるみでないことを知ってか知らずか扱いに遠慮のない妹が、夕食を知らせにジェンリャのもとへ。2人になった時、あらためてテリアモンに進化したいかと聞くと一呼吸あって、進化しないと答えるテリアモン。何か具体的な困難があったのか。
夜にギルモンホームへパンの差し入れに来たタカト。ギルモンはと言えば獣の習性なのか、ホームの壁を壊し穴を掘っていた。タカトが来て安心したのか、もたれて眠ってしまうギルモン~戦いの道具なんかじゃ、ない。と改めて感じるタカト。
夜の街で大学生(小嶋一成、渋江勝)にデジモンクイーンじゃないかと声をかけられるルキ。速攻シカトを決め込む。カソードテイマー云々は、ゲームをしない私にはわからないが、その世界ではすごいらしい。雑踏の中でこそ通じ合う二人、ルキはなぜ進化しないのかと問い詰めるが、レナモンは何と答えられない。どうしてレナモン?!強くなりたいんじゃないの?デジモンが友達なんてくだらない、と気を吐くルキ。怖え~
翌日、新宿中央公園に調査隊が入る。「インフェクト(感染)の痕跡はみられず」と通信しているから、警察や消防関係ではないらしい。そう、ジッポの謎の男の姿がそこに。そして足元には、ルキがスラッシュしたカードが残っていた。おそらくはカードゲームをする子どもが関与していると見たであろう男。
一方、淀小。相変わらずやる気のない浅沼先生、今日の話題はネットワーク社会だったが時間内に終えられず児童の前で嘆息。休み時間、ヒロカズがデジモンクイーンを「冷酷なるデジモン使い」と評している。あの少女がそうかと思い当たるタカト。ジュリも口をはさむが、結局カードバトルなど興味なし。小学生女子あるあるかも。それがまさか後日…
下校時に調査隊の存在に危機を感じたタカト、だがホームにギルモンはおらず。アークの方向でギルモンを見つけるが、退屈なので抜け出したらしい。拍子抜けだがめでたし。その恐竜みたいな姿…を逆手にとって都庁へ繰り出してみると意外と目立たないものだった。子ども(魚谷香織)には親しまれ、親には作り物と思われ。これは本当にびっくり。
すると突如アークが赤く光り、ギルモンが戦闘態勢になり駐車場へ向かう。居たのはレナモンとデジモンクイーン。はっきり言って再戦のワナを張られた。戦わせたくないタカトだが、ギルモンはスイッチが入ってしまうと止まらない。
そこへまたジェンリャが。なんとこのタイミングなのに可愛らしくテリアモンを頭に載せている;DWではデジモンは確かに戦うものと認めるが(テイマーズの設定)、RWでそれに従う必要はないと主張。理論派ならではの抗弁。チビ助呼ばわりされて「失敬だなぁ~」と言い返すテリアモン。タカトならずとも苦笑してしまう。しかし、内心進化に興味を抱いていたテリアモンが偶然のタイミングで成熟期ガルゴモンに進化というジェンリャにとって最悪の展開を帯びてしまう。進化バンクと挿入歌は、スラッシュのバンクと同じく、美しく何度見ても新鮮な驚きがある、よくできていると思う。アークは3Dだが変身する様子は手描きアニメと言うから驚き。表皮をかぶったデジタルな存在という描き方。進化バンクの原画はすしお氏、コンテは貝澤氏という。
ちらりとクルモンが出るが、心配そうに見るだけで特に役割は果たしていない。
ガルゴモン、声は脱力系のまま大暴走する。車や壁が壊され、ついにはルキに銃を向ける。レナモンより先にテリアモンが進化したことがショックな上に、そこへ割って入ったのはルキのパートナーではなく、正気に戻り勢いに乗ったギルモンだった。生命の危機を感じたルキは目を見張り汗をかき激しく動揺する。戦いの末路がこう来るとは、思いもしなかったよう。

次回予告:ジェンリャがテリアモンの進化を快く思わなかったトラウマが明らかに。でも、タカトはシンプルにギルモンの進化が見たいという。ガルゴモンが笑顔でぶっ放してるけど、大丈夫ですか?ファイナルコールはタカトとジェンリャ。

(2021/7/22 記)

 

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