デジモンテイマーズ第11話「新宿大ガード 1分30秒の対決!」感想
脚本:前川淳 演出:川田武範 作画監督:伊藤智子 美術:松本健治 (2001/6/10 放映)
タイトルは「おおがーど」と読む。新宿区新宿と同区西新宿の境界線上に存在する架道橋である。正式名称は青梅街道架道橋。ところで、バトルが1分30秒とは多分そこの信号が切り変わるタイミングなんだろうけど、それより長く感じるのはなぜ。
アイスデビモンの氷の墓標を見てショックを受けるルキ。自分も同じことをレナモンにさせてきた。そんな心境を受け止められず「デジモンは嫌い」と言い残す。
夜の牧野家、大切なはずのデジヴァイスとデジモンカードをゴミ箱に捨ててしまう。テイマーをやめるすなわちレナモンとの関係を解消するつもりで。この子の性格からして覚悟を決めると決意は固いよう。
放課後の恐竜公園、いつものカードバトル。タカトは昨夜使った「白い羽」と「高速プラグインB」のコンボで勝つ。その腕にうろたえるヒロカズ、驚くケンタ。毎度感じるが、ヒロカズとケンタの小5男子っぷりが本当にお見事!!親分肌のヒロカズ、それに乗っかって話を膨らますケンタ。やりとりの一言一言と芝居が一つ残らず生き生きしており、脚本家さんと声優さん他スタッフさんのご活躍が大変うれしいところ。
タカトは自慢したくてうずうず、「実戦で鍛えてるから」とうそぶいてヒロカズに疑念を抱かれ、早々に勝ち逃げする。昨夜の興奮冷めやらず、ギルモンにも「僕たち最強のパートナーだよね」と意気揚々。こちらは勝ったことを素直に喜び、もっと強くなりたいと思っている。パンに夢中なギルモンをよそに。
街でジェンリャはテリアモンを頭に乗せつつ恥かしがっている。さすがに人目をひく大きさのテリアモン。気にしてないのかと思ったが、一応男児としてのプライドはあるんだね。テリアモンは一人で家に置いていかれたくない、だって「あ~んなことやこ~んなことをされるから」と言いかけて。誰に?想像はつく。西側の青梅街道の横断歩道より、新宿大ガードにデジタルフィールドを発見。眉をひそめるジェンリャ、テリアモンを戦いに巻き込みたくないからだろう。
ヒュプノス、リアライズしかけたワイルドワンに、ユゴスを撃てと室長の指示。
テリアモンは戦う気満々だがジェンリャは強く止める、僕らに関係ないとまで言って。デジモンが暴れてひどいことになる前に止めようとするテリアモンの意見のが正しいように思うが、ジェンリャは言わば自己保身的。それはテリアモンと別れたくないからこそなのだろう。そうこうしているとフィールドは消えてしまう。
命中し撃破に成功した模様。続いて指示を出す山木「生き物のふりをしているが所詮はネットワークのクズ」というのが彼のデジモン観。故にテイマーたちにとって今のところ‘敵’であろう。そこへ何処からともなく「復讐してやる」というおそらくはデジモンの声が…
ジェンリャに言われた、テリアモンはRW に居ること自体が異常なのだと。テリアモンを戦わせたくないジェンリャ。僕が要らないのかと目を潤ませる(殊勝なトコもあるのね)テリアモンをなだめるジェンリャ。自宅に帰り入浴中も(腐にとっちゃサービスショット)気が晴れない。一方テリアモンは言うことはわかるが自分はデジモンだとの独白。小中氏によると「留姫とレナモンもそうなのだけれど(中略)ジェンダーとか種だとかを超えての、絆をめぐるメロドラマ」。メロドラマと言われると、甘く切なくドロドロしたイメージ;すんません変な例えで;
そこへシウチョン来たー!赤ちゃんプレイの始まり、テリアモンかわいそー。
ジェンリャがベランダで牛乳(風呂上がりの定番、笑。香港とのハーフにとってもそうなのかは不明。)を飲んでいると、レナモンが見える。なぜ来たのか。ルキとは直接話しづらいからか。牛乳を切らしたから買いに行くと一応言い訳をしてジェンリャは自転車を出してレナモンを追う。レナモン早っ。初めて見るジャケット姿も決まっていてお得感。近所じゃダメなのは、家族にデジモンの存在を隠すためか。
臥床中のルキ、デジモン、レナモンの事を考え眠れない。ルキのもとにまたなぜかクルモン登場。捨てられたデジヴァイスとデジモンカードが大切なものと知っているよう。元気のないルキを一方的に励ましてくる。思わずルキの笑顔!なんだかんだ言ってもうれしかった様。クルモンよくやったv
恐竜公園にて。ジェンリャとレナモンは珍しい取り合わせだが、知的で思慮深い点は似ているか。ジェンリャは「友だちの戦うとこなんて見たくない」そりゃあの暴走っぷりじゃあ無理もないか。レナモンは「敵を倒してロードすることが当たり前と思ってきた」テイマーはそのためにいるのだと。それがわからなくなってきた…。ジェンリャは返す、デジモンとテイマーが出会ったことに(戦う意外にも)何か意味があるのではと。冴えてるね~、そこがキモなんだよ。満月を見上げるレナモン、絵になる、無言。ジェンリャの言葉はすぐには受け入れがたいかもしれない。ジェンリャも言葉を継ぐことはしない。
寝入ったシウチョンを起こさぬように耳を抜こうとし、掛け布団をかけてやる。あんなことされるのに、テリアモンはシウチョンを保護の目で見ていたのだ、驚き。だからかばってジェンに言わなかったのだろう。
クルモンが枕元に残していったデジヴァイスとデジモンカードをそのままに、また捨てたりはしないルキ。
放課後、空を見つめるタカト。何と次の対戦相手の出現が待ち遠しいと。ただでさえデジモンのリアライズが続くことに不安を感じていたジェンリャ、タカトの好戦的な変貌ぶりに驚く。私も驚いた。
カードバトルのリベンジに燃えるヒロカズの誘い、けどジュリたちに子どもねと笑われて、憤慨するヒロカズとケンタ、恥かしがるタカトが好対照。ほんとタカト、ジュリ光線に弱い;
もちろんバトルは公園で開幕、時刻は4時。新しいカードを入手したヒロカズの圧勝に、タカトはカードでなく本物のデジモンと口にする。ジェンリャと違ってそこはタカトやはりお子様。見せてみろと言われてギルモンホームへ二人を連れていく。ギルモンはいないかと思いきや、穴の奥の暗闇に光る目、そして?くしゃみ?に恐れおののき逃げ出す二人、笑。
当のギルモンは出てきてデジモンの匂いがするという。それを喜ぶタカト…もう、調子に乗っちゃってる。
大ガードに現れるデジタルフィールド、ヒュプノスはワイルドワンにユゴスを破壊されるという未曽有の事態、一瞬映るワイルドワンのシルエット、室長は驚きのあまりジッポライターを落とす。そしてまたあの声が響く「人間共に復讐してやる…」。ということは、先程ユゴスにやられたのはムシャモンではなく別のデジモンということになる。敵は一人にあらず。
大ガードではフィールドのせいで交通が遮断される。現われたのはムシャモン(松山鷹志さん)、魔人型の成熟期、必殺技は「切り捨て御免」、果てしない戦いの中で常に生き延び続けた荒ぶる武者。あからさまに人間を敵対視しパートナーデジモンにも同様。タカトはスラッシュし挑みかかる「高速プラグインH」続けて「高速プラグインA」どれも無効。
室長、しびれを切らし現地へと向かう。
デジタルフィールドの出現に困惑するジェンリャ。幼女が手放した風船を追って中に入ってしまうのを目撃し、後を追うことに。すると、ムシャモンとタカトたちが戦っていた。焦ってまたも「高速プラグインB」「白い羽」をスラッシュ、コンボはこの場では逆効果。タカトの戦いぶりに、参戦の決断を迫られるジェンリャ「僕とテリアモンしかできない事を」。幼女が襲われるのを機にやっとGOサイン、「高速プラグインH」でムシャモンを牽制。テリアモン角があるから頭突きされると痛そう。もう本気モードのテリアモン、なぜかそこにクルモンもいて、ガルゴモンに進化する。しかしジェンリャは進化は予想外だったよう。暴れちゃうぞとガトリング・アームを乱発し近づいたテリアモン、ダムダムアッパーをお見舞いして勝利、ロードする。「白い羽」が役に立たず浮いていたギルモンだが、丁度風船をつかみ幼女に返してやる。デジモンに助けられたと母に言う幼女、母は取り合わない。おいお母さん、非常事態なんだから我が子から目を離さないでくださいよ。
デジタルフィールドは消え、交通が再開し、逃げるように去るタカトたち。それを見ていた山木。
人間を敵視するデジモンを倒すのはテイマーたちしかいない、「僕と君が出会った意味が分かった気がするよ」と戦うことにひとまずは納得したジェンリャ。終わってみると自分のしたことがわかる、タカトは自分の焦りを反省しギルモンに謝る。ギルモンは「モータンマイ」と、笑。タカト、反省会も早々に「モーマンタイ、パン食いたい」となぜか不出来なダジャレを連発。そこはまあ、小学生ですから真面目な少し重い空気をお茶を濁すのもアリか。
後を付けてきたらしい山木のショットで終了。グラサンに怖い顔つき、不審者?!デジモンをデータのクズと言い放つ以上、ワイルドワンと戦う子どものテイマーたちを見過ごすとは思えん、危険信号。
次回予告:すれ違うルキとレナモンの関係は、いつOPのようなもの(余裕でハイタッチ)に落ち着くのだろう。ついに山木が子ども達と接触を図る、どうなるか。そして、加藤さんのギルモンへの意外なリアクション。ファイナルコールはタカトとルキ。
(2021/7/31 記)
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