第21話「コロモン東京大激突!」
脚本:吉田玲子 演出:細田守 作監:信実節子
エテモンと戦う決意をした太一、メタルグレイモンに進化するが、次元の亀裂に巻き込まれてしまった。
人の行き交う暑い街にいる太一とコロモンは、呆然とする。女の子にここはどこか質問するが、コロモンを見て泣かれてしまう。少し歩くと、フジテレビ、観覧車、ゆりかもめ、お台場海浜公園のバス停がある、流れる曲はボレロ。やっぱり東京へ戻ってきたのだ。やったんだ、元の世界へ戻ったんだ。自分のマンション1306号、ドアを開けるのをためらう。鍵は掛かっていない。ドアを開けると間違いなく自分の家で、コーラを飲み干す太一とコロモン。元の世界を実感する。だがカレンダーを見ると、1999年8月1日、サマーキャンプに出かけた日ではないか。時計は12時26分、朝キャンプに出たとして数時間しかたっていない。あんなに何か月もいろいろあったはずなのに・・・。混乱する太一。
コロモンに呼ばれて振り返ると、パジャマ姿のヒカリ(荒木香恵さん)が起きてきた。そしてなぜかコロモンの名を知っており、見ても驚かない。キャンプではない場所に行っていたことも見抜く。「向こうって、コロモンのいた世界?」太一は他の子供たちに電話をかけまくるが、誰も帰ってきていない。デジヴァイスは確かに手にある。これはどっちも夢なのか?本当なのか?
太一は卵を8個くらい使って(贅沢;)オムライスを作り、料理の腕をヒカリにほめられる。(映画の通りもともと料理はできたけど、)向こうでヤマトに教えてもらったという。ヤマトのが腕は上か。ヒカリの分までたいらげ、コロモンはう○こ。ヒカリは、コロモンがう○こたれなのも知っている。光が丘の記憶があるようだ。ずっと見えていたのに誰にもわかってもらえなかったとは、しんどそうだけどタフな面もあるようだ。ヒカリはおねしょを太一がかばってくれたと話す。優しいとヒカリは言うけど・・太一、ヤマトのタケルへの態度については批判するのに自分は妹に過保護なんじゃ?あとで、第48話があるけど。
クーラーに風鈴。もうどっちだっていいや。そう思った太一は、お昼のニュース映像にデジモンが映っている事に気を改める。異常気象じゃない、向こうの歪みが影響している。「お兄ちゃんもみえるようになったの?」とヒカリ(小説では、キャンプの前にヒカリが「見えないの?」と言っている。)。その時異変が起きる。家電の電源が切れ、デジヴァイスがおかしくなり、パソコンに光子郎が映る。会話はできるようだ。「ここには戻って来ないで下さい」と言ったようだが、電源が切れてしまう。
俺たちだけこのままこっちにいていいはずがない、でもどうやって戻ればいいのか。引き止めるようにヒカリがスイカを勧める。「お兄ちゃんもう戻らなくていいよね。コロモンもずっとここにいていいよ」戸惑うコロモン、太一は部屋でうたた寝している。電話があり、ヒカリが取ると母からだった。思わず替わって「母さん」という太一、でも切ってしまう。ここにこのままいれば、当たり前の夏休みが続くはず、「聖なるデヴァイスなんて」と怒って太一が投げようとするとその時外で大きな音がして、ティラノモンが街を破壊している。行かなければ。しかしティラノモンは消える。次にドリモゲモンが現われて消える。緊急ニュースがお台場で地震と報じるが、デジタルワールドの歪みが、リアルワールドに影響している事を実感させられる太一。コロモンは、デジタルワールドに帰る、デジモンはここにいちゃいけないと言う。追いかけてくるヒカリ。
そこに今度はオーガモンが現れる。必死で戦うコロモン。アグモンに進化して勝つが、次元の歪みで上へ登ってゆく。ヒカリはすがるように止めるが、あいつは俺がいないとと、太一も上へ昇ってゆく。
ナレーションが、やがてヒカリも行く事になると告げる。八神家のテーブルには、8個目のデジヴァイスが。
細田さんは、「太一という夫とヒカリという本妻とコロモンという愛人の色っぽい物語」と語っている。ヒカリがオムライスもスイカも食べないのは、「これやるから返しなさい」とのメッセージだという。なるほど確かに兄妹の情感が艶っぽい。同人誌でもヒカ太、太ヒカは結構あるし。
デジモンワールドへ戻った太一とアグモン「必ず帰るよ、俺たちのやるべきことをやったら」。巻き込まれた冒険だが、今度は自分の意志で仲間を思い世界を思いやってきたところが力強い。