デジモンゴーストゲーム第10話「死ノ遊戯」感想
脚本:佐藤寿昭 絵コンテ:志田直俊 演出:村上勉 総作画監督:浅沼昭弘 作画監督:会津五月、仁井宏隆、八島善孝、井出武生 (2021/12/12 放映)
<あらすじ:公式サイトより引用>
『ファイターズ・キングダム』という格闘ゲームで連勝していると、謎の美人キャラクターが乱入してきて、試合に敗れたプレイヤーを連れ去ってしまう、という噂が出回り始めた。ちょうどそのゲームにハマっていた清司郎は、そんな恐ろしいゲームは絶対にやらないと誓う。だがその時、寮生のコタロウがが噂通りに連れ去られてしまった!犯人はキンカクモンとギンカクモンという姉弟のデジモン。彼女らは破れたプレイヤーを「戦利品」としてさらい、酒に変えようとしていた。コタロウを救うため、清司郎はゲームでキンカクモンたちに挑む。
●全体を見て:録画のタイトルには「…清司郎と格闘ゲームの怪異」と追加されている。
このままバトルの末相手を許し解決というパターンが続くのも平板だがそれはそれでよい気がしてきた。一方で、北斗を探しDW へ旅立つ展開もあるのか?と思う。
コンセプトはオンラインゲーム(最初の被害者が外国の人)、展開を見守るボコモンと瑠璃たちはパソコン越し、機械音痴の私には何が何やらわからない。
ずいぶん遅れてジェリーモンの進化回。パートナーデジモンが三体しかいないから尺に余裕があるのだろう。この調子でアンゴラモンの進化も近そう。
佐藤寿昭氏は、:で何話か書かれた脚本家さん。演出の村上勉さんは、もとは様々なアニメの作監をなさっていた方。作監の井出武生さんは、ドラゴンボール、ワンピで作監を務めた方で、テイマーズ映画・冒険者たちの戦いにて作画監督補佐もされた。
感想を書いていて、時々虚しくなる。数十時間かけて必死に書いた長文が、他のサイトやツイートに全然かなわないんだもの。しかも長いのの半分はよそからの引用のせい。自分のペースでと言うけれど自分って何。でも筆を一旦置くともう二度と書けない気がするからやめられない…
●宙:ゲームには全く関心や経験がない様子。珍しく自ら名乗り出ず先輩を強く推したし。イマドキの中学生にしては珍しい。そう、家事を目一杯やっていたもんね。ストレス発散ならソロキャンプもあるし。
北斗は大酒飲みの模様。宙は父の家事放棄だけでなくそれも容認しているよう。研究成果があるのだからアルコール依存症まではいってないのだろうが、思春期の生育環境としては良くないので心配。
●ガンマモン:日中は、ヒロの学校があるのでヒマな寮長のもとで過ごしているよう。べテルガンマモンに進化しギンカクモンに対するも、キンカクモンとジェリーモンの戦いに華を持たせた格好。
「最強ジュース」って何。ココアみたいなもの?
●清司郎:アニヲタにして自称腕に覚えのあるゲーマー。「ファイターズ・キングダム」に久々ハマっていたというから、デジモンのトラブルに巻き込まれなければ、ゲーム自体はそれなりによい作品なのだろう。でもひ弱な天才が、格ゲーにハマるのって真逆…とゲームに無知な私が思いきや、そのゲームに特化した知力と技能が必要とわかった。
あの程度の話を不純呼ばわりするからには、中2にして女性…いえ恋愛経験などないのでは。
寮長として、全寮生のキーナンバーを把握しなきゃと思ってるんだろうか。結局壁抜け出来るジェリーモンが開錠したけれど。コタロウの失踪場面を目撃して「カンスト」。しかしファイターズ・キングダムのOPコールに条件反射で覚醒(笑 この怯えっぷりが本当にかわいい。
寮長との言葉に押されて。選んだキャラは正統派イケメンバトラー、理由はプレーヤーなりにあるのだろう。見事な手さばきであっという間に20連勝。
キャラになり替わったジェリーモンは苦戦、しかし「間合いは、掴んだ!」ここ、メチャかっこいい。
●ジェリーモン:清志郎の言う「カンスト」をカウンターストップの略と解説。彼の怖さのカウンターが振り切れて、ストップするの事という。一般的には、数字のカウントが上限に達し、それ以上のカウントがストップされること。特にテレビゲーム・アーケードゲームにおいて用いられる和製英語。カウントをストップするようプログラムしていないと、予期しない動作やフリーズを起こし、最悪データの破損や機械的な故障を起こす。それらの不具合を防ぐための処理がカンストであるから、清司郎がカンストするのは必然性がある。けれどジェリーモン、面白いのはその後の「ゲントツ」と。限界突破のこと。
寮長という言葉で暗示をかけて清司郎にはっぱをかける。乗せさえすれば、ちゃんと出来る人と信じているから。たかが中二の寮長に、学校側からは実際はそんな権限も責任も与えてないと思うけど。
清司郎のパソに直に接続して(そんなことできるんだ~)キンカクモンと対戦。RWでの対戦に至っては追い詰められて、清司郎がけなされて悔し涙なのかな。「二人だから、強かったさ!」彼への信頼厚い。危機一髪のところで清司郎に電撃、覚醒に成功。ここでの清司郎はマジイケメン、ジェリーモンを呼び捨てで呼び、声を合わせ「ゲントツ」!素晴らしい!進化を達成。これでやっと成熟期同士。
●テスラジェリーモン:tethraテスラはケルト神話の巨人族・フォモール族の一人。しかし図鑑では綴りがTESLAなので、テスラ社(アメリカの電動輸送機器及びクリーンエネルギー関連の企業)の製品の自動車の事が語源なのか??ジェリーモンが刺激と快感を求め、格闘技のデータを吸収した成熟期。電撃技が強化され、空手やプロレスなどから応用した技が増えたという。今回は、確かに格闘技を思わせる戦いぶりで、手のひらに電撃をためた「フィサリスト」を披露。なぜかギャル語しゃべり;いやもうギャルとは言わんようで、JK語で「乙」はお疲れ様の意だという。調べてみてわかる、本当に言葉とは生き物。この一撃で勝利。
●瑠璃:ゲームの怪についてフォロワーさんに聞いてみてるが反響なし。まさにコタロウのような格ゲーしそうな男子もいるだろうに。まだことが始まって間もないのか。
バトルをパソ越しに見ていたが心配で現地へ。けど降りる事もなく飛んで帰る。
●アンゴラモン:さすがの知性派も、カンストなる和製英語は知らなかったよう。
「拳と拳を合わせてみれば、クラゲ開化の音がする。酒呑みは一文の得なし…」。ほんとに何それポエム。これはこれでよし、どうか続けて下さい。
●コタロウ:ゲームに関しても色ボケだが、20連勝を勝ち取るだけの腕は持っているとは意外。吸収されるシーンはちょっと怖いよなあ。この時の宙の驚き怯える表情がとてもいい、新鮮で。こんな奴でも、酒にされちゃうのはさすがに可哀想。
●ボコモン:前回に続いての登場、人間界に暮らし、これは準レギュラー出演確定か。デジモンに詳しい、心強い味方が存在していてよかった。メアド交換までして。図書館の本丸ごと読破するほど知識欲は旺盛、でもアナログな図書館にオンラインゲームの本はさすがになかったようで。「都立忠応図書館」は都立中央図書館のもじりと思う。都立図書館には港区南麻布の中央図書館と、多摩図書館がある。(もちろん電子的なサービスは実際行っている。)外観が実在の中央図書館に酷似しており、ここ聖地だろう。ただし、現実には工事等により令和3年11月11日から令和4年1月6日まで来館サービス中止(ネット上でのサービスは継続、来館は事前予約なら可)となっているので、作品との時系列の整合性はいかがなものか。ところであの部屋は、図書館内の会議室?飲食可で自由に使える部屋があるのか。外観は5階の「交流ルーム」が一番近く思うが。屋外が暗くなってもまだボコモンたちが使えている。実際の開館時間は、平日が10時~21時、土日祝が10時~17時半なので、冬ともなれば日暮れは早く、その点は齟齬は生じない。
●バクモン:バグを漁るせいで情報通なのか、女と男の声というだけでキンカクモンギンカクモンの事を最初に指摘。使える~。これも準レギュラーとして今後もいろいろ助けてくれるのかも。
キンカクモンが負けを認めるシーンで、ボコモンを置いて飛んで来たのか、そこにいた。瑠璃はバトルにも加わらずそのまま帰ったよう。
●キンカクモン:「西遊記」に登場する兄弟魔王・金角・銀角がモデルと思われる、鬼人型の成熟期。図鑑によると弟のギンカクモンと共に「鬼の金銀ブラザーズ」と恐れられる暴走ムスメ。色恋には猛進型の恋多きデジモン。加えて早とちりの天然ボケのうっかり者で、相手が惚れていると誤解しては大騒ぎという。今作においては恋愛要素はなく、単純にバトル好き。成熟期ながら実力は相当で、強い相手を求めて、果たして20連勝した強いゲームのキャラクターに勝利しプレーヤーを吸収するという暴挙に出る。ここ数日と清司郎が言っているから、海外勢含めそんなに被害者は多くはないのだろうが。
ジェリーモンの善戦を機にプレイヤーの顔が見たいとパソコン画面から出てくる。ここからは疑似デジタルワールドを清司郎が展開するも二度目のカンスト。それに憤慨したキンカクモン、最後の手に出ようとするが。
敗北が決まると「戦利品」をあっけなく解放。悪は悪でも性根は腐っていないのが気持ちいい。再戦の意欲満々だが、再登場はあるのか。
声は小松由佳さん、青二プロ所属、声優にして舞台女優、ナレーター。キュアパッションをはじめ強気なヒロイン、セクシー悪女、気風のいい姉御など多様な役柄を演じている。父が東映の監督、母が映画ファンという家庭に育ち、大学は日芸、映画志向でいたが現実は厳しく、母より声優を勧められたという。
●ギンカクモン:鬼人型の成熟期。背負っている紅瓢(べにひさご)はキンカクモンの飲む酒でその中は異次元と繋がり、異次元に飛ばされたデジモンが酒の材料、と図鑑より。「西遊記」によると持っているヒョウタン紫金紅葫蘆(しきんこうころ)は呼び掛けた相手が返事をすると中に吸い込んで溶かしてしまうという。今作ではこちらもモチーフだろう。酒にされてしまうと元に戻らないというタイムリミット感が見てる方とやってる方とも気持ちを急かす上手い演出。
背部から姉の支援をしているが、ジェリーモンが巻き返すとずるしてコントローラーを長くして鮮やかな指さばきで応戦。ボタンを増やすとかえって大変じゃないのかなあ。
腹部に姉の乗れるコックピットを持つ。姉が大好きで、暴れても温かく見守り、姉に破廉恥な奴が近寄れば投げ飛ばすという。人質の解放では姉に従順。
酒への執着あり、RWで酒が買えるのに驚いていた。宙にもうしなければ酒をあげると言われほだされそうになるが、そこは姉が拒絶。
声は稲田徹(てつ)さん、青二プロ所属、02のCDドラマにボルトモンで出演歴あり。身長180代の巨漢だが、強面ではなく非常に温和なムードメーカーという。特撮に造詣が深く、仮面ライダー1号の声を務めたことを大変誇りに思っているという。
●大学生(アルス):どこの国の人なんでしょう。欧米ぽいけど。「アルス」とはラテン語で「自然の配置」「技術」「資格」「才能」などの意味がある。声は既出の佐藤悠雅さん。
●ゲームナレーション:声は深川和征(かずまさ)さん、青二プロ所属、鬼太郎やワンピの脇役、ヒプノシスマイクのメインキャラ等で出演。
●ゲームキャラ:声は既出の中村光樹さん。
●次回予告:他サイトにてレッパモンとの情報あり。調べると尻尾が刃になっているカマイタチのようなデジモンと。セイバーズに出てるの全く忘れてるよ自分;だから全部書き直したいのです。レッパモンは詳しくは次回に。瑠璃がフィーチャーされてるので、アンゴラモンの進化回とみて間違いない。ナビが「人間関係を切れれば」と場違いな呑気さだし、人間界を客観視してる、あなたは誰?
(2021/12/14 記)