デジモンゴーストゲーム第11話感想

デジモンゴーストゲーム第11話「カマイタチ」感想

脚本:森地夏美 (絵コンテ:角銅博之、クレジットにはないが角銅氏がサイトとツイートにて明らかにされている) 演出:池田洋子 総作画監督:石橋大輔、金久保典江 作画監督:澤木巳登理、舘直樹、北野幸広、井出武生 (2021/12/19 放映)

<あらすじ:公式サイトより引用>
冬の街を襲うカマイタチ。鋭く強い風は停電を引き起こし、アスファルトを割り、人々の生活に大きな被害をもたらしていた。そんな中、ひょんなことからアンゴラモンと気まずい空気になってしまい、街をひとり歩きしていた瑠璃。夜の竹林公園で、瑠璃はカマイタチの原因であるレッパモンと出会う。警戒する瑠璃 しかし何かがおかしい。瑠璃を執拗に攻撃してきたり、かと思えば逃がそうとして来たりと行動があやふやなレッパモン。その二面性に戸惑う瑠璃だったが、ついにレッパモンが刃を振り下ろす!

●全体を見て:サブタイトルには「…切り裂き事件の真相は?」と追加されている。
瑠璃が主役だからアンゴラモン進化回という予想は外れた。話数の割に随分と進化が遅いと感じる。次々に強いデジモンが現われ戦うというより、謎を追ううち相手の言い分を聞き騒動の解決という顛末だからして今作はこういう流れで行き続けるのだろう。その可不可はまだ先の話だ。けど、主役の成熟期進化(ウェズンガンマモン)もまだなのは気になる。
鎌鼬とは、日本に伝えられる妖怪もしくはそれが起こす怪異。ちなみに冬の季語。つむじ風に乗って現われて人を切りつける。被害者は刃物で切った様な鋭い傷を受けるが痛みも出血も無いとされる。鎌のような爪を持ったイタチの姿をしているとして今日に定着しているという。尻尾じゃないのね。
アンゴラモンの何やら隠している言動に瑠璃は不信感を持つが、尋ねてもはぐらかされてしまう。不満を募らせ一人で行動した時、騒動に巻き込まれアンゴラモンに救出されるとこはさすがにナイト。レッパモンの軋轢を何とか解決、そしてアンゴラモンが言えなかった事情も分かって二人仲直り。ほのぼの。レッパモンが集会に参加してうまくなじむところを見たかったが、ここは想像に任せる演出もそれはそれで。
聖地だが、宙の最寄り駅が目黒駅として、目黒区に「すずめのお宿緑地公園」という24時間開放のノスタルジックな竹林があるが、遊歩道が似ているしここではないか?瑠璃は電話で「竹林公園」と呼んではいるが。
脚本は7話「鳥」の森地氏。あれはヤタガラモンが飛び去ってしまう意外な幕切れだったが、今回もレッパモンがひとまず治まっただけで、あの体は変えようがないのだからどうなるやら。

●宙:頼られマンだが、瑠璃の相談には露骨に嫌な顔;関係が近いからこそなんだろうが。
打ち明けないなら尾行するしかないってこの子、何でも器用にこなせるからって犯罪的行為にも平気で手を出すの、怖い。いつかしっぺ返しが来るぞ。
部屋での勉強(宿題?数学の問題)は、右手にデスクトップパソコン、左手にスマホ、真ん中にタブレットという、機械音痴の私にすリャハイパーな状況で。

●ガンマモン:前回と違うチョコパフェ、しかもどちらもおいしそう、描き手の愛が感じられて良い。「知能が10才くらい」って、この食べ方は幼児並みだぞ。宙にお世話される様子がかわいい、ラブラブv
「今日はイケそう、オレ飛べる!」自身で進化できる予兆を感じることが判明、一転頼もしいカウスガンマモンに進化。「しっかり掴まってろよ!」と弟でなく兄貴みたい。森の中が得意なレッパモンを空中戦へ駆り出すことに成功。背中に棒が二本出て、乗れるようになっている。デジモンに乗って戦うのは:を想起する。乗れるデジモンて、サブマリモンとかメカノリモンとか、好きだ。

●瑠璃:ピッタリなもの探しは続く。あれはインスタントカメラなんだろうか、デジカメもスマホのカメラ機能も使えない私には謎、「写ルンです」の時代が懐かしい;カメラを切られ、膝から崩れる様はかわいそう。でも、好奇心のあまり中一女子が一人夜に映えとか言って竹林巡りなど、そもそも非常識で、自分が招いた不幸。何で私瑠璃には厳しいんだろう…?オンナの妬みとか?!(笑
アンゴラモンに不満があったが、騒動で、一緒にいるんだからきちんと話し合うことの大切さを痛感。レッパモンたちの説得に挑む。しかしレッパモンを「あの子たち」呼ばわりには驚く。たかが中一が成育歴から言ったら年上のモンに向かって「子」って、何様のつもり?まあ説得の内容は胸打つものがありますが。
「プチトルネード、最大出力」プチの最大って何。竹の木でレッパモンを見事拘束。
アンゴラモンに素直に謝る所は、好感度アップ。

●アンゴラモン:薬液が混ざるから振らない方がとか、写真の構図がどうのとか、デジモンなのに人間界の事の物知りにもほどがある。大体の人間がそこまでわからないと思うぞ。ちなみにダウンバーストdownburstとは、ある種の下降気流で、これが地面に衝突した際に四方に広がる風が災害を起こすほど強いもののこと。
看板が落ちる前、何かの気配を察知していた模様。
レッパモンを評して「互いの気持ちを譲り合わないと」は別に瑠璃に向けて言ったのではないが、瑠璃には響いた模様、うつむいて同意。レッパモンを説得する決意を固める。
集会で上手くレモンを切って、とナイスな提案にて一件落着??
言えなかったのは、集会を人間に知られてはダメという決まりがあったから。でなければナイトが瑠璃を一人にするはずがない。
仲直りの余韻に浸り「膝を交え腹を割れば、心をもって心に伝う…」自戒を込めて。
アンゴラモンのモフモフはファンに評判だけれど。私はペットのトラブルのせいでモフモフ系にトラウマがあるので、そのシーンの度に悪寒でぞわぞわします。すいません。

●清司郎:前回のゲーマー設定を生かしゲームに夢中も、ジェリーモンにせがまれお買い物(紙袋の「CAMERA」は、秋葉原のヨドバシカメラを暗喩しているのか、それとも数はごく少ないがカメラ専門店の袋なのか)。
寮長たるものルールは守る、と瑠璃の電話に出ず。常識的な判断だが、瑠璃のリアクションは「役立たず!」ともはや暴言。ほんとに先輩への態度悪いなと、個人的には不快。

●ジェリーモン:瑠璃の写真に触発されて、自分用の本格的なカメラをご所望、相変わらずワガママ。買ったばかりなのに「次は何を買うさ」って、まだ買う気かい!

●ボコモン:やったー準レギュラー確定!瑠璃にやさしく信じろと諭す。中学生トリオ、大人の味方が今のところ不在だから年長者ボコモンの存在は大変ありがたい。

●レッパモン:尻尾が刃になっている鎌鼬のような聖獣型の成熟期。背後への攻撃を防ぐため尻尾の刃には意思があるという設定。意思が合わず戦いの最中に尻尾とケンカする事もあるという。この設定が今回生かされたが、こじれにこじれてしまい。突風の怪はここに起因した。身一つである以上根本的な解決策はあるのか??
必殺技は、前転しながら突撃する「駆駆裂空斬(くるくるれっくうざん)」と、鋭い爪で裂く「獣牙乱撃」、また尻尾を振ると目に見えない風の刃「真空カマイタチ」を放つ。
登場すると辺りが冷気に包まれるよう。イタチの体で神道系のお飾りを付けているから、キュウビモンを彷彿とさせる。

●レッパモン本体:他人を傷つけたくないと願い、自分もダメージがある尻尾の切り落としにも言及するほど切羽詰まっていた。制御できなかった自分にも非があると、ずいぶん責任感が強い。本音は切り落としたいのでなく「どうすれば誰も傷つけずにこいつとうまくやれるか何度も考えたさ!」騒ぎの割には随分まともなお言葉。そりゃ尻尾のが悪いわ。
声は松風雅也さん、:にて何役もされた方が引き続き出演。

●レッパモン尻尾:自身の切れ味こそが生きがいという厄介者。アンゴラモンに刃さばきの精緻さを求められ思わず話に乗る単純な奴。
声は乃村健次さん、青二プロ所属の名脇役、デジモンではナニモン、ワイルドバンチのバベル、アルボルモン・ペタルドラモンにて登場。

●キュウキモン:伝説の妖怪カマイタチのような姿の妖獣型の完全体。紛らわしいが今回に出番はなかった。キュウキとは、中国神話に登場する窮奇という魔獣。ハリネズミの毛が生えた牛で、犬のような鳴き声で、人を食べるという。日本では江戸時代の書物で鎌鼬と窮奇が同一視されていた。

●ムーチョモン:声は高橋花林さん、青二プロ所属、「ぐんまちゃん」のぐんまちゃんなど出演作多数。第1回ぽにきゃん声たまオーディショングランプリの経歴あり。

●フローラモン:紅茶を淹れる腕を持ち、品種にもこだわりが(ダージリンなど、日替わり)。声は斉藤明日美さん、青二プロジュニア枠、鬼太郎などの脇役に出られた方。

●集会所の面々:ムーチョモン、フローラモン、ポテモン、ドクネモン、エレキモン、ラブラモン。人間界に入ってきたデジモンがこんなにもいるとは驚き。ムーチョモンが果実を栽培し、フローラモンが人語を操り人間同様に紅茶を入れられるのに、ラブラモンは四つ足歩行でレモンを切るどころか噛んでしまい言葉も話せない様。成熟期ではあるがいろいろなレベルのデジモンがいる様子。集会は街の片隅やビルの屋上など人目につかないところで。レッパモンは果たしてここで安住できるのか。

●(あーちゃんと呼ばれ、竹林で最初に襲われる)彼女:声は既出の木村真悠さん。

●彼氏:二人の吐く息が白いことも描写され、手が込んでいる。声は既出の橘内良平さん。

●店員:瑠璃を心配して出てきたはいいが、壊れた看板の後始末もせず店内へ戻ってしまう描写はおかしい。声は既出の坂本久瑠実さん。

●次回予告:今度のモチーフは昔からある「不幸の手紙」、そしてメール。ええ、削除しただけじゃダメなんですか?!怖い…。他サイトによるとあれはベジーモンではなくザッソ―モンだそうで。詳しくは次回書きます。

(2021/12/21 記)

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