デジモンテイマーズ第14話「テイマーよ立て!メガログラウモン超進化」感想
脚本:小中千昭 演出:貝澤幸男 作画監督:八島善孝 美術:杉浦正一郎 (2001/7/1 放映)
ヒュプノスを司る山木は、デジモンを捕獲すべくシャッガイを起動する。しかしその影響は強く、RWともう一つの世界との壁を崩さんとしていた。大いなる戦いの火ぶたが切って落とされる。
街の人々が立ち止まる中、クルモンはインプモンに追われて逃げている。転ぶと背中を踏みつけられ、ロードされそうになる(これ本気??)。しかしクルモンそしてインプモンの目を奪ったのは異様な光景だった。
ジェンリャの部屋で、テリアモンは窓越しに都庁を見つめ外に出ようとする。シャッガイに反応し唸り声をあげ、もはや理性は効いていない様。
人混みをかき分け大ガードまでたどり着くルキと、レナモン。
新宿中央公園で広場まで出て空を見上げるタカトとギルモン。
山木、初めてサングラスを外す「さらば、無秩序なる獣たちよ」なんかキター!て感じ。わくドキです。確認したいんですけど、山木はイケメンという設定で間違いないのでしょうか。
都庁の屋上から放出されるエネルギー。都庁の外からモニターしている山木。こちらへ走ってくるのは、タカトとギルモン、山木と鉢合わせ。方々からリアライズしていたデジモンたちが都庁の上空のシャッガイホールへ引き寄せられる。ギルモンも例外ではなく、「わぎわぎ、しゅうしゅう」と違和感を訴える。満足げな山木、憎らしい奴。ギルモンも上へ吸い寄せられかけて、タカトは腰を抜かす。おい大丈夫かテイマー。こんな数のデジモンがリアライズしていたとは驚き。さすがに報道規制でも隠せまい。
苦しみながら量子崩壊していくデジモンたち。断末魔の叫びに耐えかねて、恵はゴーグルを外してしまう。そこは肝の据わった麗華、微動だにせず「あと80秒」と冷静に報告。
殺されてゆくデジモンたちを見て驚くタカト。山木は、デジモンはRWにいてはならない、消すしかないという。もちろん、ギルモンも「お友だちなんかじゃない、たちの悪い人工物」と言い捨てる。タカト、反論するも、悔し涙を浮かべて。小学生の限界。
そこでギルモンが何かを察知。山木にも麗華から連絡が。シャッガイホールの中に、何かがリアライズしてくると。衝撃音。‘何か'が来た。起きるはずのないトラブルに動揺する山木。ヒュプノスに警報が鳴り響く。もう陽は暮れようとして。
夕食の準備中の松田家。TV放映が途切れ、おぞましい声(石井康嗣(こうじ)さん)が聞こえる。それは人間に造られたデジモンが人間ではない独自の神を信望し、人間は進化を助けるのみの存在になり下がったというもの。それが証に、RWへの道を開けたではないかと。あちらの世界へデジモンを送り込むはずのシャッガイホールが、こちらの世界へ侵入する経路となってしまったよう。当然ながら取り乱す山木。失意のうちに姿を消す。
山木はすれ違ったジェンリャの胸ぐらを掴む暴挙に出る。大人が小学生相手にですよ!恐ろしい。ストーキングだけでもアレなのに。「お前らなんだよ、この世界の秩序を狂わせているのは!」と吐き捨てて去っていく。合流したルキも目撃。八つ当たりもいいとこ。テリアモンの得意ゼリフ「失敬な奴だな」。ジェンリャ、よく警察沙汰にしなかったな。まあ、デジモン連れてるからそうもいかないか。それはそれとして、都庁へ急ぐ二人。
偵察のため先頭に立ったのは俊敏なレナモン。都庁の壁を素早く駆け上る。しかし、屋上のデジタルフィールドには誰もいない?いやしばらくして虎の姿が映る。今ならイケると意気込むルキに、タカトがカードを投げ渡す、前回登場した「超進化プラグインS」。即スラッシュするルキ、ここのコンビネーションがカッコイイ!キュウビモンに進化!ずいぶんと大きな虎型のデジモンがいた。その尻尾が武器に変化し、弧炎龍を放つキュウビモンをしたたか打つ。その勢いで転落したキュウビモン、レナモンへと戻ってしまう。これは強敵!
当然ここは参戦したいテリアモン、ジェンリャはためらう暇もなくカードスラッシュ、同じく「超進化プラグインS」でガルゴモンに進化。銃の勢いで屋上を目指すが、それと引き換えに傷ついたレナモンが転落してゆく。明日は我が身、苦戦を予想するテリアモン。着地した満身創痍のレナモンに触れるルキ、歴戦の女王なのに冷や汗をかいている。今までとは何かが違う強大な敵、究極体か?(実は完全体)
データが表示されないのでカードの選びようもなく、焦るジェンリャ。屋上に達したテリアモン、敵の大きさにいつもの脱力系の余裕もない。ガトリング・アームを連射、夢中で撃っているうち後ろに回り込まれてしまう、しかも何と弾切れ;終わったあ。反撃さえできずレナモンと同じく尻尾の変形した武器に打たれて転落、テリアモンに戻ってしまう。何という強さ。
居ても立っても居られないギルモン、未だためらいながらスラッシュするタカト、スラッシュバンクの強い表情はカットされている。でもグラウモンに進化、覚悟の定まらないタカトが唯一支援できたのは、屋上へ上がるための「白い羽」。引き換えに落ちてくるテリアモンを受け止めるジェンリャ。テリアモンがささやいたグラウモンへの助言は、「奴は戦う前に必ず間合いを見る、その時がチャンス」若干ビビるタカト、デカい敵、でもやるしかない。「グラウモン、行け―!」勢いが通じてプラズマブレイド(両肘のブレイドにプラズマを発生させ敵を攻撃する必殺技)発動、敵に傷を負わせる。さらにエキゾースト・フレイムを浴びせたものの右肩を噛まれるという猛攻撃を受ける。
右肩の激しい痛み、それをタカトも程度の差はあれ体感し、Dアークとカードを思わず落としてしまう。そこで表示されたのはミヒラモン(田中正彦さん)、完全体。量子化しかけるグラウモン危うし、タカトも痛みのせいで失神してしまう。うわーやば。そう、命懸けの戦いが始まったのだった。
恐竜公園、時刻は午後8時20分、もう暗いのに居残っているヒロカズとケンタ。ケンタにタカトがうらやましいかと聞かれて否定するヒロカズだが、もう異変はそんな二人のすぐそこに迫っているのだ。商店街から都庁を見上げる人々、タカトの両親もジュリもいる。青く染まった都庁の異変はまさか…。感づいて走り出すジュリ。
いくつもの時計が動く青紫色の不思議な空間で、テイマーと呼びかけられて驚く、まだ右肩が痛むタカト、その声と姿は戦闘態勢に入るとタカトの声にお構いなしになるはずのグラウモンだった。ぼく頑張ったよ。もっと戦わせてと繰り返す、ギルモンほど幼くはない声。「タカト、グラウモンのテイマーだよね」ハッとする、そう僕はテイマー!弱虫でごめん…もう一度、戦ってよ一緒に!と勇気を振り絞るタカト(また泣いてる…カワイイ)がグラウモンへと伸ばした手は。いつの間にかクルモンの手を握っていた、意識を回復したタカト。
航空自衛隊がミヒラモンを攻撃したが効かない。負けてない、もう負けられないんだグラウモンも僕も!とタカトはあきらめを振り払い、Dアークとカードを手にすると、1枚がブルーカードへと変化。きりりと立って復活宣言、カードをスラッシュするとクルモンの額が。マトリックス・エボリューション、ミヒラモンに喰いかけられていたグラウモンが何とメガログラウモン(完全体。megaloは①巨大な②百万倍の、の意)に進化!進化バンク(クルモンも登場)の演出は三体とも今村隆寛さんという。人間にくみするデジモンがなぜ進化できる?と吠えるミヒラモン。引き続き痛みを共有するタカト、ミヒラモンの猛攻に耐え一歩前へ言葉通り踏み出す「僕は君のテイマーだから」。もう揺るがない覚悟で放つ「アトミック・ブラスター!」(前半がグラウモンで後半がタカトの声)。ミヒラモン敗北、なぜ我らが神をあがめぬお前が進化するかと問いながら消えた。「我らが神」とは一体?
ヘリ内から見ていた山木、図らずも自分が呼び込んでしまったデジモンを、例の子どもたちが倒したという葛藤を抱えつつ、子ども達が遊びの延長でという甘い認識だ。
ヒロカズとケンタ、実戦と進化を目の当たりにしてもう気まずさが吹き飛びデジモンの存在を肯定し応援していた、そこへジュリも。ケンタ「テイマーはデジモンと一緒に戦う」。降りてくるグラウモン(の爪)を抱きしめるタカト。一緒に戦うことができた喜びで涙を交わすメガログラウモンとタカト、めでたし、感涙。
次回予告:寅の次は巳ヘビ。大いなる戦いの始まり、もう止めることはできない、子どもたちは戦うのみ。ファイナルコールはタカト。
(2021/8/12 記)
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