デジモンテイマーズ第20話感想

デジモンテイマーズ第20話「切り札はコレだ!友情のブルーカード」感想

脚本:まさきひろ 演出:今村隆寛 作画監督:八島善孝 美術:清水哲弘 (2001/8/19 放映)

インダラモンに圧倒されるグラウモン、ガルゴモン、キュウビモン。しかし、傷だらけのインプモンはまだ戦いをあきらめてはいない…
ぼろぼろなのにお前をロードして進化してやると大口をたたき、インプモンはインダラモンの顔にパンチとキックを繰り返すも鼻息で落とされる。勝負する気さえないのがインプモンには腹立たしい。だが本気を出せば致命的な一撃を、インダラモンは前足で繰り出し、インプモンは遥か向こうへと蹴り飛ばされる。テイマーズは援護できず、あまりの力に愕然とする。
これでロードされればおしまい…けれど都庁のシャッガイが起動し、インダラモンの肉体が不確定になることで命拾い。出力40%、50、60、残念ながらそれが限界だった。悔し気な山木。異変を感じたインダラモンは再び退却する。不完全ながら機能した、後認可さえ降りれば出力を上げられる、と山木は強気だ。
中央公園地下トンネル内で、タカトに付き添われ体を休め退化を待つグラウモンたち。インプモンを探しにいっていたジェンリャとルキは見つからなかったと。ひどいけがだったから心配。
翌朝、リー家。ジャンユーの朝食は中華でも和食でもなくコーヒーと、フォークのある皿は洋食、卵料理だろうか。ジャンユーは日本での朝食は洋食派か。ちなみに香港人の朝食は圧倒的に外食が多く、店もたくさんあるので、お粥・点心・麺類・パンなどメニューはいろいろだという。出勤が遅いのは今日から出向先への転職だから。それがまさかあそこだとは…。ジェンリャは夏休み中なので朝からインプモン探し。事情を知らぬジャンユーは、子どもの仕事は遊びだなとつぶやく、当の子どもが大冒険しているとは知らぬが仏。広げている新聞は中国語、香港人は英語もできると聞くし若い研究生時代はおそらく英語が公用語だったから、ジャンユーは広東語と英語と日本語のトリリンガルであろう。
まつだベーカリー、タカトの父に、ヒロカズとケンタが「ギルモンパン」を作ってとお願いしている。おそらくは2階にいて朝っぱらから騒がしいので、タカトは急いで勝手口から降りてきて、ヒロカズたちを無理やり撤収させる。幸い父にはばれなかったが、まだ親には内緒だから困るのだ。そういえば先日ツイッターでファンが手作りギルモンパンをアップしていたぞ。
実戦を見て血が騒ぐヒロカズとケンタ、俺たちも一緒に戦いたいという。で、ヒロカズがマジで作ったブルーカード、手作り感満載。ケンタはデジヴァイスを貸してくれとまで言う。半分は好奇心、でも半分はタカトたちの力に自分たちもなりたいという真摯な気持ちだろう。表情も真剣。それだけに、タカトが難色を示すとしょんぼりしたその時、いつの間にかついてきていた謎の少年がタカトの Dアークを奪おうとする。「くぅう…」と悔しがり逃げ去っていく。「マ」の次は「ク」。
出勤したジャンユー、だだっ広い会議室にて弁当とお茶をあてがわれ一人待たされる。
相当のダメージが予想されるインプモンを探すジェンリャとルキ。君も心配なんだねと言われて少しむくれるルキ。なんかいい雰囲気v珍しいジェンルキ!まあマジにはあり得ないカップリングですけど。
ここは文部科学省(放送された2001年の年頭、先端科学を扱う科学技術庁が文部省と合併し文部科学省となった)。ジャンユーに絡んでいた黒服は、やはり山木の部下だった。例の認可は下りたらしい、しかしSHIBUMIは発見できていない。
中央公園地下トンネル。ギルモンに退化し休息も取れた。クルモンはまだ回復を見せないが、三体を進化させた満足感か、わずかに微笑む。
レナモンは高速道路のところで、ギルモンたちはギルモンホームにて、気配を感じる。都庁の先にデジタルフィールド、ヒュプノスでは昨日と同じワイルドワンを検知。
まだ待たされているジャンユー。初出勤でこの冷遇の理由を考えたがわからない。採用したのは山木のはずだが、ジャンユーがしびれを切らして動き出した時、山木はそれを見越していたかのように、待たせた謝罪などしていないし自己紹介すらしていない。
都庁に通されたはずが巨大な研究施設の存在を知ったジャンユーに、山木は都ではなく国の機関だという。「ネット内では無秩序な活動をする疑似生命が現実世界にリアライズする時、霧のような粒子が現われる」と山木は説明。「この霧(デジタルフィールド)は地球を覆うある帯域の電磁波が、ワイルド・ワンの情報に従って空気中の元素を急速に凝縮し量子変換させた疑似タンパク質。これが固定化しデジモンはこの世界で自らの肉体を獲得する」と。これが、デジモンの生みの親に対する現状説明だ。
新宿ジャンクションに立ち込めるデジタルフィールド、渋滞が起きる。インダラモンが暴れ始めたのだ。
さらに地下へ案内されると、ジャンユーが思いもよらぬ設備があった。
人々が逃げた後の首都高にタカト、ジェンリャ、ルキが駆けつけ、まずは進化、三人同時にスラッシュバンクで成熟期へ。ついて来ちゃったよ、ヒロカズ、ケンタは戦いを間近で見られてエキサイト、ただジュリは不調なクルモンの方が心配で抱きかかえている。避難階段のところにちょこんと座っている、謎の少年。自衛隊のヘリが2台出動。舞台が首都高ということで、珍しく横一方向のバトルとなる。
そんなこんなしている時、代々木3丁目の屋台の中で、インプモンは生きていた!ヘリの出動から、インダラモンがまだ倒されていない事を知ったであろう。一言「けっ!」相手の強いさまと自分の非力が口惜しいのだろう。しかしインプモンの戦いはここで一旦終了。
ガルゴモンのガトリングアーム、キュウビモンの弧炎龍、グラウモンのエキゾーストフレイムと連続攻撃。大ヘビならこれで倒せたが、さらに強いインダラモンには全く効かない。クルモンによる進化は当面望めないし、カード支援で攻めるしかない。ガルゴモン、「高速プラグインB」で顔面を激しく打つが、払いのけられてダウン。宝貝でロードなどさせまいと、慌てず深呼吸したジェンリャは「充填プラグインQ」(珍しい、初めて聞く)で宝貝に反撃した。次にタカトが「強化プラグインW」でエキゾーストフレイムを強化、ルキは「高速プラグインH」で弧炎龍を高速化。しかし、宝貝が光を放つ。これは危険!
地下施設の一角に山木はジャンユーを連れていく。何とそこには昔の仲間たちが顔をそろえていた。アメリカ人のドルフィン(ジャンユーらが研究生だったころの教授、菊池正美さん、ワァオ喜)、インドの民族衣装のカーリー(松岡洋子さん)、黒人系アメリカ人のバベル(乃村健次さん)、金髪碧眼のアメリカ人デイジー(百々麻子さん、02で伊織のお母さん役)。昔デジモンを作っていた「ワイルド・バンチ」を集めた理由を問われて。(ワイルド・バンチという名は、ダーティーなグループを主軸に描いたニューシネマ西部劇、サム・ペキンパーの映画「ワイルド・バンチ」から採ったという)。そういえばSHIBUMIがいない。日本にはいるようだがまだ探索中という。
かつてSHIBUMIは言っていた、やがてデジモンはこの世界に現れて、人間にとって代わる。だが他の皆はリアライズなどあり得ないと…。山木は、ワイルド・バンチの研究が今の状況を招いたとは思わないと言う。その元凶、それは「デジモンの神」なるものだと。何それと、皆驚いただろう。
傷ついたグラウモンたち、インダラモンは余裕で「健闘は称えてやろう」と偉そうに言う。またも宝貝での攻撃に、テイマーズの方まで爆風が届く。ジュリ「パートナーデジモンが私にもいれば…」次回への布石ではあるが、ヒロカズやケンタより先にジュリがこう発言するのは意外というかやや唐突に思う。この場では「クルモン大丈夫?」というぐらいが彼女のせいぜいだと思ったから。
ジャンユーは、デジモンは本来ネットワーク内にしか生きられない存在、それがRWに現れ進化するには何かの力が要るはずという。それは山木の言うデジモンの「神」なのか。
早い足でグラウモンたちに近づくインダラモンにヘリがミサイル攻撃。「自衛隊に任せた方がいいのかもしれない」と作品を根底から覆すジェンリャの弱気発言。その真意はデジモンと自衛隊の攻撃がかぶってしまうと危険ということならいいのだが。
そこにまだいる謎の少年、インダラモンを監視しているのか?インダラモン、宝貝をヘリへ向けるが、グラウモンの攻撃のおかげでヘリは危機を脱した。
山木はジャンユーらに、疑似生命体の破壊を求める。それにはある人物の理論がカギになるという。画面に映りこむ、後方にいる筈のヒロカズとケンタ。まさかジェンリャも…ならば協力せざるを得ない。
インダラモンの攻撃に手も足も出ない成熟期3体、衝撃を体感するテイマーズ、カードスラッシュするも無効。このシーンは、スラッシュバンクの一部を使って、カード名ではなくそれぞれのパートナーデジモンの名を呼ぶという仕掛け。
進化できればと聞いて無理を承知でヒロカズ、手製のブルーカードをタカトに託す。ギルモンだってタカトの描いた絵が元だから。「気合だ気合!」とタカトの手を握る。めちゃ精神主義です。悪くはない。タカトがクルモンに期待を込めて見やると、応えるように額が輝くクルモン。了解してタカトはブルーカードをスラッシュする。顔をしかめる謎の少年、進化の事を知っているということか。進化、メガログラウモン!タカトもメガログラウモンも気合の咆哮。テイマーとデジモンが今一つに!
メガログラウモンの重みに揺れる橋桁。両腕の鋭い刃「ダブル・エッジ」とタカトのコールに、前進するメガログラウモン。邪魔な宝貝を破壊し首都高沿いにインダラモンに押しの一手、一瞬の反撃も許さず「アトミック・ブラスター」を雄叫びと共に放ち、ついにとどめをさす。勝利の咆哮、他の者たちはあまりの迫力に呆然、タカトはへたばってしまうほど。夕暮れに響く、独りハイなヒロカズの一言で終わる「やった、俺のブルーカード!」。テイマー・ヒロカズへの布石。

次回予告:様付けなんて、ジュリ→レオの片思いと思いきや、カードスラッシュまで披露してますジュリちゃん!本当にパートナーになっちゃうの?楽しみvファイナルコールはタカトとジュリ。

(2021/9/6 記)






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