デジモンテイマーズ第36話感想

デジモンテイマーズ第36話「決戦!デュークモン対ベルゼブモン」感想

脚本:前川淳 演出:今村隆寛 演出助手:地岡公俊 作画監督:浅沼昭弘 美術:渡辺佳人 (2001/12/9 放映)

今話はインプモンメインの回担当の前川さんが脚本。デュークモンとベルゼブモンの究極体同士の死闘、私はバトル自体にはあまり興味はないので書くことが限られる。そこに子どもたちの小さなエピソード、チャツラモン打倒を挟み、デュークモンがとどめをさそうとしてジュリの涙と悲痛な願いにベルゼブモンは命拾いし去っていく。
サブタイトル明けに、デュークモンの進化バンクをフルで挿入。飛行はできないが、赤いマントをはためかせて決めポーズ、かっこいい!「ベルゼブモン、悪魔に魂を売り、自ら悪魔となった者、絶対に許すわけにはいかない!」「俺自身の存在を許さねえだと?そんな台詞は俺を倒してからほざけ!」対峙して走る二体。ダークネスクロウとそれを刺そうとセーバー。ファーストコンタクトは甲乙つけ難い。互いに対岸へ下り、再び交戦、テリアモン・アイにてデュークモン、究極体、聖騎士型デジモンと表示。シウチョンもロップモンも口あんぐり。
ケンタが、タカト不在に気付く。ジュリは一人背を向けて固まっている。子どもたちのいる崖に降り立つデュークモン、向こうの崖にベルゼブモン。「槍と盾でこいつとやりあおうってのかい」「悪魔に魂を売り渡したものの弾はこのデュークモンには当たらない!」小中氏「以降、しばしば「このデュークモン」という言い方をする。これは形状の参照モデルの主要ソースが中世の騎士であり、戦いの際には名乗るという騎士の流儀からだろう」。
空からベヒーモスが召喚される。その速さを武器にし、デュークモンを囲って走り回り、銃を撃ちまくる。イージスでよけつつ再び衝突。デュークモンは被弾を免れない。車上から消えたと思ったら、背後からダークネスクロウ。よけきれず尻もちをつくデュークモン。
すげえと怯えるヒロカズ。ケンタがタカト不在を訴える。まさか滝の下に落ちたか、ならけがでは済まない。ルキの手を借りるレナモン、ルキを守るはずがと無念。たまにはいいじゃないと笑うルキ。進化できず悔しがるテリアモン。
ジュリのアークはノイズを表示し続ける。これが「運命」なの?レオモン。
ベルゼブモンがベヒーモスで轢こうと迫るが、マントだけが残る。さあ、上空からロイヤルセーバー!虚を突かれたベルゼブモン、車上から脱し、ベヒーモスは大破。
小中氏「ここから後半まで、画面は殆どがデジタル加工されている。炎、振動、衝撃─。/初陣であるデュークモン、ロイヤル・セーバーでベヒーモス(ベルゼブモンもろとものつもりだった)を倒したが、ベヒーモスは長い間ツチダルモンや他のデジモンを食らい続けたエネルギーの塊であった。その崩壊は一帯を再び危険な状態にしてしまった」。地面が動き、シウチョンがジェンと離れてしまう。
スーツェーモンの城、その奥に。チャツラモンは、裏切者(アンティラモン)に罰を与える好機と。すぐに向かうチャツラモン。ロップモンを狙うが、シウチョンに抱きしめられたロップモンはシウチョンに罪はないとかばう。しかし笑止、神の領域に人間が居ること自体大罪であり、もろとも殺すと。チャツラモン、パオツェイに変化し襲いかかる。テリアモンが飛び出して直撃され落ちていく。その隙にレナモンがシウチョンとロップモンを奪還。チャツラモンは、デーヴァながらデュークモンの一撃で退治された。そのデータをちゃっかりロードするベルゼブモン、更に強くなったと嗤う。デュークモン、唖然。
ジェンはシウチョンを抱きとめるが、ロップモンを放せと怒る。デーヴァだから危ない。しかしシウチョンはテイマー、やだよ、私のパートナーだと。冷静さを欠いた自分を責めるジェン。テリアモンは、レナモンが無事回収する。
崖下に呼びかけるヒロカズ。当然ながら返事はなく、代わりにベルゼブモンが現われ、守ろうとしたガードロモンを蹴り飛ばす。駆けつけるヒロカズ、きっとガードロモンもやられちまう、やっと会えたんだ、戦わなくていいと。取り残されたケンタ、デュークモンがかばって銃を直撃される。その時ケンタは感じた、タカトの鼓動を。
デュークモンが体当たり、銃の一丁は谷底へ、一丁は向こうの地面に突き刺さる。そこからヒロカズとケンタを避難させるガードロモン。ケンタは言う、あのデジモン、タカトだと。ヒロカズが問う、タカト、お前が戦ってるのか?
ベルゼブモン、姿をくらましたと思ったら、蹴り倒してきた。うつぶせに倒れるデュークモン、身を起こそうとしたがそこには目前にベルゼブモンの銃口が。タカトの恐怖に叫ぶ声がジェンたちにも聞こえる、確かにあれはタカト。危機を救ったのはガードロモンのディストラクショングレネードだった、戦わなきゃと気を取り直したヒロカズの応援。連射にひるむベルゼブモン。デュークモンが渾身の力で体当たりし、ベルゼブモンは岩へ突き飛ばされる。タカトがデジモンと一体になって戦っている!続いてロイヤルセーバー、跳ね飛ばされるベルゼブモン。反撃するも何と弾切れ、「覚悟しろ、ベルゼブモン。お前の悪しき魂を聖なる光が焼き尽くす!」ファイナルエリシオン!
ついに力尽き膝をつくベルゼブモン、とどめをさそうとするデュークモン。しかし、立ち上がるジュリ、それをやめさせた。小中氏「はっきりと口パクは「やめて─っ」と動いている。デュークモンの決め台詞にクロストークさせるよりも、サイレントになった分、余計印象的になっている」。ジュリ「もうやめてタカトくん。もうこれ以上誰かがいなくなるの、嫌」。ベルゼブモンはなぜレオモンをロードした俺をかばうのか問う。涙溢れ、「あなたを倒しても、レオモンが生き返るわけじゃないもの!もうこれ以上悲しい思いをするのは嫌なの!」泣き崩れるジュリ。デュークモンはタカトとギルモンに戻り、ジュリに手を差し出そうとするがためらい。
ベルゼブモンは、自分の命を人間が救ったことが受け入れがたく、ここからはインプモンの声の回想シーン。インプモンを取り合うアイマコ、クルモンいじめ、街での過ぎたイタズラ、コケにされたインダラモン戦、チャツラモンの誘いと契約、ベルゼブモンの初陣、そしてレオモンを殺したこと─。小中氏「この回想シーンは丸4分ほどもあって、ちょっと驚いた。その分、今話の作画パートや、特に尋常で無い光線技が多かったデジタル合成に集中させるというバランスを取られたのだと思う。/勿論この回想に意味はあって、悪魔とまで自身に思わせるまでに変化していたインプモンを、もう一度見直す機会にもなっている」。さすがに4分は長いですね。気分を害し舌打ちをして去っていくベルゼブモン。
我に返るタカト、ギルモンと一緒に戦った実感が甦る。すると虚空から現れた、金色のDアーク。「もう何があっても、絶対君とは一緒だよ、ギルモン!」。向こうの崖で皆がタカトを呼ぶ、大丈夫、と笑顔。決戦と死闘がジュリのせいでこう変わるとは思いもよらなかった。ジュリの心の痛みは、そこまで深く。
一方DWの別の領域で。濃霧、どこなのかリョウにもわからない。サイバードラモンは「いまだかつてないほどの強大な力を持った敵」の存在をこの先に感じて。歩いていく2人。それは四聖獣なのか?
小中氏「今話はケンタの勘の良さ、そしてヒロカズの勇気が盛り込まれ、デュークモン単独では危うかった戦いをサポートする。/デュークモンという究極体になったのは前話だが、ヒーローになったのは今話である。応援する存在がいてこそ、ヒーローは戦えるのだ。/究極体になっている子どもがなぜ裸なのか。後に些か物議を醸してしまったらしいのだが、当時はどこからもクレームなど来なかった筈。/荒牧さんとコンセプトを考えている時、本当に一体感を感じさせるんなら洋服は着ていないんじゃないか、とどちらかが言い出して、そうだよねという事に。/勿論、貝澤さんが「いやこれは」と思えば変わっていた筈だ。/テイマーズを見てくれた人なら当然判っているだろうが、何らかの性的搾取的な意図はなかった。留姫も同様。だから光の要素を多くしてある。普段束ねている髪も解ける。そうして「素」の子ども自身を表現したかった。ゴーグル、洋服、髪型、子どもでも自分自身を装っているのだ。そのコアを表現したかった。/だけど今はこうした表現はもう無理なのだろう」。私はノーマルも腐もイケるので、正直オイシイしそういう目で見ればそう見えるが、全然いやらしくは感じない。

次回予告:いよいよスーツェーモンのお出ましとそれに対してテリアモンの究極進化!ファイナルコールはタカト、ジェン、テリアモン。

(2022/2/5 記)

 

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