「伝説の闘士!炎のアグニモン」
脚本:富田祐弘 演出:貝澤幸男 作監:山室直儀
やった、ナレーション菊池さんです!
携帯電話を片手に「未来を決めるって・・・」と息を切らしながら走る少年(竹内順子さん)。道でサッカーをしていた親子が外したボールを捕えると、夕日の中トラックが走ってきて少年は轢かれそうになる、これが俺の未来?・・・
時間をさかのぼり5時35分17秒、信也の誕生日会に送れると父から電話が入る、早くケーキ食べたいのに。その時拓也の携帯が鳴り、「スタートしますか・しませんか?YES NO」のYESが点滅している。ふとボタンを押すとYESが選択され、「神原拓也くん、あなたの未来を決めるゲームはスタートしました」と謎の声(深見梨加さん)が流れる。なぜ俺の名を?次の画面は「自由が丘駅 17:45発 渋谷行きに 乗って下さい」だった。時刻は17時38分18秒、おもしろい、乗ってやろうじゃん、拓也は帽子とゴーグルをつかんで家を出る。ちなみに、渋谷へ行くのは東急大井町線ではなく東急東横線の自由が丘駅だ。
拓也の事故は、無事だった。トラックの運転手に時間を尋ねると5時42分、急がなきゃ。改札前ですでに44分、電車がホームへ入ってくる。電車賃を持ち合わせず券売機にゴツンと頭をぶつけると、奇跡的に出てきた赤い切符で改札を抜け、間に合った。車内の子供たちの携帯が、なぜか一斉に鳴り出す、拓也のドアと反対側にいる青いバンダナの少年もだ。次の画面は「渋谷駅で 18:00発の 地下鉄に 乗り換えて 下さい」車内の紳士の腕時計は17:54、無茶だ。
渋谷駅、例の少年も降りる。まさか同じじゃないか?どの地下鉄かわからず、青いバンダナの少年を追いエレベーターへ飛び込む拓也。声をかけても、彼(神谷浩史さん)はそっぽを向く。エレベーターは地下2階を過ぎ、どんどん下っていく。時刻は5時59分、いくつものエレベーターが上下し、着いた階にはすでに大勢の子供と電車が何台もある。携帯の声が「最後の選択です。乗りますか?帰りますか?」迷わず走っていく青いバンダナの少年。いじめっ子に無理やり乗せられる小さな少年。乗り込んでいる青いつなぎの少年、長い髪の少女。電車は全部で12台、18時になり次々発射する。乗りそびれた拓也は、最後尾のデッキにしがみつく。青いバンダナの少年は隣の電車に乗っている。
車内は誰もいない、他の車両へ進むと、小さい少年・青いつなぎの少年・長い髪の少女が座っていた。青いつなぎの少年(天田真人さん)は不愛想だ。拓也は「乗らなきゃいけない気がした」という。青いつなぎの少年は少女には愛想よく、柴山純平と名乗る。少女は織本泉(石毛佐和さん)、おもしろそうだから乗ったという。拓也は自己紹介し、小さい少年に声をかける。氷見友樹(渡辺久美子さん)、いじめっ子に乗せられた、と泣き出してしまう。
電車が汽笛を鳴らし揺れると、みんなの体が別の生き物の姿に見え、携帯が光って小さな機械に変形する。「これはあなたのデジヴァイス。デジタルワールドへようこそ」とアナウンス。空中の線路をたどって電車は進む、電車というより生き物、汽笛というより鳴き声だ。白い生き物がぽよぽよ(ポヨモン:テイルもんべつさん)言って電車の窓に来る。ここが「デジタルワールド」?
駅に着くと、また別の生き物に囲まれ、いつまでも乗ってるなと電車に吐き出されてしまう。やはり電車ではなく、トレイルモン(ワーム:柳沢栄治さん)だった。着いたのは炎のターミナル、帰りたいと友樹が泣き出し、ワームは「帰りたければスピリットを手に入れろ」と言い発車する。スピリットって何?友樹はやけになって線路を歩き始める。危ない、思わず「俺が帰してやる」と説得する拓也。そこへまた変な生き物(ボコモン:杉山佳寿子さん、ネ―モン:菊池正美さん)が現われ、助けてくれという。敵はケルベロモン(立木文彦さん)、スピリットが欲しい。友樹の方へ逃げたが、線路が折れてみんな落ちてしまう。
その時拓也のデジヴァイスが輝いて、伝説のスピリットが現われる。ケルベロモンと戦いスピリットの光の中へ入ると、拓也はスピリット!と叫びデジヴァイスが拓也のもとへ行き、スピリットを中に取り込む。拓也の体はスピリット・エボリューションでアグニモンに進化する。ガイドブックに載っている伝説の十闘士・炎のアグニモンだ。友樹たちを守り、ケルベロモンと戦い倒す、「穢れた悪の魂を、このデジヴァイスが浄化する、デジコード・スキャン」。ケルベロモンはデジヴァイスでスキャンされ、デジタマは別の時代・別の場所で生まれ変わるという。アグニモンが拓也に戻ると、デジヴァイスが「あなたは選ばれし子供です、でも忘れないで下さい、ここに来ることを選んだのはあなた自身なのです」という。
ターミナルには、青いバンダナの少年が向っていた。