デジモンアドベンチャー第27話「闇の城 ヴァンデモン」感想
脚本:まさきひろ 演出:早川啓二 作画監督:伊藤智子 美術:清水哲弘
ピコデビモンのせいでばらばらになった子どもたちだが、空の合流を最後に結束。しかし、ピコデビモンの首領・ヴァンデモンが新たな脅威となった。
タイトルコールとシルエットは、圧倒的な存在感を誇るヴァンデモン。
選ばれし子ども8人目が日本におり、全員揃わないと世界を正せない。8人目を狙ってヴァンデモンが異界へのゲートから出陣するのを、子どもたちは止める事ができなかった。
●アグモン:パンクアグモンを名乗るが、薄茶のアフロヘアに赤いスカーフと、全然パンクファッションではない。急ごしらえの変装だからだろう。ナニモンが酒好きとの情報をスカモン(竹内さん?)から聞き、酔わせる作戦が成功。作戦で協同したヌメモンたち相手に「キミたちとは戦いたくなかったけど」とやさしさを見せる。パルモンも同様。
●パルモン:レゲエパルモンは、ドレッドヘアに首飾り、これはわかる。蔓で一行を城内へ招き入れる。
●太一:ゲンナイを「やいジジイ」呼ばわり、口が悪い。ゲート通過にあと一歩だったのに悔しい!
●丈:デジタマモンのレストランで、汎用性のあるビニール袋を「くすねた」と。真面目だけが取り柄と思ったらやるじゃん、というゴマに同意。逞しくなったものです。新たな敵に不安を口にするミミを励ます余裕も。城内の大きな鍵のかかった扉に着目するが、当てが外れしょぼん。ドンマイ、丈先輩!テイルモンをちっこいのと呼び、プライドを損ねてしまう。
●ゲンナイ:またも突然出現。「良い知らせと悪い知らせ」この文言、印象的で私は実際に日常でも使うことがある。8人目がいるが名前は知らん、と当てになるんだかならないんだか。日本にいて、8人揃わないと二つの世界の歪みを正せない、とも。悪い知らせは、ヴァンデモンも情報を知っており8人目を倒そうと兵を集めているとの事。ゲートは城の中にあり、ゲンナイの声は中へは届かないと。城に潜入するしかない!
●ヴァンデモン:そもそもは教養人であろう、膨大な蔵書のある書斎にて執務。照明はろうそく3本の明かりのみ。ピコデビモンに子どもたちを任せる間、人間界へのゲートの開き方を探っていたよう。その方法は、カードを石の台の鍵穴に正確に置くというもので、先手必勝の自信あり。「まずは8人目の選ばれし子ども、お前のなきがらを大いなる野望の礎にしてやる!」その高い知性と教養を、悪事に使うから始末が悪い。さて唱えるのは「トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス」。それはボルヘスの書いた「伝奇集」の一篇のタイトル。「捏造された百科事典に語られる幻想国家とその文化をめぐる奇譚」だというから、元ネタとしてはえらい難しいです脚本家さん;目標は8人目の子どもの抹殺という恐ろしいもの。光に弱いためかまたも仰々しく馬車に乗り出陣。
●ピコデビモン:食事で釣った兵隊は、ベジーモン・ヌメモン・スカモンとチューモン(いずれもクレジットはなし)という、テイルモンに言わせれば二軍なクズばかり。ピコデビモンもろくでもない奴、との自覚はある。お得意の達者な口で強いのを口説けなかったんだろうか?(テイルモンとの格差を強調するためか)。ヴァンデモンの出陣に当たり、クズ兵隊で子どもたちに向かうが、進化したグレイモンたちに圧倒されクズは敵前逃亡、笑。残ったナニモンもあっけなく降参宣言。1対5と追い詰められ、タケルにまで軽く見られ、悔し涙。
●テイルモン:聖獣型の成熟期。小さいながら相当強いとのふれ込み。ヴァンデモンに敬意を払う忠実で有能そうなデジモン。スカウトした兵はシルエットで詳細不明だが、マンモン・ウィザーモン・デスメラモン・ゲソモンと思われる。出陣に当たりピコデビ隊は白旗、見かねて参戦。丈の言葉に反発、グレイモンたち成熟期をネコキックで文字通り一蹴する強さ。また石化したデビドラモンをホーリーリングで復活させる。しかし、ホーリーリングが闇の支配下で闇の利益になる様な使用ができるのか、疑問だ。
●デビドラモン:デビドラモンの複眼ににらまれると相手は身動きが取れなくなるという設定を使用。成熟期デビドラモン2体で、グレイモンたち5体で苦戦。メタルグレイモンに進化しギガデストロイヤーで倒すが、テイルモンが再び石化像を復活させ、子どもたちのゲート通過を断固阻止。あと少しだったのに悔しい!さあ8人目の運命やいかに!
●ナニモン:別次元のDW から侵入してきた正体不明の流れ者、インベイド型の成熟期。裸体に髭にハゲに腋毛、すごい下ネタなキャラデザ、よく公式に許されたものだ;その上あだ名はOYAJIとの公式見解、技はウンチときた、こりゃお近づきになりたくないデジモン。傭兵の経験をピコデビモンに買われてスカウトされたが、無類の酒好きが今回裏目に出た。ヌメモンが食べ物の恨みを晴らすべく城内から酒をごっそり引っ張り出す。酒瓶のラベルは日本語で、日本酒と思われる。日本酒好きなのかはたまた好みなど無くとりあえず酒なら何でもいいのか、酒に目がくらみ訓練を放り出して10本ほど飲み干し、踊り出した末に酔いつぶれ、笑。けしかけたアグモンたちも呆れるほどの飲んべえ。
「戦場ではタフな奴しか生きていけねえ」「戦場ではな、タフでなければ生きていけない。しかしタフなだけでも生きていけない」の元ネタは、アメリカの小説家・脚本家のレイモンド・チャンドラーの生んだ名言。翻訳時にhardを「非情」でなく「タフ」とポジティブな意味に意訳したという。「プレイバック」という作品の探偵フィリップ・マーロウのセリフ「男はタフでなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」。
●城:空間の歪んだトロンプ・ルイユ(騙し絵)のような世界。道に迷ってしまう。肝心の石室は書斎の秘密の扉の奥、長い階段を降りた地下にある。バケモンが準備を任されていたよう(クレジットはなし)。太古の昔より伝えられた異界への扉がある。
<ナニモン:乃村健次さん>青二プロ所属、声種はローバリトン。おジャ魔女どれみのはづきのパパ、テイマーズのバベル、フロのアルボルモンを演じられた方。
この回から、エンディングテーマがkeep onに。キャラの百面相が楽しい。この映像で、ヒカリが8人目であることが第21話に次いで明白になった。アグガブの究極体もお披露目。
次回予告:ゲートを開くカードの謎を、ゲンナイも知らない中、ドクグモンに襲われ苦戦する子どもたち。8人目を救うため、あきらめるな!
2025.3.23.記