デジモンフロンティア第42話

「デジタマを守れ!消えゆく命の奇跡」

脚本:吉田玲子 演出:梅澤淳稔 作監:八島善孝

友樹たちがロイヤルナイツにさらわれ、豆の木村へ向かう拓也たち。しかし、村のデータはスキャンされてしまう。勝春たちを見送る友樹たち。俺たちにはまだやることがある。

トレイルモン(フランケン:小島一成さん))に乗る子供たち。この先にはじまりの街(DVDでは「はじまりの町」、資料によっては「始まりの街」とありますが、角銅氏とまさき氏の小説ではこの表記なのでこれを採用します)があるとボコモンは言う。虹色の大木のある街。ここはさすがにスキャンされていない、デジモンが生まれない世界を支配しても仕方ないもの、と結構まともな発言をしたのはネ―モン。低い木にたくさんのデジタマが実っている。スワンモン(安達まりさん)が「卵に触らないで」と怒る。誤解が解け、スワンモンはデジタマの世話をしている(水や栄養をやる)と自己紹介する。一つのデジタマから赤ちゃんが生まれる。

デジヴァイスが反応する、もしかしたらスキャンされた悪の闘士かもしれない。再生したら悪でなくなるのかは誰も知らない。スワンモンは赤ちゃんをベッドへ連れていく。ベッドは大木の中にあり、たくさんの赤ちゃんが。本当なら各エリアに運ばれるのだが、トレイルモンがおそれてトンネルに隠れてしまい運んでくれない。みんなでミルクの手伝いをする。みんなくたくたで、スワンモンがお茶を入れてくれる。友樹がお母さんか、と一言、みんなしゅんとしてしまう。でも、デジモンでもある自分を受け入れたから、ここに残ってここを救わなきゃ。泉の提案で、トレイルモンを説得しに行く。しかし、ロイヤルナイツが狙いをはじまりの街に定めていた。

トレイルモン(モール:新井里美さん、アングラー:石川大介さん)は隠れていた。何かあってもお前たちが何かしてくれるわけじゃないだろう、と明りを消されてしまう。

スワンモンはロイヤルナイツを攻撃するがかなうはずもなく、帰ってきた子供たちの前で倒れる。はじまりの街をスキャンするなんてと拓也は言葉を荒げるが、デュナスモンはコピーやクローンの方が支配しやすくていいとのたまう。拓也と輝二はハイパースピリット・エボリューションでカイゼルグレイモン、マグナガルルモンに進化するが、デジタマをかばってうまく動けない。そこで4人は、デジタマをここから移送し始めるが、数が多い。泉は再びトレイルモンを説得に行く「この世界にデジタマを生まれさせてあげて」。デジタマがなぜか光り始める。

拓也と輝二がとどめをさされようとした時、孵化した赤ちゃんたちが泡でロイヤルナイツを攻撃する。トレイルモンも腹をくくり、移送に協力してくれる。その時拓也と輝二のデジヴァイスが光り、悪の4闘士が現われる。十闘士のスピリットがあればあるいは?みんな進化し10人が揃う。ロイヤルナイツを取り囲んで総攻撃すると、ロイヤルナイツは逃げていったがただでは逃げない、はじまりの街の多くをスキャンして去る。でもデジタマは守れた。悪の十闘士は笑顔で消えていく。きっと生まれ変われるんだ、人も、デジモンも。

トレイルモンは、デジタマを安全な場所へと運んでいった。早く安心して生まれられる世界を取り戻さなければ。

吉田玲子さんが人工中絶反対論者かどうかは知る由もないが、この回には強いメッセージ性を感じた。私自身は基本的に中絶には反対で、宗教的縛りからではなく命を殺すのはいけないという普遍的な理屈だ。もちろん、事前に障害児とわかってしまったり、望まぬ妊娠で愛し育てる自信がない者が生むのを強制する気はない。このストーリーでは「この世界に」つまり平和が約束されない世界、でも生まれるのに意義があると泉は言っている。私も、父親に望まれぬ子を産み育てて、後悔はしていないので(無論息子は無傷でないが)、視聴者に生まれる命自体に意義があるというメッセージが伝わればいいと思う。また、特に男児が見て中絶について他人事でないという現実を深く考えてくれたらいいと思う。

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