デジモンアドベンチャー第32話「熱いぜ東京タワー!デスメラモン」感想
脚本:西園悟 演出:今沢哲男 作画監督:清山滋崇 美術:清水哲弘
二つの世界を救うカギとなる8人目の選ばれし子どもを探して、ヴァンデモンの手下が各地で騒ぎを起こす。先に探さねばと焦る子どもたち。そんな折に芝浦に8人目の反応が!
タイトルコールとシルエットはデスメラモン。芝浦方面の8人目探しをめぐってデスメラモンとの派手なバトル、一方でヒカリとテイルモンの因縁深い出会いを描いている。
●太一:アグモンはまだ母には見つかっていない。光が丘小の名簿を探すが、本棚はいかにも雑然として本の内容も一貫性はなく(サッカー、ゲーム、植物の本など)、見つからず。丈に恩着せがましいことを言うが、単に名簿を持ってこられなかっただけというのは情けない。幼稚園や小学校メンバーでの名簿作成など、個人情報管理の点とスマホの普及という点から、現在ではあり得ないが、放映当時は当たり前であったことは、新しいファンに対して説明を要するかも。まだ冒険は終わっていないという自覚からか、単眼鏡は、キャンプが終わっても常時携帯している模様。光子郎とカブテリモンに乗って東京タワーのバトルに参戦。メタルグレイモンが善戦し、デスメラモンに勝利、さすがそこはリーダー。
●太一母:歌う鼻歌はIWish「♪星に願いを~」の部分であろう。朝から普段着に裸足にエプロン姿で炊事しており、専業主婦と思われる。
●ヒカリ:何とも言えない色気があるのは、竹田欣弘さんが原画をされてるせいでしょうか。どこから見ても現実世界の猫なテイルモンとすれ違いざまに「あなたアグモンのお友だち?」デジモンだと気付いた。劇場版第一作で描かれた、デジモンという存在への異様なまでの強いシンパシーを持つ少女。見えるし気持ちを手に取るように感じる、この特異体質はどこからどう生まれたのだろう、本当に神秘的な子だ。
●光子郎:昨夜の芝浦での8人目の反応は一同に周知済み。夜はみな寝ていて伝えられなかったから、伝えたのはこの日の早朝と思われる。21話で他の人にはデジモンが見えていなかったのに今度はなぜ、という太一の疑問に「ヴァンデモンのゲートを通ってきたからでしょう」と推理を披露。大量のデジモンがゲートをくぐって現出するのもあり得ると。だから8人目を、という太一の決意は皆も同じ。4年前の事件の目撃者、かつ昨夜芝浦にいたという二点から、芝浦付近での8人目探しを提案し担当地区を割り振る。参謀ここにあり。
●丈:素っ頓狂な声で登場、笑。菊池さん実にお上手v明日から夏季講習というのに、電話係を無茶振りされ、あまりにかわいそう。壁に「めざせ!!開成」の張り紙が。開成学園は、言わずと知れた超難関校で、我が地元荒川区の、西日暮里に存在する。中高一貫の私立男子校でボタンも生地も黒の学ラン。なので結果として02丈先輩はブレザーだから開成中学に不合格だったか辞退したかどちらかである。ちなみに、別記するが伊織の父と及川は開成出身ではと私は推測する。光子郎のような携帯電話でなく固定電話からかけているが、自室の勉強机に固定電話があるのはちょっと不自然なのが気になった。隣室なり廊下の固定電話のコードを引っ張って持ってきたのだろうか?「2年の時同じクラスだった城戸ですが」と言っているから、光が丘にいたのは小2の時である。自宅でも、リストバンドと腕時計を外さないものか。ええ、少ない出番ですもの細部も見逃しません!すみません丈ファンでない人に長々とこんな話を汗。
●ミミ:出身は若葉幼稚園と判明。8人目探しは案の定休憩ばかり。空は鍛え方が違うとパルモンに痛い指摘をされ、「あたしはか弱い乙女でいたいの」と開き直りの反論。ヴァンデモン城のゲート前では殊勝なこと言ってて成長したなと思ったけど、いざ衣食住が満たされると本質はそうそう変わらない模様。東京タワーの提案も、冷房目当てという自己中。かくして港区芝公園にある東京タワーも無印の聖地となった。ただ、同じ港区とは言え芝浦とは直線距離で1キロは離れているから、小学生の足では結構あるのでは。流れるのは空のテーマ。入場に料金が小中学生で900円(2025年時点)かかるけどお小遣い大丈夫?ゆりかもめ込みの乗車賃もあるだろうし。デスメラモンのロングコート姿に、聞こえよがしに「見てるだけで暑くなる」と大胆発言。気付かれて、バトル勃発!
●空:パルピヨのケンカに「レディーがはしたないでしょ」といさめる、女児らしいひと言。案外保守的なんですね。「さあ仕事仕事!」暑さに参ってしまったミミと対照的。「ここが私たちの住む世界よ」東京タワーからの眺めは都心の象徴的な風景の一つ。
●タケル:小2が、朝っぱらから母に不審がられずに、交通的にもどうやって三軒茶屋からお台場まで来たのだろうか。母が送ってくれたのか、ヤマトが迎えに行ったのか。夏休みだしお兄ちゃんに会いたいとでも言い訳してきたのだろうか。8人目探しはヤマトと一緒に港湾地区担当。いかにも子どもは居なさそう。
●パルモン:ベビーキャップも、ピヨモンとの他愛ないケンカも、可愛らしい。太刀川家の独特な料理が口に合ったようで、無事でよかった笑。
●ヴァンデモン:現実世界での子どもらとの戦闘に備え短時間に頻繁に吸血するが、相手は若い美女ばかり。たぶん美学とのたまうのだろうが、はっきり言って変態ですな笑。ただ、女性が自発的に惹きつけられているようにも見えるので、陶酔させる能力があるのか、はたまた異性としてある種の魅力はあるのだろうか。デジモンに性別はないけれど。いずれこの世界は私のもの、と自信満々。そして、第三台場の地下に本拠地を移す。そのせいでお台場は太陽の届かぬ霧に包まれた。
●デスメラモン:CVは平田広明さん。ゲスト声優を迎えなかったのに理由はあるのでしょうか。病欠とか予算とか平田さんのご希望とか、いろいろ考えてしまう…。メラモンが進化した火炎系の完全体。メラモンより火の量が少ないがその分出力が上がり、より高熱の青い炎となっている。普通火炎系は水に弱いが、デスメラモンにとっては焼け石に水。同じメラモンの進化形・ブルーメラモンが青くなっただけなのに対し、肌色の表皮、パンクなズボン、靴の着用など人間に近づいた印象。なので人混みに紛れて活動しやすい。着込んだコートが焼けないことから、メラモンと違い任意で炎のオン・オフの切り替え可能な模様。必殺技は体内の重金属を溶かして口から青い炎を吐き出す「ヘヴィーメタルファイヤー」。
その高さに素直に惹かれたのか、空ミミの入場を把握したからか、東京タワーに潜入。日本円の入場チケット代、払えたんでしょうか?東京タワーが熱で歪み、付近一帯が暑くなったのはデスメラモンが正体を現したせい。完全体ゆえ、バードラモンとトゲモンの攻撃では劣勢、熱でタワーが一部傾いてしまう被害をカブテリモンが何とか支えて。デジモンアナライザーで完全体とわかり、アグモンは結果メタルグレイモンに超進化し、派手な空中戦でギガデストロイヤーを放ち倒した。
●テイルモン:ピコデビモンとの芝浦で探す権利をめぐる小競り合いで、舌打ちし感情的になっていたのはちょっと珍しい。お台場海浜公園でマリンスポーツに興じる人や観客を冷めた目で見ていたら。すれ違ったヒカリにデジモンと悟られ、驚き焦る。猫のふりを通して退却するも、もしや8人目かと思いヒカリの後を追うが、ヒカリはそれもお見通し。「やはりただの子どもとは思えない。ここで始末した方がいいな」歴戦の猛者にして冷徹なこの企みをさらっと受け流したのか親しみを込めて振り返ったヒカリに、テイルモン拍子抜け。完全にヒカリのペースに乗せられるのは見もの。逃げ去るテイルモン、ナレ「この時テイルモンはまだ知らなかった。その少女・八神ヒカリが自分にとって大きな意味を持つということを…」。映されるマンション群、そしてレインボーブリッジの遠景は、ここお台場でいよいよ8人目が明らかになるのを示唆している。
●ピコデビモン:どこで調達したのか、器用にも足で船を運転しており、当然東京湾の地理も把握しているのだろう。敵ながら、雑用に関しては有能である。
●ミーコ:飼い猫が、一体どうやってレインボーブリッジを渡り返して帰宅できようか、謎。
次回予告:夜の渋谷に現われたパンプモンとゴツモン。ヴァンデモンの配下なのに、渋谷を気に入って遊び場と化してしまう。そんな二体に、ヤマトとタケルは巻き込まれ…
2025.4.21.記