DIGIMON ADVENTURE 15th Anniversary Blu-ray BOX スペシャルドラマCD
まず驚いたのは、声優さんの演技が全然変わっていなかった事です。
●#1「世界が終わる前の」
テイルモンとウィザーモンが、ヴァンデモンに命じられ紋章を探す旅をしているところから始まる。まだ選ばれし子供の存在も、紋章が何なのかも知らない(ヴァンデモンがあえて知らせていないのか?)。そこで、タグを求めるオーガモン・レオモンと出会うが、世界の歪みのせいで紋章もタグも入手できずに終わる。
世界の歪みのせいか、テイルモンの力は弱くなっており(でも本編に登場した時にあれだけ強いので、元がよほど強いのだろう。)、しばしばウィザーモンに命を救われる。下っていた川が急に干上がったり、崖のような時空の亀裂に落ちそうになったり、さっきの川が今度は断崖絶壁の海になってしまったり。テイルモンとウィザーモンは互いに思いやりあっている。直属の上司と忠実な部下であり友である2人。もし生まれた時代が平和だったなら、この二人は明るく仲睦まじい夫婦になっていたのではという気が私はする。
ウィザーモンは、世界が光でなく闇に近づいていると危惧しているが、でもそれならそもそも暗黒デジモン・ヴァンデモンの手下になるべきでないと思うが、成り行き上仕方なかったのか。
たき火、テイルモンのぽちぽちいう足音、オーガモンがおにぎりを食べる音など、音響効果がリアルで面白い。音楽は、亡くなった有澤さんのものだ。旅慣れたウィザーモンは、火を起こすのもお茶を振舞うのもわけないようだ。
テイルモンとウィザーモンが洞窟で紋章を探していると、コンビニを見つける。多分、第14話のコンビニと同じだとしたら、デビモンがこの話の後で建て直してドリモゲモンにタグを預けたことになるだろう。空腹でコンビニに入ったオーガモンはおにぎりを食べる。後で、寿司やてんぷらのことも言っているから、ホークモンと同じく和食党なのだろうか、鬼だけに。悪役なのに、憎めない感じは本編とおんなじ感じ。
祭壇と言うのは結局何なのかよくわからなかったが、テイルモンたちはタグのことを知らず、レオモンも紋章のことを知らず、タグについてももう一つの世界とつなぐものだということしか知らない。オーガモンに至っては、金目のもの、メシのたねくらいにしか思っていない。リアルワールドについてはレオモンは知っていたが、ウィザ―モンはテイルモンに会う前の放浪の旅も含めて伝聞を聞いていたのみだ。ヴァンデモンが、情報統制を敷いていたのだろうか?ヴァンデモン自身もまだよく把握していなかったのだろうか?ただ、ウィザーモンは小説第2巻10ページで禁断の書物を手放さなかったとあるように、紋章についてひどく知りたがる知識欲を見せた。
笛が聞こえるが、これは実体を持たないホメオスタシスのコミュニケーション手段なのか。光が丘でヒカリと太一を見出した時に、使えるなと思ったのか。ドラマCD「2年半の休暇」でも、1999年11月にも太一が聞いている。このドラマCDは何年という設定は明らかでないが、だとしたらこの時期すでにヒカリはタグとパートナーデジモンの存在を無意識に知っていたのではないだろうか。霊媒体質だから、予知能力で。その年では幼すぎるとしたら、小説第3巻230ページに、ヒカリだけ精神的特質が違うとあるので、ホメオスタシスがヒカリの声を使ったのかもしれない(でも声は一人称だしウィザーモンが別の世界から聞こえたと言っているから、前者だろう)。テイルモンが懐かしい声と感じたのは、自分の運命に関する直感だろうか。
結局タグも祭壇も海に落ちてしまうが、何年か後選ばれし子供が、世界が終るのをくい止める事になる。
話の続きはきっとまた、と終るから、続編を期待しちゃっていいんですか?(^^)\
●#2「デジモンミステリーファイル・千年の封印を解け!」
2001年夏(丈は中2)、京都のシュウの大学(ちなみに、医学部と人文学部のある京都の国立大学は、京大です。)で起きたトラブルを何とかしようと光子郎に連絡を取る丈。偶然京都で新幹線が止まってしまった光子郎に、偶然ヤマト、ミミ、空も加わって、六角堂と四聖獣がカギとなっていることがわかり、力を合わせて現実世界を救う5人とデジモンたち。タケルの不在はうまい感じで収まっていて、ただ藤田淑子さんの出演はなし。ストーリー上の都合ならいいのだけど、ご年配なのでお体でも悪くされたのか、仕事量を控えてらっしゃるのか(近年は出演作が少ない)、心配です。
シュウの大学の異常現象が発端で、丈が光子郎に連絡する。その後も丈は、太一の不在もあって何かと仕切って頑張っています。ただ、光子郎に君付けした事は今まで一度もないんだけどな。光子郎は新幹線の京都で足止めを食らっているということは、実の父は関西以西の出身ということですね。島根に里帰りの途中でお土産を買っていたヤマト、日本文化を見るため一時帰国したミミちゃんは、今度はどんなファッションなんだろう。空は華道発祥の地でもある六角堂に見学に来ていました。
菊池さんは、ブックレットで「丈が老けてないか、シュウを以前と同じにできているか」と言われていました。なので「未知へのアーマー進化」を聴き直してみましたが、シンは穏やかでしっかり者、シュウは明るくはきはき、丈は三男なので一番声が高くて軽やか、父は重厚、母はフランソワーズ・モレシャンさんと、それに地岡も演じられていて、このCDでも再現はばっちりでしたよ!
車での移動は、もちろんあの黄色のビーグルでしょうね。大学の黒いもや、京都駅でのもや。デジタルワールドに何か起きたのが現実世界に影響しているよう。光子郎がゲンナイにメールすると、京都の真ん中から四方にデータが破壊されていると言うので六角堂のへそ石へ向かう。へそ石が今朝ひっくり返っていた。ゲンナイによると、デジタルワールドの聖獣型デジモンは京都のこの件とつながりがあるが、助けに行けないからとアグモンたちに進化の力を託して現実世界へ送り込む。久々の再会。でも、現実世界への移動だけでお腹すいちゃうなんて、あんまりパワーくれなかったのカナ??リンクさせていただいている<DIGITAL NEW GATE>の零さんのご指摘の通り、へそ石はデジタルワールドのファイル島(小説第3巻11ページ)に該当すると思います。
それで京都のエネルギーの均衡を取り戻すためガブモンが青龍、ピヨモンが朱雀、アグモンが黄龍はいい。ゴマモンが水系だから玄武かと思ったら白虎なのも白だからいいとして、テントモンが玄武って根拠が全く分からない・・・ロゼモンは本編ではセイバーズでしか出ないから、絵を描きたくなっちゃいました。八つ橋食べてパワーアップ。ミミの味覚の特異性については、第7話以降みな身にしみてわかっているようです(^^;)アグモンにみんなの力を集中して、バランスは回復する。
田中敦子さんといえば、私は一番には攻殻機動隊の、頭脳明晰でクールでタフな女性像なので、高貴なへそ石はよかったです。京都を千年守ってきたへそ石さんも、ロゼモンの攻撃!?にご機嫌を直してもとの向きに戻ってくれた。
原案:本郷あきよし 企画:関弘美 脚本:吉村元希 演出:角銅博之