デジモンフロンティア 古代デジモン復活!!

<2002年 東映アニメフェア>

泉の呑気な鼻歌で始まる画面。イタリアの民謡「フニクリ・フニクラ」、実際にある活火山の歌が、後の大噴火(デジモンの全面戦争)を暗示するかのようで皮肉だ。一面の砂漠に、デジノリモンに7人も詰め込まれ、拓也と輝二は不機嫌だ。突然7人はデジモンたちの争いに巻き込まれてしまう。(ここはよくわからないのだがヒューマン族もビースト族もあの島に住んでいるようなのに、なぜ島が現われる前に彼らは砂漠を走ってきたのか?)ミミの帽子のオマージュのような、ピンクの傘が風で飛ばされてしまう。次元の隙間を漂うさ迷える島が空から突っ込んで来て、デジモンもろとも拓也たちは島に乗り上げばらばらになってしまう。

コテモン(進化するとディノヒューモンになるらしいです)たちに助けられた拓也、純平、友樹。街に、巨大なカラフルな乗り物が現われるが、お祭りの山車ではないらしく、コテモンたちの顔は曇る(他のも見て思ったけど、ねずみ―ランドのパレードのみたい)。ボコモンとネ―モンも無事で、壁画の説明をしてくれる。かつてルーチェモンを倒した伝説の十闘士にして拓也と幸二の得たスピリットの先祖であるエンシェント(一応英語辞書を引いたけど該当する単語はなし)グレイモンとエンシェントガルルモンが描かれている。このさ迷える島から、デジタルワールドへ戻った者はいないという一大事。

そこにビースト族の急襲が。ヒューマン族がデジタマになるのを目の当たりにする拓也たち。ビースト族のリーダー・ヒポグリフォモンを追うディノヒューモンだが、ヒューマン族のリーダー・ダルクモンに争いを避けたいと言われ我慢ならない。(この演技は、ないでしょう、怒。脇役ならともかくメインキャラなんだから作品が台無し。しかも上原さんは数年後に別の作品に出て「声優初挑戦」と言っていたそうで、デジモンファンに対する侮辱以外の何物でもありません。もちろん、キャスティングに携わったスタッフも私は恨みます)

チョコレート味のリンゴを頬ばる泉と、同じくベアモンに助けられた輝二。この街にも戦車があり、戦いに備えている。今度はヒューマン族の急襲で、ベアモンの兄のグリズモンが応戦する。ディノヒューモンが「グリズモン、お前じゃ役不足だ、ヒポグリフォモンを」って言っちゃってますけど、役不足とは「力量に対して与えられた役が軽いこと」であって、力不足の間違いでは。富田さんはドラマCD「未知へのアーマー進化」を聴いてないんだね。大輔と同じレベルじゃまずいんじゃ・・(;_;)ヒポグリフォモンはデジタマになった仲間に涙を流し、正義を唱える。

川を渡ろうとして落っこちた拓也たち、くしゃみ、鼻水(>^<)。再会した拓也、純平、友樹と泉、輝二だが、互いにヒューマン族とビースト族をかばって、拓也と輝二がつかみ合いのケンカになる(さすがに顔面にくしゃみはねえ)。コテモンとベアモンたちは友だちなので、2人のケンカを見て大泣きしてしまう。仕方なくケンカをやめる拓也たち。

そうです、平和の本当の意味を知っているのは子供たち。大人は正義だ平和だと言って戦うばかりなのは、現実の国際社会でも同じ。そして、争いで一番に傷つくのは子供たち。

コテモンとベアモンが内緒で教えてくれたのは、崩れかけたオニスモンの壁画と古代文字だった。「デジコードを海鳥の羽に満たすべし」ボコモンが読めたのはそれだけだったが、その意味がわかれば争いはなくなるかもと拓也が言うと、みんな大喜び。ところがそれをディノヒューモンとグリズモンに見つかってしまい、小競り合いに。拓也(涙に感情移入できないんですけど、戦いを止められない悔し涙という解釈でいいんだろうか)はアグニモン、輝二はガルムモンに進化したが、コテモンとベアモンの仲は引き裂かれてしまう。でもたった一つ希望が。友樹の手には壁画の欠片が。

ダルクモンは、戦うべき時が来たと演説する。何とか戦いを止められないものか・・・ディノヒューモンに呼び止められた拓也は、うまいこと話を合わせてコテモンと友樹を逃がす。ヒポグリフォモンもこれ以上犠牲を出せないと涙を流す(この涙も感情移入できないよ、泣きすぎじゃね?)。純平がこっそり呼びに来て、輝二はグリズモンとうまいこと話を合わせベアモンと泉を行かせる。戦車に乗る拓也、輝二。もはや全面戦争は避けられないのか。

壁画のところへ連れてこられたベアモンと泉。友樹の発案で、守り神・オニスモンの壁画を完成させれば争いを止められるのではないかという。ジグソーパズルが得意なんだって、友樹大活躍。ネ―モンが、戦いが始まると知らせに来る。間に合うのか?文字のあるところが何とか完成するが、戦いが始まって振動で埋まった壁画がまた崩れてしまう。モチベーション落ちるわあ。でも、コテモンは全然あきらめずにみんなを励ます、えらい!

ついに全面戦争勃発、なぜかほくそ笑むダルクモン。グリズモンは俺たちの辛さをわかるものかと言い、輝二はベアモンの気持ちなどわかるかと言い返すが、グリズモンを止める事は出来ない。次々に塀は倒れデジタマになって行く。拓也と輝二はやめろと叫び、ブリトラモン、ヴォルフモンに進化するけれども、どっちの敵に対して何をやってるかいまいちよくわかりません(--;)。後半の活躍に期待。

古代文字の部分が何とか完成。「憎しみの血で塗られたデジコードを海鳥の羽に満たすべし、されば我復活せり」。ボコモンがいつもの鋭いツッコミで「この島に災いをもたらしたデジモンだったりして」。純平がくぼみの形に気付き、ダルクモンの杖、ヒポグリフォモンの首輪と同じだとわかり、純平と泉は拓也と輝二に知らせに行く。友樹とコテモンたちは壁画の残りを埋めようとするが、ボコモンはエンシェントグレイモンたちは今はもういないとあきらめ事を言う。

ダルクモンがヒポクリフォモンに進化したのを目撃して、走り出す純平の芝居がすごく俊敏でカッコいいです。続いてブリッツモンに進化し、ミョルニルサンダーの一撃でみんなの注意を喚起するシーンも力強くてカッコいい。ここでダルクモンとヒポクリフォモンが同じ存在で、ヒューマン族とビースト族の戦いはオニスモン復活のため仕組まれたことが暴かれる(長い事戦ってきたのに、リーダーがしょっちゅう不在なのをおかしいと誰も思わなかったのかな~)。ヒポグリフォモンは開き直ってその場でダルクモンにスライドエボリューションし、杖にデジタマのデジコードを集める。遅かった、さ迷える島全体に異変が起き、怪鳥・オニスモンが復活してしまう。そしてダルクモンは本性のムルムクスモン(追放されてたからこんな次元のはざまの島に来たのね)になり、デジタルワールド支配の野望を口にする。閻魔大王みたいな怖い顔だな。

破壊の限りを尽くすオニスモン。コテモンが、戦いを止めてとエンシェントグレイモンとエンシェントガルルモンの壁画に訴えると、不思議なことに壁画が光り、壁画を守ろうとしたコテモンはオニスモンの犠牲になってしまう。しかし、その願いが届いたのか、なんとエンシェントグレイモンとエンシェントガルルモンが復活した。ブリトラモンたちと戦車が集まって総攻撃し、ブリトラモンの一撃でムルムクスモンを倒し、エンシェントガルルモンの刃とエンシェントグレイモンの炎がオニスモンを葬り去った。

謝罪するグリズモン、礼を言うディノヒューモン。だが拓也は、礼を言うならエンシェントグレイモンとガルルモン、そして子供たちに言ってくれという。ピンクの傘とともにボコモンとネ―モンが飛んできて、元のデジタルワールドに戻ってきたという。島は固定された。今まで動いていたのは、封印に抵抗するオニスモンの本能だったのかもしれない。

壁画には、拓也たちとディノヒューモン、グリズモン、ベアモン、幼年期の子たち・・そしてコテモンが描き加えられた。えっコテモンもうデジタマから孵っちゃったの?超早くない?コテモンとベアモンの友情物語は良かったので、これはちょっとあっけなくてうまくない気がします。

<キャスト>神原拓也:竹内順子 源輝二:神谷浩史 織本泉:石毛佐和 柴山純平:天田真人 氷見友樹:渡辺久美子 ボコモン:杉山佳寿子 ネ―モン:菊池正美 コテモン:川田妙子 ベアモン:岡村明美 ディノヒューモン:上田祐司 ヤシャモン:永野善一 ノヘモン:小栗雄介 フレイウィザーモン:石塚堅 ユキミボタモン:埴岡由紀子 プッチ―モン:松本美和 グリズモン:三宅健太 ムースモン:伊藤栄次 ブルモン:西松和彦 プレイリモン:金光宜明 パオモン:村岡雪枝 ヒポグリフォモン:緑川光 ムルムクスモン:山口健 ダルクモン:上原多香子

<キャスト>制作:岡田裕介(東映)、泊○(変換できません)(東映アニメ―ション)、東聡(バンダイ)、内山晴一朗(読売広告社)、山下秀樹(集英社) 企画:馬場厚成 原案:本郷あきよし 
監督:今村隆寛 助監督:門由利子 脚本:富田祐弘 メインキャラクターデザイン:中鶴勝祥 キャラクターデザイン・作画監督:山室直儀
音楽:有澤孝紀 

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