デジモンアドベンチャー第39話感想

デジモンアドベンチャー第39話「二大究極進化!闇をぶっとばせ!!」感想


脚本:前川淳 演出:志水淳児 作画監督:伊藤智子 美術:清水哲弘

パワーアップしてよみがえった恐ろしくデカい魔獣・ヴェノムヴァンデモン。対するに予言を実行し太一とヤマトに矢が放たれ、アグモンとガブモンは究極体へと進化を遂げた。

タイトルコールは太一とヤマト、シルエットはアグガブからウォーグレイモンとメタルガルルモンへ。「ぶっとばせ!!」の演技が本当にイケイケにぶっとばしてます!^^)皆の総攻撃に、腹部から本体を表したヴェノムヴァンデモン。8つの紋章の聖なる力で拘束し、遂にとどめを刺せた。霧は晴れたのに、デジモンワールドの異変は現実世界に及ぶ。変わってしまったデジモンワールドを何とかしようと、子どもたちは家族と別れデジモンワールドへ再び旅立っていく。

●太一:ヤマト父の車の助手席に、ヤマトに代わって乗りウォーグレイモンを応援。興奮ぶりがわかる。単眼鏡ではムゲンマウンテンは見つけられず。代わりに墜落する飛行機を目撃、飛べるデジモンが救助した。ここの被害者に02の伊織一家が含まれていた。

文字通り一歩踏み出し口火を切ったのは太一「行ってみよう、もう一度デジモンワールドに」。「よし、みんなのデジヴァイスを集めるんだ」その導きを信じて。巻き込まれるのではなく、今度は自らの意志で。するとデジヴァイスは発光、虹色の光の柱に身を投じて明るく「じゃあ、行ってきまーす!」。なぜ新たな旅立ちを選択したのか。今以上の敵との対戦が待っていることは想像できたのに。それは、平穏な世界・家族との絆が決して当たり前の日常ではないと知らされてそれをどうしても守りたかったから。デビモン・エテモン・ヴァンデモンという敵を倒してこられた自信と仲間の力、聖なるデヴァイスと紋章の力を信じられると思ったから。世界の危機に、よくぞ決意してくれました、ありがとう。8人8様、家族との別れは辛いけど。選ばれし使命感というよりは、現実世界(とDW)の身近な存在を守りたい気持ちが勝ったのでしょうね。

●ヤマト:「えろう差ぁつけられましたな」というテントモンのツッコミに「ああ、そうだな」と呆然とした返答。それだけ自身の想像を超えたパワフルな進化だったということ。太一は口をあんぐり開けてるが残念ながらここで太一のコメントは無い。「俺が、俺たちが母さんたちを守る!」危険であっても、大切な家族を守りたい。その想いは母に通じたが、泣かれて。別れの時、タケルが満面の笑みなのに対照的に、不安がよぎったのか手を振るのをやめ我に返って。

●光子郎:パソコンでその山のデータを処理していたから思い当たったのだろう、謎の大陸に、ムゲンマウンテンにそっくりな山を発見。大陸がこちらでの数日すなわちあちらでの数年という時間を経て変わり果てたデジモンワールドだと結論付ける。「僕たちデジモンワールドの歪みを正さないまま来ちゃったから、向こうじゃ大変なことになってるんじゃないの?」(コロモン)。

●空:母の無事を知り、ミミに手を握られ顔を赤らめて泣くというしっかり者らしからぬ弱みを見せた。

●丈:「明日の朝日は必ず僕たちが昇らせてみせる!」と、冒険の成果でいつになく自信満々に、そこをからかわれて丈ファンとしてわたしゃちょっとかわいそうですハイ。そうこうしてると体が浮いて…。

●タケル:大人の事情などいざ知らず、家族全員の再会を喜ぶ無邪気さ。母に心配されるも、そこは冒険で一段階逞しくなっているからしっかりと受け答え。

●ヒカリ:「心配しないで。絶対に戻ってくるから」唯一デジモンワールドに行ったことのないヒカリが、安全を保障するのはどこか意味深。

●シン:空、ミミ、丈に家族を託されて。ビッグサイトの被害者たちを保護していたが、催眠は解け、子どもたちの勝利を確信、バイク(流線的なデザインなのとエンジンが大きそうで、スクーターでなくバイクでは)でフジテレビへ向かう。知らせたかったのは被害者の無事だけではない。端末(裕福な家庭だから最先端の機器を持っていたのだろう。「DIGIO」)に映し出される日本そして世界各地の異変。夜明けが来ないかもなどと「縁起でもない」ことを言い、光子郎母にいさめられて。親たちがかたずを呑んで見守る中、年が一番近いシンだけは手を振り続けた。子どもたちを信じたいという気持ちは誰も同じ。

●ヤマトの父:「奈津子、しばらくだな」「ええ」集う二人の子と元妻との間に懐かしくも気まずい絶妙な距離感(物理的な距離を含め)が。それを縮めようとするタケルが健気だが空気を読めていない。タケルを行かせまいとする元妻に「行かせてやれよ。俺たちだって散々勝手なことをしてきたんだ」これ説得力がある。反発はされず、距離を取ったままヤマタケを見送っていた。再婚しては、とやはり思ってしまいます。

●タケルの母:霧が晴れようやく出た海上バスに乗ってお台場へ。タケルとの再会では膝を着いて抱き寄せたが、久しぶりに会うヤマト、と元夫…切ない。目元をふと緩める妙齢の愛しい我が子、背が伸びたことに言い及んだが多くを語らず、当然ながら抱きしめたりもせず。

●空の母:母親だが涙は見せず、きりりと意志の強い表情が印象的。

●八神夫妻:妻が夫に寄り添い、夫が妻を抱き寄せる、夫がリード型の保守的な夫婦と思われる。

●太刀川夫妻:相変わらずラブラブに手を握り合い、瞳うるうるでミミを見送る。

●ウォーグレイモン~コロモン:他の皆も、ヴェノムヴァンデモンの腹部が弱点という直感があったのか、狙い撃ちすると膝を折った。しかし現れた本体は反撃してくる。まだそんな力があったのかとあっけにとられる一同。しかしながら、車に乗っていた5名とビッグサイトから応援に来た3名とが、偶然にも敵を取り囲むような配置についていた。これもデジヴァイスの運命的な導きか。8人の紋章から放たれた光は敵をがっちりと拘束し、太一が本体と見抜いた腹の化け物を攻撃するよう指示。ウォーグレイモンはメタルガルルモンが投げてよこした球体展望台(これもよくフジが許可したよな;)をボールに見立てて「ナイスパス!(空)」本体めがけて「シュート!(8人)」、さらにガイアフォース・コキュートスブレスも命中させて、遂にヴェノムヴァンデモンを倒した!すごい迫力、すっきりした!

●メタルガルルモン~ツノモン:コキュートスブレスで敵を凍らせたかと思いきや、技はすぐ解かれてしまい、ヴェノムヴァンデモンは仕返しにあちこちへ攻撃を乱発。車に乗っていた一同はばらばらになってしまう。

●ゴマモン:「ニヒュ…(丈の頭へのぼって)行くぞゴマモン、て何で言えないかな」「(苦笑)よぉし…行くぞ、ゴマモン!」「合点だい!」んもうゴマ丈良い!面白くてかわいい!あくまでゴマが攻で丈が受です!

●エンジェウーモン~プロットモン:成長期・プロットモンは回想シーン以外では初出。ヒカリともこの進化体では初対面だが、力を使い切っての退化だと的確な理解をしていた。見た目も声もかわいらしくなっている。「へぇぇ~」、「緊張感のない」丈先輩の反応。

●ヴェノムヴァンデモン:クレジットが前回の「ヴァンデモン」から今回は「ヴェノムヴァンデモン」に変更されている。遂に倒されると、霧は晴れた。しかし上空には代わりに謎の大陸が映し出される。それはなぜか地球の電子機器では認識されない。確かに倒したと強調するツノモンとコロモン、ならこの異変は何?

次回予告:螺旋に捻じ曲げられ、変わり果てたデジモンワールド。そして新たなる敵は、さらに強力な究極体の四天王デジモン・ダークマスターズであった。

2025.5.18. 記

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