デジモンアドベンチャー:第16話

デジモンアドベンチャー:第16話「東京侵食 漆黒の影」

脚本:古怒田健志 絵コンテ:古家陽子、貝澤幸男 演出:ひろしまひでき 総作画監督:浅沼昭弘 作画監督:二階堂渥志、北野幸広

●全体を見て:録画のタイトルには「▼デジモン東京に現る」と追加されているが、本当に東京か??和光ビル、三越銀座店(看板は‘KISHUMISHI’になっているが)、少し先にある東京タワー、文化堂カフェ銀座(文明堂のパロディだろう)、晴海通りの標識、地下鉄は銀座線・日比谷線・丸ノ内線が通る、ここは銀座。しかし停電の痕跡は無く、ただなぜか光子郎たちのスマホはネットに接続できていない、光子郎が調べてきた東京の危機と真逆の状態。
バーガージャックとは、バーガーキングのもじりで、クイーンだとありふれているのでジャックとしたのだろう。ちなみに私はバーガーにお金使うならMacでなくバーガーキングと決めているので、このパロディはうれしい。追加するなら、無印第30話「デジモン東京大横断」で出てくるバーガーショップは、店名こそ出てこないが新宿南口のファーストキッチンがモデルと思われる。キッズ物でハンバーガー出てくるとテンションがアガるよね。
人混みなのに太一たちが誰もパートナーデジモンを隠そうとしないのはなぜか?現実の東京なら大騒ぎになるはずなのに、誰もデジモンを気にしていない。光子郎、ここでおかしいとハッキリ気付くべき。
合流した太一・光子郎とミミを、アイズモンが襲う。ここはサウンドバードモンも黒い瘴気に操られたデジモンもいない、別次元のようだ。偽の東京と確信し、東京の危機はこのデジモンが原因と気付く太一。合体し巨大になったアイズモンに、何処からか空・ヤマト・丈も合流し参戦。何と贅沢に完全体6体の攻撃でやっと倒せたアイズモンは成熟期ってどーゆ―こと?!そこでネットが繋がり、現実の東京はもうすぐ3日目の夜すなわちタイムリミットの72時間!ところが新たなデジモンが出現、どうする6人!
大量のしつこいアイズモンに、一体化したアイズモンの大技、初めて完全体6体揃っての攻撃、なんかもうおなか一杯デス;;でも楽しかった。見応えあるけど随分詰め込んだなという感じ。けど、6体のちゃんとした進化シーンはなくメタルグレイモンのみ。
メインスタッフは既出の方のみ。

●太一たち:東急東横(とうきゅうとうよこ)線渋谷駅から神奈川県川崎市の武蔵小杉駅まで乗り換えなし。車窓から景色を見るのを楽しみに待つアグモンたちがカワイイ。ところがいくら進んでも渋谷駅に着いてしまう。
完全体進化も手慣れたもの、さすがにまだ究極体は出ないと思うが、オメガモン出ちゃってるし意外に早く出るのかも。

●光子郎:銀座から渋谷まで普通料金200円の切符を買っていたけど、6歳以上12歳未満の小学生は半額の小児料金との規定。切符に100円の文字は無く‘小’の文字はあるから、表示金額は大人換算ってことなのかな?作品のリアリティが一つの魅力だから、細部も気になってしまう。デジモンにもちゃんと切符1枚ずつ買ってるのが良い。
あれだけ冒険したけれど「僕らまだ何もしていない、ですよね」と。さすが冷静、聖なるデジモンの事だ。アイズモンの能力分析が見事。

●ミミ:とにかく喜怒哀楽の表情がとても豊かで、作画にも力が入っていると感じる。我慢していたのはシャワー、着替え、音楽鑑賞、買い物、食事(タピオカ、パンケーキ、ハンバーガーvv)と、女の子らしいものばかり。ミミの最寄り駅は武蔵小杉ではなく渋谷、高級店バーガージャックを食べ慣れていることからも、やはりセレブな暮らしのよう。渋谷駅から徒歩数分に、松濤(しょうとう)などの古くからの高級住宅街が存在するので、ミミの実家はそこら辺ではないかと推測。ミミの言うとおり、実際に渋谷駅周辺はここ何年も常にどこかしらで工事が絶えず、さらに駅構内は複数路線の乗り入れで建築構造が複雑極まりない。ロケハン大変だったのでは。
パルモンの顔がアボカドに見える、と問題発言。確かに色はアボカドだけど(じゅるv)。ちなみに、実際バーガーキングには「フレッシュアボカドワッパ―」があるが、残念ながらチーズは挟まっていない。

●パルモン:ポイズンアイビーでアイズモン:スキャッターモードを捕えるなど、今作ではポイズンアイビーが自由に伸びる触手として大活躍。無印ではこれはなかったように思う。アイズモンの偽東京に圧倒されるミミを、すべて済んだらアボカドチーズバーガーを食べようと励ます、動機はそこかとツッコみますが頼もしくていい感じ。

●ヤマト:イッカクモンに乗ろうと誘う丈をスルーしていたのに、今回はズドモンに同乗していた。流れで仕方なかったのか、少しは仲良くなったのかな。まだ太一のことを苗字呼び。どうやってここへ合流したのかのエピソードは無く残念。
ガルルモンに乗るのに座布団?確かに気になる(笑

●丈:偽東京を「壊しても怒られないんだよね?」と心配性。ズドモンで入場した時点で周り壊しそうだけど。

●ヒカリ:RWのヒカリは祖父のいる茨城へ疎開する予定。9時4分、緊急速報で茨城北部を震源とする地震が起きたのは本当に偶然。茨城も気を付けて、なんてね。「私、いつでも大丈夫」。何というか、電波で全てお見通しだから大丈夫なのかな。楽天性ではなく、芯が強い感じ。

●太一の母:旧作では天然で寛容な人だったが、今作では性格はまだよくつかめない。危機の中小4の息子が不在なのに心配した様子も描かれない。ファーストネームの設定も父親の存在感も無し。このまま、八神家のみならずどの子の家族も深く描かれないのかと不安だ。スタッフは敢えて設定年齢より2,3歳年上のキャラとして描いているというが、子どもなのだから家族との関りも是非描いて欲しい。

●駅員:声は中村光樹さん。福井県出身、青二プロダクション所属で鬼太郎やワンピなどで脇役をいくつかされてる方。

●アイズモン:スキャッターモードのscatterとは「ばら撒く、まき散らす」という意味だ。アイズはもちろんeyeの複数形。目の形をしたごくごく気味の悪い毒々しいビジュアルと生態で、キッズにはトラウマになるんじゃないか?私もホラー系は苦手なので、夢でうなされそう。太一たちを地下に閉じ込め、小さな影「アイズモン:スキャッターモード」を大量発生させ攻撃。グレイモンにより地上に出ると全てのスキャッターモードが合体し一体の巨大な「アイズモン」と化す。何と成熟期、必殺技など詳細は公式にも謎。完全体3体の攻撃にもデータを操りビルや鉄道・飛行機・タンカーなどを生成し妨害を繰り返した。危機一髪のところで完全体6体による一斉攻撃を受けるが…。渋谷駅といい銀座の風景といい、ここまでリアルに再現されると見ていて気分も上がるし、それだけアイズモンの能力がただ事でない証左でもある。「東京を丸ごとコピペ」、アイズモンが東京危機の元凶だった。
シェイドモン(実態はなく人やデジモンの影に取り憑くデジモン。取り憑いた相手の絶望を喰らい、接種した量でどの凶悪なデジモンに進化するか変わるという)と見た目がそっくり。

●次回予告:「突如」「進化によって出現した」と言うからにはアイズモンの進化系なの?違うの??オロチモンとの大決戦がメインか。聖なるデジモンはまた先延ばし?太一とヤマトがメタルグレイモンに乗っていたけど、ガブモンはどうなるのか。

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