デジモンアドベンチャー:第34話「ヒカリとテイルモン」感想
脚本:冨岡淳宏 絵コンテ:貝澤幸男 演出:山本隆太 総作画監督:浅沼昭弘 作画監督:向山裕治、松本勝次、三橋桜子、小澤和則、Jiang Yong、Xieyumeng、Zoulei
●全体を見て:録画のタイトルには「▼水中都市の冒険!」と追加されている。想定内だがゴマ丈が出なくて残念。タイトル通り、テイルモンとヒカリの絆、キャラの掘り下げが描かれ良かったものの、光子郎以外はヤマト・ミミ・丈が一度の回想シーンのみの登場という冷遇ぶり。さらに次回もテイルモン推しとはいかがなものか。けれど、新しい舞台あり、冒険に休息に設定の説明と内容的には盛りだくさんで面白かったし、キッズになじまない難解さもなかった。ヒカリのアップの笑顔やテイルモンの微妙な表情など、作画が繊細でとても良かった。作監さん大人数!なぜ?山本隆太さんは、東映アニメのスタッフさんであろうこと以外詳細は不明でした。
●ヒカリ:コモンドモンを一人ねぎらうなど、弱い・弱ったデジモンにやさしさを注ぐ姿が無印を思い起こさせた。テイルモンとのラブラブっぷりが見応え十分。危険でも一緒に戦うというヒカリの強い意志が、テイルモンも共に戦う意味に新たに目覚め心機一転、デジヴァイスの出現となった。その確信ぶりやテイルモンの存在をすでに幼少期から感じていたとのエピソードあり、電波系全開。
●テイルモン:ダークナイトモンの正体がテイルモンて、うまく呑み込めないんですけど…。ダークナイトモンの体内に捕らわれていると思ったので。
体が小さくヒカリが乗れないという物理的条件も大きいが、パートナーデジモンで初めて子どもと離れて戦おうとした。超絶に深い絆、「使命を超えた運命」は名言。コモンドモンの言語をも操り、聖なる使命を自覚し古の戦いやミレ二アモンのことも知る、大変知的なデジモンだ。強いのはホーリーリングのおかげというのはわかるが、成長期でなく成熟期で現れた理由はまだ明かされず、光子郎のコメントでもそこには触れずじまい。次回も進化回だからこのまましれっといきそうな気も;;
●太一:シスコンなはずのだが、ヒカリを戦うテイルモンのもとへ送り出すのに抵抗は無かったよう。さすがに身一つで飛び降りたのには驚いていたが。結果オーライ。
●パタモン~ぺガスモン:デジメンタルやアーマー進化の説明もなく、ぺガスモン進化が定番化しておりどうなっているのか。エンジェモンを出せない理由がいまいち不明だ。テイルモンがあまりに賢いので、パタモンは同じ聖なるデジモンとして割を食ってる感じが。ホーリーリングも無いし。
●コモンドモン:足が8本というのでどうしても蛸を想像してしまったが、今回下の角度からの絵で足8本を確認。違和感なく、これで小回りもきくんだろうと納得。砂漠ばかりか水中の移動も問題ないとの様子で、機動力が極めて高く、大きな役割を果たしてくれた。けど、海に飛び込むとわかっているなら、前もって1階に子どもたちを収容すればよかったのに、と思ったらバリアのようなもので守ってくれていた。新しい設定、なかなかにお役立ち。
●マリンエンジェモン:元ネタはクリオネの、とても小さな妖精型の天使系の究極体。ホーリーリングと同じ金の首輪は、初めから設定にあり。テイマーズの時は声は岩村愛子さんでピポパポ言っていたが、今作では水中都市の盟主として饒舌にしゃべっててうれしい。声はセイバーズでララモンを演じたゆかなさん。ただ、水中都市ってドームの中は泳ぎも飛びもできるし普通に息ができてるよ、どういう仕組み?
●マンボモン:突然変異型のアーマー体。両手のグローブで連打する「グローバル・グローブ」が必殺技とのこと。何と珍しくセリフあり、声は高塚正也さん、青二プロダクション所属のベテランさん。
●マンタレイモン:水棲型のアーマー体。尾に存在する電気針「スタン・ニードル」が必殺技。テイルモンやグレイモンにやられっぱなしの雑魚キャラ扱い。
●ダイペンモン:大きなペンギンからの命名か。氷のスピリットの融合闘士である伝説のサイボーグ型ハイブリッド体なのだが、進化前のカッコよさはどこへやら。頭にかき氷機のレバーがついてるのも、眠たげな目も、右手にブルーハワイ・左手にイチゴのアイス(だがシーンによっては左手にピンクでなく白っぽいの;)を持っているのもご愛敬。
●水中都市の小さなデジモンたち:わかる範囲だけ、ギザモン(成長期)、シャコモン(成長期)、シーホモン(Seahorse:タツノオトシゴの英名)からの命名と思われる水棲型のアーマー体)、他のは名前がわからず。
●アノマロカリモン:古代生物アノマロカリスからの命名と思われる、硬い殻を持つ古代甲殻型の完全体。聖なる力とはいえ、あの巨体で小さな成熟期テイルモンにやられてしまうとは意外、メタルグレイモンらがとどめをさしたものの。BGMも盛り上がりドラマチックな倒され方。無印では第41話「荒ぶる海の王!メタルシードラモン」に登場済み。
●ミレ二アモン:ファーガ(調べたが意味は不明)とは、古の戦いでミレ二アモンの最も大きなかけらが落ちた場所。ミレ二アモンの思念が封印されている。新たな肉体を創造し復活しようとしている。
●ED:絵は大変いいのだが(中原区、コロナで行けないのでダウンロードしました)、曲もいいとして、歌詞が単語の羅列ばかりで意味不明なことに未だに慣れずにいる。意味不明でどうしても好きになれない。
●次回予告:テイルモン登場を散々待たせておいて、次の回でもう進化ってちょっと驚き。テイルモンを今回に続いてめっちゃフィーチャーしてる。パタモンの時はあれだけ引っ張ったのにねえ。また他の子どもたちの出番がないのかと心配です。もう35話なのに、掘り下げてないキャラだらけ。「煌く」って、また難しい漢字をどうして引用するかな。