デジモンアドベンチャー:第37話感想

デジモンアドベンチャー:第37話「ミミちゃんウォーズ」感想

脚本:山口宏 演出:佐藤道拓 総作画監督:仲條久美 作画監督:Noh Gil-bo、Lee Yeong-gyu 

●全体を見て:録画のタイトルには「鉱山に眠る宝石」と追加されている。
一話通してギャグがベースで、浦沢脚本か?!と旧作ファンは思いました;汚物系ならぬ地味系のデジモンを従えてはっちゃけたミミ中心でギャグで通そうとした姿勢は潔く、いい悪いは別としてよく伝わりました。たまにはこういう回もいいのかも。ただ、ブラック体質な相手を反省させるのでなく、倒して(=殺して)しまったことはすごく悲しく引っ掛かりました。ゴグマモンは飛ばされただけと見ていいですか。デジモンという作品には敵の命をも大切に描く、そういう期待があります、少なくとも私は。
「ウォーズ」はウォーズでもとタイトルに不安を覚えたが、やはり純真の紋章というエピソードは明確でなかった気がするので残念。半分は純真でも、もう半分は正直に宝石への物欲(セレブなくせに)だもん。

●ミミ:今回も太一たちとの合流があっけない偶然なのはいまいち。普通に考えると、東京の危機も回避できたし太一たちはすぐにでもデジヴァイスで連絡取り合ってミミ・ヤマト・丈と合流を急ぐんじゃ。ミミもヒカリの連れ去りも国際宇宙ステーションの危機もあったのに、その間第2ミミ王国の女王様にゆったり収まっていたなんて危機感がない。
太一たちの捕獲といい、宝石への思い入れといい、ブラック批判といい、作戦会議といい、全てがミミのペースで進んでいくのが可笑しい。72番73番って、そんな話もあったっけ、あまりに間が空きすぎて(汗笑)忘れてた。
大企業の会長の孫という設定がフルに生かされた、おじいちゃん子なんだね。高見氏によると、経営者の哲学を語る場面は「時代劇や歌舞伎の見得を切る感じ」とのオーダーに見事はまった演技だったという。確かにそこも圧倒的な存在感だった。高野麻里佳さんのミミちゃん、バッチリです!
自分が危険になっても苦しんでいる社員(デジモン)を見捨てない、それがミミの純真。このギャグ回を途中も最後も「いい話」としてまとめたのが何だかこそばゆい。

●太一:グレイモンともどもミミのパシリ状態;;ミミすごい。

●空:川に飛び込むのに迷いなし、相変わらず男気あふれる娘。「苦しめられているデジモンを助けたいのね」とミミの純真を代弁、さすが愛情の紋章。

●光子郎:大図鑑にて筋肉の名前をすらすらと、「ジムがあれば通いたい」とも。知識系インドア派なのにマッチョ志望とは全く意外。

●ピヨモン:食料調達の前だったせいか、流される空たちを助けるべくバードラモンへの進化が間に合わなかった様子。

●テイルモン:ヒカリを命に代えても守ると言う。遊んで待っていようと言うのが可愛いパタモンと好対照。この組み合わせで大丈夫なのか、聖なるデジモン。

●トゲモン:ゴーレモンとの拳の語らいって…確かにパンチが武器だけど、もう笑うしかありません。

●リリモン:ゴグマモンがダイヤモンドの硬さには弱いという弱点を子供たちが見抜き、ダイヤモンドを弾丸にしたリリモンのフラウカノンで倒した。弾丸を別物にしても撃てるんだ、知らなかった。撃った後の岩山には緑と花が。ゴーレモンをヒールしたのもリリモンだろうか。

●コモンドモン:何と眠りながらも走るという何て移動に特化したデジモン!

●ゴツモン:無印の汚物系デジモンに代わって、地味系代表としてミミの家来になった成長期。

●ゴーレモン:今作では味方側に回った。体がばらばらになってました、こんなのあり?!大丈夫という設定なの??声はいつものボルケーノ太田さん。

●ゴブリモン:goburi(デジモン図鑑での表記、英語表記は正しくはgoblin。)の語源はヨーロッパの民間伝承に登場する伝説の生き物。凶暴なモンスターというよりはイタズラをする悪い妖精という認識。その通り悪さが大好きな小鬼の姿をした成長期。知能は多少高いが勇気はなく、劣勢になると一目散に逃げだすという雑魚モン。

●スナリザモン:sunariza(つづりはデジモン図鑑の表記)の語源は調べたが不明、たぶん「砂」とトカゲを表す「lizard」が由来だろう。砂漠で砂原に擬態しながら群れで活動する爬虫類型の成長期。グレイモンに一蹴されてしまい気の毒。

●ゴグマモン:gogumaの語源は調べたが不明、鎧状の巨大竜型モンスター・ゴグマジオスのことか。現存する個体数は少なく、洞窟の奥で孤独に生息しているという鉱石型の完全体。大図鑑によると「食事らしいものは摂らず、洞窟から出て体のクリスタルに光を取り込みエネルギーを蓄える」という。しかし、この回の個体は飢えて石やデジモンを喰らっておりとても獰猛なのが大きな違い。クリスタルの先端から蓄えた光のエネルギーを放つ「カース・リフレクション」が必殺技。珍しくセリフがあるメインの敵キャラだが、子どもたちをエサとしか見ないところは対話の余地なし。声は乃村健次さん、岡山県出身、青二プロダクション所属、無印でナニモン・テイマーズでバベル・フロンティアでアルボルモンで出演なさった方。

●次回予告:いきなりガブモンのピンチ!最初のEDでアピールがあり、太一との対立があるのではと推察されたヤマトだが、毎回報告の件で登場する光子郎より影が薄かった。これは痛いぞぉ、やっと出番キタ~!丈先輩もやっと温泉から上がって復活するようなのでほっとした。無印で友情の紋章はヤマトが丈と一緒の時発動したんだもんね。でも次回はヤマトとガブモンの関係の描写がメインかな?わたくしヤマ丈・丈ヤマ推しなので期待大。メフィスモンという大物も登場!

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