デジモンアドベンチャー:第40話感想

デジモンアドベンチャー:第40話「決めろ!必殺シュート」感想

脚本:十川誠志 演出:佐々木憲世 作画監督:澤木巳登理、北野幸広 総作画監督:浅沼昭弘

●全体を見て:録画のタイトルには「太一と空のタッグ」と追加されている。サッカーするのが楽しくてという二人の尺がDWに慣れた感じで印象的。太一と空が幼なじみで大の仲良しで、二人してサッカーがとても得意で大好きというのを描いた、空が愛情というより強さでポームモンを助けるお話。毎回出ていながら常に脇役という空を前面に出した今回。太一と空以外はなんか蚊帳の外。ガルダモンへの進化も、愛情の紋章というより太一とメタルグレイモンを果実にされてしまった憤慨によるもの。ガルダモンと離れ身一つで太一たちを助けにいく。必殺シュートを決めたのも太一でなく空。今作では、空をこのまま「どこまでも強くてカッコいい女子」として描き切るのだろうか。無印の空の内面のうじうじ、そして愛情の開花、結構好きだったのだけど。そういうウェット感が良くも悪くも全然なくて、カラッとしてるんだなあ。今回もまたファーガには触れず。

●タケル:ヒカリと花飾りを作ったり、落下物からヒカリを守ろうとしたり、タケヒカムードが良い。で、自分はヤマトに守られて。描写が細かい。

●ヤマト:「ミックスジュースはフルーツジュースとは違う」と謎のウンチクを披露。ここからも東京ではない地方、おそらくは近畿地方(大阪、京都、兵庫、奈良、三重、滋賀、和歌山)在住という推察が可能。近畿地方では、牛乳と様々な果物をミキサーで撹拌した飲み物を指す。一方近畿地方以外では複数種の果物の果汁を混ぜたものをミックスジュースと呼ぶ事が多い。ちなみに十川氏は埼玉県出身で、何か思い入れがあってこのエピソードを入れたのかは不明。

●丈:シン兄さんはなぜ家出カバンに笛を入れたのだろう。山での熊対策と丈は言うが、災害時の所在アピールに使われることも。ヒカリの笛とは特に関連はなさそう。落ちてきた冷蔵庫は無印第7話の冷蔵庫を思い出させるが、結局中身の開示はなく伏線ではなかった、何だったのだろう。冒険の地に白物家電があるシュールさはデジモンならではか。

●ミミ:優雅な椅子もコップ・ストローも草木で手作りのよう。

●ガルダモン:くらうと致命的なトロピアモンの技に苦しみながら一人で善戦。今回のヒーロー(ヒロイン?)。とはいえ、わたくしバトル自体にはあまり興味がない…

●アグモン:キャプ翼の名ゼリフにならった「ボールは友だち」発言はアドリブで、元のセリフは「でも楽しいよ!」だったという。それにうまく返せなくて悔しい、笑・・と白石涼子さんはツイートしていた。

●ゴマモン:キーパーの役目のためだけにイッカクモンに進化。あのガタイでもゴールを決められちゃうのだから太空タッグは強い。

●ポームモン:pomuの語源は調べたが不明。鳥型に見えるが、体内に高糖度の果汁の詰まった植物型の成長期。そのため、鳥系や虫系の天敵が非常に多い。それでフライモンに捕まって果実にされていたよう。飛行速度が遅いため主に陸で活動。タネのような弾丸を無数に吐き出す「ラピッドシード」で身を守るという。単に弱いデジモンでなく、最後には強力な戦力になった。声は伊藤かな恵さん、長野県出身、青二プロダクションと歌手としてランティスにも所属、数々のメインキャラを演じ、2010年には声優アワード新人女優賞を受賞している方。

●トロピアモン:図鑑ではtoropiaだが、命名が「熱帯の」という意味なら綴りは正しくはtropical。ジャングルに生息する巨大な植物型の完全体。様々な樹木・果実のデータを取り込み、ど派手な見た目と強烈なにおいに進化したという。口から吐くガス「トロピカルヴェノム」は、吸い込んだ者を溶かす強烈な毒だ。残念ながらやはりセリフは無い。巣のある大木には、ベジーモンのモデルにもなったという食虫植物・ウツボカズラが生えている。果実になった者は茎を切断すれば元に戻るという簡単な救出法。こんなのアリか。それまで圧倒的優勢だったのに、蹴られた木の実に加え何とポームモンの技で動きを封じられ、完全体2体により倒された。

●次回予告:「もんモン」と言うからには、もんざえモンもしくはワルもんざえモンの話だろう。またもファーガがおろそかに?ヤマトと離れてしまったタケル、がんばれ!二人の訳ありな関係がちゃんと描かれるといいな。

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