デジモンアドベンチャー:第49話感想

デジモンアドベンチャー:第49話「邪神降臨ミレ二アモン」感想

脚本:十川誠志 絵コンテ:佐藤道拓 演出:武藤公春 総作画監督:仲條久美 作画監督:荏原裕子

●全体を見て:録画のタイトルには「悲しみの子ども達」と追加されている。
ショックを受けて取り乱し泣くヒカリに何とか寄り添おうとし、太一たちの帰還を信じることでヒカリと他のみんなを励ますミミ。やさしくて強くてしっかりしている。でもこれって…私が感じた違和感の一つは、これは純真でなく愛情の紋章の役割ではないのかという疑問。あるいは未来を信じる希望の紋章か。しかも今作での紋章の扱いは、旧作で紋章の意味を分かっているファンだけが理解しやすい、言葉足らずなもの。無印のミミなら純真から太一不在をひどく悲しんで泣いてそうなのに、今回のミミはあまりに唐突に強い。そして、強い理由があまり伝わってこない。ミミってこんなだったっけ?今作のミミはこうだと言ってしまえばそれまでだが、純真の紋章はどこへ。
ヒカリとミミのやりとりは本来なら感動のツボなんだろうが、そのノリにハマれなかった。ミミの独白、ヒカリへの近寄りがたさ、抱擁、楽しかった事、コサージュ、家族の笑顔について、それらの描写でミミの言動の趣旨が不明瞭だし、描写がいちいち点描的散発的な気がして、なぜヒカリが立ち直ったのかよくわからない。もっと一気にヒカリの心をぐっとつかむ励ましにならなかったのかといぶかしむ。だが、無印・02でほぼ接点のなかった2人のやりとりは貴重な場面。普段は単なる情報交換の道具でもあるのに、ミミの御託を皆がデジヴァイスで共有する、こんな使われ方をしたのって初めてじゃないか。何だかこそばゆい。
コサージュを作って太一たちの復帰を待つっていうのはスミマセン意味がよくわからない。手向けの献花かと思っちゃいました;戦場にコサージュは似つかわしくない。千羽鶴づくりみたいなもん?それとも頑張ったことへのご褒美?
ヒカリは電波ちゃんだから太一の無事を誰より強く感じ取ってもよさそうなものだが、動揺が激しくて無理なのか、まるで打ちひしがれてしまって感度不良。
肝心の愛情の紋章の持ち主はヤマトに戦いに駆り出されている。ヤマトの人選としては、同学年で声をかけやすい空、年長の丈を防御役に当たらせると残りの男児は光子郎、それとパートナーデジモンが飛行できるという理由からだろうか。ピヨモンとテントモンはそれなりに傷ついていたのに選ばれてしまった。ゴマモン、パルモンがダメージ大きかったから連れていかなかったのだろうか?しかし、パタモンは前回普通だったのになぜぐったりしているのか不明。
ファーガとクラウド大陸の物理的位置づけや関係性が何だかごちゃごちゃして分かりづらく感じる。

●ヒカリ:引き続きか弱さと芯の強さが魅力的。

●丈:ヒカリのことちゃんでなく君付けなのは、生真面目さからくるのだろうか。コサージュを「胸に(付けるに)決まってるでしょ」と言われ、「ええ?!」と驚いてるのはなぜ?セリフの意味がわからない。~と書いたところ、デジ友であるブログ「Fishbowl」の魚珠さんかラ、アグモンの表面がコサージュつけづらそうだからの「ええ?!」でないかとご指摘を受け、納得したことを追加しておく。なお、「Fishbowl」をリンク先に追加したので、是非ご覧ください!

●光子郎:図鑑でノヘモンのファッションチェックを。tri.でもファッションに目覚めていましたね。あれはオシャレというか敢えてのダメージドスタイルなのね。ただのボロだと思っちゃった、失礼。ところでテントモンのオシャレって何?無印ではRWに来て人間の服を無理やり着て変装してたけど、DWで何か着る必要あるのかな。

●メタルガルルモン:グレイスクロスフリーザーは必殺技としては初見かな?ガルルトマホークも使っていましたね。初の究極体同士のバトルなのにグリフォモンと対峙せず並走して戦っているのはなぜ。

●ウォーグレイモン:火柱の中からなぜどうやっていきなり復活したのか不明。早々の復活は予想通り何だったのという嫌な展開。いや、復活してもらわんと困るのではあるが。

●テイルモン:珍しく自らの無力感に葛藤しているが特にオチはなし。さすがに暗黒進化はしなかった;

●ゴマモン:丈に進化させてと頼む、健気だ。

●アトラーカブテリモン:進化時に拍子木の効果音が。歌舞伎の見え切り風なのがいいか悪いかはともかく、そういうキャラとして継続させているのは好感が持てる。

●コモンドモン:傷ついていながら、皆を花で和ますナイスプレー。投票で好感度抜群だったようですが、横山さんのキャスティングは完全に役不足。「ワウ~ン」にキッズ界のビッグネームを起用する必然性を感じない。

●ベーダモン:ミレ二アモンが復活したら、姿が見えなくなっていた。どこへ行ったの?もう不要とやられちゃったの?次回しれっと出てきそうですが。

●グリフォモン:ギリシャ神話に出てくる「griffin・鷲の頭と翼を持ち獅子の体を持つ怪物」が語源と思われる。頭、翼、前足は鳥型、胴体は獣型、尻尾にはヘビのようなものがついている合体デジモンで究極体。俊敏な動きで攻撃力も非常に高いという。必殺技は超高周波を出し敵のデータを破壊する「スーパーソニックボイス」。メタルグレイモンとの戦いの末、グレイスクロスフリーザーを浴び倒される。

●ミレ二アモン:圧倒的なパワーのムゲンドラモンと、様々な強力なデジモンのデータを持つキメラモンが融合した究極の合成型デジモン。今作ではセフィロトモンによってその他のデジモンのデータも取得した模様。02以降本格的なアニメ登場は初。ガルダモンとアトラーカブテリモンの攻撃も効かずついに復活してしまう。メタルガルルモンが遅れて来たのはイタい。大ボスなのにセリフはなく、感情移入しづらい。私はゲームをしないのでミレ二アモンの容姿を知らなかったが、デカい!まがまがしい!恐怖!こんなのに、究極体2体と完全体6体で勝てるのだろうか。それとも全員究極体に?グリフォモンは結局前座モン。

●次回予告:終結って、これだけミレ二アモンを引っ張っといてすぐに打破ですか?「太一とウォーグレイモンの決戦が始まる」って言っちゃってるし、またもや太アグメインは正直もう勘弁。他の仲間も集まるには集まるみたいだけど、終盤なんだから総力戦でいってほしい!聖なるデジモンもがんばって見せ場が欲しい!
とうとう高石田の離婚の影響や光子郎の家庭環境やいやに男前の空など、キャラを掘り下げることなく最終話が近づいています、残念。

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