デジモンアドベンチャー:第52話感想

デジモンアドベンチャー:第52話「天舞ホウオウモン」感想

脚本:森地夏美 演出:佐々木憲世 総作画監督:浅沼昭弘 作画監督:Noel Anonuevo、Eugene Ayson、Joei Calangian

●全体を見て:録画のタイトルには「火山地帯!試される愛」と追加されている。「愛」なのかなあ、「信頼」「信じる」とばかり言ってるよ。さっそく紋章の謎を解く旅だと思ったら、いきなり労働奉仕に取り掛かる。危機が迫ってるって言うのになぜ!で紋章はほぼスルー、「愛情の紋章」というセリフすら出てこない。無印のバードラモン進化回、ガルダモン進化回と比べると、ドラマがないって言うのかな…
「ご安全に」ってギャグなの?だとしたらスベッてるのに何度も連呼、イタいなあ。
森地さんといえば第44話のペタルドラモンの哀しい最期を書いた方。今回も趣きが違い、敵は出てこなくて噴火という自然災害が相手なのは一興か。ってオイ、火山はともかく巨大な危機が迫ってるんじゃないの?
原画は東映フィリピン班の方々のため、お一人を除き外国名のクレジット。

●空:自分をかばってピヨモンがケガしたことの罪の意識か、異様に張り切ってどこか痛々しい。ジャンクモン救助でピヨモン不在の心細さを切に味わう。

●ピヨモン:ケガは軽く、空と一緒に作業したいだけなのに拒否されて真意がわからず「大っ嫌い!」と。淋しいよね、かわいそー。けどこの二人、「くだらねえことでケンカしやがって」というジャンクモンの言葉が一番ピンとくるってどういうこと…。せっかくの満を持しての究極体進化のはずなのに。

●ガルダモン~ホウオウモン:ガルダモンはともかく、空まで溶岩流に呑まれて大丈夫なんでしょうか。聖獣の聖なる力なのか溶岩流を一つの柱にまとめ上げていた。あれ、何なんですかね、よくわからない現象。噴火を止めたってことでいいのかな。

●太一:ヘルメットをかぶったら誰キャラかわかんなくなった;恐るべしあのボリューミーなヘアスタイル。あれだけ太アグを推してたけど、今回はさすがに戦力として微々たる扱いで寂しい。メインの空とのやりとりが乏しく、物足りない。

●光子郎:情報の大樹にとどまったが、光子郎も紋章の謎を指し示す矢印が出てるはず。行かなくていいんですか。そっちの処理の方が大事じゃないのかな。

●ジャンクモン:junkはがらくたの意。アニメ初登場。ジャンクパーツを背中の大砲に放り込む習性があるパペット型の成長期。周囲の構造物を分解することで棲みやすい環境を整えるという。ヘルメットに隠れているがお顔はネズミさん、かわいい。島の皆のご安全を取り仕切っている親分。声は山口勝平さん、無印ではチューモンを演じた方。「江戸っ子的かつ現場監督感が漂う」役柄ということでオファーが通ったと高見さん情報。

●バコモン:綴りはbacoだが、おそらくは「箱」からきている。段ボール箱で全身を隠している、引きこもるほど恥ずかしがり屋な突然変異型の成長期。クロスウォーズのオリジナルデジモンコンテスト受賞作品である。段ボールが題材なんて、子どもにも親しみやすくていいな。声は三野(みの)雄大さん、大阪府出身、青二プロダクション所属、大阪芸大放送学科卒、ワンピース・ワールドトリガー等脇役で出演なさった方。

●その他の島民:フローラモン(声は石橋桃さん、神奈川県出身、青二プロダクション所属、アプモン等々に出演なさった方)、マッシュモン(声は既出の寺崎千波也さん)、カメモン(声は既出の佐藤悠雅さん)、ほか幼年期。しかしこの島、住み続けたいったって俯瞰した地形のほとんどが土地の荒れた火山と塀で、いったいどのエリアで何を食べて生きてるというの?

●次回予告:丈先輩の一世一代の奇策って言うと、無印第11話のお経でバケモン退治を思い浮かべるが、今回はいかに。ゴマモンは究極進化しなさそうだし、誠実の紋章に繋がる話だといいんだけど。あとカブキモンが出るけど、ド派手な、純真のデジメンタルで進化したアーマー体だけに、どんな役割かは見てのお楽しみ。

(2021/6/15記)          もどる