デジモンアドベンチャー:第53話「ゲコ温泉の乱」感想
脚本:佐藤寿昭 演出:セトウケンジ、佐藤道拓 総作画監督:仲條久美 作画監督:Noh Gil-bo、原憲一
●全体を見て:録画のタイトルには「トノサマゲコモンの嫁探し」と追加されている。デジモンには性別がないのが公式見解なのに嫁とはいかに。嫁探ししている理由も不明(テイルモンが「人間世界の情報を半端に吸収してしまった」からかと言っている)。しかも、テイルモンやヒカリでなく一応オス属性のゴマモンを指名するなど理解に苦しむ。ゴマがとてもかわいいのは十分認めるけども。そして、嘗め回したり頬ずりしたりキスを強要したりゴマからしたたる温泉水を甘露と味わったり、「よいではないか」ごっこなど、ギャグとしてはちょっとえげつない殿のエロ変態ぶりが気持ち悪くて笑えなかった、ゴマファンの私としては。
前回に似て、敵らしい強敵というより困り者を懲らしめる話。そのためのバトルで、巨大な危機とは無関係なのをここへきてなぜやるの。
丈たちが湯屋から飛ばされるときキラーンとなったり、丈の「僕に考えがある」のアクション、キスを迫られるイッカクモンを心配するタケヒカたちのギャグタッチ(テイルモンが耳でヒカリに目隠しをしているのは芸が細かい)等々、ギャグ回を狙ったのは明らか。で、ゴマ丈が大活躍なのはうれしい。が、再び問う、なぜ今ギャグ回なのか。
最後のシーンで意味深に丈のデジヴァイスが光ったけど、結局お話としては誠実の紋章の謎解きは前回の愛情の紋章に続いてまたも無し!もう53話なのに、いったいいつ謎解きするの?巨大な危機もスルー?「温泉は皆のもの」という言動が丈の「誠意」なんだろうけど。誠実のエピソードとして弱い気がする。この調子で60数話までだらだら行く気なのかしら、モチベーション下がる。
●丈:湯屋(ジブリの某映画を雑にした感じ。オマージュとまでは言えない)から追い出されて雪に埋もれ、タケヒカに助けられる始末。しかも年少のタケヒカを置き去りにして湯屋へ反撃に行くなんて年長者としてらしくない、どうしちゃったの。
ナニモンや絡まれたブロッサモンの不遇にも心を寄せるお人よしがいい。奇策とは雪見風呂作戦で無事ゴマを奪取!冷えに弱いと知ってから機転を利かせトノゲコ戦がカッコイイ!平和が戻って殿を赦すのもいい。リーダー改め、トノサマの殿様と認められる。
●太一:丈と合流と思いきや、太一と一緒だったはずの空とピヨモン、メカノリモンが不在、今どこに。なぜ離散。ジャンクモンが続投なのは話の筋から言ってわかるけど、またも太アグを偏重している。
カブキモンはいるにせよゲコモン相手に完全体進化ってどうなのよ。
●ヒカリ:混浴!(〃ノωノ)小2だとギリセーフ?ヒカリファンの反応やいかに。
●ゴマモン:殿との婚礼ツーショット写真は衝撃、笑った。その毛といいなぜか人間のような「手」といい(擬人化?)、白無垢の似合うったら。わしが嫁に欲しいv
さすがに殿の守備範囲外なズドモンがとどめをさしてくれ、敵のお株を奪い歌舞伎調の大見えを切った。
●テイルモン:ヒカリに作戦を認められて珍しく照れ笑いがかわいい。作戦中の踊りでも照れ笑い。
●カブキモン:立ち振る舞いが異様でもあり華美でもある純真のデジメンタルで進化した突然変異型のアーマー体。声は02のホークモンでおなじみの遠近孝一さん。シュリモンに続いて和風キャラ。
●トノサマゲコモン:殿様のちょんまげに似た触覚を持つ両生類型の完全体。その発生はカラオケの採点システムが最初という。なぜかゴマモンに性的魅力を感じ捕えた。ぬくい温泉に続きぬくい嫁を得て『最強のぬくぬく将軍』なり。ちなみに「ぬく」は性的関係を迫り果たす隠語でもあるのはまさかご存知でもって言わせてるの??必殺技の、ボーカルとホーンの超低周波で敵の体のデータを震わせて破壊する「コブシトーン」を披露。進化後のイッカクモンも好みだから、もう節操ない。声は塩屋浩三(こうぞう)さん、鹿児島県出身、青二プロダクション所属、私が印象に残っているのは「スラムダンク」の高宮。
●ドンドコモン:熱いリズムを刻んで場を盛り上げるお祭り大好きな楽器型の成長期。ちょい役すぎでかわいそう。
●次回予告:リベリモンと太アグのバトルって…紋章の謎は?巨大な危機は?マジで50回台じゃ終わらないね。
(2021/6/21記) もどる