デジモンゴーストゲーム第15話「占イノ館」感想
脚本:山口宏 絵コンテ:えんどうてつや 演出:野呂彩芳 総作画監督:石橋大輔、金久保典江 作画監督:北野幸広、仁井宏隆、冨田恵里沙、浅沼昭弘、W.H.Cho、E.K.Cho、S.H.Park (2022/1/23 放映)
<あらすじ:公式サイトより引用>
どんな悩みも100%解決するが、いつ、どこに現れるか判らない謎の占いの館、その名はメフィスト。瑠璃は親友のミカに頼まれ、その占いの館を探すことになった。その頃、掘り出し物を探してジャンクを漁っていたジェリーモンは、あまりにも精巧に作られた、若い女性の石像を見つけた。闇のように黒い不気味な石像に触れた瞬間、ジェリーモンは理解する。これは人間が変化したものだと。
謎の占いの館と、黒い石像。この二つの事柄を結び付ける、恐るべき計画とは?そして瑠璃の身に、最大最悪の危機が襲いかかる。
●全体を見て:録画のタイトルには「…瑠璃に迫る最大の危機」と追加されている。
私は占いを信じている。人生の岐路で占い師を頼った事もある。自分でもタロット占いをして、日常の些細なことを決めたりもする。だから占い師選びは慎重で、専門誌を頼りに女性にやさしい占い師を探す。今話では占いは女性客を呼び寄せる手段なだけで、占いそのものはストーリーに関係ないのが残念。
占いの館メフィストの客が100%若い女性客というのはどういう訳か。実際に占い市場に男性客はいないのだろうか。古代より政治や経済の大物の男性が占い師に頼るという噂はあるけれど。フェレスモンが何らかの方法で女性客だけを選んでいるのか、それとも占い師を頼る男性はごく少ないという事か。
冒頭から石化という形で被害者が出る。被害者が多数出ているのに、「当たる!さまよえる占いの館」として良い口コミだけが広がっているのは不可解。ネットの口コミとはそんなものか。メフィストの占い師の正体は恐ろしいデジモン!瑠璃たちを守るためにアンゴラモンが成熟期へ進化、成熟期三体が揃い踏みして、悪の権化・完全体フェレスモンたちとバトル。フェレスモンは場所を変えるだけと言い残し、占ってやれなかったせめてもの「詫び」として被害者の石化を解いて去った。まるで懲りていない、何とも後味の悪い終わり方。深追いしなかったのは、完全体相手にかなわぬと察したからか。
冒頭の聖地は、レインボーブリッジの下の方と思われる。他は、地図が映るのだがレインボーブリッジの架かる東京湾付近にそれらしい地形は見当たらず。どなたか特定お願いします。
えんどうてつやさんは、クロウォのシリーズディレクター・絵コンテ・演出の方にして、アニメ監督、演出家、脚本家、アニメーター、音響監督。
●宙:ジェリーモンの報告を受けてデジモンの関与を疑い調査を開始。フェレスモンに話し合いの余地はなく。
●ガンマモン:落ち込んでる様子がないので一安心。清司郎の事を「キヨ」と呼ぶのが定着しているよう。そりはどこで調達したのでしょう。べテルガンマモンへの進化が一番ポピュラーなよう。
●清司郎:ひたすらビビりでかわいい。「危険が危ない」(笑。
●ジェリーモン:相変わらず営業熱心。石像に手を入れて、データを読むんだろうか、人間だってわかるんだ~。
●瑠璃:ミカの頼みで、ピッタリ探しとは別だけどさまよえる占いの館を探す事に。クソ寒いのに5か所も回ってまだあきらめないとは、自分の分析、地図で欠けた場所に余程の確信があるのだろう。宙たちにまず相談すればよいのに、いやこれがジンバ―進化の伏線なのだ、何と一人で館の裏から入ってしまい、着信音で気づかれ拘束される。
自分のパートナーデジモンが友人にとっては「怪物」であっても、秘密がばれる心細さを振り切ってでも友人を守ろうとした瑠璃に拍手。新しいdimカードで発動させたのは雪の疑似デジタルワールド。ことが収まり友人の無事に感極まって涙ぐむ。けどまだ真実は言えなくて。おおっと珍しくしおらしい一面!友人も、詳細は聞かないが瑠璃が守ってくれたことはちゃんとわかっていた。
世は「ビッグリボン」のブーム。マスクで顔半分が隠れるため、別のポイントとして最大30㎝近い大きな品などが売れているという。中学生なのに、そして徒歩なのに、5~8㎝はあるであろうハイヒールには驚いた。しかもビッグリボン付き。オシャレに妥協はしない模様。
●アンゴラモン:常に瑠璃の近くにいてくれて頼もしい。聴力に特化しており、館で妙な音、あえて言うなら笑い声がすると言う。瑠璃のピンチに非常手段、何と意外にも重機の操作部をぶっ壊す荒業で館に突進したのには驚いた。
「案ずるより生むは易く、人間万事めでたしが馬」。「人間万事塞翁が馬」のもじり。「人生の禍福は転々として予測できない」の意。瑠璃と友人がひとまず丸く収まったことを受けて。
●ジンバ―アンゴラモン:デジモンシリーズで類を見ない遅い話数での進化、15話にしてついにキター!待っていました。アンゴラモンが成長期にして知性が高く強かったのも初進化が遅れた理由だろう。アンゴラモンが瞬発性を求め、まとっていた長柔毛を解いた成熟期。クッション性のある毛による防御力は失ったが、身のこなしが軽やかになった。振る舞いや動きに美しさを求め、戦いにおいては舞を舞うように攻撃を受け流して自身の攻撃につなげるという。必殺技は、片足立ちの体制から素早い蹴りの連打を繰り出す「ジャイブ」、体を回転させて切れ味鋭い耳先で敵を切る「レントライザー」、両手から強力な竜巻を放つ「ブレイキンストリーム」。
スリム&スピードでナイトっぷりが一段と引き立つキャラデザ、一転大きな瞳、ほんとにカッコイイわあv信じていた瑠璃の決断を受けての初進化、瑠璃が友人を守れると信じて。ブギ―モン6体を一撃で倒したばかりか、完全体相手に堂々の対峙、イカしてる。そこにべテルガンマモンとテスラジェリーモンが加勢して。しかし、勝利叶わず。
●柏木ミカ:占いに肩入れした挙句占う内容を親しい友人にも口にできない内気な子。さては恋バナか。あきらめも早く、大人しい。声は一応書くと既出の田口奏弥(かなみ)さん。
●宇田川アオイ:大人しいミカと比べ、「さすが瑠璃姉さん」と持ち上げたり会話を回す積極性のある子。帰りに、瑠璃の秘密は本人が話すまでそっとしておこうと提案したのも彼女。声は一応書くと既出の関根有咲さん。
●フェレスモン:メフィストフェレス、略称メフィストは、16世紀ドイツのファウスト伝説やそれに材を取った文学作品(ゲーテ作の「ファウスト」など)に登場する悪魔。主にドイツ語圏のキリスト教の民間伝承に伝わる悪魔であり、その地位は大魔王ルシファーの代行という高位にあるとされる。
デジモン図鑑によると、貴族のような姿の堕天使型の完全体。人の願いを叶える代わりに、魂を奪う。ブギ―モンが出世して進化するというが、詳細は不明のままという。得意技は、相手を黒い石像に変えてしまう「ブラックスタチュー」。必殺技は、呪いのこもった叫び声で敵を狂わせる「デーモンシャウト」。
女性たちの恐怖に引きつる表情「甘美なおぞましさ」を集めたいがために襲って石化させていた、芯からの悪党。表情が気に入らないと石像を捨てさせるという冷酷ぶりにも腹が立つ。また、単にコレクションするだけでなく、恐怖をあざ笑う感情がデジモンを実体化させるのに役立つとも。「人間世界を侵食する足場」侵食するために実体化できる部下を増やそうとして。去ったはいいがとんでもなく悪い構想を練っているよう。再登場は必至。
声は置鮎龍太郎(りょうたろう)さん、青二プロ所属、デジフロでロードナイトモン役をされた大ベテランさん。個人的には再婚相手が前田愛さんと知り腰を抜かすほどビックリ。デジモンソングのマドンナが既婚者と知りおめでたいがショックでもある。
●ファングモン:魔獣型の成熟期。数々の童話に登場する悪しき狼のデータがデジモン化したとも言われ、時には親しい者の姿にまで化けて近づくことがある。犬狼系デジモンの中では異端の存在で、ガルルモンが光の存在とすれば、ファングモンは闇の存在であるという。女性客に噛みつこうと迫り、恐怖の表情を煽る役割を課せられているよう。声は既出の中村光樹さん。
●ブギ―モン:魔人型の成熟期。正面から戦おうとせず、暗がりで待ち伏せ突然襲いかかる卑怯者。必殺技は、右手に持った三つ又の槍で突き刺す「デスクラッシュ」。こちらも恐怖を煽る役割。声は既出の蟹江俊介さん、竹内大生さん。喋るのは3体だから、あと一人兼役されている男性がいるはず。
●OL:いまだに女性会社員の事を「オフィスレディー」と呼ぶのは差別的で全く時代錯誤。一度定着してしまった差別的語彙は、言葉は生き物だけに解消が難しい。キッズアニメだけに、配慮が欲しい。でないとまた次の世代に受け継がれてしまうではないか。声は既出の松蔦杏実さん。
●女子大生:声は既出の木村真悠さん、川口桜さん。
●次回予告:森は恵みの元だけれど、神秘と闇を抱えている。宙のキャンプのさまが見られるとあって期待。ジュレイモンが登場?
(2022/1/27 記)