デジモンゴーストゲーム第18話感想

デジモンゴーストゲーム第18話「子供ノ国」感想

脚本:中山智博 絵コンテ:中村哲治 演出:佐々木憲世 総作画監督:浅沼昭弘 作画監督:仲條久美、大西陽一、仁井宏隆、李少雷、金久保典江、冨田恵里沙、W.H.Cho、J.Y.Min、E.H.Kim、D.H.Kim (2022/2/13 放映)

<あらすじ:公式サイトより引用>
ある朝、部屋に2体のホークモンが訪ねて来て「いなくなった人間の友達を探してほしい」とお願いされる宙。授業のある宙の代わりに、失踪した子の住む家に調査に向かった清司郎とジェリーモンだったが、母親は「そんな子はいない」と言い張る。清司郎らは調査を進めると、この地域では人間だけでなく子供のデジモン達も複数失踪していると判明する。
 夜、宙達は手分けしてこの地域を監視していると、子どもを抱えたピーターモンを発見し、後をつける。旧児童館で、ピーターモンは異空間『ネバエヴァ―ランド』の扉を開く。そこは、大人の入れない子どもだけの国だという……。

●全体を見て:録画のタイトルには「…次々と失踪する子ども達」と追加されている。
ピーターモンの元ネタとなるピーターパンは、「永遠の少年」の象徴である存在。戯曲「ピーター・パン─すなわち大人になりたがらない少年」は公園で乳母車から落ちたのをベビーシッターに見逃され迷子となった事から年を取らなくなり、異世界ネバーランドに移り住み冒険の日々を送るという物語。
永遠の少年とは、ユングの言う「元型」(アーキタイプ)の一種。もともとはギリシャ神話の神に由来する。成人を迎える前に亡くなったオヴィデイウスという神が、太母(グレートマザー)の子宮の中で再生し、少年として再びこの世に生まれ、決して成人しない英雄となる。ユングはこの神話に由来し、大人になれない人間の事を「永遠の少年」と呼んだという。若々しさ、美しさ、清浄さを持ち、成熟の拒否を示す。病理としては、老化恐怖による全般性不安障害、成熟拒否による摂食障害、性的関係への嫌悪、勃起障害などが症状としてみられる。
今話では幼いデジモンばかりか人間の子どもたちをも多数誘拐し自分の世界に幽閉していた。大きくなる、成長する、進化する事への嫌悪。大人は臭く穢れていてなんでも決めつけ嘘をつき約束を破ると主張。余程まともな大人デジモンに恵まれず成熟期に育ったのか、それとも元々そういうキャラと片付けて良いものか。
作戦会議を「カラオケパキラ」でするなんて。あの、客に被害が出てもそれを集客に利用するようなアコギな店長がいる店をまた使うのか。別の支店かもしれないけど。建物の修理は済んだのか。
原画が団体名・外国名含め多数あり、作監も10人と多い。美術がいつもと違って権瓶岳人さん、林竜太さん、柴田聡さん。
サブタイトルは「子供」、追加された文では「子ども(達)」、エンドクレジットで「子供」、あらすじでは「子供」「子ども」と統一性が無いの気になる。細かい事なんですけど、キッズアニメだし「こども」の表記は統一してほしい。

●宙:クロックモンに「断らない奴」と吹聴され困惑。ホークモンたちに他意はないので親身に力を貸す。
ある意味純粋で大人になる事を拒絶するピーターモンに、父さんは「自由で楽しく暮らしてるけど、約束は絶対に守る大人だ。俺はそういう大人になりたい。いや、絶対になる!君と約束する!」意外にも本音はクソ親父・北斗に約束を破らない大人として厚い信頼を寄せていると判明。「あいつとの約束、守れるかな」との弱音も。瑠璃のフォローがやさしい。しかし、北斗が宙に対して約束を守ったというエピソードが今話までに一つも無いのは痛いところ。
ガンマモンの進化にいっとき間を置いたのは、グルスになる不安もあるし、べテル・カウス・ウェズンのどれに進化するか確定していないからピーターモンにどれが適するか不明だったからだろうか。今後さらに強い敵が現われたら、さあどうする。完全体進化もどうなるか。
寮の自室掃除にルンバって、どんだけ裕福な中学生なんだ。普通にほうきかせめて掃除機にしろ。

●ガンマモン~ウェズンガンマモン:リアクションがいちいちかわいいガンマモン。ネバ―エヴァ―ランドに先に入るため貸し倉庫に寝てピーターモンを誘う作戦、倉庫はタダじゃないのでジェリーモンが開錠したのだろう。
軽々飛び回るピーターモンを相手に、飛行できるカウスガンマモンではなく重火器を備えた動きの遅い重いウェズンガンマモンに進化したのは意外であった。

●清司郎:アニメ「魔術探偵エルフバスターズ」にどハマり中という事でコスプレに抵抗はない模様。一瞬ハリポタに見えたぞ。その恰好で北村家を訪ねるのは怪しすぎる。母親の記憶が消されている事、他に幼いデジモンも失踪している事を知る。

●ジェリーモン:予定表に一人だけちゃんとジェリーモン「様」と書いてある。

●瑠璃:ピーターモンに臭い大人呼ばわりされご立腹。

●アンゴラモン:「人生旅の如し。苦あり楽あり成り行き次第」。旅するキャプテンフックモンの登場による解決は、確かに成り行き任せ。

●ピーターモン:自由に空を舞う少年の姿の妖精型の成熟期。進化を拒み幼いデジモンに「子供だけの国を造ろう」と誘惑し、自らが築いた「ネバ―エヴァ―ランド」へ誘う。天真爛漫で無邪気な性格といわれるが、無垢だからこその残虐さが潜んでいる。特に約束を破ったデジモンは「成敗ゴッコ」と称して容赦なく討ち倒す。必殺技は、的確に急所を突く「スナイプスティング」、命中するまでしつこく追尾する「トゥインクルシュート」、口笛で眠っている幼いデジモンを自由に操れる「ミッドナイトファンタジア」。
ピーターモンの標的は、知恵のついた中学生じゃもうだめで、小学生以下の子どもか成長期のデジモン。体臭に敏感なショタコン・ロリコンという変態ぶり。こんなデジモンいたのね(アニメ初登場)。「子どもはずっと子どものままでいないと」が信条。「進化なんて臭くてへどが出る」とも。寝ている相手を操れるので、宙たちの記憶を消して証拠隠滅を図る。「ネバ―エヴァ―ランド」は遊び放題の一見楽園、しかしピーターモンの意向に沿わぬとなれば厳しい成敗ゴッコがあるというニセの夢の国。成敗ゴッコの元ネタは、大人になってしまった子どもの間引きだとか。ミッドナイトファンタジアでジンバ―アンゴラモン、テスラジェリーモンを子どもたちの手で拘束させるという卑怯な手を使う。約束を守るという宙の説得、キャプテンフックモンへの憧憬から同行を決意、子どもたちを解放した。
ちなみにいつも一緒にいるはずのティンカーモンの登場はなし。
声は野島健児さん、青二プロ所属。父の野島昭生さん、兄の野島裕史さん(セイバーズのトーマ役)はともに声優。弟は作家の野島智司さん、長男は俳優の野島透也さん。主に青少年役を演じ、元気な役からクールな二枚目、気の弱い役など幅広くこなす方。

●キャプテンフックモン:海人型の完全体。DWを巡航する海賊船で指揮をとる頼れる豪傑な船長のデジモン。苦手な相手にも紳士的に振舞うなど海を渡るだけでなく世渡りも上手い。理不尽に戦いを挑むほど狂暴ではないが、挑まれれば全力で迎え撃つ。手に装着した錨「レイジギガアンカー」は構えるだけで威圧感があり、斬撃と射撃の機能を持つ「パイレーツパニッシャー」とを駆使した荒々しい戦い方を得意とするという。
キャプテン・フックとは、ジェームス・マシュー・バリーの戯曲「ピーター・パン」の登場人物。本名はジェームズ・フック。ピーターパンの宿敵の海賊船の船長。黒髪と黒ひげの容姿は並外れて美しく、冷酷で残忍だが上流階級出身の為物腰は優雅で気品がある。片手をピーターパンに切り落とされフックの様な義手となり、復讐を企むという。
アニメ初登場。デジモンというより人間ぽ過ぎるんで驚き、大丈夫?シスタモンシエル以来の驚き。空間を破って突如現れ、ピーターモンと刃をかわし、友として連れていった事ですべて解決という意外さ。なぜそこに現れたのかは全くの不明。こんな終わり方もアリなのかゴスゲ?!「どこの世界にも俺の様に自由に夢を追う者は大勢いる。大人になっても楽しくやりたきゃ俺の船に乗れ!」と、事情を聞いていたのか突如勧誘。「人生はいつも冒険だ、出航!」。すぐに消えてしまう。う~ん何だったんだ…。ラストシーンは月に浮かぶ海賊船のシルエットという粋な演出。
声は堀内賢雄さん、ケンユウオフィス代表取締役。印象的な役は、石塚運昇氏の没後のオーキド博士、テイマーズのインダラモン。

●ホークモン~オルカモン:オルカモン(アニメ初登場)は誠実のデジメンタルで進化した水棲獣人型のアーマー体、ファンアートで作られたデジモン。ライフジャケットと浮き輪を装着した用意周到で慎重な性格の、海の救世主。ピンチになると高周波で仲間を呼び寄せ集団で攻撃するという。
カズマを友だちとして守ろうとして進化!デジヴァイスこそないものの、その絆が進化を可能にした。高周波という設定が生かされ、ピーターモンの催眠を解いて形勢逆転。各デジモンの成熟期進化ラッシュ。
声は既出の関根有咲さん(アオイ役の方)、長江里加さん・青二プロ所属。幼くやさしい性格、遠近孝一さんでないのには納得。

●マッシュモン:声は既出のれいみさん。

●エレキモン~サンダーボールモン:エレキモン(紫)はウイルス種に進化した「意地悪な」哺乳類型の成長期というが、今話では別に性格は普通のエレキモンだった。サンダーボールモンは突然変異型の成熟期。声は大和田仁美さん、青二プロ所属、デジコロでプッチ―モン赤で出られた方。

●ガジモン~ハヌモン:ガジモンは悪役で出る事しかなかったので新鮮、しかも進化までするという。ハヌモンは獣人型の成熟期。声は既出の坂本久瑠実さん。
他にも進化したのは、ハグルモン~ガードロモン(マシーン型の成熟期)、ベアモン~グリズモン(獣型の成熟期)、カメモン~ガワッパモン(サイボーグ型の成熟期)。

●(北村)カズマ:小学2、3年くらい?ホークモンたちと友人関係を築いていた。声は和多田美咲さん、青二プロ所属、デジコロの八神ヒカリ役の方。とても魅力的な声をしておられる。

●カズマ母:失踪したカズマの記憶を一切消されていた。何ともおぞましい。「帰って!」の顔が恐怖に歪んで。
声は長久友紀(ながくゆき)さん、青二プロ所属、「それが声優!」の萌咲いちご役などで出られている方。

●子供:声は既出の川口桜さん、斉藤明日美さん。

●次回予告:黄昏れ時を意味する「逢魔が時」。毎日訪れる時刻だからして、どんなデジモンと関係があるのか。清司郎が予告に出てこないのも気になる。

(2022/2/14 記)

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