デジモンゴーストゲーム第24話感想

デジモンゴーストゲーム第24話「歪ンダ愛」感想

脚本:中山智博 絵コンテ:鈴木正男 演出:佐藤道拓 総作画監督:西野文那 作画監督:北野幸広、大山康彦、佐藤敏明、酒井夏美、大西陽一、Y.M.Lee、Y.S.Kwon (2022/5/1 放映)

<あらすじ:公式サイトより引用>
普通の高校生・小鳥遊優人に関わった人の腕や足が、サークルノイズを浮かべた蔦(つた)になる現象が起こり始める。不安になった優人は、『りるるん』の怪奇現象募集サイトを見ると、そこに知人の宙の姿を発見し、相談する。相談を受けた宙は、瑠璃達と共に調査を始めようとするが、立て続けに宙や清司郎も草の姿をした化け物に襲われてしまう。危険な気配を察知し、引き続き優人の実家の店で見張りをする宙達。すると再び草の化け物が出現し、清司郎と優人が攫われて(さらわれて)しまう。彼らを人気の無い調整池に攫い、磔(はりつけ)にしたのはアヤタラモンだった。やがて、アヤタラモンは優人に奇妙な恋心を抱いていると分かる……。
(私の注釈:キッズアニメなのになんですかこの難しい漢字は。調整池って、あらすじ読んで初めて知るという説明不足。)

●全体を見て:録画のタイトルには「…デジモンが抱く恋心の行方」と追加されている。
またも引き続き母の逝去関連で忙しく、感想があまり書けません、ご了承下さい。
メインキャラたちは背後を固め、いずれも初登場のゲストキャラ・優人とアヤタラモンが主役を張った異色の回。小鳥遊という珍しい苗字をあてがった点にも、このキャラへの思い入れがわかる。アヤタラモンが独自のこだわりから、優人がアヤタラモンにならないと満足できなくなり、他の者でアヤタラモン化する実験を繰り消していた。被害者は恭平、栗山、主婦、清司郎。優人にデジモンになる気がないと知ると、自身を人間化する賭けに出るが、結果は失敗。歪んだ悲恋の結末は、アヤタラモンの死。あまりに切なく悲しい。日曜の朝から、重い気分。
デジタル・フィールドを展開できない事情から、バトル場面を人目のない調整池としたのだろう。
中山智博さんの脚本は、4話「人形の館」、12話「不幸ノ手紙」、18話「子供ノ国」を担当。

●宙:りるるんに、ちゃっかり後姿が映されていた。また頼まれ事をされ引き受けている。「優にい」と呼んでいるから、知人と言うより年上の友人なのだろう。「ほっとけないかも」どこぞの主人公のセリフみたい。
各部屋に洗濯機ではなく、寮内にランドリールームがあるのだった。中一が自分で洗濯。全寮制などは皆そうなのだろうか。
優人が瑠璃について本物はかわいいねと言った時、生返事をしていたのは、宙が瑠璃を女性として容姿など意識していないからだろう。
自分が手馴れているキャンプを発案するが、4人分となれば、優人の父もキャンプ装備を提供しただろう。一度きりなので買ったというよりレンタルかな?

●ガンマモン:清司郎の部屋でレトロなロボットアニメを見ている、清司郎の趣味か。パートナーだけに、宙のピンチを直感し向かう。「1時間」あと少しで毒を飲まされるところだった。
優人の店で「これなんて草?」。宙に図鑑とタブレットをあてがわれ、好奇心旺盛。
チョコレートフォンデュ、キャンプの定番。マシュマロといえば、02の25話、ダム決壊の京賢の回でミミが食べてたな。
キヨの匂いを検知。ギルモンにもそんな特技あったっけ。

●瑠璃:情報の発信だけでなくフォロワーからの依頼に応える必要あるのか?私はSNSよくわからないから、ずいぶん積極的干渉的に思える。「チーム・りるるん」て、宙と清司郎を配下に置いちゃったよ、どこまで強気なの。
近づくアヤタラモンから優人を全身を張ってかばおうとした、男前!

●アンゴラモン:「恋は花か、あだ花か。美しく散るか、無惨に散るか。その道、ままならず」。あだ花とは①中身が伴わない、努力が無駄になる②咲いてもすぐ散るはかない花。主として桜のこと。はかない恋のたとえ。

●清司郎:不吉なフラグって、宙のせいじゃないよ…。
花に話しかけると成長を促す、そんな論文も読んだんですね、情報工学といい、前話の宇宙物理学といい、ほんとに広い領域の天才なんすね。
告げられたのは優人と接したり話した時間。たったの15分さえもマークされ。今回も不運なヒロイン。

●ジェリーモン:「ダーリン」と呼ぶのもある種の恋愛感情なのでは。寝る時宙に浮いている、いつもそうだっけ?ついに植物化された清司郎に電撃をお見舞いし元へ戻して、テスラジェリーモンに進化。成熟期三体が揃ったことで、連係プレーを見せつけアヤタラモンを戦闘不能に。

●小島遊優人(たかなしゆうと):ストレートなボブヘアが賢ちゃん!なキャラデザ。しかも賢ちゃんの紋章は「優しさ」だからして、スタッフはその辺意識したのかな?どうにも賢ちゃんに見えて仕方ない。
見た目と名前通り優しく温厚で草花をめでる人。
バイクのナンバーは、「ゆ 11-11」。
GW-1を長年愛用。今話がゴールデンウィークの放映となったのは偶然か意図的か。GWとは「Go Well」の略という。園芸に興味のある友人はおらず、このメカと妙に気が合うという。機械に対しても、気が合うとか合わないとかあるのか。
北斗の不在をスルーしたり、ガンマモンがマシュマロを食べた時最新型のホロという説明に疑問な様子がなかったり、ホログラムが実はデジモンだという事もスルーしたのか。細かい事は気にしない性格なのか、宙の言い訳が上手いのか。
あきらめなければ、必ずうまくいく(go well)、が口癖。これがGW-1に刷り込まれていき、アヤタラモンの優人への執着をあきらめさせない皮肉な結果となった。
声は川島零士さん、青二プロジュニア枠、「不死のあなたへ」の主役・フシが印象深い方。

●優人父:店の看板に店名らしきものはなく、「GARDENING・PLANT FLOWER SHOP」とだけ。北斗はこの店の常連だったよう。
声は田中章貴(としき)さん、:でアナウンサー、クルーを演じた方。

●三崎恭平:モブキャラなのに苗字と名前が付けられている。声は田邊幸輔さん、:でアナウンサー、ハヌモンを演じた方。

●栗山琴子:明日学校で、と言っているのと口ぶりから高校の先輩でも後輩でもなく同級生と思われる。同様にモブキャラなのに苗字と名前が。声は既出の斉藤明日美さん。

●(優人に花を配達された)主婦:モブキャラなのに左の目元にほくろが描かれている。そこまでやる必要あった?声は既出の木村真悠さん。

●アヤタラモン:アヤタラの語源は、フィンランドの民間伝承の森の悪魔・アヤッタラ、女性の姿をしているという。図鑑によると、ジャングルの奥深くにささやかな文明を築いている植物型の完全体。無口で短気で気性が荒いが、狩人としての誇りを持つ純粋な心の持ち主という。
デジモンに性別はないはずだが、今話では女性寄りのキャラ。というかもろに女性。いえ、同性カップルを認めないわけではないですが。ただ、ドラマCDでピヨモンがガブモンに気がある描写があるから、デジモン同士に恋が芽生えるのも公式的にアリなのかも。自身に芽生えたものを「恋」と認識し、優人を自分と同じアヤタラモンにしようと試みる。それは愛や恋というより執着。当初は声を掛けられたうれしさからの淡い慕情だったろうに、どうしてこうまで歪んでしまったか。優人の優しさが一因と言えなくもない。
なぜロボがデジモンなのか、いまいちわからなかった。
優人を毒でデジモンにする、その試行のためと嫉妬のため、優人に接触した人間を毒で植物化していた。別の種族では結ばれないと思い込み、優人をデジモン化しようとしたが失敗し倒れ、秘策であろう自分を人間化しようと赤い針を自身に刺す。が、人間でもデジモンでもなくなり、優人の歩み寄りも虚しく朽ち果てる。その様子は哀しくも禍々しくて。
元凶となるデジモンが倒れた事で、恭平らは助かったと思っていいのかな。そこらのフォローが話数によっては無いのは残念。清司郎は解毒剤を使わないと戻らないと言うし。
優人の育成者すなわち両親を狙うはずないと明言。そういう分別はあるんだ、意外。
声は本田貴子さん、大沢事務所所属、ハム太郎ののっぽくん、NARUTOのアンコ先生など様々な役を演じられた方。アヤタラモンの荒々しい外見とはギャップが。この声だからこそ、ああ女性なんだなと感じる。

●次回予告:竹中直人さんが何を語るのか?!衣装も背景もものすごく凝っている。不正アクセスの件で放映遅れてるのに、こんな総集編みたいなのやって大丈夫?

(2022/5/4 記)



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