デジモンゴーストゲーム第32話「オマエハ誰ダ」感想
脚本:藤田伸三 絵コンテ:角銅博之、野呂彩芳 演出:野呂彩芳 総作画監督:西野文那 作画監督:北野幸広、李少雷、鳥山冬美 (2022/7/3 放映)
<あらすじ:公式サイトから引用>
ガンマモンの平和な日常が徐々に崩れていく。友達のゴツモンには約束を破られ、いるはずのない場所で宙に目撃され、そしてある日、外出先から宙の部屋に帰ると、そこにはもう一人のガンマモンの姿があった。「オレ、ガンマモン!」と主張するガンマモンだが、宙も瑠璃も清司郎も信じてくれず、もう一人のガンマモンを本物のガンマモンと認識する。居場所を失い、悲しみに暮れ、さまようガンマモン。もう一人のガンマモン、それは変装したベツモンだった。ベツモンはガンマモンになりすましてその座を奪い、さらに仲間のベツモンたちとともに学生寮を乗っ取ろうとしていた。寮に戻ったガンマモンはベツモンたちの企みを知り、宙に伝えようとする。ガンマモンの必死の訴えは宙に届くのか?そして、ベツモンたちの野望を阻止できるのか……。
●全体を見て:録画のタイトルには「…もう一人の‘‘自分’’」と追加されている。
ガンマモンのドッペルゲンガーというよりベツモンが出るというネタバレにも構わず公式サイドの大規模な宣伝の上で迎えた今回。なぜそこまで感は否めないが、ガンマモンがまぎれもなく宙の大事な弟という存在であることの重要性は伝わった。居て当たり前だった存在を認識されない怖さ。
どう見ても本体に見えないベツモンがスーツに着替えて化け、ガンマモンも寮の生徒や職員も入れ替えられて。スーツや戦闘力はともかく、一度なりすましに成功すれば人間の個体認識を変えてしまうという恐ろしい難敵。宙に認識してもらえず、孤独と不安に追いつめられるガンマモン。しかし、外見や記憶は真似できても、偽ガンマモンは辛いもの好きで甘いものはあまり得意でないという性癖は隠せなかった。ガンマモンのチョコ好きな設定が活き、宙が気付いてくれた。まさに最強なアイテム。私は過去に大酒飲みだったのでわかるが、酒が入っていると甘いものがあまりほしくなくなるし、禁酒すると甘いものが美味しく感じられる。ちなみに現在、断酒には大した意志も努力も無しに成功している。そして甘いものを常備。
DWから突如単体で送り込まれたガンマモンだが、今となっては宙のパートナー・弟であることが彼のアイデンティティそのものとなっていた。宙の胸に全身を預けるのでなく、顔面を覆い尽くしたのは、存在を視覚だけで感じてほしくはなかったからなのかな…と推測。このシーンは感動的。
ベツモン、キャラデがまじでキモいデジモン;あんまりたくさん出て思わず気分悪くなったぞ;
藤田伸三さんと言えば自分は「ウェブダイバー」、懐かしい。何だか大物を突然入れてきますね。
手紙のフラグはあの通り、あと耳のあざとか母親との関係性とかも伏線回収されるのか不安になってきた。
●宙:ベツモンに「ん?」となったのは一瞬だけで、まんまと罠にかかってしまう。声とかごみの捨て方とか座り方とかかわいくないのに、また屋外に勝手にいるのに、気づかない。ちょっとこれはショック。それだけベツモンの技が強力ということか。
どうでもいい事だが、スーパーで店頭で無料配布されている小パックの香辛料でなく、本わさびと和辛子のチューブを冷蔵庫に蔵しているというのが宙らしい。寮の食事なのにいつ使うんだろう。
●ガンマモン~ウェズンガンマモン~カノ―ヴァイスモン:存在を宙に誤認され、心も体も行き場を失くしてしまう。途方に暮れるさまもかわいい。土砂降りの公園で一人、心も雨模様。ベツモンが大勢なのでウェズンに進化したが、技はあまり効かず。完全体になって一気に勝利。
●瑠璃:画面越しの対面でも、ベツモンに騙されていた。
●アンゴラモン:瑠璃組は蚊帳の外。でもポエムは続ける、いいでしょう。「瞳に映りし姿 偽りか誠か知りたくば 心をもって 触れ合うべし…かな」。
●清司郎組:清司郎は今回も被害者。ジェリーに至っては最後にちょい出るだけ。
●ベツモン(偽ガンマモン):ベツモンは、ボルケーモンと同じく雑誌「Vジャンプ」で広報活動をしていた、テイルモンのコスプレしたテイルもんべつさんが元ネタ。フロでポヨモンの声優を務めている。
図鑑によると、あらゆるデジモンになりすまし敵を翻弄するパペット型の完全体。エテモンやもんざえモンと同じパペット型だが、デジモンスーツ(?)に着替える事で色々なデジモンに化けるという珍しいタイプ。必殺技は打撃力は低いが精神を脱力させる「つっこみパンチ」、理解不能のギャグで相手の動きを止める「コールドギャグ」という。思いきり色物なデジモン;
声は岸尾だいすけさん、青二プロ所属、個人的には高めの声の名バイプレーヤーという印象。ガンマモンを苦しめた当事者として適任な感じ。
●ベツモン(偽ジェリーモン):声は水田わさびさん、青二プロ所属、言わずと知れたドラえもん役と、個人的にはヒカ碁のフクといった柔らかでユーモラスな印象の声。アドコロでアタマデカチモン、ミニデカチモンをされてもいる。
●(その他の)ベツモン:声は既出の中村光樹さん、浅野良介さん、れいみさん、寺崎千波也さん、橘内良平さん。
●メイク―モン:映画で既出でテレビアニメは初登場。似た立場にあるテイルモンと同じく、成長期ではなく成熟期(タイプは不明)。ガンマモンと同じくベツモンに居場所を奪われ、自分が自分である事さえ危うくなるほど追いつめられ、入れ替わりの末路として存在自体がすーっと消滅してしまう。果たしてガンマモンも消えてしまうのか…。メイクーはtri.で某スタッフに「忌み子」呼ばわりされたり、最後には禍々しい敵として殺されるという悲惨なキャラなので、今シリーズでもこの扱いというのはちょっと酷いんじゃないか?!本人も偶然言ってます「何でこんな目に遭わなきゃなんねえんだ」。
声はチョーさん、俳協所属、俳優にして声優、ナレーター、作詞作曲家でもある。個人的にはEテレ「いないいないばあっ!」のワンワンが何と言っても印象的。フロではナノモンを。この男声でtri.とは違ったキャラ作りに成功、また別の渋いキャラとなっている。迫力ある~。
●クロックモン:ガンマモンへのコメントに、交友の深まりを感じてうれしい。こういう準レギュラーの存在っていいな。自身がボコモン預かりの身となった過去から言っても、多くのベツモンを預かる立場になったのは、大人の味方が増えててとても頼もしい。
●ゴツモン:ガンマモンと待ち合わせた友だちだが、実はベツモンに入れ替わっていた。
●新ED:ED原画は酒井夏美、エンディングイラストはやぶのてんや。「モンスターディスコ」歌:スガ シカオ×ヒャダイン、作詞作曲:スガ シカオ、編曲:ヒャダイン(敬称略)。歌はずいぶんと豪華な布陣!「プロフェッショナル・仕事の流儀」でよくスガさん聴いてます。歌に関して悲しいかな特段の感想はありません!ビビッとこない、泣。ビッグネームなら良いというわけではなかった。イラストは夏服になり爽やか。集会の子たちとブラックテイルモンも参加しているのはうれしい。
●次回予告:清司郎が目を見開いて泣いているシーンが印象的で、深刻そうな雰囲気だが、登場デジモンはわたし的には不明。
(2022/7/5 記)