デジモンゴーストゲーム第39話感想

デジモンゴーストゲーム第39話「感染孤島」感想

脚本:森地夏美 絵コンテ:角銅博之 演出:波多野浩平 総作画監督:金久保典江 作画監督:直井正博、小澤誠、鷲北恭太、GU BING、QIAN JIN YI、SUN QIANG (2022/8/21 放映)

<あらすじ:公式サイトから引用>
宙とガンマモンの元へ、小さな客がやって来た。三センチ程の身体で、牛のような上半身と蜘蛛のような下半身を持つデジモン──ギュウキモンである。宙はギュウキモンを部屋に招き入れるものの、それを知ったアンゴラモンは表情を一変させ、今すぐ離れるよう声を荒げる。実はギュウキモンは物凄く凶暴で、デジタルワールドでは忌み嫌われているデジモン。戦いを挑まれ負けてしまうと、同じギュウキモンにされてしまうのだという。瑠璃や清司郎が怯え、警戒する中、小さなギュウキモンは宙に「助けてほしい」と訴えかける。

●全体を見て:録画のタイトルには「招かれざるギュウキモン」と追加されている。どんな事情か「…」がないのがスタンダードになりましたね。
孤島に着いたのは職員2名、生徒8名、夏休みの四泊五日の自然教室の参加の基準は一体何?ちびギュウキモンを連れていくくらいなら、宙は不参加という選択肢もあったはず。
さすが名門私立校、孤島に宿泊施設を擁しているとは。「小櫻荘」、旅館でもないのにお茶とウェルカムスイーツ(饅頭?)があるという。生徒が自前で用意したならばまさかの塩対応。
人間がギュウキモンにやられるとデジモンともつかぬ異形の者となり行動は凶暴、でも本人の意識も残っていて痛みや苦しみを訴えるという生殺し状態。怖い。
一方、いい奴で悪気のないちびギュウキモンが迷惑かけないようにとかギュウキモンにならないようにと必死で理性を保とうとする様子が切ない。元に戻れて本当に良かった。声がアレだけに、このキャラにはつい思い入れしてしまいます。以降、仲間に加わると、どういうポジションになるのかな。ギュウキモン以外の進化形態になるとか?ギュウキモンのヴィジュアルが極めて凄みがあるので、他の進化はどんなだろう。
「デジヴァイスを通して」退化させる、理屈は私にはさっぱり。とにかくよかったよねという感じで、詳しくはよく考察している他の感想書きさんにお任せです。「ガンマモンを通じて2人の心がデジヴァイスとシンクロしてるっす!」「今回はギュウキモンの心の中にリュウダモンの心が残ってたから解決できたっす!」。
バクモンは宙を「安請け合い」と手厳しい。そういう大人系キャラがいてくれるのは子どもたちにとって大変良い。一方、瑠璃はほっとけない、仕方なかったと。あれだけ怖い目に遭った清司郎も「断らないのは美徳」と、二人してやさしきフォローに回ったのも良い。
波多野浩平さんは、29話の演出、DB超などでシリーズディレクター、絵コンテ、演出された方。
鷲北恭太さんは、メカとエフェクトに抜きんでているというフリーのアニメーターさんで、「食戟のソーマ」では料理作画監督、エフェクト作画監督として活躍されている方。ここから、あの美麗な料理描写が生まれたんですね。今回はギュウキモン系のおぞましさに一躍買っているのかな。

●宙:アンゴラモンの危惧と清司郎の恐怖を差し引いてまでちびギュウキモンを預かることに。迷走するデジモンをほっておけない親切心と寛容さ、だがそれで責任を負えない時もある。バクモンにお灸をすえられ、素直に反省したのはよかった。
たとえ身の危険があってもなお、宙の話せばきっとわかり合えるという博愛的なところは、成育歴から来たのだろうか。父が放任主義で楽天家なため自身で何でも背負おうとしたり、母が外国人に献身的に尽くしているのを見ていたり、あるいは他に何かエピソードはあったのか。

●ガンマモン:新島さんを「ニイ」、コタロウを「コタ」と呼ぶ、かわいい。それなりに親しくなった様子。カノ―ヴァイスモンに進化して結果ギュウキモンの額を経由して中のリュウダモンに接触。

●瑠璃:エアドラモンに気に入られている様子がまた見られた。エアドラモンに頼るという早期の判断は実った。

●アンゴラモン~ジンバ―アンゴラモン:「失敗と反省は成功の卵。今日(こんにち)の緩み忘れるべからず…かな」。今回のことを元に、次から失敗しないようにとのコメント。元ネタは三つ。雑学系ではあるがそれだけアンゴラモンが博識という事だろうか。「失敗は成功のもと」発明王エジソンの言葉。「必要は発明の母」アイルランドの作家スウィフトの「ガリバー旅行記」より。「初心忘れるべからず」語源は室町時代の能役者・世阿弥の著述。

●清司郎組:ギュウキモンの恐怖にさらされ、ジェリーモンは島を離れたしまったほど。で、清司郎、やむなくガンマモンに護身を懇願。結果オーライと言ってあげたのは仲間思いでやさしい。

●リュウダモン:龍蛇が語源か。獣型の成長期。図鑑によると、額に旧式なインターフェイスをもつ為、、デジモンが発見される前の実験用のプロトタイプデジモンではと推測されている。防御力の高い和風の鎧を身にまとっているが、動きは軽快で、敵の懐に果敢に飛び込んで戦う。戦うほどに戦いの業を修め、強大な敵を恐れない魂と潔さ、武士気質を持っている。デジコアの最も深い部分に隠されたというデータは、日本の神話における竜や武将などの猛々しい戦闘データであり、強大なデジモンに成長する可能性があるという。
北斗から、困った事があれば息子を頼れと言われたという。自分は息子の頼りに全然なってないのに極めて無責任な親にあきれる。北斗に宙のことを聞いたいきさつは、それどころではなく触れられなかった。以降に期待。
本来善良なデジモンだが、次第に我を忘れギュウキモンへと変わってしまう。ギュウキモンになるまいという思いが強く、中身はリュウダモンのまま小さなサイズに進化して、宙に助けを求めてきた。しかし本格的な進化は止まらず、大きなギュウキモンとなり生徒や職員を襲ってしまい大事件に。
声は、デジモンシリーズに多数出演されているわたくし待望の菊池正美さん!また呼ばれて光栄だというのと、ちょっと変わった登場の仕方だったのでかなり難しかったと。かわいく楽しくやっていきたいとコメントされている。
02と無印でアニメヲタとなって二十数年、今も男性声優さんで一番好きなのは菊池さんです。女性声優で一番は竹内順子さんという、筋金入りのゴマ丈好き。菊池さんは歌も大変お上手なので、キャラソンとか出ないかなと早くも期待中。
演技としては無印丈先輩に似た感じで、懐かしいことこの上ない。二十数年経っても、声が変わらないってすごい。ちなみに宣材写真も昔と変わってないのよね…;ファンとしては今のお姿も知りたいわあv

●ギュウキモン:語源は牛鬼。牛鬼とは各地に伝承がある妖怪で、頭が牛で首から下は鬼の胴体を持つ、非常に残忍な性格で、毒を吐き人を食い殺すとされる。江戸時代の「百怪図巻」には、牛の首と蜘蛛の胴体で描かれている。特に淵や水場に現われることが多い。
伝承の牛鬼は、それを狩った者が牛鬼になってしまうのだが、今作のギュウキモンはギュウキモンに狩られた者がギュウキモン化してしまうという真逆の設定。
ゲゲゲの鬼太郎第6期に角銅氏が牛鬼の回を担当されたので、同じ妖怪をもろに扱うということで少しやりにくかったという。角銅さんファンとしては鬼太郎の牛鬼回も見てみたいところ。
牛のような上半身と蜘蛛の下半身を持つ魔獣型の完全体。図鑑によると、残忍かつ陰湿な性格で、姿を見られると何日も追い回し、夜には背後から奇襲をかける。必殺技は下半身の口からの蜘蛛の糸で敵を拘束し毒液をかける「八束染縛(やつかせんばく)」、腹部のシリンダーから毒ガスを蒔く「魔塵瓢箪(まじんびょうたん)」、逃げた相手を仕留める左腕の「千砲土蜘蛛(せんほうつちぐも)」。
希少な種のため、相手に毒をもってギュウキモンに変化させ増殖する極悪なデジモンという。よだれを垂らし咆哮するその姿はおぞましくもトラウマティック。
声は、効果がかかってしまい菊池ヴォイスの特徴はよくわからない。

●バクモン:準レギュラーとして大活躍なのがうれしい。落ち着き払ったキャラがいてくれてよかった。デジヴァイスを介すればあるいは退化させられるのでは、という解決法を提示した功労者。治療と記憶の操作など、のちのフォローも万全で、頼りになる存在。今後も、解決を子どもたちだけに丸投げせず大人系キャラも関わってほしい。

●エアドラモン:バクモンをメールで送るには電波状況が悪いので登場。ギュウキモンの凶悪さを知っており、瑠璃への親しみもあって神竜ながら急遽の呼び出しに応じてくれたよう。あの大声優さんが、まさかの運搬役デジモンとして再登場。しかもどうでもいいキャラ語尾付きで!いいのかなあマジに;

●コタロウ:相変わらず新島さんにご執心。リュウダモンの意識を失ったギュウキモンの犠牲に。人間ともギュウキモンともつかぬすさまじい姿。

●新島:もともと自分、眼鏡キャラ萌えなので(「萌え」は古いと思うが、自分の年では「高ぶり」「尊い」という表現はピンとこない。)注目のキャラ。
以前にも書いたが、男子寮の管理職員の配置が妙齢の女性というのは、下手すりゃセクハラになるんじゃないかと疑問。しかも宿泊を伴う行事に参加なんて。小櫻荘に女子トイレとか女湯とかあるんですか?!実際、彼女は生徒に熱い人気だし、男児に性的対象と見られて当然の立場どうすんの。まあ今回もそれどころじゃなくて別の意味で良かったんですが。
ギュウキモン化する描写は禍々しくて(特に顔面の変化)、女性キャラを素材にこれやる?というえげつなさ。なかなかにトラウマティック。若手・川口桜さんの熱演!

●教師:声は既出の佐藤悠雅さん。

●生徒:声は既出の橘内良平さん、八木沼凌さん。あと中井允(まこと)さん、青二プロジュニア枠、何と臨床検査技師の資格をお持ち。それと土井飛雄馬さん、見ての通りひゅうまと読む、あの作品の影響での命名でしょうか?青二プロジュニア枠。

●次回予告:ねじ曲がると不便だし過ぎると危険。またも登場デジモンは不明。海系デジモンか?

(2022/8/23 記)


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