デジモンゴーストゲーム第41話感想

デジモンゴーストゲーム第41話「道化師」感想

脚本:佐藤寿昭 絵コンテ:畑野森生 演出:山崎響介 総作画監督:西野文那 作画監督:酒井夏海、村山綾音、大山康彦、直井正博 (2022/9/4 放映)

<あらすじ:公式サイトより引用>
この世のものとは思えない幻想的なショーと、いつどこに現れるか分からない神出鬼没さで話題の「ピエール・ドリームサーカス」。その公演を観にきた宙、瑠璃、ガンマモンたちは、サーカスからの帰り際、怪しい着ぐるみが子どもたちに何かを渡しているのを目にする。興味をひかれ、着ぐるみが配っていた「招待状」を手に入れる瑠璃。その招待状を渡された子どもたちは、夜中に開かれる「特別なショー」に参加することができるらしい。興味本位で集まる子どもたち。だが、彼らを待っていたのは、世にも恐ろしい命がけのショーであった。

●全体を見て:録画のタイトルには「もらってはいけない招待状」と追加されている。
サーカスというと楽しい娯楽でありながら、さすらいの巡業が常なためどこかはかなげでうら寂しく、暗闇に縁どられた舞台は恐ろしくもある。サーカス団の団長・道化師ピエールことピエモンの登場は魅惑的だった。無印の終盤、ラスボスの一つ前のボスにして究極体、その強さは想定外。切り札であるウォーグレイモンとメタルガルルモンを人形に変えてしまい子どもたちを追いつめた。それが、初登場する究極体としてゴスゲデビュー!テンション上がる。
無印のピエモンとはまた違うキャラの個体。戦いにおいて彼なりの強いポリシーというか美学を持っている。その一つが「弱者は強者の決めたルールに従うもの」。命を賭けた勝負、だからこそ楽しい。瑠璃に仕掛けたカードゲームはシンプルそのもの。瑠璃に負けると潔く負けを認め「すがすがしい気分」、この場の強者・瑠璃の言葉に従うなんて、かっこいいではないですか!やばすぎます。
ピエモンとの戦闘は、おそらく清司郎組も加えて完全体三体でもかなわなかったはず。今後も究極体の相手が登場するだろうから、三体の力と子どもたちの知力・精神力が試されるだろう。
今話のヒロイン・瑠璃。パートナーが当初から無力になり、丸腰で究極体・ピエモンとの命を懸けた勝負(負けるとカードにされる)。ピエモンの引いたキング、その重圧によく耐え、「迷わず引けー!」宙とべテルガンマモンの熱いプッシュもあって、勝てると信じ一番強いカードを引き当てた。その強運と肝っ玉たるや。ピエモンもそれには敬意を払い、子どもたちを元に戻した。けどなあ、特別ショーで感じた恐怖はトラウマになるんじゃ。記憶自体も元に戻したのかな。

●宙:「トランプは買えばいいんだよ」それで済むなら初めからこんなことしてないよ…命懸けだからおもろい言うてるんだし。サーカスよろしく退散したけど、放置しちゃって大丈夫?

●ガンマモン~べテルガンマモン:見どころはフレイウィザーモンやランクスモンとのバトルぐらい。サーカスを評して「びゅーんてなって、しゅばっとなった」かわいい。

●瑠璃:中二にとっての23時って、どんなだったかな。もう忘れてしまって、入眠時刻が早くなった今の自分にとってはド深夜です。よく眠くならずに起きていられるな。それだけエキサイティングってことか。
瑠璃のベッドルームって、デスクトップパソコンがあるからメインの自室と思われるが、やはりピアノ部屋とは別なので、いったい幾つ部屋をあてがわれているのだろう。パジャマは秋とは言え半そで半パンの薄ピンク、若いなあ。
スマホの問いかけ「参加する」「しない」は、フロの冒頭のシーンを彷彿とさせる。(「参加する」を押せる子かどうか、そこに既にピエモンのポリシーが入れ込まれている。)
その底力でピエモンすら魅了した瑠璃。アンゴラモンにエアドラモン、なぜかモンスターに好かれる体質をお持ち。

●アンゴラモン:深夜何者かの侵入にとっさに瑠璃をかばうのはさすが。
人寄せのマスコットとして小さなウサギに変えられてしまうんだが、ヴィジュアルがあんまりかわいくないのが個人的に気になるポイントかな。幼年期デジモンて皆可愛いから、幼年期にされた訳ではないんだよね?鳴き声も中井さんが演じてるのかな。
「勝負は時の運。されどテントに飛び込まずんば ウサギを得ず」。「勝負は時の運」とは、「太平記」が元ネタで、「勝負事はその時の運によって決まるのであって、強い方が勝つとは限らない」ということ。後半の元ネタは「虎穴に入らずんば虎子を得ず」。アンゴラモンを取り戻すため危険な賭けに出た瑠璃への、回りくどい謝礼であった。お笑いのネタを自前で解説する様なもどかしさがある。

●清司郎組:今度は福岡のフォーラムに行くので不参加。

●エスピモン:やはり普段は姿を消しているよう。今日も本物の宙を探して。いや見つからんだろう、どう収束させるつもりか。

●エアドラモン:こういうのをパシリというんじゃないですか…。あのひとセリフのために置鮎さんを呼ぶなんて私はまだ抵抗がある。あとで何か大きな役割を当てるのだといいが。

●ピエモン:謎多き神出鬼没の魔人型の究極体。図鑑によると悪魔系やアンデッド系とは別次元的な存在で、正体は全くの不明。存在目的も不明であるが戦闘力は強力で、出会ったなら運命を呪うしかないという。必殺技は背中のマジックボックスに突き立てた4本の剣をテレポートさせ、次の瞬間には串刺しにする「トランプ・ソード」。
アンゴラモンが驚愕するほどの恐ろしいデジモン。言葉や合図一つで様々な能力を行使。今話では子どもたちを人形でなくトランプカードに変え収集していた。人間への擬態もお得意で、ピエールが正体を現すまでアンゴラモンが人間と信じていたくらい。
団員からの信頼は厚く、ピエモンに言われるがままに動くがこれも曲者揃い。ピエモンに相手してもらえることを栄誉と考えている。
瑠璃の勝利に納得して引いたが、力そのものは強大なので、いつまた勝者になるとも知れず、危なっかしく思う。
raiseレイズとは、トランプゲームのポーカーで、前のプレイヤーよりも多いチップを出して、賭けるチップ数を他のプレイヤーより高くすること。
声は山路和弘さん、俳優にして声優の大ベテランさん、洋画の吹き替えを多数、劇団青年座所属。2020年に朴璐美さんとご結婚。人生100年時代、熟年結婚て流行りなのかな。曲者で独特な品格のあるピエモンさまを好演v

●メフィスモン:巨大な雄山羊の姿の堕天使型の完全体。図鑑によると、全ての生命を滅ぼさんとしたアポカリモンの残留思念データから生まれた闇の存在。暗黒系の魔術を得意とし、残虐極まりないが知性は高く策士家である。得意技の「ブラックサバス」は死の祝祭を祈祷する暗黒の呪文で、耳にすると死に至る。必殺技は全てを腐食させる暗黒の雲を発生させる「デスクラウド」。
今話では、ピエモンに心酔する団員。ピエモンの負けを認められずいかさまだと食ってかかり、ラモールモンと戦い、そのみっともなさにカードにされてしまう。すぐ戻されたみたいだけど。
声は斉藤次郎さん、ケンユウオフィス所属の名バイプレーヤー。

●オポッサモン:オポッサムは北米、南米に棲むオポッサム目の哺乳類。優しさのデジメンタルで進化した獣型のアーマー体。かわいい容姿とカラフルなバルーンがトレードマーク。攻撃を受け怒ると、強力なウイルスを仕込んだバルーンを敵の頭上で爆発させまき散らす「マッドバルーンボム」。
今話では最初着ぐるみで登場。
声は白石涼子さん、青二プロ所属、アドコロでは武ノ内空、オポッサモンを演じられた。個人的にはBORUTOのチョウチョウ役が印象的(つーか空じゃねえよって思ってしまう…水谷優子ロス)。

●フレイウィザーモン:勇気のデジメンタルで進化した魔獣型のアーマー体。図鑑によると、恥ずかしがり屋のウィザーモンと反対に、自信に満ちた素顔を見せている。マッチ棒のような杖を2本持ち、炎の魔術(高級プログラム言語)の効果を高めている。得意技は「マジックイグニッション」、必殺技は辺りを炎の嵐に変える「ファイヤークラウド」。
招待状を強引にもらった瑠璃の元へ、トブキャットモンに乗って来る。ピエモンとのカードゲームしたさに、真っ先にべテルガンマモンに挑む。
声は近藤孝行さん、青二プロ所属、個人的にはテニプリの大石秀一郎役が印象的。

●トブキャットモン:綴りはTOBUCAT、まさかまんま「飛ぶ猫」の意?ネットの海を飛び回る猫の姿のパペット型の成熟期。かわいい顔してセリフが怖い。
声は菊池こころさん、東映アカデミー閉鎖後はケンユウオフィス所属、アプモンのガッチモン、BORUTOのうちはサラダなど主役級を演じている。アドコロではキュピモン役。端役という何だかもったいない配役。

●ランクスモン:図鑑にて綴りはLINX(普通はリンクスと発音するはずなので、なぜ「ランクス」なのかは不明)、オオヤマネコの意。勇気のデジメンタルで進化した獣型のアーマー体。燃える毛皮をまとう山猫の姿をしており、ジャングルに棲息。寒冷地に棲む良きライバル・ガルルモンとは真逆で自由気ままな性格という。必殺技は体内の熱エネルギーを最大限に爆発させ爆炎を発生させる「サーマルメイン」。
先発・フレイウィザーモンが負け、二番手に名乗りを上げる。
声は山口太郎さん、青二プロ所属の俳優にして声優、エレファモン役もされた方。

●少年:声は既出の川口桜さん、木村真悠さん、あと羽田茉夏さん、青二プロジュニア枠。

●少女:声は春日さくらさん、青二プロジュニア枠。

●カップル女:声は既出の水希凛さん。

●カップル男:声は既出の佐藤悠雅さん。

●次回予告:「悪い子のところには鬼が来る」ってなまはげのような言いぶり。怪しさ満点のタイトル。登場デジモンはまたも不明。

(2022/9/9 記)



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