デジモンゴーストゲーム第44話感想

デジモンゴーストゲーム第44話「赤錆」感想

脚本:中山智博 絵コンテ:- 演出:高戸谷一歩 総作画監督:金久保典江 作画監督:金澤龍、權容祥、Noel anonuevo、Eugene Ayson、岡辰也、川口弘明、鷲北恭太、あと一名変換不能な文字の方 (2022/9/25 放映)

<あらすじ:公式サイトより引用>
葉櫻学院学生寮で、1年の深津理久に欲しい物を頼むと、どんな珍しい商品でも翌朝届けてくれると話題になっている。一方、宙は、『真夜中、変なささやき声を聞いた人のマンションだけが揺れる』という奇妙な現象が巷で噂になっているとエスピモンから聞き、深夜、その現場に調査に向かう。すると、近くでマンション一棟のみが揺れている現場を目撃。さらにマンション内で怪しい錆びやヒビも発見する。宙は瑠璃にその件を相談すると、最近ネット上で、欲しかったものを届けてくれる小人・通称『ごほうびエルフ』が話題となっていると教わり、徐々に深津との関連を疑い始める。やがて、宙は、深津が偶然見つけたという怪しいサイトに辿り着く……。

●全体を見て:録画のタイトルには「揺れるマンションと怪しいサイト」と追加されている。
建造物が揺れて錆びやヒビが見られ、小人が目撃されるという一連の騒動の元凶は何とジェリーモンだった。アンティラモンと共同で安易に始めたビジネスが、こんな結果を招こうとは。寮も倒壊し、清司郎が本気で真剣に怒るのも無理はない。それが伝わって、ジェリーモンが猛省する姿は気持ちよく、かわいかった。
アンティラモンのこだわった「正規の手続き」とは、注文者本人のパソコンでないとキャンセルできないという契約のこと。そこにこだわった理由はわからない。ただ、感情に乏しく(感情をあらわに嬉々としたのは北斗に褒められたときと、仕事を邪魔するなら容赦しないと怒った時のみ)、個体の区別もつかず、淡々とした性格で、ゲストキャラとしてあまり思い入れはできなかった。スズケンの声なのに;くぅ~残念。
さて完全体進化も解け、三体のアンティラモンにぶちのめされる直前に、ジェリーモンが注文のキャンセル手続きを終えるという一応ドキドキの予定調和。「これでおしまいさ~!!」。
これで放映が1年過ぎた、次回から2年目。しかし、来春に終わるのかもう1年やるのか、全く予想がつかない。

●宙:例のマンションを見張るのに午前2時2分て、遅すぎやしませんか。警官でなくとも心配です。外出届も出してないんだろうし。
深津を問い詰めて発見したサイトは「MY NO JE LL(マイノジエル)」。ガンマモンの願い事「最強のチョコレート」と入力。またも午前2時6分、夜更かしもたいがいにしてください。

●ガンマモン~べテルガンマモン~カノ―ヴァイスモン:最強のチョコってどんなかと思ったら、大きくて豪華、なるほど。アンティラモンの再生能力の高さと複数体という強みで、苦戦を強いられる。時間制限で退化。

●瑠璃:出現する小人が「ごほうびエルフ」と呼ばれている事を突きとめる。りるるんが相談窓口になるのがパターン化してなくてよかった。

●アンゴラモン~ジンバ―アンゴラモン~ラモールモン:気を使えても「無尽蔵にものは生み出せないと思う」と的確な指摘。錆が見られるのはアンティラモンが建物の鉄分を吸収してものを生み出しているとも。
アンティラモン三体にアンゴラモン、うさぎ率高し。
完全体ラモールモンにもタイムリミットがあることに瑠璃が初めて言及する。という事はテティスモンもそうだろう。
「熱しすぎた鉄は よく打てず 時に頭冷やさねば 肝冷やす」。元ネタは「鉄は熱いうちに打て」。人は精神が柔軟な若いうちに教育や鍛錬をすべきとの例え。また物事は時機を逸せず皆の熱意があるうちに行えという例え。何でも過熱しすぎると冷静さを失ってひやりとしてしまう、ほどほどに、といった意味か。

●清司郎:終盤にちょっと登場しただけだが、非常に印象深かった。いつもはビビり倒しているのに、今回は堂々と正論を展開し本気で怒ったのがカッコよかった。
「僕の寮が~!」いやキミのものではないよ。
「宇佐木リサイクル工場」とは、ウサギのもじりだろう。ここ数日はこのリサイクル工場のシステムプログラムの開発をしていたという。ほんとに何でもできるのね。アンティラモンのその後のケアの場を提供するという大事な役目も担った。

●ジェリーモン:清司郎の出張中に、アンティラモンとの共同事業を始めた。両手と触手も使っての「対応中」を「キャンセル」に打ち直す速さといったらすごいもので、騒動で自分が起こしたことを自分で背負った。清司郎の叱責に、恥ずかしさで真っ赤になって、素直に謝罪したのは大変良く、可愛らしかった。いつもは女王様気質だが、清司郎の真剣さ即ち愛情が伝わっての反省。この二人いいなあ。

●エスピモン:自分で調達って、盗みの常習か。そもそもデジタルな存在が人間界で三食食べてるの?宙に夜食用の「すっごいラーメン」をおごってもらい、これがナルト、エビ、謎肉、美味そうなんだ。
揺れるマンションの現場で、壁のひびを指摘。情報源として便利な奴。
まだ「偽ヒロ」と呼んでいて、いつまで宙探しが続くのだろうか。

●アンティラモン:東洋の伝承に登場する12体の聖獣の中の兎の姿をした聖獣型の完全体。テイマーズに登場したのはデータ種にしてデーヴァだったが、ウィルス種は02の映画以来の登場。図鑑によると、体内に流れる気を自由に操る事ができ、時には流れるようにしなやかに動き、時には鉄のように重い一撃を繰り出すなど柔にも剛にも対応できる。得意技はいかなるダメージも瞬時に回復する「メディテーションキュア」。必殺技は体内の全エネルギーを解放することによって体を硬質化させ、強力な一撃を繰り出す「マントラチャント」。
気を操るでも、それで物体化させるとは今回独自の設定だろうか。あの太極拳風の踊りの振り付けは誰がどうやって決めたのかな。演出さん?赤錆もヒビも、商品を作るために周囲の建造物から素材を集めて、その結果だった。顧客に喜んでもらいたい一心で、悪意はなかった。
複数体に再生能力に硬質化、完全体でもそれはズルいでしょう、カノ―ヴァイスとラモールでも勝てないよ。今後も強いデジモンが登場するであろう、どうする?
寮は直してよ、という宙の要請に「仕方ない」と素直に応じた。しかしキャンセルされた商品は消えてしまい、深津が問い詰められる羽目に。まあ自業自得。
声は鈴村健一さん、言わずと知れた人気声優にしてナレーター、歌手、インテンション代表取締役。母子家庭の傷つきやすいやさしい少年というフロンティアの輝一の配役にドハマりしたが、今回は別に鈴村さんでなくてもいいだろ感が強いゲストデジモン役なのが非常に微妙!何とかならなかったのかな。

●天ノ河北斗:「物質を原子のレベルで組みかえてるんだな」と分析したはいいが、「その力どこへ行っても喜んでもらえる」と入れ知恵したのも北斗だった。もとはと言えばこれが遠因。何やってくれちゃってんの。

●野村コタロウ:深津に頼んで「魔女坂11(イレブン)ライブ会場限定販売のサングラス」を入手。どうでもいいけど変な色とデザイン。相変わらず軽いテンション。

●深津理久:声は岡本寛志(ひろし)さん、東映アニメ―ション研究所卒、青二プロ所属の中堅さん。奈良県出身だけに、関西なまり。脚本で関西弁は確信犯。葉櫻学院には地方出身の生徒もいるという事。一人で上京したためか友人がおらず、それが注文受付をする動機の一つと思われる。皆に喜ばれたい、でも物で釣るのは本当の友人じゃないよ。注文品が消えた事で信頼も失い、友人作りがかえって難しくなってしまったのは少し気の毒。
ジェリーモンのパソコン画面には彼が依頼した品物一覧が。【限定版】うさみみメイドちゃん、ワイヤレスヘッドホンGreentooth HG、NOUTO 27.5インチ マウンテンバイク、国産黒毛和牛 すき焼き・しゃぶしゃぶ用(最高級美味牛)、Orange Watch Series8 シルバー。深津のノートパソには「Play Switch VR3 Specialpack、OrangeスマートスピーカーminiMYTJ、DGG MiniドローンHDカメラ付き、サウスヘッドリュックTP2000、NewtypeM5078メンズスニーカー、Kaijyu Slayer The MizukamiChuroni…、Play Switch6有機ELモデル、MoogiePlayカード10000円、Orange Watch Series8 シルバー、国産黒毛和牛 すき焼き・しゃぶしゃぶ用」。今どきの中学生が欲しくても入手困難なものってこういうのなのか。限定品とか高額なもの。
ちなみに彼のノートパソコンはパイナップル社ではなかった。

●新島:手すりの赤錆を気にするからには、受付係以外の施設管理の仕事もしているという事か。

●(冒頭で揺れたマンションに住む)男:声は既出の八木沼凌さん。

●妻:声は既出の上杉華子さん。

●夫:声は既出の今川柊稀さん。

●教師:声は既出の小野元春さん。

●次回予告:「人の不幸を呼ぶ恐ろしい記事」とは。この時代にあって取り上げるメディアが新聞とは驚き。登場デジモンは不明。

(2022/9/27 記)



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