デジモンゴーストゲーム第45話感想

デジモンゴーストゲーム第45話「幽霊新聞」感想

脚本:森地夏美 絵コンテ:鈴木正男 演出:高藤聡 総作画監督:石橋大輔 作画監督:舘直樹、李少雷、佐藤敏明、北野幸広 (2022/10/2 放映)

<あらすじ:公式サイトより引用>
ある日、宙たちの元に、『パブリニュース』という不思議なニュースメールが届く。次の日に起こる出来事が記事に書かれているのだ。最初はくだらない内容だったものの、徐々にそれは過激化して、記事に名前を書かれた人が事故に巻き込まれ始める。清司郎や瑠璃の友人も事故に遭ってしまい、次は何が起こるのか気が気でない。そんな最中、人気アイドル『D★topics』のメンバーが死亡する、というニュースが届く。D★topicsのファンの清司郎は衝撃を受け、彼女たちを守らなければと奮起。テレビ局に潜入する宙たちだが……(私の注釈:清司郎でなく宙の友人では。)

●全体を見て:録画のタイトルには「翌日の出来事が書かれた記事」と追加されている。
シリーズがいよいよ二年目に突入。にもかかわらずEDが変わった以外は通常通りで、肩透かし。ただ、宙がラストコメントでDWとはどんな所かと思いを致しているのは、わずかにDW編への布石かも。
予告で、今どき取り上げるメディアが新聞かよと驚いたのですが、さすがに電子版の新聞でした。今回はグロさは薄く安堵。読者を増やすためだけに、宙の言う通り「でっち上げ」の自作自演の記事を発表する悪意に溢れたデジモンが騒動の元凶でした。その悪意あるデジモンの存在に深く戸惑う宙。
アイドル絡みでフジテレビの社屋が作品に登場するの、無印と02のファンとしては非常にうれしいプレゼントです。あのヴィジュアルのインパクトったら。そうそう先日、デジ友さんにお台場をご案内して、「はちたま」にも初めて入りました。ウィザーモンの散った現場を体感してきました。
原画のクレジットに「小野沢雅子」とあります。この業界で、絶対名前をいじられてるよね。
高藤聡(さとし?さとる?それとも?調べたが判明せず)氏は、デュエルマスターズ等様々なアニメで絵コンテや演出をされている方。

●宙:コタロウの怪我を発端に、騒動に巻き込まれていきます。
瑠璃にデジモンの名を聞かれ、即答しなかったのはなぜ。こんな悪意のあるデジモンが存在したのがまだ信じられないから?敵とは言え助けられたかもしれないデジモンの死に直面したショックから?どう退治(対峙)したら良かったのか考えさせられるデジモンでした。そんなデジモンも存在するなら、DWとはどういう場所なのか。宙の疑問は膨らみます。

●ガンマモン~カウスガンマモン:杏奈が妹と聞いて、宙が自分を弟として庇護してくれているのがわかっているから、「妹を守る」とはどういうことか体感的に理解していると思われる。Dトピと接触不能と思われた事態から、強く守りたいと願う「妹」への親和性一つで杏奈に近づくことに成功。確かにこんなかわいいのが引っ付いてきたら、特に若い娘さんには歓迎されます。
スカイダイビングと聞いた瞬間に、カウスが来るなと思いました。ガンマモンが宙の指示を待つどころか有無を言わさず(成長したなあ)いきなりダイビングし進化。風を受け宙(ちゅう)を舞っての二人のバトルは勇ましくスピーディーで躍動感が溢れていてカッコよく、好きです。
最初は飛ばされた杏奈を直接助けるのでなくパラシュートを開くための助言だけ。番組で撮っているから?次のピンチで杏奈たちを直接乗せて救出。

●瑠璃:ミカの事故に、まず宙へ一報。デジモン絡みではとの憶測からか。
アイドルはぴったりこない、と。アイドルなどと言われても照れも恥じもしないのは、自身の美貌にアイドル並みの自覚と自信はあるという証左。

●アンゴラモン~ジンバ―アンゴラモン:地上に待機し明日香と真由里の護衛役に。
どうでもいいですが、男性ダイバーにも紳士で、お姫様抱っこしていました、
「嘘から育つ真実あれども 記者のうそぶえは天が許さず…だね」。元ネタは「嘘から出た実」。うそぶえとは嘘のこと。パブリモンの死は確かに誰のせいと言うより天の采配でした。一方「最新型の警備ホログラム」という嘘は、杏奈たちを守った事で本当になりました。

●清司郎:複数のペンライトに布教活動、「Dトピの危機は世界の危機も同然」発言、家宝発言、入れ込んでます。どうでもいいけど三人組アイドルなのになぜかペンライトは四色、各人のテーマカラーも絞れてない感じ。杏奈は黄色というのはわかったけど。
非科学的なことは信じないと口では言うものの、布団被って震えているビビり症。布団の中から黄色い手、はホラーでした。
植木鉢の直撃は避けられたものの、植木の直撃に昏倒、いつもながら不運な人。ここのカメラの角度が迫力あっていい感じ。

●ジェリーモン:瑠璃に「アイドルとかならないか」と聞いているという事は、デジモンの美意識から見ても瑠璃はアイドルになれるだけの美貌の持ち主という事になります。

●エスピモン:モットボムで清司郎を落下物から救った意外なお手柄。寮(宙の部屋)に居座っていたから間一髪間に合ったのか。けど、騒動に積極的に関与する意図は毛頭ない様子。仲間と言えどマイペース。

●リュウダモン:清司郎の部屋にいたけど、普段はどこで過ごしてるのかな。やばいです演技がまんま丈先輩なんでむやみやたらに興奮してしまう私…;登場した意味はもうどうでもいい、毎回出て下さい。

●パブリモン:初登場の突然変異型の成熟期。publication(出版、刊行、発行の意)が語源と思われる。図鑑によると、デジモン観察を好み、作り上げたデータをDWに発信する。内容はとても些細なことから三大天使のことまで、命の危険を顧みない取材を行うという。多数の読者に支持されているが、嫌う読者も少なくない。必殺技は、二つの巨大ウィンドウで勢いよく挟む「デュアルプレッサー」、ウィンドウを紙飛行機の様に飛ばし敵を貫通する「ジュ―クラック」。
「パブリニュース〇月〇日号」なる情報を提供することが生き甲斐で、読者を増やすためなら人間に犠牲が出ても手段を選ばない。宙にでっち上げ呼ばわりされても、一流の記者は未来さえ記事にするとうそぶく確信犯。前日にトラブルの記事を発表してから翌日自分で裏からトラブルを起こすという本末転倒ぶり。「取材ソースへの干渉はご法度」という迷惑なマイルールを持つ。アンゴラモンによると「DWでもあまり見ないタイプ」と。記者としてのアイデンティティはぎりぎりあったようで、最後の言葉は「僕は、一流の…。」でした。悪意あるだけに同情はしませんが、自身を護ることさえ怠った事故死というあっけない最期でした。
今話ではデュアルプレッサーを、ウィンドウでなくキーボードで挟んでいました。
声は山口勝平さん、芸能事務所「悟空」代表。小さな事務所のようで、所属者は多くありません。大人気声優さんで個人的にはワンピのウソップと無印のチューモンの人。アドコロではジャンクモン役。なのでイケボというイメージが私にはありません。あくまで私にはです。コナン見てないし。ユーモラスで癖のある演技になるほどです。

●野村コタロウ:今回も被害者になり大怪我。左腕を三角巾で吊っているのは、保健室で養護教諭(いわゆる‘保健の先生’は、教員免許と看護師資格を持っています。医師ではありません。)が「骨折の疑い」と看護判断しての応急処置でしょう。骨折か否かの確定診断は、エックス線検査し医師の診察がないとつきませんので、コタロウに整形外科の受診を指示し保護者にも連絡したはず。ちなみに、三角巾の巻き方がおかしいです、作画さん。左肩を包み込むように巻くはず。

●柏木ミカ:活発なアオイに比べて大人しく目立たないミカがこんな形でクローズアップされた。控えめな子だけに、涙したりとかけがしても泣き伏すアオイへの健気な様子に同情心が湧く。クラクションに明転、飛ばされる傘、描写に迫力があってもうダメかと思いました。下手すれば死んでいた、これはもはや殺人未遂です。

●宇田川アオイ:帰る方向が瑠璃と一緒。事故には、呆然とする瑠璃を尻目に何をも置かず駆け寄る、行動ありきの人。

●D★topics(ディートピックス):清司郎の一押しアニメで声優をしていた三人組アイドル。昔は声優業は俳優さんの副業的だったわけですが、今やアイドルにして声優は当たり前に。演技のえの字も知らぬ若者が華やかな声優に憧れる時代です。キャッチフレーズと振り付けで、三名のキャラ付けは完璧。
しかし騒動の標的になっても警察は出てこず、無名の中学生たちに展開を委ねるってどういう事務所?
料理対決、ハートオムライス・オランダ風チーズハンバーグ・ホワイトシチューと、アイドルにしては手の込んだ品ばかり。アイドルも大変です。罰ゲームまであるなんて。この手のバラエティー番組には慣れているようで(しかもフジテレビ枠)、単なるヲタ向けアイドルではなくそれなりに人気がある様子。

●杏奈:キャッチフレーズは「甘えんぼの星から やって来た みんなの妹」。「星から来たアイドル」って、小倉優子のパクリだ。
年上の明日香と真由里がニュースをガン無視したのに対し、最年少のこの子はバカみたいと批判してしまった。それが標的にされた理由。
スカイダイビングの高さは3000~4000mが一般的なので、無理難題な訳ではない。ただ、突然死の報の時で、タイミングが悪い。
突然訪れた死の予告への恐怖。でもガンマモンの「守る」という信念に勇気づけられ、スカイダイビングに踏み切る。
声はモルフォモン、アドコロのプッチ―モン赤で既出の大和田仁美さん。

●明日香:キャッチフレーズは「クールな瞳に熱き心。みんなのリーダー」。
声は前田愛さん、青二プロ所属、言わずと知れたアドのミミ役にしてデジモンソングのプリンセスがこんな形で登場とは驚き。大人っぽい低めの声に、ミミの面影はなし。でももっとしゃべってほしかった。

●真由里:キャッチフレーズは「君のハートにうるキュン。みんなのお姫さま」。素でも舞台でも一人称は「マユ」。なんかフランクで、お姫さまっぽくない。
声は高野(こうの)麻里佳さん、青二プロ所属の声優にして歌手、アドコロのミミちゃん役でおなじみ。

●マネージャー:声は既出の松嶌杏実さん。

●級友:声は既出の谷嶋駿温さん。やじまとしはる、読みにくいので再掲。

●レポーター:声は宇津宮千穂さん、青二プロジュニア枠。

●AD:声は既出の橘内良平さん。

●インストラクター:声は既出の權内隆介さん。

●撮影ダイバー:声は既出の浅野良介さん。

●新ED:エンディングテーマはkoboreの「STRAWBERRY」。本編とまるで関係ない淡いラブソングなのには、う~んハテナだな私は。テーマは「花」。成熟期・完全体の姿はなく、代わりに準レギュラーのエスピモンとリュウダモンが参加。中学生にとって切り花やブーケは非日常的な存在。つまりは贈り物。贈りたい、飾りたい相手がいるという事なのか。
出てきた花の花言葉で連想を広げるファンもおられるが、私は花言葉は信じない。資料によって載ってる内容が全然違うから。

●次回予告:「水の中に恐ろしいものが見えて」。水と言えば生活必需品だが、形を変え温度を変え様々な恐怖を呼びそう。それがどうしてあんなタイトルになるのか、見当もつかない。

(2022/10/4 記)



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