デジモンゴーストゲーム第48話「白イ花嫁」感想
脚本:藤田伸三 絵コンテ:鈴木正男 演出:波多野浩平 総作画監督:仲條久美 作画監督:小澤誠、大山康彦、金 澤龍、權 容祥 (2022/10/23 放映)
<あらすじ:公式サイトより引用>
瑠璃の友人・久保田アカネの結婚式を手伝うため、宙たちは高原の結婚式場へとやって来た。式場パンフレットのモデルを引き受けた瑠璃はウェディングドレスを着て撮影に臨むが、突然、奇怪な胞子が舞い落ちてくる。胞子を浴びた瑠璃の体から、不気味なキノコが生えてきた。それはシャンブルモンたちの仕業だった。シャンブルモンは幸せな花嫁の体を使ってキノコを栽培し、食って栄養にしていたのだ。宙とガンマモンはシャンブルモンを追うが、瑠璃同様に胞子を浴びてキノコを生やし、捕らえられる。遅れて駆けつけた清司郎も胞子の餌食となって絶体絶命の危機に。だが、清司郎の体から生えたキノコを食ったシャンブルモンたちは意外な反応を示す。果たして清司郎とジェリーモンは宙たちを救えるのだろうか……?
●全体を見て:録画のタイトルには「幸せな花嫁の体でキノコ栽培」と追加されている。
自分は子はいるが結婚歴はないので、ウェディングドレスを着た経験がない。なのでこの年になっても、こういうのが着たかったなという思いがあり、ジェリーモンや瑠璃が憧れる気持ちはよくわかる。ただ、式の簡素化や地味婚志向も若い世代にはあると聞く。そういう意味では、瑠璃がウェディングドレスに興味を示したのは意外ではあった。瑠璃が選んだのでなく式場からの提供という事で、ドレスは瑠璃のテーマカラー(ピンク、薄緑)ではなかった。
物語は結婚式や花嫁自体がモチーフではなく、それを苗床にしてのキノコ栽培であった。キノコと言えば健康食品という良いイメージと、毒とかじめじめ湿っぽい悪いイメージがある。今回は後者を膨らませて舞う胞子やはびこる菌床といった気持ち悪さを演出したホラー。
現場は、複数の結婚式場が存在するし、あらすじで高原だというから、軽井沢あたりか。
生身の体から生えたキノコをもぎ取られると痛みで苦悶し叫ぶ。阿鼻叫喚。これが花嫁、瑠璃、宙、清司郎と続いて、日曜朝に正直ひどく悪趣味だなと感じた。
人間の状況によって、生えたキノコの味が違うのは意表を突かれた。幸せの絶頂から恐怖の花嫁はおいしく、デジヴァイスをはめている瑠璃と宙は極上、しかし清司郎は体調不良を引き起こす。なぜ清司郎のキノコが駄目なのかは、結局明かされなかった。知りたいなあ~
予告の瑠璃から、瑠璃組が活躍と思いきや、被害に遭ってほぼ活躍はなし。パートナーがそばにいなければ、無力。一方、自らに生えたキノコをめちゃ食いしてパワーアップした清司郎(立ち姿がカッコイイ!)と、それを受けて超進化したテティスモンの攻撃及び解毒作用で、騒動は見事に収まった。どちらかというとメインキャラの描写よりキノコの気持ち悪さ、もぎ取られる苦痛の描写に寄っている。そういう作風なのか、物足りなさはある。子どもとパートナーデジモンの成長を描いた従来作とどうしても比べてしまう。
ゲレモンに回収され、おそらくは酷使されるであろうシャンブルモン。デジモン同士の関係性についても、宙は疑問を深めることになった。
●宙:瑠璃を追うも、すぐに拉致され活躍の場面無し。
口での抵抗虚しく連れ去られるシャンブルモンに「デジモンのこと、何となく分かったつもりでいたけど、まだ分からないことだらけだ…」。成塾期が成熟期を一方的に隷属させ使役してキノコ作り…そりゃ分からんわな。
●ガンマモン:進化もせずやられっぱなし。
●瑠璃:中二が結婚をする世代の友人がいるなんて、りるるんつながりか。
保守的なことを嫌いそうだが、ウェディングドレスはピッタリきた模様。息も絶え絶えのキノコの生えたドレス姿は、退廃的な美しさ。
●アンゴラモン:瑠璃のピンチに勘が働くのはすごい、でも遅かった…。
「縁は異なもの まか不思議 いずれ アヤメかカキツバタかな」。元ネタは「縁は異なもの味なもの」男女の円は常識にはない不思議で面白いもの、の意。「たてばシャクヤク座ればボタン歩く姿は百合の花」か。立ち居振る舞いが美しい女性のこと。「瑠璃が縁あってドレスを着た、それが美しかった」というほめ言葉か。
●清司郎:よくも自分に生えてる変な色のキノコをしかも生で食べましたね!それがシャンブルモンとは反対に活力の源になるとは驚き。「完全ふっかーつ!」このシーン面白くて好き。
消防設備点検に、職員でもない中学生の寮長が立ち会うなんてどうなのこの学院。
ギンリュウモンのスピードにあてられて涙、かわいい。
●ジェリーモン~テスラジェリーモン:ウェディングドレスにこだわるとこ、かわいい。性別のない、従って結婚もしないデジモンがウェディングドレスに憧れるなんて不思議。人間界のデジモンに与える影響は深いんだな。式場がどういう経緯で貸してくれたのか、最後に着たのはキッズサイズかな?着られて良かったね。
●テティスモン:限凸パワー注入で前話に続き、完全体に進化。テティスモンならではな技「ハンマーサンダー」「ビリースマッシャー」とキノコから作った薬の解毒作用で、一気に解決。存在感ある~
●エスピモン:今回も騒動に巻き込まれ、サーチモードを披露。メタリックな体なのに、キノコ生えてた、笑
●リュウダモン:ガンマモンに恩義を感じて発奮したとは言え、パートナー不在でまさかの唐突な進化、獣竜型の成熟期、ギンリュウモンに。しかもシャンブルモン相手に参戦はしないで単なる運び屋というのは残念。運び屋ならもう一体がいるし、何で出てきたのか不明。いや、出てくれて声が聞けてうれしいんですが。
菊池さん、ネ―モンでは進化しなかったから、デジモン役としては初めての進化。凛々しい演技v
ギンリュウの語源は「銀龍」なのだろうか、それにしては銀色ではないのだが。
●シャンブルモン:毒性がとても強いキノコの形をした植物型の成熟期(調査ファイルではこの表記、図鑑では食物型・植物型との表記である。どちらが正しい?)。CHANBLEの語源は調べたが不明。マッシュモンから進化したのか、別の変種かは謎。弱そうに見えてかなりの曲者。胞子「スイーポア」が付着すると生気を吸い取りキノコが育つ。もぎって食べれば力がみなぎり、中でもデータ種のキノコは特に美味しいという。必殺技は、大小のキノコ型爆弾を一斉放出する「シャンピオン・ボム」で、爆炎と胞子で一帯を菌床化する。
毒々しい色のマッシュモンとそっくりだが、色は別で、マッシュモンは成長期という事でシャンブルモンとは別物。アニメ初登場だが、マッシュモンの存在のせいでヴィジュアルなど新鮮味に欠けた。
サーバーにアクセスし花嫁の情報を得ていた。デジモンだけに、そこらへんは得意なのね。
「こんなキノコを育てるお前はおかしい」などと言えた義理か。清司郎も清司郎で、「失敬な!僕のキノコにケチをつけるなんて」と反論、可笑しい。
声は①佐藤せつじさん、演劇集団 円の団員、大阪芸大卒の俳優にして声優。肝付兼太さん、藤原啓治さんから一部の訳を引き継いだベテランさん。②真殿光昭さん、青二プロ所属、個人的にはハレのちグゥのクライヴが印象的。③半田裕典(ゆうすけ)さん、青二プロ所属、ハヌモンで既出。④宮原弘和さん、青二プロ所属にして劇団大富豪の座長。絵リスモンで既出。
ベテランさんが4人も、贅沢。
●ゲレモン:ヌメモンと同種の、軟体型の成熟期。アニメ初登場。ゲレGEREの語源は調べたが不明。図鑑によると攻撃力は低いが、その割に凶暴で相手かまわず襲いかかり、返り討ちにあっても強敵にケンカを仕掛けるこりない奴という。必殺技は、強烈な臭いを体からまき散らす「ハイパースメル」。
目に染みるほどの成分の悪臭、キノコとはまた別な気持ち悪さがある。
シャンブルモンたちがやられて拘束されてから大勢でやってきて、シャンブルモンを連れ去った。実のところ、手を汚さずして利益を得るという策略家なのでは。案内を買って出たのも、偶然でなく目論みあってのことかも。キノコが好物で、シャンブルモンを利用してキノコを栽培させるという、設定通り強気な成熟期。
声は浦和めぐみさん、青二プロ所属、02の伊織とアルマジモンでおなじみ。私の大好きな声優さんの一人。今回は高めの可愛らしい声。
●千夏:声は川庄(かわしょう)美雪さん、東映アニメ研卒、青二プロ所属。洋画の吹き替えを中心に、ナレーションやアニメでも活躍。
●京香:キツ目の美人。声は高橋雛子さん、声優にして、モデルの活動歴あり、青二プロジュニア枠。
●新郎:声は既出の浅野良介さん。
●花嫁:声は既出の川口桜さん、芦田もえなさん、水希凛さん。
●(式場の)オーナー:瑠璃を評し「完璧」とスカウト。やはり複数の目から見て瑠璃は美貌の持ち主なのだろう。声は富岡佑介さん、おっさんかと思いきや、青二プロのジュニア枠の方。
●次回予告:ハロウィーンの時期だからパンプモンが再登場?と思ったら、モチーフは「魔女」。「増え続ける魔女」って、デジモンじゃなく人間??
(2022/10/25 記)