デジモンゴーストゲーム第53話感想

デジモンゴーストゲーム第53話「知識王」感想

脚本:佐藤寿昭 絵コンテ:角銅博之、野呂彩芳 演出:野呂彩芳 総作画監督:仲條久美 作画監督:金澤龍、權容祥、仁井宏隆、小澤誠、大山康彦 (2022/11/27 放映)

<あらすじ~公式サイトから引用~>
修学旅行の班行動で京都の神社を訪れた清司郎。得意げに知識を披露していると、社殿の中にあった本が不気味に浮き上がり、清司郎をじっと見つめ始めた。その晩、寮に帰ってきた清司郎のもとに、不気味な足音を響かせて古風な女性の幽霊がやってくる。怯える清司郎の体を操り、ひとけのない神社に連れていく幽霊。そこで待っていたのは、先ほどの浮遊する本であった。本は「学問の神」を名乗り、清司郎に知識勝負を持ちかけてくる。逃げ場がなく、勝負に応じる清郎。その日を境に、清司郎の様子がおかしくなり始める。

●全体を見て:録画のタイトルには「清司郎VS神社に現る学問の神」と追加されている。
学問の神デジモンによる知識バトルの回。ホラーテイストは薄く、それだけに最後の幽霊は怖かった。2年目にして、ヲタな理由であれだけ修学旅行を楽しみにしていた清司郎が、知識比べの勝負に連れてこられ被害者に。清司郎の知識への情熱と執着は、光子郎を思い起こさせた。バアルモンの声も、知識つながり。バアルモンは知識への思い入れのあまり暴走したが、素直に負けを認めるあたりはそんなに悪いデジモンではなかった。いや、「敬意を表しそなたの全てを食らいつくす」と言っていたからそんなに良くないか。豆知識バトルにはうんざり、奪った知識は返却し、京都へ帰り、さらなる知識の探求をするつもりというめでたしな終幕。
「昨日26日は」奉納した504本目の竣工というから、この日は近未来の、放映当日と同じ11月27日ということ。

●宙:キャンプの雑学を披露。そうか、ペットボトルのふたね、なるほど。今度やってみよう。チョコ作りもするのね、女子力高っ。

●ガンマモン~べテルガンマモン:チョコ八つ橋に「橋…?」、かわいい。「おう、リク、なんでやねん」もかわいい。「もれる」って、大?小?デジモンに他シリーズと同じく排泄行為があるんですね。
多分複数回、宙の手作りチョコを食べていたのだろう。

●瑠璃:「君の彼女?」に宙と共に「はあ?!」と。今までもそうだが、互いに、微塵も恋愛対象ではない模様、笑
博学な神たるバアルモンに「公平な」勝負を求める肝っ玉。それにしては、豆知識を持ち出しての勝利は正攻法でなくズルいと思う。出題が、映える写真の撮り方というのが瑠璃らしい。
インスタントカメラも、テーマカラーのピンク。

●アンゴラモン~ジンバ―アンゴラモン:姫君のことを「少なくともデジモンじゃないよ」と。本物の幽霊というオチへの布石。
剣豪・塚原卜伝(ぼくでん)は、戦国時代の剣士、兵法家。
「知にこだわれば 角が立つ 勝負に水させば たたられる とかく この世は驚きばかり」。元ネタは夏目漱石の「草枕」の冒頭の一節。「智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角にこの世は住みにくい」。理知だけで割り切ると他人と衝突するし、個人的な感情を優先させれば足元をすくわれてしまう。意地を通そうとするとがんじがらめになってしまう。何にせよ世間は生きづらい、という意味。バアルモンの騒動を評して。

●清司郎:楽しみにしていたのは、帰国の理由となった学園アニメの金字塔なる「おキツネさまっ!」という作品の聖地巡礼、鷺ノ川(さぎのがわ)神社。しかし実際に京都に現存するのは「鷺森神社」。学問ではなく、良縁・家内安全の神なので今作とは無関係。実は角銅氏の「錆びた館分館」によると、モデルは京都の天満宮。この北野天満宮、菅原道真公を祭る学問の神様なので、こちらが聖地です。東京におけるバアルモンのいる神社は、目撃者が出ないか夜中に清司郎がパジャマ姿でも不審に思われないかの場所、以前近道として出た墓地があるから、寮の近所の神社と思われる。
おキツネな王道学園アニメって、どんな作品か想像つきません。巫女さんが主人公とか?
就寝中は右手の包帯外してることが判明。多分入浴前に外すんでしょう。
寮長、権限はあっても掃除当番は寮生と平等にやるんですね。掃除当番表には、深津、コタロウの他に既出の須崎ユウマ、内田カイトの名も。他にも安藤新太郎、真島茂という名が。スタッフゆかりの命名ではない模様。担当場所は細かくて、玄関ロビー、集会室、食堂、談話室が書かれている。
相当の臆病者で最初はビビってたのに、こと知識勝負においては一度タガが外れるとプライドを賭けて食いつき気味に熱戦。体が衰弱しきっても勝負に入れ込んだ。もはやギャンブル依存症ならぬクイズ依存症。
友人知人を忘れ被害妄想に陥っても、寮長という自覚は全く衰えないからその思いの強さはすごい。
鳥居の奉納は、神社によるが価格は十数万から百数十万と、重要な仕事を掛け持ちしている清司郎だから払える額。北野天満宮での価格は調べたが不明。調べるか?とツッコんで下さって結構です、知りたがりなもので。感想の大半が実は知識の詰込みなのもわかっててやってます。
皆の支援で知識と記憶を取り戻した清司郎、完全体でのバトルはカッコいい。光輝く鳥居の風景、テティスモンとのラブラブシーンも良い。
皆につらく当たったことを素直に謝罪する、好印象。けど、後日寮生にはどう釈明したのでしょうか。

●ジェリーモン~テティスモン:ついにダーリンに化け物呼ばわりされてしまったジェリーモン。しばしば部屋を空ける事も清司郎がバアルモンに取りつかれた一因に。姫君のお迎えを「浮気」と認識。それだけダーリンにぞっこんてこと。
ダーリンを追いつめた元凶に、大発奮。けど清司郎の状況から進化はできず。清司郎仕込みのヲタ知識を披露。保存用、観賞用、そして布教用、笑。実際に使う用かと思ったら違うのね。残念ながらバアルモン、清司郎から奪った知識で正答してました。
来ました、三体目のワープ進化。物理バトルでなく、ダーリンの頭脳の全てを信じて賭けた知識バトルを提案。「貴様らに道理を説かれるとはな」とバアルモンに言わしめてます。それは鷺ノ川神社の鳥居の数という、これまたマニアックな出題。確かな勝算あっての出題、京都について知らぬものはないはずのバアルモンが、破れます。知識の随時更新は、知識の探究者にとって重要な課題という点を突きつけられて負けを認めて。最後には赤い本の姿に戻って京都へ帰ってゆきます。
お仕置きって言っても、単なるスキンシップを最後に見せつけてくれます。

●エスピモン:宙探しなどおくびにも出さずに何気に寮生たちに交じって寮に馴染んでます。おまけについて来てクイズと実戦とに参戦もしています、大活躍。でも、しれっと進化したリュウダモンの様に進化はしないのね。

●深津理久:中等部に入学してきたことを寮長に忘れかけられた被害者。影薄いのにまたも登板。友人はできましたか?

●バアルモン:バアルとは、旧約聖書に現われる異教の神として悪魔学でも重視される存在。「主神」または「支配者」を意味するバアルの名に由来を持つ各地の土着神。
博識で「気高き王」とも呼ばれる魔人型の完全体。図鑑によると、その知識の全てを書いた「アッピンの紅い本」は閲覧者の魂と引き換えに1ページ分の知識を与えてくれる。どんな謎にも答えてくれるが、必ず答えと一緒に試練を与える。その試練を乗り越えられなければ求める答えは与えられず魂を奪われる。マントは古今東西の護符を積層しており、その護符にはあらゆる対処法が記されていると言われ、豊富な知識であらゆる攻撃を防ぐ事ができる。必殺技は護符を様々なものに変化させて攻撃する「ギルティッシュ」と、手にした打神鞭で強烈な雷撃を放つ「カミウチ」。
クロウォで色々あったみたいですが、私は見てないので触れません。
「アッピンの紅い本」とは、悪魔バアルが所有していたと言われる伝説の魔導書。アッピンとは、スコットランドの地名。アッピン村に悪魔が出現し、孤児の少年を召使にしようと魔法の赤い書物に署名を求める。少年は口約束でその場を離れ、主人の助言でまんまと悪魔を出し抜いて書物をふんだくるというエピソードが背景に。
同級生に知識を披露する清司郎がよほど気になったか、博学のプライドを胸にわざわざ京都から東京に出向いて知識勝負を挑む。最初の一問は、マックス・プランクらによって20世紀初頭に提唱された量子力学について。自称「われは知識の泉をつかさどる者。学問の神なり」。アンゴラモンに言わせると「知識の信徒を名乗る博学なデジモン」。豆知識での応戦について「知識とは神羅万象の根源に迫ろうとする気高き営み」との正論!こっちの味方をしたくなっちゃう。雑学を知識と認めない矜持、雑学の出題続きにはキレてしまいます。ごもっとも。それで必殺技を発動。
声は櫻井孝宏さん、インテンション(鈴村健一さんが設立)所属、デジではテントモンでおなじみの大人気声優さん。デビュー作は無印でないが、声優をやめようか悩んでいた時期に無印のレギュラー入りが決まり転機になったそう。その後の活躍ぶりは皆さんご存知。自分はテントモンは例外的で基本イケボな主人公と思っているので、ウィキの「役柄としては何か問題がある人物、弱い人物、イメージしにくい役を得意にしている」との評は意外。

●稚児:声は天神有海(てんじんうみ)さん、フリー、無印と02の光子郎役、フロのパンダモンの後めっきりお見かけしなくて、ネットで地味に発信しているのだけは把握していたのですが、声優さんやめてなくて本当に良かった~。藤田淑子さんや水谷優子さんがいなくなっての声優変更は仕方ないとして、、私にとって成長した光子郎に女声を敢えて当てるのならやはり天神さんでないとという思いがどうしても捨てられませんでした。調べてみると、2005年の「まほらば」の黒崎朝美役以降の出演は2013年の無印のゲームでの光子郎役以外無く、そして今回。違う形ではあるが、デジモンに戻って来てくださって本当にうれしい!お帰りなさい!レギュラー入りしてほしい!
天神さんの出演について、角銅氏の「錆びた館分館」によると「歴代光子郎とテントモンの声が揃った回」。「エスピモンがでたところでプロデューサーが二代目三代目光子郎が出てるのでこうなったら初代も出せませんかね、と言ってきたので本人に連絡してみたところ前向きな返事をいただき、短いセリフですが出ていただきました。そこまで来たらゲストデジモンはテントモンでと。知識の話だし」。そうか、つまりは角銅氏のツテ。じゃあ天神さんやはり声優業は現在積極的にはやっておられないのですね、残念。

●姫君:どういう経緯でバアルモンの使いになったのかは不明のまま。バアルモンに人間の魂を従わせる能力があるという事だが詳細は不明。稚児もそうだが、昔の和装なのは、出身が大昔の京都ってことか。最後のどくろ姿が唐突に怖い。声は既出の水希凛さん。

●(清司郎と同級生の)女子:声は既出の松田祐佳さん。

●男子:声は既出の佐藤悠雅さん。

●取締役:声は既出の今川柊稀さん。

●研究室長:声は既出の中井允(まこと)さん、青二プロのジュニア枠。

●研究員:クレジットはなし。

●寮生:声は既出の橘内良平さん。複数人いるがクレジットは彼だけ。

●次回予告:「見えた未来が必ず起こってしまうとしたら」。予知能力?宙のやつれようがすごく心配にして楽しみ、笑

(2022/11/29 記)





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