デジモンゴーストゲーム第54話「千里眼」感想
脚本:藤田伸三 絵コンテ:畑野森生 演出:波多野浩平 総作画監督:金久保典江 作画監督:川口弘明、佐藤敏明、内藤伊之助、河野純市(2022/12/4 放映)
<あらすじ:公式サイトより引用>
ある日突然、宙は未来を予知し始める。ガンマモンやコタロウなど、そばにいる者が遭遇するアクシデントやトラブルを察知できるようになったのだ。それは宙の頭に取り付いていたフジツモンの能力によるもので、その影響で宙は激しい頭痛に襲われ、頭から角が生えてきた。瑠璃と清司郎たちはフジツモンの集団と共生していたオクタモンを呼び出し、事情を聴く。そして、フジツモンたちがオクタモンとケンカして別れ、宙や他の人間たちに取り付いたと知る。宙を救うにはフジツモンのリーダーを説得するしかない。リーダーの行方を追った宙たち一行は、リーダーがエスピモンに寄生していたと気付く。ガンマモン、アンゴラモン、ジェリーモンはエスピモンを追いつめるが、リーダーのフジツモンに操られたエスピモンは攻撃を開始した……。
●全体を見て:録画のタイトルには「知りたくない未来」と追加されている。
予告の通り、千里眼・予知(危険察知)能力がテーマ。しかし、いくらフィクションとは言え、宙の周囲でやたらに事故や事件が頻発するのは、予知以前に不自然なので、心に入ってきませんでした。
登場キャラが多いだけにキャラの掘り下げは広く浅く。バトルも控えめ。
1里は約4㎞なので、千里は約4000㎞。結構広い範囲。未来が見えるだけでなく、そのあと激しい頭痛に襲われるという副作用?が。宙が気の毒で痛々しい。かわいそすぎる。
フジツモンという随分とマイナーなデジモンがゲストキャラなのは驚き。レベルやタイプの記載すらありません。50話過ぎて、成熟期に寄生する小さなデジモンが強敵とはこれ如何に。しかも原因は悪意や誤解とは違う、オクタモンとフジツモンの売り言葉に買い言葉のしょうもないケンカ。被害者はいい迷惑でしかない。これはシリーズ中でも今作ならではか。
オクタモンはフジツモンに謝罪し懇願したが、あれだけやらかしたフジツモンからは被害者に何もなしってどうなの。
内藤伊之助さんは、検索しても鬼滅の伊之助しか出てきませんでした。河野純市さんも何もわかりませんでした。
●宙:釣りも得意との事。キャンパーだしそうなのでしょう。寮が目黒として、区内に複数の釣りのできる公園がありました。けど、描写は高速道路沿いの釣り堀店のよう。裕福だからお小遣いも豊富で、有料でも構わないのでしょう。
序盤にて既にやつれまくり、主人公キャラが見るに堪えないよ。更には角が生え左腕が軟体化してしまい、ちょっとグロいのでひきました。
ジェリーモンに相談したところ、なぜか占い屋を開業することに。清司郎が不在だったので、とんでもない展開に。
でもさすが主人公、自らの苦痛が増して限界(瀕死)に達することになっても、他の被害者の安全を優先するという決断、かっこいい。けど、保護者目線では危なっかしくて心配だなこの子。
左腕は後日元に戻っており、マミーモンの施術の描写は省略されており残念。つかテティスモンで解毒はできないの?
●ガンマモン:フジツモンに取り付かれたエスピモンに呼びかける「俺 お前 友達!」「お前!宙!友達!」「一緒に宙助ける!」麗しいBGM、ここ感動するとこなのね~あわわ、しれっと見流しそうになった。なんかガンマモンらしくないような。
●瑠璃:清司郎のゲットしたヲタな超レアアイテムにまるで敬意も興味もなく、おとりにしようと算段、笑
●アンゴラモン~ジンバ―アンゴラモン:「買い言葉に ささいな一言。未来の友は さもありなん」。元ネタは「売り言葉に買い言葉」。口は災いの元。後半は意味がわからない。
●清司郎:「コズミックウォーリアーズ2」にドハマり中。「宇宙を冒険し銀河のお宝を探す正統派RPG」にして、スーパーウルトラレジェンドレアアイテムもゲット済みという。それをひけらかすシーン、イケメンで好き。周囲は白けたものの、ともかくものすごくレアなのは伝わりました。
●ジェリーモン~テスラジェリーモン:宙の危険察知能力を利用して占いの営業を始めるという、ずいぶんひどいことをやってくれてます。けど、アオイたちは事故や事件を避けられたわけで、結果的にはいい事をしていたのだから判断が難しい。
●エスピモン:釣り堀をのぞき込んだ際、フジツモンに取り付かれた模様。翌朝は朝食を食べず、宙の元を離れていった。フジツモンに口の中に固着されるという災難。おっしゃる通りついてない。自分エスピモン結構好きで、普段がかわいいだけに、敵の手中に収まり冷徹になったのには心痛みました。正気に戻れてよかった。
橋はレインボーブリッジと思われます。東京湾沿いのコンテナ置き場が聖地。
●クロックモン:宙の被害の良き相談相手。フジツモンの生態やオクタモンの根城や収集癖を知っており、目的は世界征服だと騒ぐジェリーモンに異論するなど心強い味方。
●フジツモン:ネットのデジモン図鑑にはフジツモンという項目がないのは驚き。オクタモンの図鑑の記載が全てであった。今回、オクタモンと共生関係というのは設定通り。
人間に取り付くと、終いに頭が吹っ飛ぶという、恐怖!宙が危険!
オクタモンから離れたフジツモンは描写ではたったの7体。もっといたように見えるが。宙に1体、エスピモンに5体、他にも被害者が複数いるのだから。
語源であるフジツボは、富士山状の石灰質の殻をもつ甲殻類・フジツボ亜目に分類される固着動物。数ミリから数センチの大きさ。岩や船底、他の動植物などに固着し、固着すると全く移動しないというのは今作と違う。特に蛸に固着するという生態も無い。
声はかないみかさん、賢プロダクション所属の人気声優さん。本名は金井美香さん。余計なお世話だが、読みやすい漢字なのになぜ芸名を平仮名にしたのかな?気になる~。メロンパンナちゃん等が有名。
●フジツモンリーダー:エスピモン絡みというのまではわかったが、危険を未然に察知するので、子どもたちは捕まえるのに苦労する。オクタモンに戻るか否かの決定権はリーダーしか持っていないという厄介さ。どっから湧いた設定なのでしょう。
「我々は危険を察知するもの。ゲームは危険にあらず」ごもっとも。屁理屈という反論は当たらない。
声は竹本英史(えいじ)さん、青二プロ所属、東映アニメ作品や、大地丙太郎監督作品によく出ておられるという。あんな小さいのにこの低く威厳のある声で、びっくりしました。
●オクタモン:凶悪なハッカーが、ライバルの探索コンピュータを破壊したウィルスから発見された軟体型の成熟期。octopus 蛸が語源と思われる。図鑑によると、収集癖があり、触手の先端にはデビドラモンのデータから得た爪を付け、ネットの海底から拾った宝を体中にまとっている。頭にかぶっている壺には、貝型のフジツモンが付着している。フジツモンは感覚が発達しており、危険を察知するとオクタモンに知らせるため共存関係が成立している。
収集癖を利用した清司郎の罠に引っかかり、「オック―X」の名でメールしてきた。二体ともスマホから現出、レアアイテムの取り合いの末に、成熟期のテスラジェリーモン一体に止められて。ということはさほど強くないデジモンで、だからフジツモンの力が必要だった。
声は、一体目は興津和幸さん、大阪芸大卒、ケッケコーポレーション所属のベテランさん。個人的にはフルバの草摩はとり役が印象的。二体目は既出の山口太郎さん。
●コタロウ:キャンプや釣りすらもナンパの手段に過ぎないという女たらしぶりは相変わらず。でも彼女いないんでしょう?なんか同情すら感じる。
●アオイ:従来も活発だけど、占いをさっそく願い出る積極的な子。スケボークラブに入っているスポーツ少女でもあるとわかった。
●ミカ:大人しい子で、何気にスルーされてます。
●(瑠璃の中学の)女子生徒:声は既出の川口桜さん、斉藤明日美さん、芦田もえなさん、水希凛さん、松田祐佳さん。
●調査ファイル:オクタモンの紹介でしたが、肝心のフジツモンはコメントなし!!えっ??
「件(くだん)」とは、19世紀後半から日本各地で知られる半人半牛の姿の予言獣(妖怪)。
●次回予告:「実は人間の方が彼らに飼われ監視されている奴隷なのかも」。一般的に人間に忠実な犬と違って猫は自由気ままですから、化けたら手ごわいかも。登場デジモンはまたも不明。ネットではバステモンとの指摘。私が見損ねたクロウォに出てたのか?
(2022/12/6 記)