デジモンゴーストゲーム第55話「化ケ猫」感想
脚本:中山智博 絵コンテ:- 演出:高戸谷一歩 総作画監督:石橋大輔 作画監督:村山綾音、袴田裕二、Noel Anonuevo、Eugene
Ayson、信実節子、小澤誠、仁井宏隆、宇代祐規 (2022/12/11 放映)
<あらすじ:公式サイトより引用>
雑居ビルの屋上看板の上で目覚めたという少女が救助されたというニュースを見る宙。一方、寮の裏手では、ガンマモンが深津らと共に野良猫チョロとノロの世話をしているところを清司郎に注意されていた。その夜、化け猫化したチョロが眠っている清司郎を不思議な力で操り、寮の屋上や建設中のビルの上を猫の様に飛び歩かせる。このように最近、夜になると化け猫たちが人間を操り、危険な高所を歩かせていたのだ。そんな中、ガンマモンや清司郎をはじめ、多くの人達が高所を歩いている場面を目撃した宙。そこにバステモンが現われ、宙もまた操られ、連れ去られてしまう。操られた宙たちは不気味なペット霊園に集められ、バステモンに「これから、人間の選別を始める」と告げられる……!
●全体を見て:録画のタイトルには「人間を操る野良猫の怪異」と追加されている。しかし、バステモンに操られた猫は野良猫だけでなく飼い猫も複数いたんですけど。
ペット、中でも猫は私の深いトラウマです。なのでどうにも気乗りしない。
トラウマと言うのは、隣人の初老の男性が野良猫親子に餌をやり、そのせいで我が家の庭に大量に脱糞する(隣家は石畳なので猫は脱糞しない)ので「餌をやらないで」と訴えたところ、「うちは飼っているペットがいるからもう飼えない」「猫の親子の愛情がわからないのか」と逆ギレされ、暴力を振るわれました。更に保健所に「動物愛護の精神を指導しろ」とクレームを入れられたので、所員さんがうちに来て、指導ではなく同情されました。その後、うちの庭に首の斬られた鳩の死体が置かれるという嫌がらせ。誰が犯人かは、証拠こそないが言うまでもありません。警察にも相談し、結局新居からすぐに引っ越す羽目に陥りました。なので私はペット好きな人とペット、ひいてはモフモフ全般がトラウマです。なので、猫がテーマと言うだけで虫唾が走る。猫を飼った経験はあるのでかわいさはもちろん理解していましたが…。
騒動の結末にモヤモヤします。バステモンが人間たちを危険に追いやりながら、何も罪に問われないのには違和感を覚えます。人間の生き埋めを、土にかえすんだから慈悲と思えとのたまったこのバステモンがお咎めなしってどういうことですか!
またカラオケ・パキラが出てきました。看板のここは目黒なのか、それともチェーン店の別の店舗なのか。
「ノラネコ注意!!」のポスターの「小林丸」って何?
ビル街の中にあの大きさの観覧車、モデルはあるのか。江東区・パレットタウンのは解体されたし、荒川区・あらかわ遊園や台東区・花やしき、大田区・東急プラザのは小さいし、江戸川区・葛西臨海公園のはビル街でないし、文京区・ラクーアのは他の遊具が隣接してるし、モデルはないんじゃ…。
●宙:神とかペットとかじゃない、とバステモンをいさめていました。もっと温かい愛情で結ばれた関係というのでしょう。バステモンにもパートナーがきっとできるとも。けど殺されかけたのに罪は問わないのね、おいおい。
●ガンマモン~カノ―ヴァイスモン:テティスモンの策略で弱ったバステモンにもう一押し。
バステモンが指すのは「漆黒の覇王」のことでしょうか?
●瑠璃:疑似デジタルフィールドを展開できず被害を見守るだけで忸怩たる思いだったが、猫の弱点・マタタビに気付いた。その機転で逆襲!
マタタビは、マタタビ科マタタビ属の落葉蔓性大本である。猫の大好物で、猫は酔うとくねくねと腰砕けになる(マタタビ反応)。実や葉は人間の食用・薬用ともなる。マタタビ反応を起こすのは他にキウイフルーツ、セロリ、オリーブなど。また弱点と言うなら、猫に有毒な観葉植物も複数存在する。
●アンゴラモン~ラモールモン:化け猫を、小説で読んだ「猫又」と指摘。猫又とは、日本の民間伝承や古い怪談の猫の妖怪。大別して山中の獣と、人家に飼われている猫が年老いて化けるというのの二つ。日本においては鎌倉時代が文献の初出で、それは山中の人食い猫である。
ラモールモンにワープ進化したが、完全体同士なのにバステモンの技で簡単に操られてしまったのは予想外で悔しい。
「飼い主の恵み 情けは猫のためならず。おのが心のマタタビと知れ」。元ネタは「情けは人の為ならず」。情けは他人のためだけではない、いずれ巡り巡って自分に恩恵が帰ってくるのだから、誰にでも親切にせよ、の意。猫を大事にするのは人間自身のためでもある、という事でしょうか。
●清司郎:そうです、飼わないでの餌付けは双方のトラブルのもと!これが正論。「感情移入するとお別れが大変になる」と経験的な忠告も。自宅でペットを飼った経験があるのか、それとも以前寮内で同様のエピソードを経験したためか。しかしこのせいでチョロに敵視される羽目に。
「園芸飼育部」という植物も動物も扱う何か不思議な部活が存在するようです。
●ジェリーモン~テティスモン:人間のまねしてフルーツや野菜作るデジモンが増えているという。何と人間界で農業を営むデジモンが現われるとは、馴染むにもほどがあると感じる。セロリ、オリーブ、キウイはビジネスの人脈で彼らから入手した模様。そういう意味でも解決に貢献した。
やられたかに見えたテティスモン、それはマタタビ成分を吸い取らせるという策略でした。騒動の解決に貢献、お見事。
●エスピモン:宙の部屋ではベッドでなく段ボール箱に布団をかけて寝ていました、かわいい。キウイの根と葉を燻す役割を担ったり、交戦にも参加。
●エアドラモン:いつの間にか参加し、技まで放っています。運び屋がここへ来て応戦要員とはこれいかに。エスピモンはまあアレとしても、じゃああれだけ公式で騒いだリュウダモンの出番がないのは不自然に思えてきます。どういう基準で準レギュラーキャラを各話に登壇させているのでしょう。
●バステモン:猫の女神と言われる獣人型の完全体。語源のバステト神は、エジプト神話の猫の女神。図鑑によると、派手好きでずるがしこい性格。体中の宝石と妖しく輝く瞳で敵を幻惑し思い通りに操るのが得意。光の化身であるネフェルティモンとは犬猿の仲という。必殺技は、妖しい魅惑のベリーダンスで敵を混乱させ操る「ヘルタースケルター」と、踊りながら相手に近づき血を吸い取る「ヴァンパイアダンス」。
ベリーダンスとは、中東およびその他のアラブ文化圏で発展したダンス・スタイルを総称する造語。直訳すると「腹踊り」、腹部や腰をくねらせて踊る。古代エジプト発祥で、イスラム教が普及する前に発展した。比較的世俗的なエジプトやトルコでは伝統になっているが、音楽や踊り、女性の肌の露出を禁忌と考えるイスラム原理主義者には懲罰の対象となっている。という事は、ゴスゲが海外で発表されるなら配慮が必要。
helter skelterは「慌てふためいて」「混乱している」の意味があり、イギリスでは見本市や遊園地に設置されるらせん状の大型滑り台アトラクションにその名がつけられた。混乱させるという意味で付けられた技名か。
人間を下等と断言、一人称は「わらわ」という、確かに派手派手ないで立ちの女神デジモン。猫はバステモンにかかると①尾が二本に割れ②目が赤くつり目に③二足歩行④口が大きく裂ける⑤人間を操る。見た目は猫そのものというよりは人間と猫が合体したような人間寄りの容姿なのに。DWでは一体どういう接し方を猫(と人間)にしていたのか、人間は下等で猫に従い飼いならされるべきという猫偏重の過激な価値観の持ち主。それが人間界に来たら違うので、猫を動員して支配を試みるという大迷惑なデジモン。
酔わされた末に負けを認めるが、酔いが冷めると悪態をつく「救いようがないねぇこの世界の猫たちは。」「ここがそういう世界だというのなら仕方あるまい。しばらく様子を見る。」え、あなた何様?!犯した罪は墓穴を掘らせ生き埋めにするという殺人未遂だからして、重罪。なのに宙たち人間がなぜ罪を問わないのかが不可解。しかも良きパートナーの出現を願うことすら許されるという。落としどころが間違っていませんか。キッズアニメなのだから、善悪の区別と加害者の処遇はきちんとしてほしい。
三体がワープ進化で完全体に、しかし強力で野性的なラモールモンさえ操る完全体。エスピモンとエアドラモンの連携技も一蹴。ちょっと強すぎやしませんか。
ガンマモンを見て「お前のわけないか」と意味深発言。どうやらDWではあるデジモンが何らかの噂になっている模様。
声は生天目(なばため)仁美さん、賢プロダクション所属。百合声優として有名らしく、本妻(伊藤静)、一号(能登麻美子)、二号(清水香里)、三号(小清水亜美)が認定されているという。そんなに百合作品に出演されてるのでしょうか。「まぶらほ」のヒロイン・宮間夕菜、「ドキドキ!プリキュア」のキュアハート等が有名。
●深津理久:また出た、完全に準レギュラー。動物の持ち込みを禁じている寮内で、野良猫に餌をやっていた。マジやってはいけないことです!寮長が仲介してくれて、個人的にはほっとした。メイク―モンとかかわりがあったから、猫つながりで野良猫に同情したのかな。一人ではなく他の寮生と一緒でした、友達できたのかな?
●安藤新太郎:前に、掃除当番表にあった名前。声は既出の橘内良平さん。
●馬場咲月:実際はフルネームがつく程活躍するキャラではなかった。声は既出の厚地彩花さん。
●(観覧車から落ちた)女性:クレジットはなし。
●男性;声は既出の千葉俊哉さん、八木沼凌さん、今川柊稀さん。
●チョロ:声は既出の前田綾香さん。
●ノロ:声は既出のれいみさん。
●化け猫:声は既出の後藤恵里菜さん、クレジットはこの方のみ。
●調査ファイル:「猫又屋敷」は、ある猫をいたわった女中がいなくなった猫を探しに行くと人食い猫の屋敷に辿り着き、無事に帰宅し小判も手に入れた。猫をいじめていたおかみさんが小判をうらやみ屋敷へ行くと、猫に食い殺されてしまう…という昔話。
●次回予告:「人間の心が汚いからどこもかしこも汚れてしまう」登場デジモンは不明。被害者の代表は個人的に気に入ってる新島さんのようですので、期待。
(2022/12/13 記)