デジモンゴーストゲーム第58話感想

デジモンゴーストゲーム第58話「金字塔」感想

脚本:佐藤寿昭 絵コンテ:- 演出:角銅博之 演出助手:野呂彩芳 総作画監督:仲條久美 作画監督:Noel Anonuevo、Eugene Ayson (2023/1/8 放映)

<あらすじ:公式サイトより引用>
かつて瑠璃が通っていたピアノ教室の友人、カオルが行方不明になった。残されていたのは何か巨大なものが倒れたような長方形の凹みと、彼女の靴。手分けしてカオルを探していた宙たちは、デジタルワールドの超古代文明に存在していた伝説のデジモン、エンシェントスフィンクモンに遭遇する。エンシェントスフィンクモンが問いかけてきた謎かけに答えられず、体を石材に変えられてしまう宙と清司郎。残された瑠璃とアンゴラモンがマミーモンに助言を求めていると、突如として、黄金に輝くピラミッドが東京に出現した!

●全体を見て:録画のタイトルには「超古代文明からの伝説デジモン」と追加されている。
正月明けての最初の回だが、ウサギ年にディルビットモンがウサギ型である以外、正月の趣きはないのが残念。
予想が当たってアンゴラモンの究極進化回でしたが、OPにディルビットモンの追加はなし。ジェリーモンの究極体も揃って進化したら、変わるんでしょうか。
人体が石に変わるシーン、グロくてこんなんも私ダメです。
被害者が少しずつ増え、瑠璃たちが残されてのワープ進化とバトル、ラモールモンの苦闘、究極進化、お話の流れはスムーズでよどみがなく順当。来ました人類救済譚。
角銅氏の「錆びた館分館」によると、金字塔とはもとはピラミッドの意味なんだそう。それと、マミーモンのいる一室のある病院は、「上野の池」(福岡出身の角銅さん、なぜか不忍池とは呼ばないのが地元民としては気になる)のそばにあるそう。位置と規模から言って東大医学部付属病院が妥当か。「小泉さんによる作画、デジモンははじめてだったとおもえないくらいディルビットモンがすごくかっこよくなってましたね」。角銅氏はこれが最後の担当回というから、シリーズは今春が最終回?
原画にまたも篠塚超氏、浅沼昭弘氏の名が。「小泉さん」とは原画の小泉昇氏のこと。小泉氏は動画工房出身で、ワンピの初代キャラクターデザイン・作画監督。原作者の絵は独特なため、アニメとして描きやすいようにリファインさせた、アニメのワンピの作画スタッフの中核として活躍された方。ワンピの長期化による過労から制作班から離脱、他の東映アニメ作品(クロウォ、鬼太郎、ダイ大、ワートリ等)に参加している。原画のクレジットの「泉恭子」は妻にしてアニメーター。一緒に作画することも多いという。

●宙:モニュメントやオブジェ、図書館や美術館のそばに変なへこみと靴、都市伝説サイトをチェック済み。宙、そして清司郎がやられた時点で、アンゴラの究極体デビューを確信。

●ガンマモン:宙が被害に遭ったため、出番は少なめ。獣の直観か、カオルの靴を発見。

●瑠璃:「招待状 月夜野瑠璃様 第27回ピアノ発表会 今年も聴きに来てね!! カオル」。瑠璃「発表会ってちょーっとぴったりこなかったのよね」。私もホルン吹きだったので少しわかる気がします。練習を積んで晴れの舞台に賭けるって、日常で苦労なく音楽を楽しむのとは別物だから。
ぴったり探しは、趣味についてと本人言ってるけど、瑠璃の生き方そのものを指している気もします。限られた人生を費やすに値する何かを選ぶも選ばないも自由。その「自由」「何か」つまりは人間の築いてきた文明をエンシェントスフィンクモンに全否定されて黙っている彼女(とアンゴラモン)ではない。
その美貌が影響したのでしょう、エンシェントスフィンクモンをしてピラミッドの頂上に輝く三角の石「キャップストーンとなる栄誉を与えん!」と言わしめてます。

●アンゴラモン~ラモールモン:瑠璃がキャップストーンにと狙われて、かばってワープ進化。究極体相手に苦戦を強いられ、瑠璃ともども絶体絶命。マミーモン・エスピモンの援護も効かず。
「好きの心音 奏でれば 楽しき日々よ 風の吹くまま」。瑠璃のピアノと過ごした自由で平穏な日々が、続いていけたら。

●ディルビットモン:多くの獣型デジモンが生息する大地を守護する頭脳明晰な獣騎士型の究極体。語源はケルト神話のフィニアンサイクルに登場するフィオナ騎士団最強の騎士ディルムッド・オディナ+兎ラビットであろう。やはりウサギ系の人型でキター!すごくかっこよい。
図鑑によると、紳士的で穏やかな性格で周りのデジモンとふれあい静かに過ごすのを好むが、敵が現われれば2本の愛剣「モラルタ」と「ベガルタ」を抜き素早く残らず撃退する。必殺技は、無涯の太刀筋で敵に斬り込む「トラスゲイン」と、2本の魔槍を召喚し自動追尾する「ボルジャーグ」、敵を中心に全方位に高速残像を残しながら斬り刻む「バックストラッシュ」で敵の退路を断つ。
ピラミッドが完成しかけファラオモンが甦りそうになるが、時間制限もあり満身創痍になった瞬間、あの野性的なラモールモンがいろいろな思い出(パフェの描写、細やかで美味しそうでした)ややりたいことをとつとつと語り、この世界と瑠璃を守るという強い意志で究極進化した。ラモールモンの時の野生と荒々しさから、白い軍服のウサギ型の仮面の半人半獣の冷静な二刀流へ。「この世界を!」守るために二人しての進化!
エンシェントスフィンクモンと互角に戦い、とどめを刺す前に懺悔を促すも、エンシェントスフィンクモンが悪あがきで黄泉の国へ行かせようとし、逆にエンシェントスフィンクモン自体が黄泉へ送り込まれる結果となった。このドジはちょっとディルビットモンの初戦の勝利の重みに欠ける気が。送り込まれんとする敵・エンシェントスフィンクモンを救おうと手を伸ばすディルビットモン、そのやさしさには驚く。
声はジンバ―より低くも、紳士なのは同様。
瑠璃の目の前で紳士的な礼をしてアンゴラに戻る。ガンマモンの様に消耗して寝入ったりはしなかった。このシーンから、BGMはたおやかなピアノです、いいね。

●清司郎:ヲタらしく、名探偵気取りでメモにペンを走らせる。今回も戦力外で薄い扱い。

●ジェリーモン:ファラオモンのことを知りませんでした。超古代と言うだけに、どのデジモンでも知ってるわけではないんですね。

●エスピモン:今回も対戦の頭数に入っています。「進化してぇ」と、初めて自分が進化しないことに言及しています。で、宙探しはどうなってんの。

●エアドラモン:瑠璃たちをマミーモンの病院まで送って、帰りも送るためにであろう、屋上で休んでいるのが描写されました。それでピラミッドの現出を目撃。それを見にいくために瑠璃たちを乗せたら、一般人に目撃され、瑠璃は疑似デジタルフィールドを展開。交戦時も瑠璃を乗せて飛び、存在感ありました。

●マミーモン:猫のようないでたちとなぞなぞから、エンシェントスフィンクモンと言い当てる。同じエジプト系だけに詳しい。人間の命を軽視しているデジモンだとも。ファラオモンの前には人間もデジモンも支配されるしかないとも。
「王よ」とファラオモンに呼びかけていたから、古代にファラオモンと縁があったのでしょう。
三人の子どもに大人の味方がいないだけに、マミーモンやクロックモンのオトナ的な仲間の存在はやはり頼もしい。

●エンシェントスフィンクモン:エンシェントは古代の意。スフィンクスはギリシャ神話の、人間に謎をかける怪物。古代エジプトのスフィンクスは、王・ファラオの守護や権力の象徴。体が聖獣たるライオンで頭部が人間の半身半獣。
図鑑によると闇の属性を持ち、古代DWを救った伝説の十闘士である古代幻獣型の究極体。闇より生まれし存在としてエンシェントガルルモンとは両極に位置する。形あるものや生あるものの破壊と消滅を司り、死を招く闇の獣と恐れられた。必殺技は、咆哮と共に発する破壊光線「ダークブラスト」、市の闇へ包み込む究極の消滅技「ネクロエクリプス」。
古代のDWを救った十闘士だが、今回は人間たちを石に変え、ピラミッドを完成させてゲートを開きファラオモンが支配する世界を作るのが目的という、悪役での登場。話の通じる相手ではなく、倒すしかなかった。
色といい声といい光の当たり方といい、闇の怖さがあります。人が石に変えられ靴だけ残される意味は、調べたがわかりませんでした。
繰り返される「リィードル」の意味は、謎。「スフィンクスリドル」→答えられない者に死の裁きを与える問いかけ、と出てきた。抽象的ななぞなぞの答えも「太陽」「闇」「沈黙」「心」などと抽象的。確かにムズいです。
声は木下(きのした)浩之さん、演劇集団 円所属の俳優にして声優。声優としてはアニメはごく少なく洋画吹き替えの出演が圧倒的に多い方。

●ファラオモン:古代DWで絶対的な権力を誇り多くのエリアを支配していた、禍々しいまでに黄金に光輝く魔人型の究極体。ファンアートの入賞作デジモン。必殺技は意思を奪う毒ガス「ネクロミスト」で、浴びると死ぬか、不死者としてファラオモンに仕えるかのどちらか。
ネットには、エンシェントスフィンクモンより格上の扱いへの疑問が見られました。個人的には、同じ究極体、どちらが上なのか判断材料を持ち合わせていません。
咆哮が聞かれましたが、クレジットはなし。

●宮内カオル:普通、ドレスに靴を合わせないか?靴に注目させる伏線を張っているためか。実際に「てへっ」て言う人、いない気がします。苗字が設定されてますが、被害者2号にして瑠璃のピアノ教室友だちという以上の扱いはありませんでした。声は既出の厚地彩花さん。

●ピアノの先生:声は既出の高橋雛子さん。

●修復師:被害者1号。声は既出の佐藤悠雅さん。

●画家:声は既出の中村光樹さん。

●観客女性:声は既出の水希凛さん、松田祐佳さん。

●観客男(「男性」ではなく):声は既出の橘内良平さん。

●新ED:作詞:Penthouse 作曲:浪岡真太郎 編曲:Penthouse 歌;Penthouse 「Take Me Maybe」。エンディングイラスト:やぶのてんや。
ペントハウスは、2018年に東京大学の音楽サークルで出会った男女6名によって結成された「シティ・ソウル」バンド。「シティソウル」という言葉は、バンドの音楽性を端的に表し「シティポップのキャッチ―さとソウルのパワフルさを兼ね備える」という意味の造語。元々は既存の「シティ・ソウル」というジャンルに属している意識はなかったという。所属はフリー、それぞれ会社員などをしながら音楽活動をしておりむしろそれが良い相乗効果を生んでいるという。勉強も音楽も仕事もできるなんてすごい人たち。「天は二物を与えず」は嘘ですね。一つでさえできずに悩んでいる人が巷には圧倒的に多いのに、激しい嫉妬を感じます。私は下世話な人間なので、彼らの歌を聴く時「東大」の二文字が頭を離れることはもうありません。
歌は春の別れを未来へと淡々と歌う歌詞で、曲調は明るく穏やか。個人的に別に嫌いではないですが、「シリーズが春に終わる」というメッセージであろう以外にはデジモン本編との接点がほぼ無いので、デジモンソングとしては私は受け容れ難いです。
やぶの氏のイラは、ギンリュウモン、マミーモンも加わったがクロックモンがいないのは寂しい。最後に入手する宝箱と植物が意味不明で、ストーリーを感じさせないのが難。バステモン出てるからには再登場あるのかな。

●調査ファイル:前回ジェリーモンの登場が、また瑠璃に置き換わっています。マンネリ化は気にしないのね。

●次回予告:「正義のヒーロー」「代償」「元の生き方に戻りたくてももう手遅れ」。後姿はトノサマゲコモン?ヒーローとは程遠いデジモンな気がするが。

(2023/1/12 記)





               もどる