デジモンゴーストゲーム第59話感想

デジモンゴーストゲーム第59話「児雷也」感想
脚本:中山智博 絵コンテ:福岡大生 演出:桐山貴央 総作画監督:金久保典江 作画監督:舘直樹、佐藤敏明、川口弘明 (2023/1/15 放映)

<あらすじ:公式サイトより引用>
とある田舎町のIT関連会社に仕事に来ていた清司郎は、そこでオタク気質の女性・相馬芽琉と知り合い意気投合する。清司郎は芽琉に誘われ、一緒に『蔵石千隊児雷也―ズ』というショーを見に行くと、そこで巨大な大蝦蟇のホログラムゴースト・トノサマゲコモンとその子分・ゲコモンと遭遇。トノサマゲコモンは、威勢よく現れた清司郎を児雷也だと思い込み、強引に自分の背中に乗せ、悪党退治に向かう。恐怖心を覚えるたびに、少しずつトノサマゲコモンの背中に飲み込まれ、身動きの取れなくなっていく清司郎。その背中には、同様に取り込まれたであろうたくさんの人間たちの顔があった。一方、芽琉から清司郎が連れ去られた事を聞いた宙達は、町へ捜索に向かうが、彼らの言動を怪しんだ芽琉が密かに尾行していた……。

●全体を見て:録画のタイトルには「-」と追加されている。
OPにディルビットモンが追加されていました、前回なかったのはネタバレ防止のためでしょう、歓喜!
自来也、児雷也は、江戸時代後期の読本に登場する架空の盗賊・忍者。明治以降、歌舞伎や講談などへの翻案を通してヒキガエルの妖術を使う代表的な忍者キャラクターとして認識された。
舞台は「寮から電車で二時間弱」の、山に囲まれた海辺の観光地。熱海や伊豆あたりか。そこは児雷也伝説ゆかりの地。町おこしで始めたヒーローもの「蔵石千隊児雷ヤーズ」に、仕事で訪れた会社がたまたま協賛していたので、メルに誘われショーを見にいくことになった清司郎。
清司郎メインでジェリーモンの究極進化回と思いきや、出ましたグルス!ここで出るか。今春終わりとすると、グルスやDWの謎が未だ解けないのには焦る。シンクロって何。伏線として宙の左耳のあざ、黒いデジモン、両親の描写、エスピの宙探しもまだ未回収なのに。伏線の未回収は本当に勘弁してほしいです。
ゲコモンは、殿が人間を背中に乗せると取り込まれてしまい、またコブシトーンでデータにされてしまい、それを救える方法も知っていたのだから、殿に愛情があるのなら盲従するのでなく最初から被害者を出さずに済むよう図らえなかったのかと残念に思う。
桐山貴央氏は、アプモン、HUGっと!プリキュアやスーパードラゴンボールヒーローズやダイ大にて演出助手をされた方。

●宙:グルスがトノゲコにとどめを刺すのを止める宙の横顔が、温厚さはどこへやら、えらくシャープな美形です!作画すげえ!他のシーンもいつになくシャープなイケメンです。何だかんだと結局宙の言う事を聞くグルスもいいですね。
騒動の終幕に、「橋渡しってこういうことなのかな?」とつぶやく。DWとは違う人間界でのデジモンの在り方をすり合わせる役目。

●ガンマモン~カノ―ヴァイスモン:「最強ナババ」がかわいいポイント。俊敏なトノゲコに、ラモールモンと連携攻撃。しかし被害者に配慮してトノゲコの体を直撃できないため苦戦。普通なら完全体相手に二体で向かえば勝てそうなのに。

●グルスガンマモン:激しくいたぶられた怒りと宙への加害から、発動。トノゲコをイボガエルと呼び一蹴。トノゲコ、根は悪くないだけに、グルスに殺されなくてよかった。「兄貴」にシンクロを求めるが断られ、おまけにゲコモンがトノゲコに埋まった被害者を開放してしまったものだから、算段が狂った。トノゲコは命拾い。「時はすぐそこに来てるぜ」と言い捨て消えた。シンクロせざるを得ない「時」とは。それを見届けた赤黒いグラウモンとは。
相変わらずセリフがいちいち挑発的でカッコイイです。

●アンゴラモン~ラモールモン:「カエルの背にカエル。われに返れば 案外 灯台下暗し」。探し求めてきた児雷也も、実は一番身近なゲコモンが適任だったとは。

●清司郎:観光地に仕事(プログラムの動作確認等)でやって来た。相馬の限定モノを見抜くアニヲタ。自身も筆入れのストラップはエルフ検定1級の人のみもらえるのを付けている。同じ趣味で、メルと意気投合。アニメだけでなく特撮も守備範囲と判明。
メルにガンマモンのことを聞かれ最新のAIホロと説明。これが伏線。
ショーに乱入したホログラムゴースト相手に、観客らの安全を思い自ら名乗り出る、責任感と勇気。天才とは言え後先考える余裕はなく、トノゲコに乗せられて。その決断により、あの人数の被害者が結果的に救われた。

●ジェリーモン:完全体相手に「ダーリンはミーのものさ~!」と向かってゆく独占欲がかわいい。

●エスピモン:宙探しでこの地へとついてくる。トノゲコに半身埋まった清司郎を発見、逃げおおせて瑠璃と合流する。またも宙探しはうやむやに。

●エアドラモン、ギンリュウモン:帰宅時にメルの家まで迎えに。単なる運び屋扱い。

●トノサマゲコモン:両生類型の完全体。殿様のちょんまげに似た触覚を持つゲコモンのアップバージョン。その発生はカラオケの採点システムが最初と言われる。必殺技はボーカルとホーンの低周波で敵の体を構成するデータを震わせ破壊する「コブシトーン」。
声はアドコロで既出の速水奨さん。お間抜けな完全体には身に余るイケボでした。
音楽に関わるエピソードは今回はなし。どういう経緯か児雷也の存在に焦がれて「本物の児雷也を乗せて、悪を成敗し懲らしめる(コブシトーンでデータに分解してしまう)正義のデジモン」を自認するという自己満足ぶり。児雷也を唯一無二の相棒と称して探し続け、逃げようとした児雷也候補を身体に埋め込んでしまうという、自覚のない暴挙。これも図鑑にはない設定で、埋め込まれた人々が実質的に人質に取られたも同じこと。自覚がない分厄介で、宙が体を張って守っていなければグルスにより大惨事となった。
ワープ進化したカノ―ヴァイスとラモールを相手に、大きな図体からは想像できぬほど俊敏に動き、被害者を体の中に擁しているためむげな攻撃は受けずに済んだ。そのうち時間制限を迎えたガンマを正義と称して激しくいたぶり、その結果グルスガンマモンの登場を招いた。
そもそもは悪を憎むデジモンで、最後にはガンマモンにいたぶった事を謝罪していたし、人間界での振舞い方を約束していたから、根っからの悪者ではないと思われる。

●ゲコモン:両生類型の成熟期。見た目の奇怪さからは想像できない心地よい鳴き声をしている。作曲ソフト内で名曲が生み出されると誕生するという噂が流れ、世の音楽関係者の間では一種のステータスシンボルとなっているという。
今回はトノゲコと同様、音楽にまつわるエピソードは特になし。トノゲコを愛しフォローする良き部下として働き、終いには回収しておいた被害者のデータをトノゲコに元に戻させるという快挙。トノゲコが一目置くこいつが話のわかる奴で良かった。「児雷也を背に乗せ悪党を一掃するのが天命」と、反省もなく駄々をこねるトノゲコを一本気と評価しており、トノゲコへの愛情が児雷也に相応しいと認められて乗ることに。成敗は、人間界のルールを守ってやってくれそう。
声は既出の松野太紀さん、セイバーズのアグモン、ゴスゲのモリシェルモンでもおなじみ。

●相馬メル:この地の会社員にして研究職。新島さんが眼鏡にロングヘアの妙齢の女性なのに、かぶったキャラを出してくる意図が不明。しかも重要な脇役なのに、かぶってないアイテムは白衣だけ。
ノートパソコンに「エルフバスターズ」のコミック特製版ステッカーと「おキツネさまっ!」の京都限定シールを張っているアニヲタ。エル検は2級どまり。
単なるゲストキャラに収まらず、騒動を起こしたデジモンの以後の監視役となるという破格の扱い。こうして、デジモンたちと共生する人間は今後増えてゆくのだろうか?
宙たちを清司郎の仲間と知り、好奇心から危険を顧みず尾行するという大胆で勇猛な性格。夜間の自由な行動から、独身で一人暮らしかと思われたが、地元の富豪なのか実は蔵だけでも三棟ある大きな敷地のお屋敷住まい。騒動が収まり、目撃していたのが明かされる。「モンスターとの生活って何だかアニメみたいで楽しそう!」って、そんな不純な動機の人に預けても大丈夫でしょうか?場所的には広さも十分だけども。
声は中尾衣里さん、大沢事務所所属の中堅さん、日芸卒。ウィキによるとクールな大人、妹キャラ、モブキャラの少年役からおばあさんまで幅広くこなす方。CMのナレーションでの活躍も多く、年相応のきれい系の女性の声も担当。

●榎田(えのた):声は既出の浅野良介さん。

●児雷也レッド:ご当地ヒーローってマイナーでしょぼいと思いきや。大人気ヒーローショーに複数のグッズ、ショーは大歓声。声は既出の服部想之介さん。

●児雷也ブルー:声は既出の橘内良平さん。

●児雷也イエロー:声は既出の宮原弘和さん。

●児雷也ブラック:声は既出の稲岡晃大さん。

●児雷也グリーン:声は既出の八木沼凌さん。

●女性:声は既出の川口桜さん。

●女性:声は既出の宇都宮千穂さん。「女性」が冒頭でひったくりに遭う女性、ゴミを車外に捨てた女性、トランクをひったくられた女性、どれなのかは不明。

●冒頭のひったくり犯、自転車泥棒、トランクのひったくり犯、警察官:クレジットはなし。

●調査ファイル:「周防の国の怪物 大蛾蟇蛙(おおがまがえる)」→江戸時代の奇談集「絵本百物語」に、周防国岩国山(現・山口県岩国市)の山奥に住む大ガマの話がある。口から虹のような息を吐き、この気に触れた虫や鳥や蛇を吸い込んで食べる。

●次回予告:雨、「落ちた雫…本当にただの水ですか?」「どんどん体の中に入り込んで」。登場デジモンはまたも不明。目や口から大量の水の噴出…グロいのは嫌です。

(2023/1/22 記)




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