デジモンゴーストゲーム第65話「黒ノ決死圏」感想
脚本:佐藤寿昭 絵コンテ:- 演出:池田洋子 演出助手:長谷川和哉 総作画監督:二階堂渥志 作画監督:北野幸広、酒井夏海、村山綾音 (2023/2/26 放映)
<あらすじ:公式サイトより引用>
世界中でデジタル機器が使えなくなる中、宙たちは帰ってきた北斗と、彼の助手のテリアモンから状況を聞く。デジタルワールドでは、原因不明の「黒い何か」が木々や水、そしてデジモンたちを次々と侵食し、デジモンたちを凶暴化させているらしい。ふるさとであるデジタルワールドに帰れなくなってしまったのかと、不安に沈み込むたくさんのデジモンたち。これまでに出会ってきた彼らの想いを受けて、宙、瑠璃、清司郎はデジタルワールドへ行くことを決意する。
●全体を見て:録画のタイトルには「-」と追加されている。
サブタイトルは「ミクロの決死圏」のパロでしょうか。
他の番組の都合で本作がこの佳境に放映休止だなんて、しかも二週、ちょっと考えられない采配です。フジさんどうなってんの?!しかも私、スポーツ関連はやるのも見るのも大嫌い(スポーツアニメなら見る)だからして癇に障ります。日曜9時はやはりデジモンでないと!フジの看板番組だと思うのになぜ。
DWの冒険は無くなったと前回書いたが、無になったのではなく荒れ果てても存在はしているという事らしい。なので冒険は可能だった。前半でDWへの旅立ち、後半でDWの異変を描いた。
一話完結ではない、せっかくの大事な回なのに、登場デジモンと人間の数がモブも含めて多すぎ、散漫な印象を持った。終わりの近さは感じたが、多ければそれだけうれしいというわけでは決してない。
無かもしれないDW、しかしゲートは開いた、その大地は荒れ果てて。宙たちがゲートからDWへ落ちる描写は無印OPを思い起こさせる。不気味に黒い荒れ地に枯れ木、黒くなり凶暴化するデジモン。前半のアイキャッチは無く、黒化する清司郎で前半が終わる。
今話のグロ大賞は、清司郎の体からあふれ出るラフレシアの花びら。死肉の外観と異臭を放つラフレシアというモチーフが衝撃的に怖いです。
雲の中には立派な都市が。そして現れたデジモンは…ブルムロードモン。
●宙:北斗のやっとの帰還に、感激もスキンシップもなくクール。
ハイ、RWとDWのピンチに、デジモンでお約束の世界救済譚がキター!
●ガンマモン:ラフレシモン相手に究極進化、しかし強い、黒化させられてなぜかグルスの声を聞く「さっきのあの声はいったい…」。こちらから望んでグルスと交信できるわけではない。
●グルスガンマモン:シリウスモンの背中に。「俺なら兄貴を…清司郎や瑠璃たち お前も助けられるぜ?」「弟だろ?兄貴たちを守ってやんなきゃなぁ…」。ラフレシモンに飲み込まれたシリウスモン、しかしそれを逆手に取り内側から何か仕掛けた模様。出現すらしてないのにこの力、何とも強い。
●瑠璃:DWへ行く動機をぴったり探しとも、豪胆。
●アンゴラモン:DW行きでも瑠璃を守ると公約。でも実質守り切れていないのは淋しい。
コンパイラ大森林が花であふれていたのを回想、コカブテリモンの集落の場所も知っており、現地に土地勘がある模様。
今回ポエムはなし。
●清司郎:DWへ行く動機は、アナログな状況ではゲームやアニメを楽しめないという極めて不純なもの、笑。
●テスラジェリーモン:操られた清司郎にはめられる最初の被害者。
●北斗:「俺も帰されちまったみたいだ」ということは、自分の意思でなくデジヴァイスの誤作動で偶然ゲートから送られたらしい。デジヴァイスでゲートを開けられるとブラテイから聞いたという事は、北斗がデジヴァイスを設定して開けられるようにしたのではない。北斗、あやつではなかったのに加え、DWで実はたいしたことやってないのか?宙の質問にろくに答えていないし。
冬支度の瑠璃に一言。DWに冬はないの?
キーパーソンがまさかの不参加なDWの冒険。宙たちは右も左も分からぬというのに、歯がゆい。本作の作り手は、どこまでも冒険に大人の協力や援助をさせたくないのか。
コタロウたちを見て、何か企みを思いついた様子、怖っ。さてどうなる。残ったからには、RWで何かしてくれそう。
●コタロウ:宙や寮長に美女は釣り合わないと思っている。てことは自身をイケメンとでも思っているのか、笑止。
●エマ・ヘインズ:まさかエマまで登場するとは。アメリカも同様にピンチとわかる情報源。忘れたので書くと、声は井上麻里奈さん。
●エスピモン~ホバーエスピモン:いやはや脇キャラから、ついには宙とべテルガンマモンを乗せて当然の如くDWへ同行するまでに。結局宙のパートナーなの?違うの?
●マミーモン:デジモンだけでなく人間の診察も普通にできることを再確認。
●クロックモン:黒い侵食に、自分としては打つ手がない模様。
●エアドラモン、ギンリュウモン:運搬役で、屋上で待機。DWには連れて行かないのね。
●バクモン:ボコモンの嘘を告白、全容解明の一助に。
●ボコモン:生前に、時期尚早との判断。今、時は来た。
●テリアモン:図鑑によると謎に包まれた獣型の成長期。体構造から獣系のデジモンと分類できるが、どんな進化形態を下手のかは依然不明という。非常に可愛らしく、ゆったりした行動からはとても戦闘種族としてのデジモンを実感する事ができないが、戦闘の際には、見た目以上のパワーを発揮するという。
いかなる経緯か、北斗の助手を自称。人間がゲートをくぐるのにデジモンと一緒なら大丈夫と。あやつの詳細は知らぬようだが居場所をコンパイラ大森林と知っていた。ちなみにコンパイラとは「コンピュータ・プログラミング言語の処理系の一種で、高水準言語によるソースコードから、機械語または低い水準のコードに変換(コンパイル)するプログラム」のこと。難しくて分からぬが、要はコンピュータ関連の専門用語。
ジュースのことを「あの冷たくて甘い水」と。DWにはジュースのデータに名はないんでしょうか、飲んではいるのに。
声は多田葵さん、お帰りなさい!やっぱりテリアモンはこのお声でないと。北斗の声がインプモンなので、テイマーズキャラの思わぬ共演が聴けてうれしい。
●ウパモン:声は後藤恵里菜さん。
●フローラモン:他にラブラモン、クネモン、ポテモン、ピッコロモン、ガワッパモン、マッシュモン、キンカクモン、ベツモン、
●クズハモン:突如現れ「わが巫術で閉じてしまったデジタルへ穴を開ける。そこにゲートを開け」と助力に来た究極体。バクモンによれば「力業」的な手段、それほど事態は深刻で選択肢が無いという事。巫女姿がなかなか良かった。忘れるので書く、声は浅野まゆみさん。
●ブラキモン:ブラキオサウルスの様な、首長竜型の完全体。巨体だが草食性で大人しく、むやみに攻撃してくる事はないのが本来の姿。声は既出のボルケーノ太田さん。
●クワガーモン:昆虫型の成熟期。
●ラフレシモン:DW最大の花と言われる妖精型の究極体。美しい容姿だがとてつもない異臭を放つ。ラフレシモンとして生きられる時間は数日で、活動を停止する。そのため見られることが稀で「奇跡の花」と呼ばれる。そんな境遇でも死に悲観することなく最期まで普通の生き方を求め優雅に振舞い続ける。必殺技は、袖からキャノンを撃つ「バレエガン」。体に舞う大きな花びらがリフレクターとなり反射して敵を逃がさない。更に身体から放つ鱗粉「ウィスレン」。鱗粉が付着すると意識を失い配下にされてしまうという。
短命であるから、進化してすぐに黒化に巻き込まれた模様。
ウィスレンでまず配下にされたのが清司郎。これが予告のあれか。そしてテスラジェリーモン、瑠璃組、宙、ホバーエスピモン。凶悪化したラフレシモンは優雅とは程遠く存大で高圧的、他の生命体を花にして食らうことで永遠の生命を希求する身勝手な存在。あやつではない模様。
ついにはシリウスモンをも花にして食い力を得たかと思いきや、おそらくはグルスの何か尽力があり、花たちは吐き出されラフレシモンは生命への執着を口にしながらまさかの消失。
声は渡辺明乃(あけの)さん、大沢事務所所属、自らを僕と称するボクっ娘だという。作品の中だけでなく、ボクっ娘は実在するんですね~驚き。性的マイノリティーとか関連あるのかな??シンカリオンのスザクなどで出演。
●コカブテリモン:小柄だが力持ち、温和な性格の昆虫型の成熟期。雲に近づくと、頭の中に奇麗な声が聞こえるのだと。声は既出の草野太一さん。
●コカブテリモン:森のずっと先に、強い風でも動かぬ雲があるという。声は既出の川口桜さん。
●セーバードラモン:巨鳥型の成熟期。声は高塚正也さん。意外な再登場。ダークリザモンはやられてしまったと。
●ブルムロードモン:植物が甲冑をまとった妖精型の究極体。大きな都市の番人をしているよう。詳しい記述は次回に譲ります。声は池田秀一さん、東京俳優生活協同組合所属。言わずと知れたシャアの声優さん。日芸映画学科中退。元妻は戸田恵子さん、現在の妻は玉川砂記子さん。一瞬、塩田ヒロカズの玉木有紀子さんと混同しちゃいました。
●ラジオ音声:報道陣は「正体不明の生物らしきもの」との認識。他サイトによると、ヒポグリフォモン、ジャンボガメモンという。声は既出の蟹江俊介さん。
●寮生:声は既出の橘内良平さん。
●調査ファイル:ラフレシモンの語源であるラフレシアの解説。東南アジア島しょ部とマレー半島に分布するラフレシア科ラフレシア属の全寄生植物。多肉質の大型の花をつけるものが多く、中でもラフレシア・アルノルディイの花は直径90センチにも達し、世界最大の花として知られる。死肉に似た色彩や質感のみならず、便所のような腐臭を発し、送粉者のハエを誘引する。開花に2年かかるが咲いたら約3日で枯れるので、目にするのは難しいという。
●次回予告:「体に根を張り…養分を吸い取る」「決して超えてはならない一線」「恐怖がさらなる恐怖を」。今話で明らかとは言え登場デジモンが明示された珍しい予告。しかしブルムロードモンでなく「漆黒竜」とは?ゴーストナビゲーターはラスボスかというネットの予想は果たしていかに。
(2023/2/28 記)