デジモンゴーストゲーム第66話感想

デジモンゴーストゲーム第66話「破滅ノ漆黒竜」感想

脚本:十川誠志 絵コンテ:畑野森生、宍戸望、福岡大生、中村明博 演出:宍戸望 総作画監督:西野文那 作画監督:小澤誠、篠塚超、澤木巳登理、大西亮、大山康彦、二階堂渥志 (2023/3/19 放映)

<あらすじ:公式サイトより引用>
一連の怪現象の鍵を握る謎の者がいるという空中古代都市。そこに到着した宙たちの前にブルムロードモンが立ちはだかり、中には入れないと言い、究極進化したガンマモンたちと激しいバトルに及ぶが、ガンマモンに戻ってしまった彼はグルスに進化、さらに凶暴なレグルスモンに進化してしまった。
だがその時、何者かの仕業で宙たち一同はインナースペースに飛ばされ、宙が一計を案じた事で、何とレグルスモンとカノ―ヴァイスモンが別々の体として分離する。ところが、黒い因子GRBの力によりレグルスモンは異常に強く狡猾で、シリウスモンと互角に戦ったどころか罠を仕掛け、シリウスモンに致命傷を与えてしまうのだった……!

●全体を見て:録画のタイトルには「-」と追加されている。
ラスボスはDWからデジモンを避難させていた声の主かと思いきや、黒化を進めたグルス~レグルスモンでした!宙がピンチの時に複数回結果として救ってくれた奴が、いい奴という印象を残しつつ黒幕というのはどうも違和感が残ります。
バトルに次ぐバトルでバタバタしている。メイン中のメインたるシリウスモンが、今までも含めて経験値が浅くいまいち弱いのはかなり悪印象。メインヒーローたるべき彼にこそビシッと決めてほしいのに。(ただ、図鑑によるとまだ隠し球が…「シルヴィアが破壊されたとしても拳に生命エネルギーを込める切り札「プラネイトナックル」を隠し持つ」。次回使うのでしょうか。)
それと、最終話前話にもかかわらず、伏線の回収の見込みが立たないのは大問題です。
★声の主が誰なのかどういう経緯でそうなったのかいまだ不明
★どういう経緯で暗黒進化し、レグルスモンがラスボスとなったのか詳細不明
★レグルスモンは究極体に進化するのか
★監視していた様子の黒デジモンは何だったのか
★北斗が何の目的でDWへ行き何をしていたのかよくわからない
★宙の母は今のところ単なる脇役で名前さえ出ない
★DWと人間界の平和はどうやって獲得するのか、最終話前話なのに全く見えない
★エスピモン、リュウダモン、テリアモン、その他の味方デジモンの来歴やその後の処遇が中途半端
★宙の左耳のあざは何?ガンマモンの噛み癖と関係が?
★アオイとミカのその後が不明、あと新島さんとか…
★中学生が冒険しているのに瑠璃、清司郎の家族が全く出てこないのは不自然
★DWと人間界の平和を取り戻す見通しが立っていない
絵コンテが4人、原画に篠塚超さん、香川久さんの名も。力入ってます。

●宙:「どうしてデジモンたちを送り込んでいたのか デジタルワールドで何が起きているのか
俺たちに何ができるのか 会って話を」。まずは話し合いを、という宙の得意なアプローチはブルムロードモンに拒絶され。
ブルムロードモンの究極の必殺技「グラン・デル・ソル」に、完全体レグルスモンは「グラントレース」で対抗するも左の角を折られる。そこでシンクロを持ちかける宙!「何たくらんでやがる?」とその真意を疑うも結果新たな力を求め賛同するレグルスモン。それは宙の策略だった。ガンマモンの微弱な反応を感じ取ってのこと。ひと芝居売ってレグルスモンとシンクロすることで消えそうなガンマモンにエネルギーを送るという壮大な賭け。

●ガンマモン:何だか進化に退化に白に黒に、忙しくてわさわさ雑然とした印象。
謎の声が分身たるグルスガンマモンだという自覚はなし。追い詰められて暗黒進化。主役が消えちゃうはずないとは思ったけど焦りました。宙の一か八かの賭けにて、分離復活したカノ―ヴァイスモン。レグルスモンは「やっと取り戻した俺の体を…」と言ってるから、もともとはグルス~レグルスが本体だった、白いガンマモンは後付けだったってことか?

●グルスガンマモン:ブルムロードモンに緊縛されピンチのガンマモンに言い寄り、暗黒進化。この演じ分けがすごい。グルスは出るととりあえずいちいち言動が挑発的なのでワクワクします。
GRB(グルス レルム バースト Gulusu Realm Burst )レルムとは君主の支配する共同体や領土、王国。バーストとは爆発、破裂。清司郎の発言にて説明「黒い染みの侵食が爆発的に広がるって意味?」。更にレグルスモンが「デジモンたちの生存本能と闘争力を高めんだよ」。過去に成熟期ながら完全体を倒したほどの力があるが、レグルスモンは更に強い。
「もうとっくにそのときは来てたんだよ」ええ、そうなんですか?思わせぶりにしといて、いきなりじゃありません?

●レグルスモン:怒りと恐怖による支配を目論む邪竜型の完全体。図鑑によると最凶と謳われるメギドラモンを彷彿とさせるパワーを誇り、その出現は災害に他ならない。その身体はGRBと呼ばれる感染源であり、GRB因子が感染したデジモンは性格が変わり狂暴化する。ただし、黒化の要因とされる分泌物ブラックデジトロンが混入したデジモンには感染が確認されていない。(←注:ここちょっと意味ワカリマセン)。必殺技は、左腕の盾が大きく開口して敵をかじり取る「カリプバイト」、盾から放つ3門の貫通レーザー「ゲニアス」、二叉の尻尾が刺し貫く「デッドエンドスパイク」。そして最大の脅威「グラントレース」は口から暗黒の獄炎球を放ち、物質だけでなく光さえも飲み込み消し去る。
GRBをDWに密かに残しておき、黒い浸食が進んでいくのを待っていた模様。その狡猾さ。
「この世には2択しかねえ。食うか 食われるかだ!」弱肉強食が信条。「そんな世界を生き抜く新たな進化を手に入れたやつらでなあ 俺の軍団をつくんだよ。全てを食らう無敵の軍団をなあ!」。その世界観は悪辣、悪党そのもの。
北斗はレグルスモンについてどこまで知っていたのか、なぜガンマモンの奥に潜んでいたのか、なぜそういう世界観を持つに至ったのか、正直わからないことだらけ。その異常な強さは迫力あり魅力的だけども、最終話前話にいきなりこれを出してきた意図を測りかねる。
ディルビットモンとアンフィモンも拘束を解かれ、シリウスモンとの合流で究極体三体を相手に交戦。「ちょいと負けてるふりすりゃ すぐ引っ掛かりやがる。フフフ…ハハハハッ…!」レグルスモンが弱みを見せたのは策略で、「ゲニアス」でアンフィモンをかばったシリウスモンを直撃。シリウスモンの体躯に大きな穴が開いてしまう、敗北か…。これが最終話前話のラストシーンという、何ともはや身もふたもないヒーロー;

●瑠璃組:究極進化したが拘束され、レグルスモンに騙され、いいとこなし。

●清司郎組:同上。

●ジェリーモン~アンフィモン:「お尻ペンペンよ!」って、幼な子相手じゃあるまいし。やっぱりこのキャラの言語センス、私にははイタいです。

●北斗:寮生を二手に分けて、難民デジモンの悪さを人間からのただの声掛けで止めようという大雑把な計画。あの含み笑い、何かもっと手段があるのかと思ったら何の事はない。

●コタロウ、理久:AIホロではない、デジモンという存在を認識。何の手も無いのに、北斗に送り出された災難な人たち。

●ホバーエスピモン~エスピモン:宙の足になっていたが交戦の末退化。

●セーバードラモン:早々に避難。出てきた意味あったのかな。

●テリアモン:前話の助手という説明以外何の掘り下げもない。

●クロックモン:エアドラモンに乗り、デジモン難民のカオスと格闘。もうすっかり、人間界の秩序の維持に貢献する心強い味方デジモン。
いちキャラとして、運び屋ばかりさせられるエアドラモンには同情する。

●マミーモン:売り物を食べてしまうピョコモンを注意。ここにも人間界のルールを全く知らぬ難民デジモンのカオス。

●ブルムロードモン:植物が甲冑をまとった妖精型の究極体。図鑑によると、自然を守るために戦う心やさしい騎士。肩の花から太陽光を吸収しエネルギーを蓄える。限界までエネルギーが高まった時の力は、ロイヤルナイツにも匹敵すると言われる。どんな悪天候も晴天に変える能力があり、屋外では有利な戦場を作り出せる。必殺技は左肩の花弁から無数の種子を機関銃のように撃ち出す「マルチプルシード」と、右手に備えた花の槍で敵を貫く「スプラウトラッシュ」、花の槍が開花した時のみ中から現れる巨大な光の剣で極太のビームを放つ「グラン・デル・ソル」。
「これまで黒く侵蝕されたデジモンを、何体も倒してきたのだ!」それだけの著しい強さを持つデジモン。ガンマモンの中に「黒きもの」「漆黒の覇王」を感じ、成敗しようと。
彼の親玉たる声の主は、悪意などなく本当にデジモンたちを危険なDWから救おうとしていたと判明。てことは味方?(それにしちゃあ、送り込んだはいいが人間界の混乱のことを全然考慮してないのってDWの長としてどうよ;)でも声の主に会わせる気はないよう。ただ「あしき者ではないようだ」と認識を改めてくれた「ただ まだ味方になったわけではない」そりゃあ番人だもの、慎重で然るべき。
究極体をいとも簡単に蔓で緊縛プレイ。自らは痛手を負い、清司郎組と瑠璃組の使命感に、拘束していた蔓を解除するブルムロードモン「ゆけ」。カッコいい~
レグルスモンとの交戦は劣勢、究極体なんだし、次回どうなるか。

●謎のデジモン:声は早見沙織さん、アイムエンタープライズ所属の大人気声優さんにして歌手。やばいほど多数のメインキャラを張っておられる。個人的には「魔法科高校の劣等生」司馬深雪、BORUTOのヒマワリなどが印象的。ここで投入するだけの大物さん。
宙たちが放り出された宇宙チックな亜空間は「おそらく彼ら二人の内なる世界…」。それを理解しているという事は、相当格上の特別なデジモンと思われる。ブルムロードモンは「この世界を見据えより良き未来へと導かんとする素晴らしきあのお方」と信望。しかし名前すらまだ分からぬって次回どういう展開か不安だ。

●チューモン:獣型の成長期。声は既出の角倉英里子さん。

●ゴグマモン;唸り声のみ、クレジットはなし。

●ピョコモン:球根型の幼年期Ⅱ。声は蜜蜂ほのかさん、青二プロジュニア枠。お珍しい苗字ですね、覚えちゃいました。店頭でただ食いしていた。

●男性:声は既出の八木沼凌さん。

●女性:クレジットはなし。

●(総菜屋?の)店主:声は既出のボルケーノ太田さん。

●(ユキミボタモンに憑りつかれた)女の子:声は既出の水希凛さん、松田祐佳さん。

●調査ファイル:今回はお休み。

●次回予告:短い予告。「いつまでも一緒にいられるなんて夢なんでしょうかね?」生気のないガンマモン…悲しいお別れ?!最終話がこのサブタイトルって何事?!

(2023/3/23 記)





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