デジモンアドベンチャー第50話感想

デジモンアドベンチャー第50話「女の闘い!レディーデビモン」感想

脚本:前川淳 演出:角銅博之 作画監督:信実節子 美術;飯島由樹子

タイトルコールとシルエットはレディデビモン。赤と黄の背景が迫力がある。

●丈:シン兄さんの「自分の道は自分で見つけるんだ」が深く胸に刺さっている。それは丈に当然、離れることを選んだヤマトを連想させた「ヤマト、君はもう見つけたのかい? 自分の道を」。丈が仲間の中で何より気がかりなのは、ヤマトの行方。ヤマ丈、丈ヤマ派の萌えポイント。丈は決意する「僕は、ヤマトを追ってみるよ」。「みんな、自分の道を行こうよ」、「僕には僕にしかできないことがあると思うんだ。きっと、ヤマトもそれに気づいたんだよ。だから、僕はヤマトの後を追う」太一がリーダーにふさわしいように、先輩も見つけたんだね自分の道。将来医師になるかどうかはともかくとして、今現在自分の行くべき道を。戦力に限りがあっても、仲間に寄り添い、やさしく誠実であること、それが丈の成長。「いいに決まってんじゃない、丈がそう決めたんだもん」という全肯定のゴマモンの言葉、骨があるじゃないかと評したオーガモンの言葉もうれしい。

●ミミ:その純真さが周囲の心を動かした。汚物系に好かれるという相反性も、終盤にきて美少女らしい扱いに変わっている。ミミの美貌と純真は、男性一般の心を魅了するに十分。ただこのシーン、私は丈ミミ派でないので、ミミへの好意というより「好感」程度の感情だと把握している。制作の初めの段階で丈ミミという線があったらしいけど、そうでなくなり良かったと私は思う。丈先輩には、ドジを陰から支えてくれる控えめな思慮深い女性が似合うと思う。ミミのわがままに振り回されるのはかわいそう。スタンダードな塩コショウ派の丈先輩にとってミミの料理(味覚)も合わないし。一方ミミには、どんなわがままにも驚かないどころかおもしろがってくれるくらいの寛大で経済的にも精神的にも余裕のある男性のが幸せだと思う。丈先輩を気遣ってのびのびできないんじゃかわいそう。2人のどっちもいいと思うから、そう思う。

●ヒカリ:スパイラルマウンテンで、ヒカリとタケルはヌメモンの墓に再生への祈りを捧げる(はじまりの街が機能してないことまだ知らないので)。ただこのお墓、おっぱいに見えてしょうがないんですけど私;三層が乳房と乳輪と乳首に見える。変態ですか?汗。ヌメモンの墓づくりとお祈り、それは失った命の重さを受け止めて前に進むために必要なグリーフワークの一つ。太一と空は加わらず年少のヒカリとタケルだけで祈っているのは、幼いほうがトラウマが深いのと、太一・空・光子郎は対ピエモン戦で頭がいっぱいで余裕がないので湿っぽい行為はあえて年少者に任せたのだと思う。

●太一:ナイトメアソルジャーズ軍団最初の刺客・レディデビモン。カブテリモン、バードラモン、エンジェモン、エンジェウーモン、アンドロモンが応戦するが、太一はアグモンを待機させ光子郎にレディ―デビモンについて調べてもらう。完全体、何とかなる。太一は、ピエモンに備えてアグモンを温存し、空とタケルにヤマトたちを探しに行くよう言う。この戦略、洞察力、決断力、リーダーとして成熟したんだね。「サッカーとおんなじなんだよな。ヤマトやミミちゃんや丈がいなくなって、わかったんだ。がむしゃらに戦うだけじゃ、ダメだって。これ以上、犠牲を増やさないためにも」。一行の分裂で太一が学んだこと。いつ出てくるかもわからぬ究極の強さのピエモン。戦力の双頭・ヤマトとガブモンの帰還を信じて、自分とアグモンが盾になる悲壮な覚悟には胸が痛む。流れるのは、例の必殺風の曲。もう他に手はない。

レディデビモンが敗れたところで、いよいよピエモン様ご登場。単眼鏡で確認し、アグモンに進化を指示。さて、ヤマトはじめ皆は間に合うのか、ナイトメアソルジャーズ最後の刺客との決戦は始まろうとしている。太アグ、がんばれ!どうか皆集結してくれ!ここで流れる悲壮な曲も、歌と音楽集に未収録。ピエモンのにらみ笑いで幕切れするので、次回が非常に気になる。

●空:空とタケルは出発する「さっきの太一の言葉、必ずヤマト君やミミちゃん、丈先輩に伝えてくる」。責任重大、それがのちに空を追い詰めることに…

●光子郎:スパイラルマウンテンの3D画像の表示に成功、さすが。「怒ると怖いんですね、女の人って」と、太一とともにドン引き、笑。母親が怒ることのない温厚な性格だから、見慣れないのだろう。

●ヤマト:肌身離さず持っていた大切なブルースハープを落としたからには、何か危険があったのかと気になる。楽器を見て、丈がすぐヤマトのだと気づくのも丈ヤマファンの萌えどころ。ここでもスワンボートがあった、シュールな設定。それを漕いでいたのはヤマトに違いない。流れるのはSevenのインスト版。丈「僕はヤマトを追ってみるよ」。

●アンドロモン:飛んで移動した太一らとどこかで合流した模様。前回に続いて、今回は光子郎のパソコンとつないで地面から情報収集、かっこいい。

●エレキモン:はじまりの街の世話係だったので、街が悲惨にも化石化して、デジタマと役割を奪われ、気落ちしていた。一番気にしていたのはやはりタケルとパタモンのその後。ダークマスターズを倒さぬ限り街は元に戻らないからとの誘いに最初は驚いていたが、タケパタも戦っていると聞いて参加を決断。持ち前の元気が戻ってよかった。

●レディデビモン:強力で高貴な存在の堕天使型の完全体。必殺技は、コウモリのような暗黒の飛翔物を無数に放って焼き尽くす「ダークネスウェーブ」、相手の持つパワーをダークエネルギーに変え敵を内から滅殺する「プワゾン」。デジモンに性別はないというのが基本的な設定だが、「女性型」と公式に言ってしまっているからには、そういうデータのデジモンなのだろう。

一行を「かわいい坊やたち」呼ばわりするいけ好かない輩。ダークアダルトビューティーが、一行のうら若い女性陣には超不評(空とヒカリ、すごい目つき、笑)。レディーデビモンとエンジェウーモンの闘いは、双方美形ゆえ余計に凄まじい。ロングヘアをつかんで振り回したり、ビンタの連続など、これは大した見もの!驚く男子をしり目に、ヒカリまで、やっちゃえやっちゃえと。女同士のケンカってまじ怖い!最後にピエモン様の名を叫んだのが哀れで美しい。

●エンジェウーモン:天使型と堕天使型、レディデビモンへの対抗意識がすごい!加勢したアトラーカブテリモンが邪魔者扱いされるほどで「ちょっとジャマ、早くどいて」「あ、えろうすんません」;;ついには、ヘブンズチャームでエンジェウーモンの勝利に終わる。応援していたヒカリも満足げ。女って怖い;

●ピエモン:今度は別の仕様のグラスに茶色の液体、ワインでなくブランデーですか、細やかな描写。デジモンワールドにもそんなにお酒があるのは驚き。飲酒して、余裕かましてます「失礼のないようにな、最上級のおもてなしをしてやれ」。そのグラスに映るのはレディデビモンの赤い瞳。二人のやりとりに、アダルトな雰囲気が出ていてぞくぞくする。

●メラモン、ユキダルモン:仲間集めの旅で加入したよう。着実に仲間は増えているのは頼もしい。冷やしたり焼いたり、使い勝手?の良いデジモン、笑。

<レディデビモン:永野愛さん>ブックスロープ所属。「キューティーハニーF」のオーディションで主役に抜擢されたのがデビュー作という華やかな経歴。「タッチ」「めぞん一刻」などを見て声優を目指したという。テイマーズの李小春、どれみの玉木麗香もおなじみ。デジモンシリーズでは、菊池正美さんに次いで出演が多かったはず。

次回予告:ナイトメアソルジャーズ最後の刺客・ピエモンとの決戦に一人臨みボロボロになるウォーグレイモン。どうか早く皆、集結して!

2025.7.26. 記

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